デジタル大辞泉 「始め」の意味・読み・例文・類語 はじめ【始め/初め】 1はじめること。また、はじめた時期。﹁勤め―﹂﹁タバコの吸い―﹂⇔終わり。 2 物事の起こり。起源。﹁国の―﹂ 3 物事を行う最も早い時期。最初のころ。副詞的にも用いる。﹁五月の―﹂﹁何をするにも―が肝心だ﹂﹁―から終わりまで読み通す﹂﹁―君だとは気づかなかった﹂ 4 順序のいちばん先。序列の第一。﹁―の話のほうがおもしろい﹂ 5 ︵﹁…をはじめ﹂﹁…をはじめとして﹂の形で用いる︶多くの中で、主となるもの。また、先に立つもの。﹁校長を―、教師全員﹂﹁米を―として食品の多くが﹂ 6 一部始終。事の次第。 ﹁御無心ながら乳を少し貰ひましょ、と―を語れば﹂︿浮・一代男・一﹀ [補説]ふつう3・4・5は﹁初め﹂と書く。 [類語]︵1︶︵3︶最初・当初・初期・初頭・始期・早期・初葉・劈(へき)頭(とう)・冒頭・出(で)出(だ)し・滑り出し・初(しょ)手(て)・出(では)端(な)・端(はな)・初っ端(ぱな)・口(あ)開け・取っ付き・頭(あたま)・のっけ・スタート・第一・一次・原初・手始め・事始め・まず・優先・序の口・皮切り・第一歩・第一声・開口一番・嚆(こう)矢(し)・一番・いの一番・真っ先・先立ち・先頭・端(はし)・取り敢えず・差し当たり・ひとまず・当座・始まり・始まる・始める・トップ・初発・発端・端緒・濫(らん)觴(しょう)・権(けん)輿(よ)・起こり・緒・とば口・取っ掛かり・開始・幕開き・開幕・立ち上がり・口切り・最優先・何をおいても・何はさておき・何はともあれ・口火を切る・先ず以て/︵2︶始まり・起こり・元(もと)・発(ほっ)端(たん)・端緒・濫(らん)觴(しょう)・嚆(こう)矢(し)・権(けん)輿(よ)・起源・根源・源・源流・本元・物種・温床・源泉・糸口・緒・端・とば口・取っ掛かり・手掛かり・足掛かり・道を付ける 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「始め」の意味・読み・例文・類語 はじめ【始・初】 (一)〘 名詞 〙 ( 動詞﹁はじめる︵始︶﹂の連用形の名詞化 ) (二)① 物事の起こり。原初。 (一)(イ) 物事の生成の発動、また、その時期。発生。 (一)[初出の実例]﹁開闢之初 安女津知乃比良久留波志女(あめつちのひらくるハシメ)﹂(出典‥御巫本日本紀私記︵1428︶神代上) (二)(ロ) 新しく事を起こすこと。また、その位置、時期。開始。切り出し。端緒。 (一)[初出の実例]﹁宮づかへのはしめに、ただなほやはあるべき﹂(出典‥伊勢物語︵10C前︶七八) (三)② 時間的推移における最も早い時期。﹁終わり﹂または﹁なか、あと﹂に対応し、副詞的にも用いる。 (一)(イ) 初期。初頭。 (一)[初出の実例]﹁正月たつ春の波自米(ハジメ)にかくしつつ相し笑みてば時じけめやも﹂(出典‥万葉集︵8C後︶一八・四一三七) (二)(ロ) 最初。先。以前。 (一)[初出の実例]﹁はしめこそ心にくもつくりけれ、今はうちとけて﹂(出典‥伊勢物語︵10C前︶二三) (二)﹁鳥の声も、はじめは羽のうちに鳴くが﹂(出典‥枕草子︵10C終︶七三) (四)③ 物事の起こるみなもと。おおもと。本源。根源。本主。 (一)[初出の実例]﹁有一雌元之処︿比止津乃三乃波志女乃止古呂安利(ひとつのみのハシめのところあり)﹀﹂(出典‥御巫本日本紀私記︵1428︶神代上) (五)④ 物事の序列の第一。いくつか列挙するうちの、第一に主だったもの。 (一)[初出の実例]﹁あまり情にひきこめられて、とりなせばあだめく。これをはしめの難とすべし﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶帚木) (六)⑤ ひと続きのものの最初の部分。 (一)(イ) 表現の首部。書き出し。緒言。前口上。 (一)[初出の実例]﹁導師のはしめにん、︿略﹀経の心とかせ給はんとにこそありけれとばかりいふを聞くに﹂(出典‥蜻蛉日記︵974頃︶上) (二)(ロ) 前の方。前半。最初の部分。 (一)[初出の実例]﹁既に十番競馬はじまる。はしめ四番、一宮惟喬親王かたせ給ふ﹂(出典‥平家物語︵13C前︶八) (七)⑥ 転じて、発端から現時点に至るいきさつ。一部始終。事の次第。井原西鶴の作品に多く見られる。 (一)[初出の実例]﹁正気の時、やうすを問ば、はじめをかたる﹂(出典‥浮世草子・好色一代男︵1682︶四) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例