セロニアス・モンクのいた風景
表示
セロニアス・モンクのいた風景 | ||
---|---|---|
著者 | 村上春樹、ロレイン・ゴードンほか全13名 | |
訳者 | 村上春樹 | |
イラスト | 和田誠、安西水丸 | |
発行日 | 2014年9月26日[1] | |
発行元 | 新潮社 | |
ジャンル | エッセイ | |
国 |
![]() | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 上製本 | |
ページ数 | 303 | |
コード | ISBN 978-4-10-506312-2 | |
|
﹃セロニアス・モンクのいた風景﹄︵セロニアス・モンクのいたふうけい︶は、アメリカのジャズ・ピアニスト、セロニアス・モンクに関する文章を小説家の村上春樹が選び、翻訳し、また自身のエッセイも収めた書籍。
2014年9月26日、新潮社より発売された︵奥付の日付は10月10日︶[1]。装丁は和田誠。4つあるカバーの絵のうちは3つは和田の絵で、ひとつは安西水丸の絵である。もともとは安西が表紙を担当することになっていたが、2014年3月19日に急死したため、和田が描くことになった。表紙の絵の中でモンクにハイライトを差し出しているのは若き日の安西水丸。これは安西が実際に体験したエピソードを元にしている[2]。なお、ハイライトのパッケージをデザインしたのも和田誠本人である。
内容[編集]
セロニアス・モンクのいた風景/村上春樹 ﹃ポートレイト・イン・ジャズ﹄︵新潮社、1997年12月︶に収められた﹁セロニアス・モンク﹂の項に加筆したもの[3]。 この男を録音しよう!/ロレイン・ゴードン 自伝﹃アライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード﹄からの抜粋。Monk (Lorraine Gordon) それからゾンビ・ミュージックがやってきた/メアリ・ルウ・ウィリアムズ ﹃メロディー・メーカー﹄1954年5月8日号に掲載された文章からの抜粋。Then Came Zombie Music (Mary Lou Williams) マッド・モンク/メアリ・ルウ・ウィリアムズ ﹃メロディー・メーカー﹄1954年5月22日号に掲載された文章からの抜粋。The Mad Monk (Mary Lou Williams) ビパップ・ハリケーンの目/トマス・フィッタリング 伝記﹃セロニアス・モンク﹄からの抜粋。The Eye of the Bebop Hurricane (Thomas Fitterling) 彼のすべての曲は歌えたし、スイングできた/スティーブ・レイシー トマス・フィッタリングが著した上記の伝記のために書いた序文。Introduction to Thomas Fitterling, Thelonius Monk: His Life and Music (Steve Lacy) 通常のピアニストがまず行かない場所に/ナット・ヘントフ ﹃ザ・ジャズ・ライフ﹄︵1961年︶からの抜粋。The Jazz Life (Nat Hentoff) モンクと男爵夫人はそれぞれの家を見つける/デヴィッド・カスティン パノニカ・ド・コーニグズワーターの生涯を描いた伝記﹃ニカの夢﹄からの抜粋。Monk and the Baroness Each Find a Home (David Kastin) ジャズという世界でしか起こりえなかったものごと/ダン・モーゲンスターン 1960年に﹃ジャズ・ジャーナル﹄に掲載された。An Evening with Monk (Dan Morgenstern) モンクとコルトレーンの夏/ベン・ラトリフ ﹃コルトレーン﹄からの抜粋。excerpts from Coltrane: The Story of a Sound (Ben Ratliff) いちばん孤独な修道僧︵モンク︶/バリー・ファレル ﹃タイム﹄1964年2月28日に掲載された記事。The Loneliest Monk (Barry Farrell) ブラインドフォールド・テスト/レナード・フェザー ﹃ダウンビート﹄1966年4月21日号に掲載された。インタビュアーはレナード・フェザーで、セロニアス・モンクが答える。 ブラインドフォールド・テストとは﹁ミュージシャンに演奏者名を伏せてレコードを聴かせ、感想を聞いたり、採点させたり、演奏者を当てさせたりするテストのこと﹂[4]。Blindfold Test (Leonard Feather) セロニアスが教えてくれたこと/オリン・キープニューズ アルバム﹃コンプリート・リヴァーサイド・レコーディングズ・オブ・セロニアス・モンク﹄︵1987年︶の添付ブックレットに収められた文章。Theronious and Me (Orrin Keepnews) セロニアス・モンクの人生の一端となること/ジョージ・ウィーン 自伝﹃いろんな人々、とりわけ私自身﹄︵2003年︶からの抜粋。excerpts from Myself Among Others: A Life in Music (George Wein) 私的レコード案内/村上春樹 文末で村上は﹁ほとんど完璧に近い音楽﹂を三つ挙げている。それは、﹃Miles Davis All Stars vol.1﹄︵1954年録音︶に収められた﹁バッグズ・グルーヴ﹂テイク1のモンクのアドリブ部分と、クララ・ハスキルがフリッチャイの伴奏指揮で演奏したモーツァルトの第27番協奏曲の第二楽章と、ビリー・ホリデーがレスター・ヤングをバックに歌う﹃君微笑めば﹄[5]だという。脚注[編集]
(一)^ ab“村上春樹/編・訳 ﹃セロニアス・モンクのいた風景﹄ | 新潮社”. www.shinchosha.co.jp. 2014年11月10日閲覧。
(二)^ 追悼特集が組まれた﹃週刊朝日﹄2014年4月18日号で、村上はこう書き記している。﹁最後に水丸さんに仕事をお願いしたのは、亡くなるつい数週間前のことだった。夏頃に﹃セロニアス・モンクのいた風景﹄という単行本を出すことになっていて、その表紙のモンクの絵を彼に描いてほしかった。︵中略︶ ﹃モンクにハイライトをあげたのは、たぶん僕くらいだよね﹄と嬉しそうに水丸さんは電話で語っていた﹂
(三)^ 大幅に加筆されたが、﹁後期のものでは "Underground" がすごく好きだったけれど﹂という文章は削除された。
(四)^ 本書の208頁の記述より。
(五)^ ﹃ポートレイト・イン・ジャズ﹄︵新潮社︶に収められたビリー・ホリデイの項で村上はこう書いている。﹁ビリー・ホリデイの優れたレコードとして僕があげたいのは、やはりコロンビア盤だ。あえてその中の一曲といえば、迷わずに﹃君微笑めば﹄を僕は選ぶ。あいだに入るレスター・ヤングのソロも聴きもので、息が詰まるくらい見事に天才的だ﹂
関連項目[編集]
- ポートレイト・イン・ジャズ (村上春樹と和田誠の共著)
- ポートレイト・イン・ジャズ2 (村上春樹と和田誠の共著)