ダートトラックレース
ダートトラックレース(英: Dirt track racing)は、車両による競技の一形態として、未舗装の周回路(トラック)上で行われるレースである。
自動車[編集]
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「en:Dirt track racing」も参照
自動車競技におけるダートトラックレースは、平坦なダートのオーバルトラックで行われる。アメリカでは第一次世界大戦以前から行われ、1920年代から1930年代にかけて広く普及した。アメリカ西部や北東部ではオープンホイール車両が主流で、南部ではストックカーが主流となっている。オープンホイール車両は競技専用として作られた車両が用いられる一方、ストックカーは専用として製作されたものの他、公道用の市販車を改造したものもあり、その改造の程度は様々である。
ダートトラックレースはアメリカにおける自動車競技では唯一、最も普及した形式のレースである。アメリカ全土には多数の地方サーキットがあり、その数は 1,500にも及ぶとも言われる。この競技はオーストラリアやカナダでも普及している。また、多くの車両はシーズン中はアスファルト舗装の短距離サーキットでのレースも行っている。
スウェーデンのスモーランド地方、ヴェステルヴィークでのスピードウェ イレース
ヨーロッパやアメリカの草レースから発展したオートバイ競技である、トラックレーシング︵en:Track racing︶の一形態として、土や砂、砂利のコースを走行する競技が開催されている。
トラックは半円と直線2本で形成されるオーバルタイプで、左回り︵反時計回り︶に周回する。半円のコーナー区間にバンク︵傾斜︶があるコースとないコースとがある。コースの距離は統一されておらずサーキット場により異なり、スピードウェイやフラットトラックでは屋内にコースを設置することもある。
競技車両はレース形態によって異なり、昔からヤワなどのメーカーが専用の車体が製作しているスピードウェイ向けのものと、もう一つはホンダ・FTやホンダ・FTRなどのフラットトラック向けに開発されたものとに分かれる。さらに現在はレースによってはオフロード車を改造した車両も用いられている。なおフラットトラックにおいてはレース専用のタイヤが製品化されていて、左方向への周回に適したブロックパターンのものが使用される場合もある[1]。原則としてフロントブレーキを装着することが禁止されている[2]。
世界選手権も各形態ごとに開催されており、スピードウェイではスピードウェイ・グランプリやワールドカップなどが、フラットトラックでは国際モーターサイクリズム連盟︵FIM︶や全米モーターサイクル協会︵AMA︶などが主催するレースが行われている。
コーナー区間では走行速度を保ちながら旋回するため、後輪を意図的に横滑り︵ドリフト︶させる走法が常用される。ライダーは鉄製のスリッパーを左足に装着して、左足を地面に擦りながら車体をコントロールする。舗装路で行われるロードレースにおいてもスライドコントロール技術が応用できるため、ダートトラックからの転向者が成功を収めており、ロードレース世界選手権 (WGP) では1980年代以降、ケニー・ロバーツらアメリカのフラットトラック出身ライダーが一時代を築いた。
オートバイでは類似した競技形式で、土や砂利などのいわゆるダートではなく、硬く整地された芝生のコースで行うグラストラックや、雪氷路をコースとしたアイスレースも行われる。
●フラットトラック - 全米で開催、近年では欧州、日本でも行われている。
●スピードウェイ - 世界選手権もあり、主に欧州で開催。
●ロングトラック
●グラストラック
●アイススピードウェイ︵アイスレース︶
オートバイ[編集]
日本での歴史[編集]
上野では、1903年︵明治36年︶頃には既にエンジン付自転車によるダートトラックレース形態のことが行われていたともみられている[3]。1910年︵明治43年︶、東京上野公園で勧業博覧会が開かれた際に、不忍池を周回するダートコース︵1周500 - 800m︶でオートバイによるレースが行われた。その後も多摩川スピードウェイなどで盛んにレースが行なわれていたが、戦後は舗装路によるレースが定着していったことから次第に衰退した。[要出典] 初期のオートレースではダートトラックでレースが行われることが大半であり、このため現在使用されている競走車もダートトラックレーサーの構造を受け継いでいる。しかし転倒が多く死傷事故も稀ではなかったことから、1968年︵昭和43年︶までに全てのオートレース場が舗装路となった。[要出典] 1997年に開設されたツインリンクもてぎにはダートトラック︵フラットトラック︶のレースコースが設置され、クラス別に分かれてレースが行われていたが、2012年5月にダートトラックの営業が終了したためレースも終了となった[4]。 2014年9月現在、走行可能なダートトラックのコースはオフロードヴィレッジ︵埼玉県川越市︶、群馬モーターパーク︵群馬県高崎市︶、オートパーククワ︵長野県上伊那郡中川村。レンタルバイクは予約制︶、いなべモータースポーツランド︵三重県いなべ市︶、テージャスランチ︵広島県安芸高田市︶である。全日本選手権チャンピオン[編集]
年 | オープン | 250cc |
---|---|---|
2001年 | 衛藤金治 | 衛藤金治 |
2002年 | 谷口久輝 | 衛藤金治 |
2003年 | 衛藤金治 | ケビン・アサートン |
自転車[編集]
詳細は「サイクルスピードウェイ」を参照
自転車競技における類似した競技種目として、屋外の整地したダートにショートトラックを設置して行う、サイクルスピードウェイがある。
参考文献[編集]
- 大久保力『百年のマン島 - TTレースと日本人』三栄書房、2008年、ISBN 978-4-7796-0407-2
脚注[編集]
- ^ “DUNLOP:RIDERS NAVI”. 住友ゴム工業株式会社. 2011年7月29日閲覧。 “左旋回の多いダートトラック競技でのスライドコントロール性を考慮した、独自の非対称パターンを採用。”
- ^ “2011もてぎダートトラックレース特別規則書” (pdf). ツインリンクもてぎ. 2011年7月29日閲覧。
- ^ 『百年のマン島』(p187)より
- ^ ツインリンクもてぎ ダートトラックの営業終了について - モビリティランド