新幹線E2系電車
東日本旅客鉄道の新幹線電車
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新幹線E2系電車(しんかんせんE2けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の新幹線車両。
新幹線E2系電車 | |
---|---|
走行中のE2系新幹線 (2021年2月10日 大宮駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 東日本旅客鉄道 |
製造所 |
川崎重工業車両カンパニー 日立製作所笠戸事業所 東急車輛製造 日本車輌製造 |
製造年 | 1995年 - 2010年 |
製造数 | 502両 |
運用開始 | 1997年3月22日 |
投入先 | 東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線(2017年3月31日撤退) |
主要諸元 | |
編成 |
8両(6M2T[1] / N編成) 8両 → 10両(6M2T→8M2T / J編成) |
軌間 | 1,435 mm(標準軌) |
電気方式 |
交流25,000V 50Hz/60Hz(0番台) 交流25,000V 50Hz(1000番台) |
最高運転速度 |
275 km/h(東北新幹線)[1] 260 km/h(北陸新幹線) 240 km/h(上越新幹線) |
設計最高速度 | 315 km/h[2] |
起動加速度 | 1.6 km/h/s[1] |
編成定員 |
N編成:計630名(51名) J編成(基本番台):計814名(51名) J編成(1000番台):計813名(51名) ()内はグリーン車 |
編成重量 |
366 t(N編成) 440 t(J編成) |
編成長 |
201.4 m(N編成) 251.4 m(J編成) |
全長 |
25,700 mm(先頭車)[1] 25,000 mm(中間車)[1] |
全幅 | 3,380 mm[1] |
全高 | 3,700 mm[1] |
車体 | アルミニウム合金 |
台車 | DT206(電動車),TR7004(付随車) |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 MT205 |
主電動機出力 | 300 kW × 4基/両(1時間定格)[1] |
駆動方式 | WN駆動方式 |
歯車比 | 3.04[1] |
編成出力 |
7,200 kW (N編成) 9,600 kW (J編成) |
制御方式 | VVVFインバータ制御(IGBT,GTO) |
制動装置 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重装置付き) |
保安装置 | ATC-2型、DS-ATC |
概要
JR東日本の新幹線標準型車両として、開業を控えていた北陸新幹線︵長野新幹線︶高崎駅 - 長野駅間﹁あさま﹂用および200系の置き換えも念頭において設計・開発された。
1995年︵平成7年︶に先行試作車が落成し、1997年︵平成9年︶3月22日に東北新幹線で﹁こまち﹂と連結する速達﹁やまびこ﹂で営業運転を開始した。
落成当初のJR東日本が監修した資料では、北陸新幹線用車両はE2系、秋田新幹線併結用車両は E2'系 ︵ダッシュが入る︶の名称を使用している[3]。ただし、量産車落成以降の資料では、北陸新幹線向けはN編成、東北・上越新幹線向けはJ編成の名称が使用されている[4]。
派生形式として中国高速鉄道CRH2型電車が存在する。
車両概説
本系列は1998年︵平成10年︶冬に開催した長野冬季オリンピック輸送に使用されることを考慮して、以下を車両の基本コンセプトとした[3]。
●トータルイメージ‥Gran-Grace︵気高い、魅力・しとやかさ︶[3]
●エクステリアイメージ‥Dynamic&Graceful︵優美で動的な︶[3]
●インテリアイメージ‥Advanced&Comfort︵先進的で快適な︶[3]
本項では0番台について述べ、1000番台での際については別途記述する。
車体
高速運転時の騒音・環境対策として、トンネル進入時の微気圧波低減のため先頭車両形状の最適化が行われた[3]。車体はアルミニウム合金製である。シングルスキン構造を主体に側構体にダブルスキン構造を用いた編成もある。客用扉にはプラグドアを採用して、車体表面を極力平滑化することにより空力音を低減した[3]。前照灯は運転席上部にシールドビーム式を4灯、その両側に尾灯を配置している[3]。
車体側面には行き先・列車種別・座席表示を兼ねたLED式行先表示器が設置されている。
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E2系先頭車両
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行先表示機
(2005年以前の製造分)
塗装は車体の下半分を紫苑ブルー■、上半分を飛雲ホワイト■とし、境目に真紅レッド■︵N編成︶/つつじピンク■︵J編成︶を配する。車体側面にはエンブレムが配されている。N編成はそよ風を、J編成はりんごをモチーフとしている。
なお、10両編成化される前のJ編成は、N編成と同じカラーリング︵真紅レッドの帯とそよ風をイメージしたエンブレム︶であった。
主要機器
M1+M2ユニットを採用し、M1車︵E215形・E225形︶には主変換装置・補助電源装置・空気圧縮機が、M2車︵E226形︶には主変圧器・主変換装置・集電装置が搭載される。床下の平滑化による騒音の低減と着雪障害の防止のため、床下機器を保護する簡易ふさぎ板が設けられている[5]。
架線からの単相交流25kVを主変圧器で降圧した上で、主変換装置で単相交流から直流、さらに三相交流へと変換して交流電源とした。その交流電源で主電動機を駆動する。
主変圧器(TM206A)は強制風冷式を採用し、2,875kVAの容量を備える[6]。主変換装置との兼ね合いで、二次巻線は4線備える[7]。補機類の電源となる三次巻線は単相交流400V 50/60Hzを出力する[8]。
主変換装置には、GTOサイリスタ素子もしくはIGBT素子を使用したコンバータ2群とインバータ1群で構成されている[7]。
主変圧器オイルポンプ、電動空気圧縮機は主変圧器三次巻線を電源としている[9]。それ以外の補機類の電源として使用される補助電源装置は、主変圧器三次巻線︵単相交流400V、50/60 Hz︶を電源とし、三相交流440V、60 Hz、単相交流100V、60 Hz、直流100Vを出力する[8]。主変圧器・主変換装置・主電動機冷却用電動送風機、冷房装置、連続換気装置はそれを電源としている[8][10]。編成中に3台搭載され常に結んで協調運転をすることにより、1台が故障したとしても他に2台から給電できるようになっている[10]。
主電動機に1時間定格出力300kWのMT205形かご形三相誘導電動機を電動車1両に4基搭載し、この電動機をVVVFインバータにより制御している。許容回転数を6,120rpmに設定し、歯車比を3.04とすることで高速化と急こう配への対応を図っている[11]。
定速運転機能および急勾配区間対応の抑速ブレーキを搭載しており、東北新幹線への入線を考慮しないN編成では北陸新幹線︵先行開業区間︶の曲線や勾配の関係から最高速度は260km/h︵高崎駅以北のみ、上越新幹線では新潟まで全線で240km/h︶とされている。
北陸新幹線︵先行開業区間︶特有の、延長数10kmに及ぶ下り30‰連続勾配では、抑速回生ブレーキを使用することで210km/hでの走行が可能である[3]。また、30‰勾配での高速走行を行うため、抑速回生ブレーキ使用中に1編成中6両ある電動車のうち3両が回生失効状態に陥った時には非常ブレーキが作動し、その後は110km/hでの走行となる[3]。非常ブレーキはすべての動力車両が回生失効になっても210km/hから空気ブレーキのみで停止できる[3]。
台車はボルスタレス式で軸箱支持方式は2枚支持板方式、軸受はつば付円筒ころ軸受 JC38 を採用する[12]。高速直進安定性の為ヨーダンパを装備する[1]。軽量化のため、歯車装置と軸箱前後蓋はアルミニウム製である[12]。車輪径は200系、E1系から縮小され、300系、400系と同じく860mmとなった[1]。量産先行車はDT206︵電動車︶、TR7004︵付随車︶を装着し、空気ばね径が500mmの可変絞り付きであることが特徴であったが[12]、量産車では固定絞りとなった上に軸ばねなどが変更され、乗り心地が改善されたDT206A︵電動車︶、TR7004A︵付随車︶となった。
ブレーキシステムは制御応答性に優れる回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式を採用する[11]。基礎ブレーキ摩耗低減のため、電動車2両に隣接する先頭車を加えた3両を制御単位として遅れ込め制御を行っている[11]。高速域からの減速は回生ブレーキを用い、制動力が不足する場合には空気ブレーキによる補足が入る[11]。基礎ブレーキは、電動台車・付随台車とも各車輪に油圧式ブレーキキャリパーによるディスクブレーキ︵車輪ディスクブレーキ︶を装備するほか、付随台車のみ1軸2枚のディスクブレーキを併用する。
基本番台車両には200系と同様の下枠交差形パンタグラフ︵PS205︶と大型パンタグラフカバーを組み合わせており、4号車と6号車に搭載する。
軽井沢駅 - 佐久平駅間での50/60Hz電源周波数の切り替えに対応した機器を搭載している。
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基本番台パンタグラフ(PS205)とパンタカバー
車内
グリーン車はシートピッチが1,160 mm間隔で、通路を挟んで左右に2列ずつ座席が配置される[5]。長野・新青森・新潟寄り車端の1か所に客用扉・デッキを設ける。
普通車はシートピッチが980 mm間隔であり、通路を挟んで左右に2列+3列に座席が配置される[5]。車端2か所に客用扉・デッキを設ける。
便所は2両に1箇所︵奇数号車の長野・新青森・新潟寄り︶に設置されており、大便所2箇所︵洋式便器2箇所︶と小便所1箇所、洗面所2箇所という構成である。ただし、グリーン車であるE215形は、多目的室を併設するため洗面所が1か所になっている。
当系列はGoogle Mapのストリートビュー内にて車内が公開されている[13][14]。
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普通車(基本番台。7・8号車を除く)
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普通車(1000番台および基本番台の7・8号車)
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普通車(1000番台・J70~J75編成)
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一部にコンセントが備わる(1000番台・J70~J75編成)
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グリーン車
1000番台
東北新幹線八戸開業用として2001年に登場したグループである[15]。
- 車体
アルミニウム合金製であるが、側構体や屋根構体に中空トラス断面大型形材を使用したダブルスキン構造を採用している[16]。妻構体は引き続きシングルスキン構造を採用するが、奇数号車の後位には開口部を設け、便所・洗面所ユニットを搬入後に塞ぎ板を取り付ける構造としている[8]。普通車の窓の寸法は、眺望性の観点から座席2列分に拡大された[16]。乗降扉はプラグドアから従来の引き戸方式に変更されたが、騒音対策として乗降扉周辺の形状も変更している[16]。
2010年増備編成︵J70編成以降︶では、車体側面のLED式行先表示器はフルカラー式に変更されている。
先頭車両およびグリーン車に空気アクチュエータ式フルアクティブサスペンション、その他の車両に減衰力調整式のセミアクティブサスペンションが装備されている。これにより振動の少ない快適な乗り心地を実現している。また、J編成基本番台の車両にも後に装備された。車両妻面の下部同士をオイルダンパで連結する、車体間ダンパを装備して、車体のヨー方向の振動の低減を図っている。
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行先表示器
(2010年製造分) -
行先表示器
(2010年製造分)
英表記 -
車内案内表示器
(2010年製造分)
車内
グリーン車の全席と普通車の窓際・最前・最後部に電源コンセントを設置、最前・最後部のテーブルを拡大、読書灯を設置した。防犯カメラの設置、車掌と通話可能な非常通報装置の導入、車内案内表示器のフルカラー・2段表示化、ドア開閉表示灯の点滅機能も追加しており、同時期に増備されていたE3系2000番台やE5系に準じた設備に変更されている。
主要機器
主変圧器︵TM210︶は強制風冷式を採用し、2,900kVAの容量を備える。主変換装置の変更により、二次巻線を4線から2線に減らすことで軽量化が図られている[8]。また50Hzのみの対応となったため、東北・上越新幹線のみで運用される。
主変換装置は、IGBT素子を使用したコンバータ1群+インバータ1群で構成されており、コンバータを半減させることで軽量化を図っている[8]。
0番台では補助電源装置を電源としていた機器のうち、主変圧器・主変換装置・主電動機冷却用電動送風機は主変圧器の三次巻線︵単相交流400V、50 Hz︶から直接電源を取るように変更された[8]。連続換気装置は専用インバータを介して出力される三相交流440V、60Hzを電源とすることで、0番台との互換性を図っている[8]。この変更により補助電源装置の負荷が軽減されるため、容量及び搭載台数の減少︵編成中3台→2台︶が行われている[8]。
台車は、基本番台︵3次車︶のものをベースに台車枠の強化、軸箱後蓋の鋼製化や踏面清掃装置の変更、ダンパ・キャリパーの改良を施した、DT206C︵電動車︶、TR7004B︵付随車︶である[8][17]。
集電装置は、E3系で採用されたシングルアーム式︵PS206︶をベースに作動機構を小型カバーで覆い、それを支持する碍子を翼断面形状にし、パンタグラフカバーを廃した PS207 を採用している。このパンタグラフはJR東日本と東洋電機製造が共同開発したものであり[18]、九州新幹線の800系にもPS207Kとして採用された。
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1000番台のシングルアーム式パンタグラフ (PS207)
これらの改良により、走行時の消費電力を200系比約70パーセントにまで減少させることが可能になった[1]。
形式
基本的に電動車は奇数形式(M1車)と偶数形式(M2車)でペアを組み、両端の付随車をあわせて編成を構成する。
新製車両
E225形0番台 (E225-9)
E225形400番台 (E225-409)
E226形 (M2)
普通席を備える中間電動車。
100,1100番台
N・J編成2号車として使用。公衆電話︵撤去済︶を備え、主変圧器、主変換装置などを搭載する。
200,1200番台
N・J編成4号車として使用。公衆電話を備え、集電装置、主変圧器、主変換装置などを搭載する。
300,1300番台
N・J編成6号車として使用。公衆電話︵撤去済︶を備え、集電装置、主変圧器、主変換装置などを搭載する。
400,1400番台
J編成8号車として使用。公衆電話を備え、主変圧器、主変換装置などを搭載する。
E226形100番台 (E226-109)
E226形200番台 (E226-209)
E226形300番台 (E226-309)
形式 | 番台 | 車両番号 | 定員 | 製造数 | 総数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
E215形 | 0番台 | 1 - 28 | 51名 | 28両 | 53両 | |
1000番台 | 1001 - 1025 | 25両 | ||||
E223形 | 0番台 | 1 - 28 | 55名 | 28両 | 53両 | |
1000番台 | 1101 | 54名 | 1両 | 大窓、分割併合装置を備える | ||
1002 - 1025 | 24両 | 大窓 | ||||
E224形 | 0番台 | 7 - 19 | 64名 | 13両 | 53両 | |
101 - 106 120 - 128 |
15両 | 分割併合装置を備える | ||||
1000番台 | 1101 - 1125 | 25両 | 大窓、分割併合装置を備える | |||
E225形 | 0番台 | 1 - 28 | 85名 | 28両 | 145両 | |
101 - 114 | 14両 | 大窓 | ||||
401 - 428 | 75名 | 28両 | 車販準備室付き | |||
1000番台 | 1001 - 1025 | 85名 | 25両 | 大窓 | ||
1101 - 1125 | 25両 | 大窓 | ||||
1401 - 1425 | 75名 | 25両 | 大窓、車販準備室付き | |||
E226形 | 0番台 | 101 - 128 | 100名 | 28両 | 198両 | |
201 - 228 | 28両 | |||||
301 - 328 | 28両 | |||||
401 - 414 | 14両 | 大窓 | ||||
1000番台 | 1101 - 1125 | 25両 | 大窓 | |||
1201 - 1225 | 25両 | 大窓 | ||||
1301 - 1325 | 25両 | 大窓 | ||||
1401 - 1425 | 25両 | 大窓 |
編成形態
← 東京 新青森・長野・新潟 → | |||||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
N編成 | 形式 | E223形 (T1c) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1k) |
E226形 (M2) |
E215形 (M1s) |
E224形 (T2c) |
||
ユニット | 1ユニット | 2ユニット | 3ユニット | ||||||||
J編成 | 形式 | E223形 (T1c) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1k) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1) |
E226形 (M2) |
E215形 (M1s) |
E224形 (T2c) |
ユニット | 1ユニット | 2ユニット | 3ユニット | 4ユニット |
編成別解説
N編成
量産車の設計変更
1995年度に落成した量産先行車︵S6・S7編成、後述︶での走行試験の結果を踏まえ、量産車では乗り心地の向上、騒音低減などを目的に下記の点で仕様の変更を行った[4]。
●トンネル微気圧波低減のため、前頭部にふくらみを持たせた形状に変更。
●騒音低減のため、パンタグラフカバーを箱型からスロープ型に変更。
●運転台は運転士の停止位置目標の視認性向上のため、助士席側に小窓を新設︵上部の前照灯横︶。
●運転台計器パネルの配置を、E3系と共通の配置とした。
●一体化した日除けの採用、運転台上部の前尾灯収納キセを前側に移設︵運転台空間拡大︶。
●乗り心地向上のため、車両間の外幌形状を変更、車端ダンパを廃止。
●普通車との差別化のため、グリーン車の天井構造を変更、車内照明を電球色に変更。グリーン車の荷棚下に設置していた補助照明を廃止。
●車内座席の座り心地向上のため、座席形状の変更と色調を変更。
●量産先行車ではグリーン車はブルーの座席表地、普通車は奇数号車にパープル色、偶数号車にブラウン色の座席表地を採用した[5]。
●量産車ではグリーン車は明るいグレーの座席表地に、普通車は1両にグリーン、ピンク、ブルー3色の座席をランダム配置するものとした。
●床面高さを 1,325 mm から 1,300 mm に変更。
●空調ダクトは仕様の見直しにより、構造を大幅に変更している。
●台車の空気ばねなどの仕様変更︵前述︶。
増備概況(N編成)
1995年6月6日にN編成の量産先行車としてS6編成が落成した[19]。1997年3月から9月にかけて、1次車となるN2 - N13編成が落成した[19]。S6編成は1996年︵平成8年︶12月11日に車両番号等の変更を、1997年9月26日に量産化改造を行い、N1編成に名称が変更された[19]。
●S6編成の車両番号変更
●E223-1 → E223-7
●E226-101 → E226-107
●E225-1 → E225-7
●E226-201 → E226-207
●E225-401 → E225-407
●E226-301 → E226-307
●E215-1 → E215-7
●E224-1 → E224-7
その後しばらくは編成内での変化は見られなかったが、2002年︵平成14年︶8月から9月にかけて、N5・N10・N12編成の電動車両︵2 - 7号車︶がJ7・J9・J10編成の電動車両︵8両編成時の2 - 7号車︶と交換された[19]。そのため、編成内で内装の違いがみられた[注2]。さらに、同年10月にはJ1編成がN21編成として編入された[19]。N21編成は、同時にDS-ATCの取り付けも行っている[19]。他編成は2005年︵平成17年︶9月から2006年︵平成18年︶6月にかけて取り付けられた[19]。この時点で8両14本112両︵基本番台N1 - N13・N21編成︶が揃った[20]。
E926-13を組み込んだN21編成
︵2013年11月12日 大宮駅︶
N21編成は、1 - 2号車間に軌道検測車E926-3 (13) を組み込んで検測を行うことが可能であった。E926形が検査などで使用できないときにN21編成による検測を見ることがあった[21]。またJ1編成から編入されたため、分割併合装置を長野・新潟寄り先頭車︵8号車︶に備えていた。
- E2系N編成 編成表
← 東京 長野・新潟 → | |||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
編成番号 | E223形 (T1c) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1k) |
E226形 (M2) |
E215形 (M1s) |
E224形 (T2c) | |
座席 | 普通車 | グリーン車 | 普通車 | ||||||
編成 | N1 - N13 | (0番台) | (100番台) | (0番台) | (200番台) | (400番台) | (300番台) | (0番台) | (0番台) |
N21 | 1 | 101 | 1 | 201 | 401 | 301 | 1 | 101 |
編成一覧表 E2系0番台(N編成)
編成名 | 落成日 | 製造会社 | 車両番号変更 | 量産化改造 | 編成組み換え | 編成名削除 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
S6 →N1 |
1995年6月6日(仙台) | 日本車輛製造 川崎重工業 |
1996年12月11日 | 1997年9月26日 | - | 2014年7月9日(長野) | 量産先行車[注 3] |
N2 | 1997年3月25日(長野) | 川崎重工業 | - | - | - | 2014年9月1日(長野) | |
N3 | 1997年4月16日(長野) | 日立製作所 | - | - | - | 2014年12月1日(長野) | |
N4 | 1997年4月25日(長野) | 川崎重工業 | - | - | - | 2014年4月23日(長野) | |
N5 | 1997年5月14日(長野) | 日本車輛製造 | - | - | 2002年8月1日 | 2017年6月1日(長野) | 中間車(2 - 7号車)をJ7編成と交換 |
N6 | 1997年5月29日(長野) | 日立製作所 | - | - | - | 2014年6月17日(長野) | |
N7 | 1997年6月13日(長野) | 日本車輛製造 | - | - | - | 2016年1月25日(長野) | |
N8 | 1997年6月27日(長野) | 川崎重工業 | - | - | - | 2014年5月26日(長野) | |
N9 | 1997年7月11日(長野) | 日立製作所 | - | - | - | 2014年9月26日(長野) | |
N10 | 1997年7月25日(長野) | 日本車輛製造 | - | - | 2002年8月23日 | 2016年2月17日(長野) | 中間車(2 - 7号車)をJ9編成と交換 |
N11 | 1997年8月8日(長野) | 日立製作所 | - | - | - | 2014年8月1日(長野) | |
N12 | 1997年8月25日(長野) | 東急車輛製造 | - | - | 2002年9月23日 | 2014年4月2日(長野) | 中間車(2 - 7号車)をJ10編成と交換 |
N13 | 1997年9月5日(長野) | 川崎重工業 | - | - | - | 2017年5月11日(長野) | |
S7→J1 →N21 |
1995年4月14日(仙台) | 日本車輛製造 川崎重工業 |
1996年12月11日 | 1997年7月16日 | - | 2015年1月6日(長野) | 量産先行車[注 3] 2002年10月24日、J1編成からN21編成に編入 |
J編成
東北新幹線と上越新幹線で運用されており、2019年10月1日現在、新潟新幹線車両センターに1000番台10両編成11本が、新幹線総合車両センターに1000番台10両編成13本が所属する。分割併合装置を新青森・新潟寄り先頭車︵10号車︶に備え、東北新幹線ではE3系との併結運転を行っている。
増備概況(J編成)
1995年4月14日にJ編成の量産先行車としてS7編成が落成した[22]。1996年12月から1997年3月にかけて1次車となるJ2 - J6編成が落成した[15]。1998年10月から12月にかけて2次車となるJ7 - J10編成が落成した[15]。1次車からの変更点は、東京寄り先頭車両に分割併合装置準備工事が施されている。1999年︵平成11年︶9月から11月にかけて3次車となるJ11 - J15編成が落成した[15]。この増備によって﹁こまち﹂を連結する﹁やまびこ﹂はすべてJ編成に置き換えられた。S7編成は1996年12月11日に車両番号等の変更を、1997年7月16日に量産化改造を行い、J1編成を名乗った[22]。
E2系︵東北新幹線用︶
●S7編成の車両番号変更
●E223-2 → E223-1
●E226-102 → E226-101
●E225-2 → E225-1
●E226-202 → E226-201
●E225-402 → E225-401
●E226-302 → E226-301
●E215-2 → E215-1
●E224-102 → E224-101
東北新幹線では最高速度275km/hで走行可能である︵8両時はN編成の上位互換︶。
2002年8月から9月にかけて、N5・N10・N12編成の電動車両︵2 - 7号車︶がJ7・J9・J10編成の電動車両︵8両編成時の2 - 7号車︶と交換された[22][15]。さらに、同年10月にはJ1編成がN21編成として転出した[22]。
2001年からは1000番台が登場した。先行落成したJ51編成は編成の前後に分割併合装置を持ち、E4系のように8両編成2本併結の16両編成での営業運転も想定されていたが、2002年の八戸開業にあわせ設定される﹁はやて﹂は全車指定席とすることとなり座席定員確保のため、量産車からは10両編成となった。
J52編成以降の増備と並行して、2002年9月から12月にかけて基本番台の10両化が行われた。10両化に伴い増備され、7・8号車に組み込まれたE225形100番台、E226形400番台は制御機器などの基本仕様は基本番台と共通となっており50/60Hz対応であるが、客用ドアの開閉時には告知アナウンスが流れるなど、外観と車内は1000番台と同様である。
2005年︵平成17年︶のJ69編成を最後に増備が一旦終了していたが、東北新幹線の新青森駅延伸開業を控えた2010年︵平成22年︶2月から9月にかけてJ70 - J75編成が製造され[20][23]、10両39本390両︵基本番台J2 - J15編成、1000番台J51 - J75編成︶が出揃った[20]。
なおJ編成は基本番台と1000番台で大きく仕様が異なるが、それぞれの番台内においても仕様に変更点が見られる。基本番台はJ2 - J6編成の東京寄り先頭車E223形に分割併合装置はないが、J7 - J15編成では準備工事としてあるので前頭カバーの形状が異なる。またJ2 - J10編成とJ11 - J15編成で台車など足回りが異なる。1000番台においては、J51編成のみ、両先頭車に分割併合装置が搭載されている。J51 - J53編成ではユニット間の特高圧渡りに直線ジョイントを採用しているが、J54編成以降は4 - 5号車間に傾斜ケーブルヘッドが設置され、緊急時に特高圧引通し回路を切断することが容易である。
2013年12月6日にはJ5編成が北陸新幹線延伸区間へ乗り入れての試運転が実施された[24]。
J66編成は2022年︵令和4年︶に鉄道開業150年および東北・上越新幹線開業40周年を記念して200系のカラーリングに塗装に変更され、同年6月9日より営業運転を開始した[25]。同編成では200系に開業当時設置されていたふるさとチャイムが復活しいる[26]。
-
E3系基本番台「こまち」と連結するE2系
-
E3系2000番台「つばさ」と連結するE2系
-
200系復刻塗装編成
- E2系J編成 編成表[20]
← 東京 新青森・新潟 → | |||||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
編成番号 | E223形 (T1c) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1k) |
E226形 (M2) |
E225形 (M1) |
E226形 (M2) |
E215形 (M1s) |
E224形 (T2c) | |
座席 | 普通車 | グリーン車 | 普通車 | ||||||||
編成 | J2 - J15 | (0番台) | (100番台) | (0番台) | (200番台) | (400番台) | (300番台) | (100番台) | (400番台) | (0番台) | (0番台) |
J51 | 1101 | 1101 | 1001 | 1201 | 1401 | 1301 | 1101 | 1401 | 1001 | 1101 | |
J52 | 1002 | 1102 | 1002 | 1202 | 1402 | 1302 | 1102 | 1402 | 1002 | 1102 | |
: | : | : | : | : | : | : | : | : | : | ||
J74 | 1024 | 1124 | 1024 | 1224 | 1424 | 1324 | 1124 | 1424 | 1024 | 1124 | |
J75 | 1025 | 1125 | 1025 | 1225 | 1425 | 1325 | 1125 | 1425 | 1025 | 1125 |
編成一覧表 E2系0番台(J編成)
編成名 | 落成日 | 製造会社 | 編成組み換え | 10両編成化 | 仙台→新潟 転属 | 編成名削除 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
J2 | 1996年12月20日(仙台) | 日立製作所 | - | 2002年12月19日 | - | 2013年10月2日(仙台) | |
J3 | 1997年1月24日(仙台) | - | 2002年12月24日 | - | 2013年10月30日(仙台) | ||
J4 | 1997年2月12日(仙台) | 川崎重工業 | - | 2002年9月19日 | 2013年3月16日 | 2016年2月8日(新潟) | |
J5 | 1997年3月3日(仙台) | 日本車輛製造 [注 4] |
- | 2002年10月29日 | - | 2014年6月12日(仙台) | |
J6 | 1997年3月17日(仙台) | 日本車輛製造 | - | 2002年11月3日 | - | 2014年5月2日(仙台) | |
J7 | 1998年10月5日(仙台) | 2002年8月1日 | 2002年11月16日 | 2013年3月16日 | 2017年8月21日(新潟) | 中間車(2 - 6・9号車)をN5編成と交換 | |
J8 | 1998年10月20日(仙台) | 日立製作所 | - | 2002年9月24日 | 2016年3月26日 | 2018年5月31日(新潟) | |
J9 | 1998年11月23日(仙台) | 日本車輛製造 | 2002年8月23日 | 2002年9月14日 | - | 2016年4月8日(仙台) | 中間車(2 - 6・9号車)をN10編成と交換 10両編成化第1号 |
J10 | 1998年12月17日(仙台) | 川崎重工業 [注 4] |
2002年9月23日 | 2002年10月24日 | 2013年3月16日 | 2017年2月14・18日(新潟) | 中間車(2 - 6・9号車)をN12編成と交換
1号車は保存の為、譲渡 |
J11 | 1999年9月6日(仙台) | 日本車輛製造 | - | 2002年11月21日 | 2016年3月26日 | 2019年1月9日(新潟) | |
J12 | 1999年9月17日(仙台) | 東急車輛製造 | - | 2002年9月29日 | 2013年3月16日 | 2019年8月23日(新潟) | |
J13 | 1999年10月5日(仙台) | 日立製作所 | - | 2002年10月4日 | 2016年3月26日 | 2018年4月27日(新潟) | |
J14 | 1999年10月19日(仙台) | 川崎重工業 [注 4] |
- | 2002年10月19日 | 2013年3月16日 | 2018年11月7日(新潟) | 運用離脱後、本編成は新潟新幹線車両センターで車体を切り抜くなど
災害対策訓練に使用された。その後同車両センターで解体された。
10号車は保存のため、譲渡。
|
J15 | 1999年11月5日(仙台) | 東急車輛製造 [注 5] |
- | 2002年10月24日 | 2013年3月16日 | 2019年5月17日(新潟) |
編成一覧表 E2系1000番台(J編成)
編成名 | 落成日 | 製造会社 | 10両編成化 | 仙台→新潟 転属 | 編成名削除 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
J51 | 2001年1月16日(仙台) | 川崎重工業 日立製作所 日本車輛製造 東急車輛製造 |
2002年11月10日 | 2019年3月14日(仙台) | 量産先行車[注 6] | |
J52 | 2002年7月17日(仙台) | 日立製作所 | - | 2022年3月14日(仙台) | ||
J53 | 2002年8月5日(仙台) | 川崎重工業 | - | |||
J54 | 2003年3月8日(仙台) | - | 2018年11月1日 | |||
J55 | 2002年11月7日(仙台) | 日立製作所 | - | 2018年6月1日 | ||
J56 | 2002年11月23日(仙台) | - | 2018年3月17日 | 2021年11月1日(新潟) | 2003年の高速走行試験で362kmの結果を残す。 | |
J57 | 2003年10月4日(仙台) | 日本車輛製造 | - | 2021年10月2日 | ||
J58 | 2003年9月11日(仙台) | 東急車輛製造 | - | |||
J59 | 2003年10月21日(仙台) | - | ||||
J60 | 2003年12月24日(仙台) | 川崎重工業 | - | |||
J61 | 2004年1月17日(仙台) | 日本車輛製造 | - | |||
J62 | 2004年2月2日(仙台) | 川崎重工業 | - | |||
J63 | 2003年12月8日(仙台) | 東急車輛製造 | - | 2018年3月17日 | ||
J64 | 2003年6月11日(仙台) | 日立製作所 | - | 2018年3月17日 | ||
J65 | 2004年3月10日(仙台) | 川崎重工業 | - | |||
J66 | 2005年4月6日(仙台) | 日本車輛製造 | - | 200系復刻塗装編成[27] | ||
J67 | 2005年6月7日(仙台) | 日立製作所 | - | |||
J68 | 2005年7月10日(仙台) | - | ||||
J69 | 2005年12月5日(仙台) | 川崎重工業 | - | 2004年に脱線し廃車となった200系K25編成の代替 | ||
J70 | 2010年2月19日(仙台) | 日立製作所 | - | 2017年12月2日 | ||
J71 | 2010年3月11日(仙台) | 日本車輛製造 | - | 2017年3月4日 | ||
J72 | 2010年4月12日(仙台) | 日立製作所 | - | 2017年12月2日 | ||
J73 | 2010年5月10日(仙台) | 川崎重工業 | - | 2017年12月2日 | ||
J74 | 2010年6月7日(仙台) | - | 2017年9月9日 | 2010年12月の東北新幹線全線開通1番列車、はやて11号新青森行きに充当される。 | ||
J75 | 2010年9月27日(仙台) | 日立製作所 | - | 2017年3月4日 |
編成数の変化
※各年の4月1日現在
年 | 0番台 | 1000番台 | 車両数 | 動き | |
---|---|---|---|---|---|
N編成 | J編成 | J編成 | |||
1996 | 1 | 1 | 16 | 先行試作車S6・S7編成を新製。 | |
1997 | 2 | 6 | 24 | J2-J6・N2を新製。
東北新幹線でJ編成が運用開始。 | |
1998 | 13 | 6 | 152 | N3-N13を新製。
長野新幹線でN編成が運用開始。 量産化改造によりS6はJ1に、S7はN1に改番。 | |
1999 | 13 | 10 | 184 | J7-J10を新製。上越新幹線でも運用を拡大。 | |
2000 | 13 | 15 | 224 | J11-J15を新製。 | |
2001 | 13 | 15 | 1 | 232 | 1000番台 登場。
先行試作車J51編成を新製。 |
2002 | 13 | 15 | 1 | 232 | |
2003 | 14 | 14 | 6 | 312 | 東北新幹線 八戸延伸。
J52-J56・増結中間車2両×14本を新製。J編成を10両化。
J1編成は長野新幹線へ転用、N21に改番。
|
2004 | 14 | 14 | 15 | 402 | J57-J65を新製。上越新幹線から撤退。 |
2005 | 14 | 14 | 15 | 402 | |
2006 | 14 | 14 | 19 | 442 | J66-J69を新製。 |
2007 | 14 | 14 | 19 | 442 | |
2008 | 14 | 14 | 19 | 442 | |
2009 | 14 | 14 | 19 | 442 | |
2010 | 14 | 14 | 21 | 462 | J70・J71を新製。 |
2011 | 14 | 14 | 25 | 502 | 東北新幹線 新青森延伸。
J72-J75を新製。 |
2012 | 14 | 14 | 25 | 502 | |
2013 | 14 | 14 | 25 | 502 | 上越新幹線での運用が復活。 |
2014 | 14 | 12 | 25 | 482 | E5系・E7系増備により廃車開始。
J2・J3が廃車。 |
2015 | 4 | 10 | 25 | 382 | N1-N4・N6・N8・N9・N11・N12・N21・J5・J6が廃車。 |
2016 | 2 | 9 | 25 | 356 | N7・N10・J4が廃車。 |
2017 | 2 | 7 | 25 | 336 | J9・J10が廃車。北陸新幹線での運用を終了。 |
2018 | 6 | 25 | 310 | N5・N13・J7が廃車。N編成 消滅。 | |
2019 | 2 | 24 | 260 | J8・J11-J13・J14・J51が廃車。 | |
2020 | 24 | 240 | J12・J15が廃車。0番台消滅。 | ||
2021 | 24 | 240 | |||
2022 | 22 | 220 | J52・J56が廃車。 |
運用の変遷
北陸新幹線
開業当初から東京 - 長野間運転の﹁あさま﹂で使用され、北陸新幹線金沢開業後も営業運転での長野以西への乗り入れは行われなかった[28][29]。
2014年︵平成26年︶4月からE7系への置き換えによりN12編成を皮切りに廃車が始まり、2016年1月3日の﹁あさま﹂614号・615号が定期列車における北陸新幹線での最終運用となった[30]。
2017年3月25日に﹃ありがとうE2系あさま﹄︵長野7:48→上野9:28︶が運行され、同年3月31日で臨時としての運用も終了した[31][32]。
東北新幹線
1997年3月22日に﹁やまびこ﹂で営業運転を開始した。
2002年からは1000番台の増備が本格的開始され、同年7月から11月にかけて、東北新幹線八戸開業用としてJ52-J56編成が落成。その後2003年6月から2005年12月にかけて、200系未更新車を置き換えるためJ57 - J69編成が落成した。
また、2012年︵平成24年︶3月17日ダイヤ改正からは本系列の1000番台車両︵J51 - J75編成︶が一部のE4系﹁Maxやまびこ﹂を置き換える形で、山形新幹線﹁つばさ﹂を併結する﹁やまびこ﹂の運用︵2012年9月29日以降は全列車︶にも充当されるようになった。該当列車は、新幹線では最長の17両編成[注7] での運転となるとともに、最高速度も275km/hに引き上げられた。
JR東日本では、2010年︵平成22年︶末までにE954形﹁FASTECH 360 S﹂をベースに設計した本系列の次世代車両︵E5系︶を導入し、東北新幹線大宮駅 - 宇都宮駅間の最高速度を240km/hから275km/hに、宇都宮駅 - 盛岡駅間の最高速度を275km/hから300km/hに向上させることを2007年︵平成19年︶11月6日に発表した[33]。この高速化に合わせて2011年3月以降200系、E1系を廃車、E2系はE4系と共に上越新幹線へ転出することが報じられた[34]。
2013年3月16日実施のダイヤ改正で、E5系による最高速度320km/h運転が開始され、新青森駅発着の定期列車がE5系に統一され、本系列の定期列車での盛岡以北の運用は終了した[35][注8]。同年9月28日実施のダイヤ改正ではE3系﹁こまち﹂と本系列の併結による定期運用も終了した[36][注9]。
2013年10月からJ2編成を皮切りに廃車が始まり、2019年8月にはJ12編成が廃車され[37]、0番台が全廃となった。
2019年︵令和元年︶3月ダイヤ改正では、1000番台量産先行車のJ51編成が廃車となった[38]。
上越新幹線
1998年12月8日から速達﹁あさひ﹂2往復に投入。J編成8両編成、またはN編成8両編成が充当された。﹁あさま型車両﹂で運転と案内されており、当初は﹁ニューあさひ﹂とも呼ばれていた。2002年11月30日まで運用された。
2002年12月1日からはJ編成10両編成で運用開始。一部の﹁とき﹂﹁たにがわ﹂で2004年︵平成16年︶3月12日まで運用された。
当時の上越新幹線は環境対策の関係で高崎駅以北で最高速度210km/h以上で運転できる列車の本数に制限があったため、非高速ダイヤで運転される列車にも使用された。
上越新幹線ではE2系が投入される以前、高崎駅以北においても200系高速対応車︵F90 - F93編成︶が速達﹁あさひ﹂下り列車︵長岡駅停車︶の上毛高原駅 - 浦佐駅間の下り勾配区間で275km/h運転を実施したが、E2系は全速度域でのランカーブ、加減速性能が200系より優れるため、最高速度が245km/h︵注‥240 km/hと表記されることもある︶であっても、東京駅 - 新潟駅間の所要時間は長岡駅を通過する場合に限り短縮された。
JR東日本は新幹線の線区別に使用車両を統一する方針であり、少数のE2系を投入することで運用が複雑になることから2004年3月をもって高崎駅以北での運用を一旦終了した。このため、最速達タイプ列車もE2系に比べて加速性能が劣る200系・E4系を使用することに伴い、東京 - 新潟間をノンストップに変更し所要時間をE2系運行時と同じにした。
その後、東北新幹線へのE5系導入に伴い余剰となったE2系が転用されることになり、2012年11月16日付けのプレスリリースにおいて、2013年1月26日から﹁とき﹂4往復・﹁たにがわ﹂3往復を200系からE2系に置き換え、最高速度240km/hでの営業運転開始が正式に発表された[39]。上越新幹線の高崎駅以北では約9年ぶりのE2系復活となった。
2013年3月16日のダイヤ改正により、200系は全車E2系に置き換えられた。また、上越新幹線における最速達列車︵東京 - 新潟間ノンストップ︶がE4系からE2系への車両変更に伴い、再び大宮停車に変更された。
2018年︵平成30年︶度以降、上越新幹線に充当されるE4系をE7系に置き換えた後に本系列も同様に置き換え、同線の車両をE7系に統一する予定との報道がなされ、2019年5月8日に上越新幹線 大宮駅 - 新潟駅間の最高速度を現行の240 km/hから275 km/hに引き上げるとともに、2022年度末までに上越新幹線の車両をE7系に統一する旨が発表された。
ところが、2019年10月に発生した令和元年東日本台風︵台風19号︶の影響で千曲川が氾濫し、長野新幹線車両センターも浸水する被害を受け、北陸新幹線車両の半分にあたるE7系・W7系10本計120両が水没し廃車となった[40]。これに伴い、上越新幹線に投入済みまたは投入予定のE7系を北陸新幹線に転用することが発表された[41]。この影響で、上越新幹線のE7系統一についても一時未定となった。その後、E7系の代替新造が進み、2021年10月にE4系が引退。本形式も2023年3月頃に上越新幹線での運用を終了する予定である[42]。
速度試験
中国への技術輸出
詳細は「中国高速鉄道CRH2型電車」を参照
2004年、中華人民共和国鉄道部は第6次在来線スピードアップで最高速度250km/hで運用する車両として、フランスのアルストム社からのペンドリーノベースの車両︵CRH5︶とカナダのボンバルディア社からの車両︵CRH1︶ のほか、日本の川崎重工業など6社による企業連合からE2系ベースの車両を60編成︵うち完成品3編成、部品6編成分と一部精密部品。残りは現地生産、以降は知的財産権を中国側に譲渡︶を納入することを決定した。300 km/h走行対応準備車。中国向けのE2系は、CRH2と呼称されている。
日本の新幹線ベースの車両の国外進出としては、台湾高速鉄道の700T型に次ぐものである。
2006年3月1日に、第一陣となる車両が神戸港から輸出された。2006年7月31日より青島の四方機車車輛にて国産化が開始された。なお中国国内で生産された物については中国にて国家科学技術進歩一等賞を受賞している[45]。
保存車両
- E223-23
脚注
注釈
(一)^ 東北新幹線開業30周年ご当地Suicaラッピング編成︵J53,J60,J61,J66編成︶、北陸新幹線︵先行︶開業15周年ご当地Suicaラッピング編成︵N1,N8,N10,N21編成︶については、ラッピング施工時にステッカーを剥がしている。
(二)^ 元N編成の車両は1次車、元J編成の車両は2次車であるため、ロールカーテンの取っ手形状が異なる。
(三)^ abN1編成︵元S6編成︶、N21編成︵元S7→J1編成︶の1 - 5号車は日本車輛製造、6 - 8号車は川崎重工業が製造した。
(四)^ abc10両編成化の際に組み込まれた7・8号車は日立製作所が製造した。
(五)^ 10両編成化の際に組み込まれた7・8号車は日本車輛製造が製造した。
(六)^ J51編成の1 - 3号車は川崎重工業、4・5号車は日立製作所、6・9号車は日本車輛製造、7・8・10号車は東急車輛製造が製造した。なお、7・8号車は10両編成化の際に組み込まれた。
(七)^ 17両編成の運転は、200系K編成+400系またはE3系1000番台の併結運用が消滅した2001年︵平成13年︶9月以来。同時に﹁やまびこ﹂・﹁つばさ﹂として運用されるのも11年ぶりである。
(八)^ 2021年現在も、繁忙期に運転する﹁はやて﹂の臨時列車では盛岡駅 - 新青森駅間に乗り入れる運用もある。
(九)^ 繁忙期にはE2系とE3系0番台との併結で運用されることがあったが、E3系0番台は2021年に全廃となっている。
出典
(一)^ abcdefghijkl日本機械学会 編﹃高速鉄道物語 -その技術を追う-﹄成山堂書店、1999年、p.57頁。ISBN 4-425-92321-9。
(二)^ 東日本旅客鉄道運輸車両部車両課 編﹃鉄道ジャーナル1995年8月号﹄鉄道ジャーナル社、1995年、p.76頁。
(三)^ abcdefghijk交友社﹃鉄道ファン﹄1995年8月号新車ガイド﹁JR東日本 E2系新幹線電車﹂pp.8-12。
(四)^ ab交友社﹃鉄道ファン﹄1997年4月号新車ガイド﹁JR東日本E2系新幹線電車量産車﹂pp.53 - 57。
(五)^ abcd交友社﹃鉄道ファン﹄1995年8月号新車ガイド﹁JR東日本 E2系新幹線電車﹂pp.13-15。
(六)^ 車両システム・推進制御システム・主変圧器--製品紹介-- 三菱電機 車両システム
(七)^ ab﹃Rolling stock & Machinery﹄第9巻第3号、p.14
(八)^ abcdefghij﹃Rolling stock & Machinery﹄第9巻第3号、p.18
(九)^ ﹃Rolling stock & Machinery﹄第3巻第7号、p.14
(十)^ ab佐藤芳彦 編﹃新幹線テクノロジー -0系から800系九州新幹線の高速車両技術-﹄山海堂、2004年、p.134頁。ISBN 9784381088277。
(11)^ abcd﹃Rolling stock & Machinery﹄第3巻第7号、p.17
(12)^ abc﹃Rolling stock & Machinery﹄第3巻第7号、p.16
(13)^ “Google Maps” (日本語). Google Maps. 2018年7月27日閲覧。
(14)^ “Google Maps” (日本語). Google Maps. 2018年7月27日閲覧。
(15)^ abcdeジェー・アール・アール 編﹃JR電車編成表 2011夏﹄交通新聞社、2011年、p.12頁。ISBN 9784330212111。
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参考文献
●JR東日本運輸車両部車両課﹁JR東日本E2系新幹線電車の概要﹂﹃Rolling stock & Machinery﹄第3巻第7号、日本鉄道車両機械技術協会、1995年7月、14 - 17頁。
●照井英之︵JR東日本鉄道事業本部運輸車両部︶﹁JR東日本 E2系1000番代新幹線電車の概要﹂﹃Rolling stock & Machinery﹄第9巻第3号、日本鉄道車両機械技術協会、2001年3月、14 - 19頁。
●交友社﹃鉄道ファン﹄1995年8月号新車ガイド﹁JR東日本 E2系新幹線電車﹂︵東日本旅客鉄道︵株︶運輸車両部車両課︶pp. 8–15
●交友社﹃鉄道ファン﹄1997年4月号新車ガイド﹁JR東日本E2系新幹線電車量産車﹂︵東日本旅客鉄道︵株︶運輸車両部車両課︶pp. 53–57
関連項目
外部リンク
- 新幹線 E2系 はやて/やまびこ/なすの/とき/たにがわ - 東日本旅客鉄道 車両図鑑
- JR東日本E2系新幹線 「あさま」「やまびこ」 - 日本車輌製造
- JR東日本E2系1000番台新幹線 「はやて」 - 日本車輌製造
- JR東日本E2系電車 - 川崎重工業車両カンパニー(インターネットアーカイブ)
- 東日本旅客鉄道 E2系 - 総合車両製作所(旧・東急車輛製造)(インターネットアーカイブ)