カオス
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カオス | |
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配偶神 | なし |
親 | なし |
兄弟 | なし |
子供 | タルタロス、ガイア、エロース、エレボス、ニュクス |
ギリシア神話 |
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主な原典 |
イーリアス - オデュッセイア 神統記 - 仕事と日 イソップ寓話 - ギリシア悲劇 ビブリオテーケー - 変身物語 |
主な内容 |
ティーターノマキアー ギガントマキアー アルゴナウタイ テーバイ圏 - トロイア圏 |
オリュンポス十二神 |
ゼウス - ヘーラー アテーナー - アポローン アプロディーテー - アレース アルテミス - デーメーテール ヘーパイストス - ヘルメース ポセイドーン - ヘスティアー (ディオニューソス) |
その他の神々 |
カオス - ガイア - エロース ウーラノス - ティーターン ヘカトンケイル - キュクロープス ギガンテス - タルタロス ハーデース - ペルセポネー ヘーラクレース - プロメーテウス ムーサ - アキレウス |
主な神殿・史跡 |
パルテノン神殿 ディオニューソス劇場 エピダウロス古代劇場 アポロ・エピクリオス神殿 |
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カオス︵古希: Χάος[1]︶とは、ギリシア神話における原初の神である。
概要[編集]
主神ゼウスをはじめとするギリシャ神話体系における原初の神であり、全ての神々や英雄たちの祖にあたる。 オルペウスによれば、このカオスは有限なる存在全てを超越する無限を象徴しているという。 カオスの名は﹁大口を開けた﹂﹁空︵から︶の空間﹂の意味を持つ[2]。 配偶神はおらず、奈落のタルタロス、大地のガイア、愛と欲望のエロース、暗黒のエレボス、夜のニュクスを生み出した。神統記における記述[編集]
ヘーシオドスの﹃神統記﹄によれば、世界の始まりにあって存在した原初の神である。世界︵宇宙︶が始まるとき、事物が存在を確保できる場所︵コーラー︶が必要であり、何もない﹁場﹂すなわち空隙として最初にカオスが存在し、そのなかにあって例えば大地︵ガイア︶などが存在を現した。また、ヘーシオドスはカオスのことをカズム︵裂け目︶とも呼んでいる[3]。カオスの生成に続いてガイア︵大地︶が生まれ、次に暗冥の地下の奥底であるタルタロスが生まれた。また、いとも美しきエロース︵原愛︶が生まれた。しかし、これらの原初の神々はカオスの子とはされていない[4]。カオスより生まれたものは、エレボス︵幽冥︶と暗きニュクス︵夜︶である。更に、ニュクスよりアイテール︵高天の気︶とヘーメレー︵ヘーメラー・昼光︶が生まれた[5]。世界はこのようにして始まったと、ヘーシオドスはうたっている。影響[編集]
小惑星カオスはカオスにちなんで名付けられた。脚注[編集]
(一)^ 古代ギリシア語ラテン翻字: Chaos
(二)^ 里中満智子・名古屋経済大学助教授西村賀子解説 ﹃マンガギリシア神話1オリュンポスの神々﹄ 中公文庫、2003年。以下は同書の参考文献。
●K・ケレーニイ ﹃ギリシアの神話-神々の時代﹄ 植田兼義訳、中公文庫、1985年。
●呉茂一 ﹃ギリシア神話 上・下﹄ 新潮文庫、1979年。
●串田孫一 ﹃ギリシア神話﹄ 筑摩書房、1961年。
●山室静 ﹃ギリシャ神話 付北欧神話﹄ 現代教養文庫・社会思想社、1963年。
●T・ブルフィンチ ﹃ギリシア神話と英雄伝脱 上・下﹄ 佐渡谷重信訳、講談社学術文庫、1995年。
●D・ベリンガム ﹃ギリシア神話﹄ 安部素子訳、PARCO出版、1993年。
●F・ギラン ﹃ギリシア神話﹄ 中島健訳、青土社、1982年。
●﹃ギリシア神話物語﹄ 有田潤訳、白水社、1968年。
●高津春繁 ﹃ギリシア・ローマ神話辞典﹄ 岩波書店、1960年。
●L・マルタン監修 ﹃図説ギリシア・ローマ神話文化事典﹄ 松村一男訳、原書房、1997年。
●水之江有一編 ﹃ギリシア・ローマ神話図詳辞典﹄ 北星堂書店、1994年。
●村川堅太郎編著 ﹃世界の文化史跡3ギリシアの神話﹄ 高橋敏撮影、講談社、1967年。
●﹃ATENES THE CITY AND ITS MUSEUMS﹄ Eldptike Athenon S.A.、1979年。
●Piero Ventura&Gian Paolo Ceserani ﹃TROIA L'avventura di un mondo﹄ Arnoldo Mondadori Editore、1981年。
(三)^ ヘーシオドス ﹃神統記﹄。
(四)^ ﹃神統記﹄116-122行。
(五)^ ﹃神統記﹄123-125行。