iMac
概要[編集]
ギル・アメリオCEOの元で開発が始まったとされているが[4]、デザインの責任者ジョナサン・アイブによると開発当初から、︵NeXT社買収でAppleに復帰した︶スティーブ・ジョブズが主導した製品であり[5][3]、ラディカルなデザインのiMacはパソコンの歴史においてエポックメイキングなものとなった。開発はApple社内のごく限られた人数で構成されたチームにより極秘裏に進められ、1998年5月6日に行われたジョブズによる発表会[6]で初めてiMacの存在を知った社員がほとんどであった[7]。特長[編集]
それまで市場で販売されていたデスクトップ型のパーソナルコンピュータは、機能の優先や拡張性の確保のため、箱形の筐体をしたものが多かった。これはPC/AT互換機に限らずAppleの製品でも同じで、iMac発売当時に並販されていたPower Macintosh G3 DT, MTも箱形のデザインであった。また筐体色はアイボリーやブラックが多かったが、一方でマンハッタンシェイプと呼ばれたX68000や﹁ハイパーメディアパソコン﹂FM Townsといったデザインが一般的な箱型と異なるグレーの筐体を用いたものや、1997年に発売を開始したソニーのVAIOにバイオレット︵紫色︶が用いられ﹁VAIOカラー﹂[16]と呼ばれるなどがあった。 iMacが発表された際には、白と半透明のブルーを使った﹁色﹂、箱形を脱して曲線を多用した﹁形﹂、また当時コンピュータを買う目的の一つであったインターネットへ接続するまでの購入時・後のユーザーの煩雑さ︵周辺機器の購入や接続︶低減に効果のあったディスプレイやキーボード、マウス、モデムといった周辺機器の内蔵もしくは付属によって、製品を箱から出して付属のコード数本を繋ぎ、電源を入れた後に通信契約を行えばインターネットへ簡単に繋げることができる﹁シンプルさ﹂が着目され、メディアでは﹁斬新なデザイン﹂と評された[17]。色[編集]
形[編集]
発売当初のCRTを搭載したiMacは、筐体デザインに配慮した変形五角形の専用品を使用している。この初代iMacのデザインは、日本国内で1998年度グッドデザイン賞の家庭用メディア部門にて同賞を受賞している[18]。 2002年のiMac G4発売に伴い、製品全体の大幅なデザイン変更が実施された。ディスプレイは液晶となり、半球状の本体から伸びた可動式アームの先にディスプレイが取り付けられた。それまでのCRT型のデザインコンセプトはeMacのシルエットに引き継がれた。2004年発売のiMac G5で液晶一体型で薄型のデザインにモデルチェンジしている。 このほかにも、発売当初から最新のモデルまで本体表面や内部のパーツおよび構造、付属品、ソフトウェアなど数多くのマイナーチェンジが都度施されている。コンセプトの波及[編集]
iMacの色の特徴であるトランスルーセント︵半透明︶のデザインコンセプトは、コンピュータ業界のみならず、家電業界や文具等のデザインにも影響を与えた[19]。この流れのなかでフューチャーパワー社 (Future Power) の﹁E-Power﹂や、eMachines社の﹁eOne﹂、ソーテック社の﹁e-one﹂などiMacのコンセプトを大きく取り入れたデスクトップ型パーソナルコンピュータが出回った。Appleは意匠権の保護を求めて提訴し、裁判所から製造と販売の差し止め命令が下されたり[20]、あるいは和解の後にiMacで使われたカラー以外への切り替えがおこなわれた[21][22][23]。 1999年にAppleは同じコンセプトのノート型パソコンiBookを発表する。その後もiTunes、iPod、iPhoneなど、Appleの製品やサービスに﹁i﹂を付けたものが続いた︵→小文字のi︶。歴代モデル[編集]
iMac G3(第一世代)[編集]
ボンダイブルーモデル | |
開発元 | Apple Computer |
---|---|
種別 | デスクトップ |
CPU | PowerPC G3, 233 - 333 MHz |
項目 | Rev. A | Rev. B | Rev. C | Rev. D |
---|---|---|---|---|
製品番号 | M6709J/A |
M6709J/B |
? | |
CPU | PowerPC 750 | |||
CPUクロック周波数 | 233MHz |
266MHz |
333MHz | |
内蔵ディスプレイ | 15インチCRT 最大1024x768ピクセル表示 | |||
GPU | ATI Rage IIc 2MB | ATI Rage Pro 6MB | ATI Rage Pro Turbo 6MB | |
RAM | 標準32MB搭載、最大128MB | |||
(非公式に最大384MB) |
(非公式に最大512MB) | |||
2スロット PC66 SDRAM SO-DIMM | ||||
HDD | 3.5インチ EIDE | |||
4GB |
6GB | |||
USB 1.1 | 2ポート | |||
内蔵モデム | V90対応、56Kbps | |||
内蔵イーサネット | 10/100Base-T | |||
初期搭載OS | Mac OS 8.1(専用版) | Mac OS 8.5 | Mac OS 8.5.1 | Mac OS 8.6 |
iMac DV系 (スロットローディング)[編集]
- iMac 500/600/700
- Indigo, Graphite, Snow
項目 | Slot Loading | Summer 2000 | Early 2001 | Summer 2001 | |
---|---|---|---|---|---|
CPU | PowerPC 750L |
PowerPC 750CX |
PowerPC 750CXe | ||
CPUクロック周波数 | 350/400MHz |
350/400/450/500MHz |
400MHz |
500/600MHz |
500/600/700MHz |
内蔵ディスプレイ | 15インチCRT 最大1024x768ピクセル表示 | ||||
GPU | RAGE 128 VR 8MB AGPx2 | RAGE 128 Pro 8MB AGPx2 | RAGE 128 Turbo 16MB AGPx2 | ||
ビデオポート | DVモデルのみ 標準 VGA 出力ポート(15 ピンミニ D-Sub コネクタ) |
標準 VGA 出力ポート(15 ピンミニ D-Sub コネクタ) | |||
RAM | PC100 SDRAM | ||||
64MB、128MB |
128MB、256MB | ||||
最大512MB(非公式に1GB) |
最大1GB | ||||
HDD | 3.5インチ Ultra ATA66 | ||||
6GB、10 GB、また13 GB |
7GB、10GB、20GB、また30GB |
10GB、20GB、また40GB |
20GB、40GB、また60GB | ||
光学ドライブ | ? | DVD-ROMドライブ (最下位機種のみCD-ROMドライブ) |
CD-ROMドライブ |
CD-RWドライブ | |
内蔵モデム | V90対応、56Kbps | ||||
内蔵イーサネット | 10/100Base-T | ||||
Wi-Fi | IEEE802.11b AirMacカード対応(オプション) | ||||
I/F | (FireWireはDVモデルのみ) |
- | |||
6ピンのFireWire ポート (IEEE 1394) ×2、6Wまでの電源供給が可能 | |||||
USB 1.1 ポート x 2 | |||||
サイズ | H 38.1 x W 38.1 x D 43.5 cm | ||||
重量 | 15.8kg | ||||
OS | Mac OS 8.6〜9.2.2 |
Mac OS 9.0.x〜9.2.2 |
Mac OS 9.1〜9.2.2 |
Mac OS 9.2.2 | |
(Mac OS X v10.4.11までで稼働可能) |
iMac G4 (Flat Panel)[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
開発元 | Apple Computer |
---|---|
種別 | デスクトップ |
CPU | PowerPC G4, 700 MHz - 1.25 GHz |
2002年1月にMacworld Conference & Expo/San Francisco 2002で発表されたiMacは、それまでとは全く異なるデザインでモデルチェンジされた。半球型の本体から可動アームが伸び、その先に液晶ディスプレイが接続されたオールインワンパソコン。この可動アームによって液晶ディスプレイを自由な角度に調整することができる。スティーブ・ジョブズはこのiMacをsunflower(ヒマワリ)のようだと呼んだ。音質を重視した前モデルのコンセプトを引き継ぎ、本体にはデジタルアンプとモノラルスピーカを内蔵、デジタル接続のステレオスピーカが付属する。
発表当初は15インチディスプレイ搭載モデルのみであったが、2002年に17インチワイドディスプレイ、2003年には20インチワイドディスプレイを搭載したモデルがラインナップに追加された。
項目 | Flat Panel[39] | May 03[40] | Sep 03 | USB 2.0[41] |
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内蔵ディスプレイ | 15インチ TFT液晶ディスプレイ 1,024x768, 視野角水平120°x垂直90°, 輝度200cd/m2 コントラスト比300:1 | |||
N/A | 17インチ TFT液晶ディスプレイ 1,440x900, 視野角水平120°x垂直90°, 輝度200cd/m2 コントラスト比300:1 | |||
N/A | 20インチ TFT液晶ディスプレイ 1,680x1050, 視野角水平170°x垂直170°, 輝度230cd/m2 コントラスト比350:1 | |||
CPU | PowerPC 7450 |
PowerPC 7455 | ||
CPUクロック周波数 | 700MHz/800MHz |
800MHz/1GHz |
1GHz/1.25GHz | |
GPU | GeForce2 MX 32MB |
N/A | ||
N/A | GeForce4 MX 32MB/64MB | |||
N/A | GeForce FX 5200 Ultra 64MB | |||
ビデオ | ミニVGA 出力ポート | |||
オーディオ | 内蔵スピーカ、内蔵18Wデジタルアンプ、
Apple Pro Speakers用ミニジャック | |||
RAM | PC100 SDRAM, 128MB/256MB
最大1GB | |||
HDD | 40GB、また60GB 3.5インチ Ultra ATA100 | 60GB、また80GB 3.5インチ Ultra ATA100 | 80GB 3.5インチ Ultra ATA100 | |
光学ドライブ | CD-RWドライブまたは
ComboDrive(DVD-ROM/CD-RW)またはSuperDrive(DVD-R/CD-RW) | |||
モデム | V90対応、56Kbps | |||
LAN | 10/100Base-T | |||
Wi-Fi | AirMacカード対応(オプション) | AirMac Extremeカード対応ととBluetoothの内部サポート(オプション) | ||
I/F | 6ピンのFireWire ポート (IEEE 1394) ×2
(合計で8Wまでの電源供給が可能) USB 1.1 ポート x 3 |
6ピンのFireWire ポート (IEEE 1394) ×2
(合計で8Wまでの電源供給が可能) USB 2.0 ポート x 3 | ||
重量 | 15インチモデル 9.7kg | |||
N/A | 17インチモデル 10.4kg | |||
N/A | 20インチモデル 18.2kg | |||
OS | Mac OS 9.1〜9.2.2
(Mac OS X v10.4.11までで稼働可能) |
Mac OS X v10.2〜Mac OS X v10.5.8 |
iMac G5[編集]
開発元 | Apple Computer |
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種別 | デスクトップ |
CPU | PowerPC 970, 1.6 GHz - 2.1 GHz |
iMac G5[編集]
2004年8月31日に、液晶一体型で薄型の本体となった17インチ(1,440×900ドット、厚みは約5センチ)2モデル、ならびに20インチ(1,680×1,050ドット、厚みは約6センチ)1モデルのiMac G5合計3モデルを発表した。 CPUにはPowerPC 970の1.6GHz, 1.8GHz、GPUにはGeForce 5200 Ultraが採用された。一見、ディスプレイに見える筐体は、1つのアルミ製のスタンドで支えられており、筐体の角度を-5度から25 度まで傾けることができる。
項目 | 17インチ:1.6GHz | 17インチ:1.8GHz | 20インチ:1.8GHz |
---|---|---|---|
LCD | 17インチワイドスクリーン (1440×900ピクセル) |
20インチワイドスクリーン (1680×1050ピクセル) | |
CPU | PowerPC 970 | ||
CPUクロック周波数 | 1.6GHz |
1.8GHz | |
二次キャッシュ | 256KB | ||
フロントサイドバス | 533MHz |
600MHz | |
メモリ | 256MB 400MHz DDR SDRAM | ||
GPU | GeForce 5200 Ultra(64MB、AGP 8X接続) | ||
Serial ATA ハードディスクドライブ | 80GB |
160GB | |
光学ドライブ | スロットローディング方式 | ||
ComboDrive (DVD-ROM/CD-RW) |
8倍速SuperDrive (DVD-RW/CD-RW) | ||
I/F | 2基のFireWire 400、3基のUSB 2.0 | ||
ネットワーク | 10/100BASE-T Ethernet | ||
ワイヤレス | AirMac ExtremeワイヤレスネットワーキングとBluetoothの内部サポート (CTOオプション) |
iMac G5 (Ambient Light Sensor)[編集]
2005年5月3日に、CPUを1.8GHz, 2.0GHz、GPUをRadeon 9600搭載へと性能をアップしたiMac G5 (Ambient Light Sensor) シリーズを発表。
項目 | 17インチ:1.8GHz | 17インチ:2.0GHz | 20インチ:2.0GHz |
---|---|---|---|
LCD | 17インチワイドスクリーン (1440×900ピクセル) |
20インチワイドスクリーン (1680×1050ピクセル) | |
CPU | PowerPC 970 | ||
CPUクロック周波数 | 1.8GHz |
2.0GHz | |
二次キャッシュ | 512KB | ||
フロントサイドバス | 600MHz |
667MHz | |
メモリ | 512MB 400MHz DDR SDRAM | ||
GPU | ATI Radeon 9600(128MB、AGP 8X接続) | ||
Serial ATA ハードディスクドライブ | 160GB |
250GB | |
光学ドライブ | スロットローディング方式 | ||
24倍速ComboDrive(DVD-ROM/CD-RW) | 8倍速SuperDrive (DVD+R DL/DVD±RW/CD-RW) | ||
I/F | 2基のFireWire 400、3基のUSB 2.0 | ||
ネットワーク | 10/100/1000BASE-T(ギガビット)Ethernet | ||
ワイヤレス | AirMac ExtremeワイヤレスネットワーキングとBluetooth内蔵 |
iMac G5 (iSight)[編集]
2005年10月12日に、アーキテクチャをPCI Express/DDR2 SDRAMベースに一新しiSightを内蔵した、iMac G5 (iSight) シリーズを発表。 筐体の構造と内部設計を全面変更し冷却性能が大幅に改善された。これがiMacシリーズ最後のPowerPC搭載機になり、その後外見を全く変えずにインテルのCPUを搭載したiMacの誕生となる。
項目 | 17インチ | 20インチ |
---|---|---|
CPU | PowerPC 970FX | |
CPUクロック周波数 | 1.9GHz |
2.1GHz |
二次キャッシュ | 512KB | |
フロントサイドバス | 633MHz |
700MHz |
メモリ | オンボード512MB DDR2-533 SDRAM (最大2.5GB) | |
GPU | ATI Radeon | |
X600Pro |
X600XT | |
VRAM | DDR 128MB (20インチのみCTOオプションで256MB) | |
Serial ATAハードディスクドライブ | 160GB |
250GB |
光学ドライブ | スロットローディング 8倍速 SuperDrive | |
ネットワーク | 10/100/1000BASE-T(ギガビット)Ethernet |