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葛飾応為

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
葛飾 応為
 1840年代中頃の葛飾応為、露木為一筆
出生地 日本の旗 日本
配偶者 南沢等明(離別)
芸術分野 浮世絵
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作品一覧[編集]

作品名 技法 形状・員数 寸法(縦×横cm) 所有者 年代 落款・印章 備考
月下砧打美人図[注釈 5]げっか きぬたうち びじんず 紙本[注釈 6]著色[注釈 7] 1幅 113.4×31.1 東京国立博物館 款記「應為栄女筆」/「應」白文方印 満月に照らされ女性がを打つ場面。月夜に砧を打つ図は白居易の詩「聞夜砧」に由来し、夫を思いながら砧を打つ妻の情愛を象徴的に表す。後述の作品と比べて色彩が抑制的で癖が少ないことから、比較的早期の作品か。なお、本図の落款部分は後人が一度削り取ろうとして途中でやめたような痕跡があり、ある時所蔵していた人物が新たに北斎の落款を入れて売ろうと企図していたと想像される[注釈 8]
吉原格子先之図よしわら こうしさきのず 紙本著色 1幅 26.3x39.4 浮世絵 太田記念美術館 1818-44年(文政-天保年間)頃 無款(画中3つの提灯に「應」「為」「榮」) 吉原遊廓の妓楼・和泉屋で、往来に面して花魁たちが室内に居並ぶ「張見世」の様子を描く。店や客が持った複数の提灯から生まれる幻想的な光と影が、観者に強い印象を与える。紙の寸法や日本人の生活に取材した画題が、カピタンの依頼により北斎工房が手がけた水彩画ライデン国立民族学博物館およびパリ国立図書館蔵)と一致することから、本作もオランダ人からの依頼によって描かれたが、何らかの理由により日本に留まった可能性が考えられる[注釈 9]
春夜美人図(しゅんや びじんず)または夜桜美人図よざくら びじんず 絹本[注釈 10]著色 1幅 88.8x34.5 メナード美術館 無款 無款だが、北斎派風の女性描写や、明暗の付け方、灯籠などの細部の描写が他の応為作品と共通することから、応為筆だとほぼ認められている作品。元禄時代に活躍した女流歌人・秋色女を描いた作品だと考えられる[注釈 11]
百合図(ゆり ず 絹本著色 1面(貼交屏風一隻のうち) 個人(北斎館寄託 款記「應ゐ栄女筆」/「應」白文方印
竹林の富士図(ちくりん のふじ ず 絹本著色 1幅 個人 款記「應為栄女筆」/「富士山」形印 元々知られていた伝北斎・伝応為の「竹林の富士図」双幅[注釈 12]とは別作品。図柄は殆ど同じで落款がなければ区別できないが、本図の款記の文字はしっかりしているのに対し、双幅の方は書体が雑で、富士山形の印も似せているが別印である。
三曲合奏図[注釈 13]さんきょくがっそう ず英語題名 "Pictorial evidence for sankyoku gassou") 絹本著色 1幅 46.5×67.5 ボストン美術館米国 款記「應ゐ酔女筆」/「應ゐ」白文方印 中央の遊女が、右側の芸者が三味線、左側の町娘が胡弓をひく。「三曲合奏」とは、「琴・三味線・胡弓(または尺八)のこと、またその合奏」の意味だが、浮世絵ではもっぱら尺八ではなく胡弓で描かれ、複数の絵師が同画題を手がけている。身分が異なる女性が一度に合奏するという現実ではなかったであろう場面だが、これは中国の伝統的な画題である「三酸図[注釈 14]」にならったとも考えられる。見事な彩色もさることながら、横長の絹本に、3人の女性に楽器を持たせ、破錠無く画面全体を作り上げており、応為の高い画力を見て取ることが出来る。なお、イタリアキヨッソーネ東洋美術館にも伝応為の同名作品(英語題名 "Trio of women playing the shaminen,kokyu andkoto")が所蔵されているが、全体に雑で、女性の帯や衣などが異なり、琴の弦の数が1、2本多い(ボストン本は13弦)ことから、本図の模倣品とする説がある[12]
関羽割臂図[13]かんう かっぴ ず、英語題名 "Operating on Guan Yu's Arm") 絹本著色 1幅 140.2×68.2 クリーブランド美術館(米国) 款記「應為栄女筆」/「葛しか」白文方印 現在知られる応為落款の作品中、最も大きい作品。右腕に毒矢を受けた関羽を、名医・華陀が小刀で骨に付いた毒を削り取って治療する場面。池田東籬亭作、二代目葛飾戴斗画、天保10年(1839年)3月序『通俗絵本三国志』5編8巻の挿絵を典拠としており、制作はそれ以降と見なせる。応為の落款がなければ女性が描いたとは思えないほど力強く、周囲の男たちの苦悶する表情や滴り落ちる血の描写は生々しさに満ちている。なお、捺されている「葛しか」白文方印は、北斎が使用していた印である。「葛しか」印は3種類確認されており、本作品のものは北斎81歳から88歳まで使用した印である。当時、応為と北斎は同居していたから北斎使用印を用いているのも不自然ではないが、ここでわざわざ用いているのは北斎の指導下で制作されたのを暗示しているとも考えられる。元々は松代藩にあった作品とされるが、昭和初期には東京にもたらされていたようだ。その後、金子孚水ら複数人の手を経て麻生美術工芸館の所蔵となるが、同館は閉館し平成10年(1998年)10月ニューヨークオークションにかけられる。この時の予想落札価格は4〜6万ドルだったが、実際には16万7500ドルで落札された。現在はクリーブランド美術館に収まっている。

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1973
1981 :

1977
(1978) :

1984 


 Miss HOKUSAI:

 

Katherine GovierThe Ghost Brush

20152 - 20186/3

20163
2017NHK NHK:[14]

 201611

  201711

2016 

20045

!2010 :

20177 - 

2019ESHI-AI

Fate/Grand Order2018TYPE-MOON:

2016-E60:

HOKUSAI2020S.D.P:

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注釈[編集]



(一)^ 

(二)^    20192899

(三)^ 1995 2009p.362ISBN 978-4-9904055-1-9

(四)^ 121  21199310

(五)^ C0034762  -  

(六)^  使

(七)^  

(八)^    1993427p.122

(九)^  p.8

(十)^  使

(11)^  2120043pp.69-89

(12)^    197511

(13)^ Three Women Playing Musical Instruments _ Museum of Fine Arts, Boston

(14)^ 

出典[編集]

  1. ^ 鈴木 1999, pp. 308–309.
  2. ^ a b 鈴木 1999, p. 309.
  3. ^ a b 鈴木 1999, p. 313.
  4. ^ 日野原 2017.
  5. ^ 鈴木 1999, pp. 309–310.
  6. ^ 鈴木 1999, p. 312.
  7. ^ 鈴木 1999, p. 311.
  8. ^ このエピソードは応為を主人公としたアニメーション映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』での劇中でも描かれている。
  9. ^ 鈴木 1999, pp. 311–312.
  10. ^ 鈴木 1999, pp. 217–218.
  11. ^ 久保田(1995)
  12. ^ 久保田 2015, p. 26.
  13. ^ Operating on Guanyu's Arm _ Cleveland Museum of Art
  14. ^ "眩(くらら)〜北斎の娘〜". NHK. 2017年9月18日. 2023年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月22日閲覧

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, 18939 
, ︿19998 



2015424ISBN 978-4-904706-11-4 



19932141021 pp. 44-47

1995 117 pp. 12-25

2017-- 6811 pp. 73-79

2018  8 pp. 87-117



 2 1982 20

  <>20061 ISBN 978-4-5829-4493-8

2007106-107ISBN 978-4-8087-0809-2 

2008ISBN 978-4-490-10720-3 



11  1991

  58 1996

  10  2012329

   201551

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  201027 - 2010315

NHK