アニメ (日本のアニメーション作品)
概要
用語の変遷
日本では「アニメーション」の用語は時代にもよって変遷もしており、以下の日本語の訳語も使用された。
年代 | 訳語 | 内容 |
---|---|---|
1930年代 | 線画 | 1930年代の映画のクレジットは「線画」がほとんどであった。「線画」には「線」による「画」という意味があり、実写映画に使われる地図、グラフや図表などを意味することもあり、スタッフはアニメーションだけでなく、地図、グラフや表、字幕なども描くことがあった[5]。 |
1940年代以降 - 現在 | 動画 | 「動画」は政岡憲三が日本語訳として提唱。1941年に松竹動画研究所設立、1943年『くもとちゅうりっぷ』でクレジットされた。従来「線画」を使用していた朝日映画社も、1944年『フクちゃんの潜水艦』で「動画」のクレジットを入れた[6]。他にも日本動画(東映動画)、シンエイ動画、日本動画協会など、更には商業用アニメの製作工程の名称(原画と動画)を含めて業界内では「動画」が普及し、多くの辞書や事典でアニメーションの日本語訳として記載されている。 |
1950年代 - 1970年代頃 | 漫画映画(漫画) | アニメーション(アニメ)という語が普及する以前は、第二次世界大戦の戦前・戦後を通じて特に児童向けのアニメーション映画は「漫画映画」あるいは単に「漫画」と呼ばれていた。この名称を含む作品名・シリーズ名には『東映まんがまつり』、『カルピスまんが劇場』、『まんが日本昔ばなし』などがある。 |
1960年代 - 1970年代頃 | テレビまんが | 1964年の『鉄腕アトム』テレビ放映開始もあり、特に子供向け作品は広く(特にはテレビ向け以外も含めて)「テレビまんが」と呼ばれた。 |
1960年代以降 - 現在 | アニメーション(アニメ) | 『小型映画』(映像制作者向けの専門雑誌)で1965年6月号までは主に英語をそのまま片仮名にしたアニメーションという語を使用しており、アニメという略語を使用する場合はアニメーションとセットで用いられていた。7月号でアニメという語がアニメーションの略であるという断りなしで初めて使用された。絵本シリーズ『テレビ名作アニメ劇場』ポプラ社はタイトル名にアニメを使用した最初の書籍とみられる。1975年日本アニメーション設立、1978年のアニメージュ創刊、1985年の広島国際アニメーションフェスティバル開始などもあり、専門用語であったアニメーション(アニメ)が一般にも普及していった。 |
1968年 | アニメート | 絵本シリーズ『名作アニメート絵話』、偕成社。アニメーションを略したものではなく、animation の動詞形の animate を日本語読みにしたもの。一般向けにアニメを含む語をタイトルに用いた最初期の例である。 |
1969年 | アニメラマ | 虫プロによるアニメーション・ドラマ・シネラマ等による造語。映画『千夜一夜物語』(1969年公開)『クレオパトラ』(1970年公開)で使用された。『哀しみのベラドンナ』(1973年公開)では「アニメロマネスク」が使わたが、いずれも広くは普及しなかった。 |
製作会社と制作会社
制作工程
流通形態
制作業界と環境
製作工程の省力化とデジタル化
省力化
デジタル化と3DCG
anime
ジャパニメーション (Japanimation)
- 北米
業界団体
- 日本動画協会(略称:AJA)
国による振興・保護政策
博物館・美術館
見本市・映画祭
表現の自主規制
歴史
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/58/EV2.svg/200px-EV2.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/ff/Sen_to_Chihiro_no_kamikakushi_title.jpg/200px-Sen_to_Chihiro_no_kamikakushi_title.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/0c/Akihabara_Night.jpg/200px-Akihabara_Night.jpg)
物語的側面
技術的側面
商業的側面
輸出
輸出の歴史
日本国外の評価
日本国外の規制等の事例
商品展開とアニメ化
オリジナルアニメ
映画化・テレビ化
実写化
実写作品のアニメ化
実写作品の企画が原作(原案)で、アニメ化された作品では、『月光仮面』・『愛の戦士レインボーマン』・『ザ☆ウルトラマン』などがある。
漫画
かつては、劇場作品は「漫画映画」、テレビ作品は「テレビマンガ(漫画)」と表記や呼称されており、漫画とアニメは混同されたりほぼ同一視されていた。現在も漫画作品を原作とする作品は多い。
コミカライズ(漫画化)
絵本
フィルムブック
アニメーションのフィルムのコマを並べて作った絵本で、講談社のディズニー絵本などが典型例である。
家庭用ビデオなどの映像媒体が普及するまでは、人気アニメ映画などのフィルムブックも販売され、ドラマ音声などを記録したSP・ LP・ソノシートなどと併せて静止画ではあるが楽しむことが、一般的なアニメファンに手の届く範囲ものでもあった。
小説
一般文芸やライトノベルのアニメ化作品も多く存在する。また、原作が小説の場合は深夜アニメや劇場アニメであることが多い。一般文芸では、過去に実写化されていた小説が新たにアニメ化されることが多い。
作品に関しては、ライトノベルのアニメ化作品一覧を参照。
ノベライズ(小説化)
TVアニメ・映画や漫画、ゲームソフトなどが原作となるノベライズも行なわれている。コミカライズと同様に本編から派生した外伝や番外編といったスピンオフを展開する作品も多い。
ミュージカル(2.5次元ミュージカル)
映像媒体のパッケージ販売
2010年代半ばに入ると内外問わずインターネット配信による収益で補完する動きが主流となり、2020年代には配信料が収益の柱となっている[46]。
雑誌
批評・研究
アニラジ
アニメラジオの略称。アニメ・ゲーム・漫画・ライトノベル・声優等のオタが主な聴取対象のラジオ番組。1979年10月、ラジオ大阪『アニメトピア』を皮切りに、多くは深夜放送番組として放送されているが、ネット環境の普及と共にインターネットラジオ番組も増えている。
黎明期にはアニメ雑誌やレコード会社による総合情報番組が多かったが、アニメやゲーム、漫画、小説(ライトノベル)などを原作にしたラジオドラマ番組、人気声優のパーソナリティ番組、アニメソングやゲームミュージック専門のリクエスト番組、アニメに関する話題をリスナーから募集して討論する番組など多岐にわたるようになっている。
音楽(音声媒体)
劇中で使用される音楽の主題歌(テーマソング)・挿入歌・イメージソング・インスト曲・BGMなどサウンドトラックの他、ドラマやアニメの世界観を背景としたドラマ音声などを録音したSP・ LP・ソノシートなどのレコード盤やカセットテープや、現在はCDなどで販売頒布されているほか、iTunesほかインターネット配信も増加している。
かつては、映像媒体は極めて高価だったこともあり、ドラマなどの音声を記録したSP・LP・ソノシートレコード盤、カセットテープ、CDなどの音声媒体が普通の愛好家の手の届く範囲であった。
公式サイト
フィギュア(玩具)
玩具商品のアニメ化作品
玩具の商品企画が原案(原作)でアニメ化された例では、『トランスフォーマー』・『ゾイド』・『超特急ヒカリアン』・『武装神姫』などがある。
アニメを中核とした大規模なメディアミックスとしては、『ベイブレードシリーズ』・『アサルトリリィ』・『新幹線変形ロボ シンカリオン』などがある。
ゲームソフト
後に、ロールプレイングゲーム・アドベンチャーゲームが原作でアニメ化される作品も登場する。 『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』のような推理ゲームから恋愛シミュレーションゲーム、果てにはアダルトゲームを18才未満でも視聴できるように脚本を改編したものまでアニメ化され、作品の幅は広くなっている。また、近年では『Angel Beats!』の麻枝准や『天体のメソッド』の久弥直樹などゲーム会社のシナリオライターがアニメの脚本を手掛ける場合が増えている。
携帯電話向けゲーム
携帯電話の機能が拡大し、インターネットが簡単に利用できるようになってからGREEやMobageのような基本料金無料の携帯電話向けゲームサイトがヒットするようになった。様々なアニメ作品も携帯電話ゲームとなった。アイドルマスター シンデレラガールズでは携帯電話ゲームに登場するキャラクターを元にアニメ化し、大きな話題を収めた。
またスマートフォンが普及すると今までのゲームサイトに代わってアプリケーションでのゲームがヒットするようになった。特にラブライブ! スクールアイドルフェスティバルはアニメ放映中の2カ月間で登録者数が100万人も増え、異例の登録者数増加となった。2015年3月現在で登録者数は国内700万人、全世界で1000万人を突破している。
このようにアニメ作品を題材とした携帯電話ゲームがヒットすると知名度も上がることから、深夜アニメを中心にゲームアプリ開発が激化しつつある。
作品に関してはゲームソフトのアニメ化作品一覧を参照。
トレーディングカード
ゲーム・鑑賞用のコレクションカード。1990年代末-2000年代初頭に発生した社会現象のトレーディングカードブームで普及し「トレカ」と略されることも多い。
アニメ・漫画などの関連商品として古くから存在し、めんこと呼ばれる時代から存在する。
ゲーム専用カードを用いたカードゲームはトレーディングカードゲーム (略称、TCG) と呼ばれる。通常は対戦形式の2人プレイのものが多い。
キャラクターグッズ
子供向けアニメのキャラクターが描かれた文房具や衣類、駄菓子などの食品類など、スーパーやショッピングセンター、コンビニなどで気軽に買える商品がほとんどであるが、一部のアニメショップやイベント会場などでは生産量が少ないグッズも販売され、希少価値の高い商品は中古市場やネットオークションで高値で取引されている。
周辺文化
二次創作
聖地巡礼
脚注
注釈
出典
japanimation.com
など。Anime Oxide
(33)^ 岡田斗司夫 美術手帖 BT #5﹁じゃぱにめぇしょん?﹂
(34)^ ﹃スーパーナチュラル・ザ・アニメーション﹄海外ドラマPowerPush!! TVGroove.com
(35)^ 全米の大人気ドラマ﹃SUPERNATURAL﹄を日本が完全アニメ化 cinema-magazine.com
(36)^ スタジオジブリだけじゃない!これからのジャパニメーションを占う作品に注目! - シネマトゥデイ
(37)^ 日本芸能マネジメント事業者協会。
(38)^ 日本声優事業社協議会 。
(39)^ 日本音声製作者連盟 。
(40)^ 協同組合日本俳優連合
(41)^ 文化庁メディア芸術プラザ “アーカイブされたコピー”. 2009年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月26日閲覧。
(42)^ ﹃読売新聞﹄2011年12月24日朝刊童話面25頁﹁﹇昭和時代﹈30年代︵35︶テレビジョン=下 茶の間に浸透︵連載︶﹂︵読売新聞東京本社︶
(43)^ 地球人間模様@ヨーロッパ 日本を究める
(44)^ Documentaire présentant le Japon à travers l'amitié franco-japonaise
(45)^ ジブリ鈴木敏夫P、宮崎駿の“跡継ぎ”に庵野秀明を指名 | ORICON NEWS
(46)^ abcdINC, SANKEI DIGITAL (2021年4月8日). “﹁日本人なら中国人の3分の1で済む﹂アニメ制作で進む“日中逆転”の深刻さ”. SankeiBiz. 2021年6月17日閲覧。
(47)^ 大塚康生﹃リトル・ニモの野望﹄徳間書店、2004年、p.29。
(48)^ ROBOTECH.COM︵公式サイト︶‥タツノコプロとハーモニーゴールド社とのライセンス契約上の問題により、オンラインショップの発送先に日本は選択できない
(49)^ 増田弘道﹃アニメビジネスがわかる﹄NTT出版、2007年、p.148
(50)^ 日本のアニメ番組輸出売上高 年間30億円 総務省調 アニメ!アニメ! 2007年6月21日
(51)^ 日本貿易振興機構 調査レポート︵コンテンツ︶ http://www.jetro.go.jp/industry/contents/reports/
(52)^ 草薙聡志﹃アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?﹄徳間書店、2003年、pp.30-32
(53)^ 草薙(2003)、p.55
(54)^ 山本暎一﹃虫プロ興亡記 安仁明太の青春﹄新潮社、1989年、p.153
(55)^ 古田尚輝﹃鉄腕アトムの時代 映像産業の攻防﹄世界思想社、2009年、p.254
(56)^ 古田(2009)、p.258
(57)^ 清谷信一﹃ル・オタク フランスおたく事情﹄ベストセラーズ、1998年、p.33
(58)^ 古田(2009)、pp.254-255
(59)^ 遠藤誉﹃中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす﹄日経BP社、2008年、pp.9,81
(60)^ ﹁ハリウッドから欧州文化を守れ(その2) / 宮田信一郎﹂﹃広告﹄第33巻第3号、博報堂、1992年5月15日、39頁、NDLJP:2679995/21。<
(61)^ “放送コンテンツの海外展開に関する現状分析︵2013年度︶” (PDF). 内閣官房 (2014年11月28日). 2014年12月3日閲覧。
(62)^ 清谷(1998)、p.52
(63)^ 清谷(1998)、pp.53-54.
(64)^ 我が国のコンテンツの海外における﹁ゲートキーパー﹂プロファイリング調査︵フランス編︶︵2011年3月︶ | 調査レポート - 国・地域別に見る - ジェトロ
(65)^ 日本アニメ人気の露、﹁デスノート﹂﹁いぬやしき﹂など国内配布禁止 過激表現理由に
(66)^ 中国コンテンツ市場調査︵6分野︶ 2009年版︵2009年10月︶ | 調査レポート - 国・地域別に見る - ジェトロ
(67)^ 遠藤誉(2008)、p.67,91.196,206
(68)^ ﹁﹁しんちゃん﹂インドでTV放映中止? 子供への影響懸念﹂“アーカイブされたコピー”. 2008年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月7日閲覧。
(69)^ 津堅信之﹃アニメーション学入門﹄平凡社新書、2005年、pp.108-110
(70)^ 津堅︵2005︶、pp.110-111.
(71)^ 米沢嘉博﹁マンガと同人誌のささやかな饗宴﹂﹃別冊宝島358 私をコミケにつれてって!巨大コミック同人誌マーケットのすべて﹄宝島社、1998年pp.44-45.
(72)^ 津堅︵2005︶、pp.111-112.
(73)^ 押井守﹁消息期には終息期のテーマがあるはずです ﹃アニメージュ﹄創刊200号に寄せて﹂﹃アニメージュ﹄1995年2月号
(74)^ 小牧雅伸﹃アニメックの頃… 編集長ま奮闘記﹄NTT出版、2009年、p.83
(75)^ 岡田斗司夫、山本弘、小巻雅伸﹁オタクの歴史徹底大研究﹂﹃空前絶後のオタク座談会1ヨイコ﹄音楽専科社、2001年、p.57
(76)^ 藤津遼太﹃﹁アニメ評論家﹂宣言﹄扶桑社、2003年、pp.277-278
(77)^ 津堅(2007)、p.179
(78)^ 日本アニメーション学会 公式サイト
(79)^ 苺ましまろ‥月刊コミック電撃大王2006年3月号
参考文献
書籍
論稿
- dictionary.reference.com. “dictionary.com-anime” (英語). 2009年7月31日閲覧。
- dictionary.reference.com. “dictionary.com-OTAKU” (英語). 2009年7月31日閲覧。
- 山里裕一 (2008年10月). “アニメブームの形成と増幅”. 2009年7月31日閲覧。
- 佐野昌己 (2007年). “日本アニメの現状と将来”. 2009年7月31日閲覧。
- 青木優 (2006年). “日本アニメ産業の現状と課題”. 2009年7月31日閲覧。
- 呉恵京 (2006年). “日本アニメの表現形式”. 2009年7月31日閲覧。・JAniCA講義 井上俊之さん小黒祐一郎さんと一緒に﹃もっとアニメを観よう!﹄配布資料‥井上俊之の作画史観に基づく年表(PDF) ・アラブ社会における日本のアニメ・マンガの影響 保坂修司、国際日本文化研究センター, 2007.12.20. ・特集﹁アニメ熱狂のからくり﹂、週刊東洋経済、2023年5月27日号。
関連項目
外部リンク