サイドカー

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Sidecar

(一)

(二)

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しかしその後、大量生産できる軍用四輪自動車が登場し、第二次世界大戦後はそれらの生産技術が民生用に転用されて安価で近代的な大衆車が市場に出回るようになり、サイドカー需要は大幅に縮小していった。


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[]


[1]

側車部分を外しても走行できる構造[編集]

一般に、オートバイの左右どちらかの横にもう一輪の車輪を配置するフレームを取り付けて、乗車できる構造や荷物を積載できる構造とされている。乗車用の構造のことを「舟」あるいは「カー」と呼び、オートバイの右側に舟があるものを「右カー」と呼び、左側にあるものを「左カー」と呼ぶ。舟を取り付ける側は、一般に右側通行の国ではバイクの右、左側通行の国ではバイクの左である。対してオートバイを「本車」と呼ぶ。また、サイドカーが付いていない状態のオートバイを「ソロ」または「単車」と呼ぶこともある。ただし、舟を外して単車として走行するためには、各部のバランスを再調整しなければならない。

側車部分を外しては走行できない構造[編集]

現存する市販の二輪駆動サイドカーの一つ「ウラル(フルタイム2WD型)」

一般にサイドトライクサイドトライカーといわれるオートバイの車体とサイドカーのそれぞれが独立した構造ではなく全体を一つの車体として設計としたものもあり、代表的な車種としてドイツのクラウザー・ドマニなどが挙げられる。

未舗装路などでの走行を考慮して側車の車輪も駆動させるものもあり、常に側車も駆動するフルタイム型と任意に駆動を断接できるパートタイム型が存在する。代表的な車種として、ロシアのウラル・ギアアップ750などが挙げられる。パートタイム型のサイドカーの場合はディファレンシャルギアは装備されていないため「デフなし」とも呼ばれ、サイドカーの中では不整地を走行する能力が高いが、乾燥した舗装路などで二輪駆動のまま走行すると駆動系の部品に過大な負担がかかる。フルタイム型の場合はディファレンシャルギアが装備されていて、舗装路での駆動系への負担は軽減されるが、不整地を走行する能力もパートタイム形に比べると若干劣る。

特徴的な構成部品や機構[編集]

アールズフォーク[編集]

オートバイのフロントサスペンションとして一般的に採用されているテレスコピックフォークは横方向の荷重に対して不利な構造であるが、サイドカーは旋回時にバンクできないため、フォークに横方向へ大きな荷重がかかる。テレスコピックフォークに大きな横荷重が加わると、サスペンションの伸縮に大きな抵抗が発生して路面の凹凸による衝撃が吸収されにくくなり、前輪が跳ねるような挙動を示す。この現象は「ホッピング」とも呼ばれ、事故につながる危険性が高い。また、制動時には本車と側車の重量により前輪にかかる荷重が単車よりも大きくなる傾向にあるサイドカーでは、車体が前のめりになる「ノーズダイブ」が大きくなり挙動が不安定となる。

ホッピングやノーズダイブを解消するために、サイドカーにはアールズフォークが用いられる例も多い。アールズフォークは英国のアーネスト・アールズによる発明で、前輪の後方に回転軸を持つリーディングリンクフォークの一種である。前後左右への荷重をサスペンションリンケージが受け持つことで、高い横荷重を受けた場合でもスムーズにサスペンションが伸縮できる。また、制動時に生じるモーメントによりリーディングリンクがフロントサスペンションを伸ばす方向に働き、ノーズダイブを低減する。

ステアリングダンパー[編集]

サイドカーは、本車のステアリングが持つ自己直進性と側車の走行抵抗によって発生するヨーモーメントとが拮抗し、しばしばヨー回転振動を発生する。この振動周期が車体のヨー慣性モーメントが持つ固有振動数と一致すると共振によって走行が困難になる場合がある。ステアリングダンパーによってステアリング軸の振れを減衰することで共振の発生を抑えられる。

サブフレーム[編集]

近代の車種では設計や加工技術が進んだことで、フレームは単車として必要十分な強度を持たせて軽量化しているが、側車を取り付ける強度までは確保されていない場合が多い。そのために追加のフレームで補強する場合が多い。

後退装置[編集]

サイドカーは単車よりも小回りがきかないため、切り返しなどで後退する機会も多い。しかし、単車よりも重いサイドカーを人力で後退させることは時間がかかり、困難な場合も多い。そのため、本車のトランスミッションにリバースギアを取り付けたものも珍しくない。あるいは、大型のバッテリーと側輪を駆動するモーターを搭載して、モーターの力で後退するものもある。一体型のサイドカーだと後退機構はあってもおおむねオプション装備。

タイヤ[編集]

一般的なオートバイ用タイヤは車体をバンクさせることを前提に、断面が円形に近い形状で作られているが、サイドカーは車体をバンクさせないため、トレッドの中央のみが接地してタイヤの性能や寿命を活かせない場合が多い。このため旧来から平坦なトレッドを持つサイドカー専用タイヤが製造、発売されている。しかし現在の日本国内では入手が難しく価格も高い。また、サイズラインナップも少なく、近代の日本車には対応できていない。自動車用のタイヤを用いる例もしばしばある。

走行特性[編集]

サイドカーは左右非対称の乗り物であるため、右旋回と左旋回で旋回特性の差が大きく、直進でも加速や減速で大きなヨーモーメントが発生し、他の乗り物とは異なる特性を持つ。

加速と減速の特性[編集]

側車の重心による影響を受けて加速時は側車側へ、減速時は側車のない側へ車体が向かおうとするヨーモーメントが発生する。特に、前輪ブレーキのみで減速すると本車の重心が前輪に対して側車寄りに動き、ヨーモーメントを増幅する。逆に後輪ブレーキで減速すると、本車の重心は後輪に対して側車とは反対の方向に動き、ヨーモーメントを相殺する傾向になる。駆動輪やブレーキが側車にもあると、この傾向は緩和する。

旋回特性[編集]

単車のオートバイは車体、すなわち車軸を傾けることでジャイロ効果によるヨーモーメントも利用できるが、サイドカーは四輪自動車と同様に前輪の舵角で発生するヨーモーメントだけで旋回する。しかし四輪自動車とは異なり、前述のように加減速でもヨーモーメントが発生するため旋回中に加減速を行うと旋回特性に大きな影響を受けやすい。こうした加減速によるモーメントを積極的に利用して、タイミング次第でスピンターンのような転回も可能である。

また、一般的な四輪自動車よりも輪距(トレッド)に対する重心高が高いため、遠心力を受けて内側の車輪が浮く場合もある。側車側に旋回する場合は比較的簡単に側車が浮き上がり、回復不能な場合は転覆事故につながる。本車側に旋回する場合は比較的安定しているが、本車の後輪が浮けば操縦不能になり、極端な場合は前転事故につながる。こうした特性に対処するために、本車の乗員が自身の重心をカーブの内側の低い位置に移動させる姿勢をとる姿を見ることができる。サイドカーレースでは側車の乗員も車上で大きく姿勢を変えながら旋回する姿が見られる。あるいは、あらかじめ側車に砂袋やコンクリートブロックなどの死重を積んで対処する方法も見られる。

側車輪も駆動する二輪駆動のものは加減速による旋回特性への影響も小さくなるが、パートタイム方式のものはディファレンシャルギアが装備されていないので、二輪駆動での走行中は旋回時に駆動輪の内輪差により駆動抵抗が発生する。摩擦係数の高い路面ではタイヤを磨耗を早めたり、駆動軸の継手や軸受が痛みやすくなる。

実用的な用途[編集]

四輪自動車が高価であったり、政治的な理由で入手が困難な一部の国では、市民の実用的な交通手段としてサイドカーが利用されている。フィリピンでは、サイドカーを利用したタクシーも運行されている。

軍隊や警察組織などでは、四輪自動車よりも小回りの利く機動性と、単車のオートバイよりも高い運搬性能が着目され、斥候用や、要人車両警護用などとして採用される例は古くから存在する。

モータースポーツ[編集]

レース用ニーラーサイドカー
モトクロス用サイドカー

使2FIM2

使姿姿(kneel)



日本における法規要件[編集]

50cc超[編集]


50cc600W

200561[2]

[]


[3][4]



250cc2.5m1.3m2.00m

()2

2


側車部分を外して走行できない構造のもの[編集]


[3]3[4]

20056112 (PDF) [5]

21()2()()

 3  12




660cc3.4m1.48m2.00m


250cc2.5m1.3m2.00m



[6][3][7]
460mm


原付二種にサイドカーを付けたもの[編集]


[3]50cc - 125cc600W - 1kW

[4]

2.5m1.3m2.00m

50 - 125cc50km/h[8]

/AT2

50cc[]


50cc600W23[4][3]2.5m1.3m2m[9]





[10]

[3]2

[3]3
2126483

20cc - 50cc250W - 600W ()

20cc250W

130km/h[11]30kg ()

[]





12





2


[12]


[]



サイドカーメーカー[編集]

現在生産しているメーカーまたはブランド[編集]

かつて製造していたメーカー[編集]

脚注[編集]



(一)^ -

(二)^ 200561 (PDF) 21()2()()

(三)^ abcdefg

(四)^ abcd111

(五)^ 1999

(六)^ (1)3(2)(3)460mm(4)

(七)^ 

(八)^   

(九)^ 

(十)^ 12212648

(11)^   2004518

(12)^ 57210

(13)^ Watsonian Squire Ltd ().  Watsonian Squire Ltd. 2011526 Founded in 1912 by T F Watson, the company has been manufacturing sidecars in the Heart of England ever since.

(14)^ EZS Sidecar ().  EZS Sidecar. 2011526 EZS is a well known company which manufactures high quality, good looking sidecars and trailers for more than 20 years.

(15)^ Qui sommes nous ().  ProducSide Montélimar. 2011526 Spécialistes depuis plus de 20 ans du véhicule à trois roues, constructeur de side-car, notre équipe du service après vente est à la pointe des nouvelles technologies avec nos spécialistes venus de hautes écoles de performance moteur et châssis.

(16)^ Highway Sidecars ().  Highway Sidecars. 2011526 We manufacture HRD Grand Rally and Classic Sidecars, DJP Tourer and Higgins Sidecars in single seat and double configurations.

(17)^ eRanger: Product range ().  The Ranger Productions Company. 2011526 The eRanger combines the benefits of a motorcycle with the cargo capacity of a sidecar, in a package that is cost effective, rugged and simple to maintain.

(18)^ EML Trikes ().  W-Tec. 2011526 EML is één van de merken dat W-Tec onder haar hoede heeft. Al meer dan 30 jaar is EML marktleider in zijspan productie.

(19)^ Herzlich willkommen! ().  Mobec GmbH. 2011526 Unsere Bandbreite reicht vom einfachen bis zum exklusiven Gespann.

(20)^ Über uns ().  Ruko Fahrzeugtechnik GmbH. 2011526 Aus unserer Vorgeschichte und unserem Werdegang im Gespannbereich ist leicht zu erkennen, dass wir mindestens soverrücktsind wie die meisten anderen Gespannfahrer und Beifahrer.

(21)^ RSR Sidecar Racing Parts ().  RSR GmbH. 2011526

(22)^ Home/News ().  Bode Gespannbau. 2011526 Gespannumbauten bestechen im Design und überzeugen durch sehr gute Fahreigenschaften.

(23)^ Walter-Gespanntechnik, Gespanne vom feinsten ().  Bode Gespannbau. 2011526

(24)^ Kalich Motorrad- und Schwenkergespanne, nach Maß ().  Ralph Kalich Fahrzeugtechnik. 2011526 Wir machen Ihr Motorrad familientauglich!

(25)^ CORDA 3WD BASIC - Technische Daten ().  Blackbull Motors Ltd.. 2011526

(26)^ Stern-Gespannservice Home Page ().  Stern-Gespannservice. 2011724

(27)^ Presentation ().  SIDE-CARS HECHARD. 2011526 Constructeur de side-cars, de remorques et réparateur motos, cest dans nos ateliers que léquipe se consacre à la fabrication du châssis et de la caisse, de la transformation de la moto et du montage.

(28)^ Presentation ().  ARMEC Mechanik AG. 2011526 Seit 1986 entstehen bei Emmenbrücke/Luzern in der Schweiz in den Werkhallen des ehemaligen Flugzeugmechaniker Kurt Aregger Motorradgespanne der Extraklasse, bestechend durch innovative, technische Entwicklungen und harmonisches, schnörkelloses Design.

(29)^ Hannigan Motorsports Home Page ().  Hannigan Motorsports. 2011526

(30)^ 100 Motorcycle Run Home Page ().  100 Motorcycle Run. 2011624

(31)^ Champion Trikes USA Home Page ().  Champion Trikes USA. 2011719

(32)^ Motorvation Engineering Sidecars and Trailers Home Page ().  Motorvation Engineering Sidecars and Trailers. 2011719

(33)^ Motopodd Motorcycle Sidecars LTD Home Page ().  Motopodd Motorcycle Sidecars LTD. 2012929

(34)^ Merlin Sidecars Home Page ().  Merlin Sidecars. 2012929

(35)^ D&D Windle Sidecars Home Page ().  D&D Windle Sidecars. 2013618

(36)^ SPOT2+1.  . 2011623

(37)^ .  . 2011623

(38)^ NKauto. NK. 201187

(39)^   .   貿. 201187

(40)^ SIDECARKOMIYAMA.  . 201187

(41)^ ABEZ,BMW,HARLEY,DUCATI-.  . 201187

(42)^   .  . 201187

(43)^  .  . 201187

(44)^ .  . 201187

(45)^ OCTRUN.  OCTRUN. 20111230

(46)^ Bristoldocks.  Bristoldocks. 201225

(47)^ AUTO STAFF SUEHIRO.  . 2012415

(48)^ Shibazaki Motors.  Shibazaki Motors. 2012415

(49)^ RS . RS. 2012415

(50)^  .  . 201354

(51)^ 退 (). Autoblog JP (: AOL Asia Limited.). (201085). http://jp.autoblog.com/2010/08/05/harley-davidson-exiting-sidecar-business/ 2011526. "2011" 

参考文献[編集]

  • Janusz Piekaliewicz(第二次世界大戦のBMW R12とR75) : Die BMW Kräder R12/R75 im Zweiten Weltkrieg, Motorbuch Verlag, 1977, ISBN 3-87943-446-8
  • サイドカー80年史(日本二輪史研究会発行)[2]

関連項目[編集]