太上老君
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太上老君︵たいじょうろうくん、だじょうろうくん︶は、道教の神の一人。別名道徳天尊︵どうとくてんそん︶、混元老君︵こんげんろうくん︶、降生天尊︵ごうせいてんそん、こうせいてんそん︶、太清大帝︵たいせいたいてい︶とも言う。道教の始祖とみなされる老子が神格化されたもので、道教の最高神格である三清の一柱。元始天尊の応身の神格とされ、あるいは、その十号の一つに数えられる。
地上では崑崙山、天上では道教における天上界の最高天のひとつ、太清境︵たいせいきょう︶に住するとされる。﹃抱朴子﹄の記述によれば、その姿は、口がカラスに類し、耳の長さは7寸あり、額には縦筋が3本あったとされ、神仙の風貌で描かれている。﹃雲笈七籤﹄に収録された﹁道蔵三洞経﹂では、老君の妻は素女で、黄衣を着る[1]。
道家の祖として老荘思想を説いた老子が、道教の神となったのは、五斗米道の開祖である張陵の時であるとされる。また、後漢の于吉のもとに現れて啓示を与えたのに始まり、六朝から唐代にかけては、盛んに顕現するようになった。
梁の陶弘景が著した﹃真霊位業図﹄では、その第四級の中心に表されている。また、太上老君説とされる道経が盛んに作られたのも、この時代であり、それは、唐室が同姓の老子を宗室の祖として尊崇したことから、ピークを迎えたが、以後は、次第に衰えていく。