デュアルシステム
ドイツ[編集]
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
1 | 自動車工 | 5.9 % | 営業補助 | 7.2 % |
2 | 産業機械工 | 4.0 % | 小売店員 | 6.8 % |
3 | 小売店員 | 3.9 % | オフィス業務 | 6.4 % |
4 | 電気設備工 | 3.7 % | 医療助手 | 6.4 % |
5 | 建築設備技術者 | 3.4 % | 歯科助手 | 5.6 % |
6 | 営業補助 | 3.3 % | 産業系事務 | 5.3 % |
7 | 情報技術者 | 3.1 % | 理容・美容師 | 4.7 % |
8 | 倉庫物流管理者 | 2.8 % | 広報アシスタント | 4.1 % |
9 | 卸売・貿易事務 | 2.8 % | 食品手工業専門販売職 | 3.6 % |
10 | 調理師 | 2.5 % | ホテル専門職 | 3.4 % |
日本[編集]
日本版デュアルシステムは、文部科学省がモデル事業として、主に専門高校(専門教育を主とする学科などを置く高等学校等。農業高校や工業高校等)で行っているものと、厚生労働省が独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構を通じて行っているものとがある。
中等教育段階[編集]
成人教育段階[編集]
厚生労働省の日本版デュアルシステムは、2003年6月に文部科学省, 厚生労働省, 経済産業省, 内閣府によって発表された﹁若者自立・挑戦プラン﹂を受けて考案されたもので、いわゆるニート・フリーターの就業支援として始められたものである。したがって、職業教育というよりは職業訓練の性格が強い。ただし、実施主体によってその仕組みは異なり、専修学校等に委託して行うものは、平均して3カ月の座学と1カ月のOJTで構成されているのに対し、職業能力開発大学校等で行うものは原則2年間と長期の訓練になっている。 職業能力開発大学校等の専門課程︵2年間。有料。2008年度は6校[16]︶によるもの、職業能力開発促進センター︵6ヶ月。無料︶によるもの、民間の専修学校等が委託訓練として行うもの︵標準4ヶ月。無料︶とがある。日本版デュアルシステムの成果[編集]
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
ドイツのデュアルシステムは、多くの場合、最終的にはマイスターの資格取得を目指すものであるが、日本にはマイスター制度がなく、どの程度OJT先の企業への就職に結びつくかが評価の指標となろう。日本版デュアルシステムがスタートしてから日が浅く、とくに文部科学省の方は依然としてモデル事業にとどまっているので、評価する時期にはない。
唯一、デュアルシステム科を設けている都立六郷工科高校の場合、協力企業に就職したものは2006年度が卒業生16人中8人、2007年度が同20人中12人となっている。デュアルシステムがあったから就職できたのかどうかは定かではないが、企業でのOJTによって「自分に自信がもてるようになった」とする生徒やその保護者も多く、一定の成果があったものと思われる。一方、厚生労働省の方は全国的な集計がなく、はっきりしないが、就職に結びつきやすいという意見が協力企業や専修学校からは聞かれる。もっとも、2004年度以降、新卒者の採用状況は改善しており、デュアルシステムの効果であるかどうかは分からない。
マイナスの評価としては、厚生労働省が当初目論んだようなニート・フリーターの就業支援にはなっていないことが上げられる。その日の生活で手一杯のニートやフリーターにとって、デュアルシステムの訓練生になることは収入の道を絶たれることになるからである。また、周知活動がほとんどされておらず、とりわけニートやフリーターにどうすれば情報を届けられるか、その方法を知らなかったことも一因と言える。結局、職業訓練に新しいコースが一つできただけで終わっているといえよう。
なお、日本版デュアルシステムの本来の目的ではないが、訓練生を受け入れる企業にとっては、有力な採用の手段となっている。とくに採用活動に多くの時間や人材を割けない中小企業にとっては、互いの良さを分かった上で採用に結びつけることができるだけに、定着率も高まると期待されている。
日本版デュアルシステムの課題[編集]
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
フィンランド[編集]
フィンランドでは、20の大学と31のポリテクニックにてデュアルシステムに取り組んでいる[4]。マレーシア[編集]
マレーシアにおいては継続技能教育︵CVET︶として、マレーシア人的資源省が主導するNDTSが存在し、ドイツのデュアルシステムを手本とした徒弟制度が実施されている[5]。脚注[編集]
{{cite report}}
: |dat
e=
の日付が不正です。 (説明)
(四)^ abDeveloping Highly Skilled Workers - Review of Finland (PDF) (Report). OECD. 2004.
(五)^ ab職業能力開発総合大学校報告書 2011, pp. 330–331.
(六)^ 日本版デュアルシステム訓練受講のために, 厚生労働省, (2002-04)
(七)^ 若者の職業訓練と関連の取り組み (Report). 独立行政法人労働政策研究・研修機構. 2015-04. {{cite
report}}
: |date=
の日付が不正です。 (説明)
(八)^ “ISCED Mapping - Germany”. UNESCO. 2015年11月2日閲覧。
(九)^ ﹁ものづくり人材育成のためのデュアルシステムに関する調査研究報告書﹂、日本機械工業連合、2008年3月。
(十)^ ドイツの公共職業教育訓練 —デュアル・システムを中心に (Report). 独立行政法人労働政策研究・研修機構. 2009.
(11)^ 独立行政法人労働政策研究・研修機構 (2019年7月30日). “政府、職業訓練生の最低賃金導入を検討―2020年から月額515ユーロ”. 2019年7月31日閲覧。
(12)^ Presse- und Informationsamt der Bundesregierung︵ドイツ連邦政府広報・情報局︶ (2019年5月15日). “Duale Berufsausbildung weiter stärken︵デュアルシステムをさらに強化する︶”. 2019年8月1日閲覧。
(13)^ 独立行政法人労働政策研究・研修機構 (2020年1月28日). “職業訓練生の協約手当―職種、地域によって大きな差”. 2020年1月30日閲覧。
(14)^ https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/high_school/specialized_school/tech/tech_dual.html
(15)^ ﹃県立高校と職業技術校が﹁新しい学び﹂を始めます﹄︵プレスリリース︶神奈川県、2014年9月25日。
(16)^ 6校の内訳は(1)近畿職業能力開発大学校、(2)中国職業能力開発大学校、(3)東海職業能力開発大学校附属浜松職業能力開発短期大学校、(4)港湾職業能力開発短期大学校横浜校、(5)関東職業能力開発大学校附属千葉職業能力開発短期大学校、(6)職業能力開発総合大学校東京校
参考文献[編集]
- OECD (2014-11), Skills beyond School - Synthesis Report, doi:10.1787/9789264214682-en, ISBN 9789264214682
- 報告書「諸外国における職業教育訓練を担う教員・指導員の養成に関する研究」 (Report). 職業能力開発総合大学校「諸外国における職業教育訓練を担う教員・指導員の養成に関する研究プロジェクト」. 2011-03. 2018年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。
{{cite report}}
:|date=
、|archivedate=
の日付が不正です。 (説明)