Transaction Processing Facility
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開発元 | IBM |
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最新版 |
V1.1 / 2004年10月 |
プラットフォーム | z/Architecture(System z等) |
種別 | オペレーティングシステム |
ライセンス | プロプライエタリ (IPLA) |
公式サイト | z/TPF |
Transaction Processing Facility (TPF) は、IBMのメインフレーム用の、大容量トランザクション処理に特化したオペレーティングシステム (OS) である。
高い信頼性を持ち、1秒間に最大数万件のトランザクションを処理できるため、航空路管制や座席予約システム︵CRS︶など航空業界で多く利用される他、金融業界でも使われている。最新版はSystem z用のz/TPF V1.1である。
なお同じSystem zで稼動するz/OSやz/VSEやz/VMなどのOSとは、別物である。
IBMメインフレームOS の歴史 |
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概要[編集]
SABREから発展し、1960年代中ごろIBMが欧米の主要な航空会社と共同で開発したAirlines Control Program (ACP)を起源とするOSである︵ACPは無料︶。1979年、IBMがACPの代替としてTPFを有料の製品として登場させた。その名称は従来よりも適用範囲が広いことを示唆している。
予約システムのユーザーとしては、SABRE、Holiday Inn、シンガポール航空、KLMオランダ航空、カンタス航空、アムトラック、マリオット・インターナショナル、日本航空などがある。またVisa︵認証システム︶、CBOE︵オプション取引の注文システム︶、ニューヨーク市警察なども導入している。
TPFは、高速・大量・高スループットのトランザクション処理が可能で、大規模な広域ネットワークでのトランザクションを継続的に大量に処理する。大規模なTPFシステムで毎秒数万トランザクションを処理するのはたやすい。TPFは高信頼でもあり、いわゆる24×7の連続運用が可能である。TPFのユーザーがシステムとソフトウェアのアップグレードを行いつつ10年以上もオンライン処理を継続していることも珍しくない。IBMは類似のトランザクション処理システムとしてCICSやIMSを持っているが、それらとの違いはTPFの大容量/同時ユーザー接続数/高速応答時間などの優位性である。
TPFにはPARSと呼ばれるアプリケーションがある。多くの航空会社はPARSまたは国際版の IPARS を座席予約システムに使用している。TPFは性能を重視したため 370アセンブリ言語で書かれており、アプリケーションもアセンブリ言語で書かれたものが多数存在する。しかし、最近のTPFはC言語を使うようになってきている。TPF 向けのプログラミング言語として SabreTalk というPL/Iの派生言語があった。TPFの主要コンポーネントはTPFDFと呼ばれる高性能データベースファシリティである。
TPFを採用しているサイトでは、トランザクション処理以外の用途で、他のIBMメインフレーム用オペレーティングシステム︵z/OSやz/VM︶も使っていることが多い。逆にz/OS上でTPFから派生したトランザクション処理システムALCSを動作させる場合もある。IBMのパーティショニング技術により、これらのOSは1つのメインフレーム上に共存できる。
TPFのSystem z (z/Architecture)対応であるz/TPFは2005年に登場した。64ビットに対応しており、GCCコンパイラを含むGNUツールが使用可能となっている。
IBMのオープン対応により航空業界以外では入れ替えが進んでおり、JTBでは基幹システムであるTRIPSを2009年にSystem pへ移行した[1]