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バレト写本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

バレト写本(バレトしゃほん)は、現存するものとしては最古のまとまった日本語訳聖書を含む書写本である。

概要

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1940Joseph Schutte

1591

内容

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  • 第1部:短い物語で構成された「日本において奇跡的に現はれたるクルスの物語略」。
  • 第2部:新約聖書の抜粋と日曜日ごとに読まれる聖句の「一年中の主日ならびに年中の主なる祝ひ日のエワンゼリヨ」、諸聖人の祝日の礼拝に読まれる聖句の「諸々のサントスの特定のエワンゼリヨ」の二つで構成される。
  • 第3部:中世ヨーロッパで起こったマリアの奇跡物語。
  • 第4部:聖人とアルファベット順の索引、聖人伝目録、写本全体の総目次によって構成されている。

著者

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マヌエル・バレト(Manuel Barreto、またはManoel Barreto、1564年 - 1620年)は、1590年(天正18年)イエズス会宣教師として、日本に帰国する天正遣欧少年使節と共に来日した。

略年譜

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15647 

15797 

159018 

159119 

1592 

161015 

16206 

参考文献

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  • キリシタン文化研究会編『キリシタン研究 第七輯』吉川弘文館1962年
  • 土井忠生著『吉利支丹文献考』三省堂1969年
  • 海老澤有道著『新訂増補版日本の聖書 聖書和訳の歴史』新教出版社1983年
  • 川口敦子著『バレト写本の「四つがな」表記から』国語学51巻3号、日本語学会編、日本語学会、2000年
  • 鈴木範久著『聖書の日本語―翻訳の歴史』岩波書店2006年
  • 松岡洸司著『バレト写本―翻訳と語法』上智大学国文学科紀要24号、上智大学文学部国文学科、2007年
  • 相ケ瀬千草著『バレト写本の会話文―文末表現に見える文法的特徴』上智大学国文学論集第35号、上智大学国文学会、2001年

外部リンク

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