ねじまき鳥クロニクル

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ねじまき鳥クロニクル
著者 村上春樹
発行日 第1部: 1994年4月12日
第2部: 1994年4月12日
第3部: 1995年8月25日
発行元 新潮社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 第1部: 308
第2部: 356
第3部: 492
コード 第1部: ISBN 978-4-10-353422-8
第2部: ISBN 978-4-10-353423-5
第3部: ISBN 978-4-10-353425-9
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ねじまき鳥クロニクル』(ねじまきどりクロニクル)は、村上春樹の8作目の長編小説

ノモンハン事件当時の壮絶な皮剥ぎリンチのシーンが話題を集めた。

概要[編集]

本作品は3つのパートから成る。

タイトル 出版社 出版年月日 備考
第1部 泥棒かささぎ編 新潮社 1994年4月12日 新潮』1992年10月号 - 1993年8月号に掲載された。
第2部 予言する鳥編 新潮社 1994年4月12日 書き下ろし
第3部 鳥刺し男編 新潮社 1995年8月25日 書き下ろし

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泥棒かささぎ」序曲 ロッシーニが1817年に作曲したオペラ「泥棒かささぎ」の序曲。主人公がFMラジオをつけるとアバド指揮ロンドン交響楽団が演奏するこの曲がかかる。
ハーブ・アルパート 米国のトランペッター、作曲家。ジェリー・モスとともにA&Mレコードを創設した。加納マルタにマルタ島に行ったことはあるかと問われた際、「僕」は次のように思う。「僕がマルタ島について知っているのは、ハーブ・アルパートの演奏した『マルタ島の砂』だけだったが、これは掛け値なしにひどい曲だった」[6]
アレン・ギンズバーグ 米国の詩人。ビート・ジェネレーションの代表者の一人。ギンズバーグとキース・リチャーズがマルタ島の山中にある湧き水を飲みに来たことを加納マルタは説明する。
なお本書の原型のひとつとなった短編「加納クレタ」にも、アレン・ギンズバーグとキース・リチャーズは登場する[7]
キース・リチャーズ ローリング・ストーンズのメンバー。本書での表記は「キース・リチャード」。
夏の日の恋 1959年11月に公開された映画『避暑地の出来事』の主題歌。映画公開に先立ち、パーシー・フェイス・オーケストラは9月にシングルとして発表。パーシー・フェイスのバージョンは翌年1960年2月から4月にかけて全米チャート1位を9週連続で記録した。
駅前のクリーニング店の主人は、JVCの大型ラジカセでパーシー・フェイス・オーケストラが演奏する「タラのテーマ」や「夏の日の恋」を聴きながら仕事を行う[8]。「彼はおそらくイージーリスニング・ミュージックのマニアなのだ」と主人公に評される。なおパーシー・フェイス・オーケストラの「夏の日の恋」は『ダンス・ダンス・ダンス』や短編「女のいない男たち」にも登場する[注 1]
アンディ・ウィリアムス[注 2] 米国のポピュラー歌手。ウィリアムスの歌う「ハワイアン・ウェディング・ソング」や「カナディアン・サンセット」が上記クリーニング店でかかる[12]
ジョニー・エンジェル シェリー・フェブレーの1962年のデビュー・シングル。全米チャート1位を記録した。加納クレタと初めて会ったときの印象を「僕」は次のように表す。
「見事に一九六〇年代初期的な外見を保持していた。『アメリカン・グラフィティ』を日本に舞台にして作ったとしたら、加納クレタはたぶんそのままの恰好でエキストラになれただろう。(中略) マイクを持たせたら、そのまま『ジョニー・エンジェル』を歌いだしそうだった」[13]
ロバート・マックスウェル 米国のハープ奏者、作曲家。マックスウェルの演奏する「ひき潮」が上記クリーニング店でかかる[14]
バート・バカラック 米国の作曲家。バカラックが作曲した「サン・ホセへの道英語版」が上記クリーニング店でかかる[15]。ちなみに同曲はディオンヌ・ワーウィックが歌ったバージョンがオリジナルである。
トヨタ・MR2 トヨタ自動車が1984年から1999年まで製造販売していたスポーツカー。加納マルタは兄のトヨタMR2を借りて自殺を試みる[16]
デイリークイーン 米国のソフトクリーム店、ファーストフードチェーン店。現在は日本から撤退している。笠原メイと「僕」は銀座通りにあるデイリー・クイーンに2回入り、ハンバーガーを食べたりコーヒーを飲んだりする[17]
森の情景 ロベルト・シューマンが1850年に出版したピアノ独奏曲集。主人公がFMラジオをつけると『森の情景』の第7曲「予言する鳥」がかかる[18]
ダンキンドーナツ 1948年に米国で創業したファーストフードチェーン店。1998年を境に、米軍基地内を除いて日本から姿を消した。主人公は新宿にある店舗に入り、ドーナツとコーヒーを購入する。本書では2回登場する[19][20]
オズモンド・ブラザーズ アメリカの音楽グループ。1963年にレコードデビューを果たし1970年頃に「オズモンズ」と改名した。メンバーのダニー・オズモンドはソロとしても活躍した。
「僕」は牛河の初対面の印象を次のように描写する。「できそこないのエクトプラズムのような不思議な柄の入ったネクタイは、オズモンド・ブラザーズくらい大昔からそこにずっと同じかたちで結ばれっぱなしになっているみたいに見えた」[21]
哀愁 1940年公開の米国映画。原題は Waterloo Bridge。本書では作品の名前そのものは出てこない。クミコは「僕」の言葉から次のように連想する。「私は、汚れた身体を隠してそっとあなたのもとを去っていった。霧のウォータールー・ブリッジ、蛍の光ロバート・テイラーヴィヴィアン・リー……」[22]

時代設定と時間軸[編集]


1 2  11230(p. 14p. 43)

3 321984104853

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1 - 19846-7124-5

2 - 19847-10

3 - 19853-1985121219851231984103

1Q84BOOK 119844-6BOOK 219847-929 - 30BOOK 17

書誌[編集]

翻訳[編集]

翻訳言語 翻訳者 発行日 発行元
英語 ジェイ・ルービン 1997年10月21日 Knopf(米国)
1998年5月 Harvill Press(英国)
フランス語 Corinne Atlan, Karine Chesneau 2001年5月4日 Seuil
ドイツ語 Giovanni Bandini, Ditte Bandini 1998年 DuMont
イタリア語 Antonietta Pastore 1999年 Baldini & Castoldi
スペイン語 Lourdes Porta, Junichi Matsuura 2001年 Tusquets Editores
ポルトガル語 Maria João Lourenço 2006年 Casa das Letras
オランダ語 ヤコバス・ウェスタホーヴェン 2000年 - 2003年 Atlas
スウェーデン語 Eiko Duke, デューク・雪子 2007年 Norstedts
デンマーク語 Mette Holm 2006年 Klim
ノルウェー語 Kari Risvik, Kjell Risvik 1999年 Pax forlag
ポーランド語 Anna Zielińska-Elliott 2004年 Wydawnictwo MUZA SA
スロバキア語 Dana Hoshimoto 2010年 - 2012年 Slovart
スロベニア語 Iztok Ilc 2014年 Mladinska knjiga
ハンガリー語 Erdős György 2009年 Geopen Könyvkiadó
ルーマニア語 Angela Hondru 2004年 Polirom
ロシア語 Иван Логачев, Сергей Логачев 2005年
ウクライナ語 Дзюб Іван Петрович 2009年
リトアニア語 Jūratė Nauronaitė 2007年 Baltos lankos
トルコ語 Nihal Önol 2005年 Doğan Kitap
ヘブライ語 2005年 Kinneret Zmora-Bitan Dvir
中国語 (繁体字) 頼明珠 1995年9月、1997年2月 時報文化
中国語 (簡体字) 林少華 1997年
韓国語 ユン・ソンウォン 1995年12月 文学思想社
ベトナム語 Trần Tiễn Cao Đăng 2007年 Nhà xuất bản Hội nhà văn

舞台[編集]


[23][24]

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2020

2020211 - 227 [23]

31 2020378 202031415[23]27[25]
2023年公演

キャスト[編集]

演じる・歌う・踊る
役名 2020年 2023年
岡田トオル 成河/渡辺大知
笠原メイ 門脇麦
綿谷ノボル 大貫勇輔 大貫勇輔/首藤康之[26]
加納クレタ/マルタ 徳永えり 音くり寿[26]
赤坂シナモン 松岡広大
岡田クミコ 成田亜佑美
牛河 さとうこうじ
間宮中尉 吹越満
赤坂ナツメグ 銀粉蝶
特に踊る
演奏

脚注[編集]

注釈[編集]



(一)^ [9][10]

(二)^ [11]

出典[編集]



(一)^ abc199511

(二)^ 99-100

(三)^ ,  (2017228). .   Casa BRUTUS. 2021729

(四)^ 05199910162

(五)^ 19984

(六)^ 177

(七)^ TV122

(八)^ 1105-106

(九)^ 128

(十)^ 20144282

(11)^ 144-145

(12)^ 1152

(13)^ 1156

(14)^ 227

(15)^ 2343

(16)^ 1177

(17)^ 1207209

(18)^ 2199-200

(19)^ 2317

(20)^ 344

(21)^ 3162

(22)^ 3461

(23)^ abc.   (2020211). 2021126

(24)^ abcd.   (2023116). 20231221

(25)^ nejimakistage20202282021127

(26)^ ab寿.   (2023612). 20231221

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

書評
舞台