「分 (数)」の版間の差分
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数の単位としての'''分'''︵ぶ、ぶん、ふん︶は、[[1/10|十分の一]]を表す。分は[[尺貫法]]など、日本や中国などにおいて、[[倍量・分量単位|分量単位]]としても用いられる。[[割]]と共に使われることに起因して、'''分が1/100を表す単位であるとの誤解'''が多い︵[[#百分の一を意味するとの誤解]]︶。
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数の単位としての'''分'''︵ぶ、ぶん、ふん︶は、[[1/10|十分の一]] ({{分数|1|10}}) を表す。分は[[尺貫法]]など、日本や中国などにおいて、[[倍量・分量単位|分量単位]]としても用いられる。[[割]]と共に使われることに起因して、'''分が[[1/100|百分の一]] ({{分数|1|100}}) を表す単位であるとの誤解'''が多い︵[[#百分の一を意味するとの誤解]]︶。
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そもそも﹁分﹂は、﹁[[8|八]]﹂+﹁[[刀]]﹂の[[会意]]であり、刀で左右に︵八︶に切りわける意味を表す漢字である<ref>岩波新漢和辞典、p.146、岩波書店、第2刷、1995年4月13日発行、ISBN 4-00-080080-9</ref><ref>白川静‥常用字解、p.564、平凡社、初版第5刷、2004年3月1日発行、ISBN 4-582-12805-X</ref>。分は[[命数法#小数|小数]]の分量単位としては最大のものである。
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そもそも﹁分﹂は、﹁[[8|八]]﹂+﹁[[刀]]﹂の[[会意]]であり、刀で左右に︵八︶に切りわける意味を表す漢字である<ref>岩波新漢和辞典、p.146、岩波書店、第2刷、1995年4月13日発行、ISBN 4-00-080080-9</ref><ref>白川静‥常用字解、p.564、平凡社、初版第5刷、2004年3月1日発行、ISBN 4-582-12805-X</ref>。分は[[命数法#小数|小数]]の分量単位としては最大のものである。
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==概説== |
==概説== |
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[[十進法]]の文脈では﹁十個に切り分ける﹂ということから、様々な[[計量単位]]や[[割合]]の[[1/10]]を表すために使われる<ref>[[#小泉1989|小泉(1989), p. 233]] 分︵長さの単位︶ 人の身体部分に出た単位またはその分割量ではなく、ものを分かつという義から出たもの</ref><ref name="#1">[[#二村2002|二村(2002), p.289]]</ref><ref>[[#小泉1974|小泉(1974), p.345]]﹁さらに銭の十分の一を﹁分﹂ということになったが、この分は質量単位に限らず、一般に十分の一を表わす字である。﹂</ref>。
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[[十進法]]の文脈では﹁十個に切り分ける﹂ということから、様々な[[計量単位]]や[[割合]]の[[1/10|{{分数|1|10}}]]を表すために使われる<ref>[[#小泉1989|小泉(1989), p. 233]] 分︵長さの単位︶ 人の身体部分に出た単位またはその分割量ではなく、ものを分かつという義から出たもの</ref><ref name="#1">[[#二村2002|二村(2002), p.289]]</ref><ref>[[#小泉1974|小泉(1974), p.345]]﹁さらに銭の十分の一を﹁分﹂ということになったが、この分は質量単位に限らず、一般に十分の一を表わす字である。﹂</ref>。
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﹁[[割]]﹂と共に使われる場合には、﹁分﹂が''' |
﹁[[割]]﹂と共に使われる場合には、﹁分﹂が'''{{分数|1|100}}を意味すると誤解'''されることがある︵[[#百分の一を意味するとの誤解|後述]]︶。なお、[[厘]]は分の{{分数|1|10}}であり、分の上位の単位の{{分数|1|100}}である<ref>[[#小泉1974|小泉(1974), p.259]]﹁銭以下は、分、厘、毫と十進法を取るのである。この方式もいつか日本に入った。</ref>。
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十進法以外では、[[時間]]や[[角度]]といった[[六十進法]]では 1 |
十進法以外では、[[時間]]や[[角度]]といった[[六十進法]]では 六十分の一 ({{分数|1|[[60]]}}) を意味する。この場合の読みは﹁ふん﹂である。
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== 計量単位など == |
== 計量単位など == |
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=== 分(長さの単位) === |
=== 分(長さの単位) === |
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==== 尺・寸に対する分 ==== |
==== 尺・寸に対する分 ==== |
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[[長さ]]の単位としての﹁分﹂は、[[寸]]の{{分数|1|10}} |
[[長さ]]の単位としての﹁分﹂は、[[寸]]の{{分数|1|10}}である<ref>[[#二村2002|二村(2002), p.289]] 長さ 尺貫法による単位. 寸の10分の1.</ref>。[[度量衡法]]では、[[寸]]が約30.303 [[ミリメートル|mm]]であるので、分は、約3.0303 [[ミリメートル|mm]] である。
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度量衡法における長さの基本となる単位は「[[尺]]」であり、尺の{{分数|1|10}} |
度量衡法における長さの基本となる単位は「[[尺]]」であり、尺の{{分数|1|10}}が「寸」となる。 |
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﹁分﹂を﹁[[寸]]﹂とともに使う場合、﹁三寸二分﹂︵= 3.2寸︶のように表す。1の位が0の場合は、単に﹁二分﹂︵= 0.2寸︶のように表す。[[石川英輔]]は、﹁一分は常に基準となる寸の{{分数|1|10}}︵すなわち0.1寸︶を表すのであって、0.1[[尺]]を意味することはない。﹂としている<ref>石川英輔﹁ニッポンのサイズ図鑑﹂、p.33、ISBN 978-4-4730-4367-2、(株)淡交社</ref>。[[小泉袈裟勝]]は、﹁分は一般に上位の単位の{{分数|1|10}}に当てられる。﹂としてる<ref>[[#小泉1989|小泉(1989), p. 233]]</ref>。したがって、一尺三分は、1.3尺ではなく、1尺+0寸+3分 = 1尺+0.3寸 = 1尺+0.03尺 = 1.03尺 である。
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﹁分﹂を﹁[[寸]]﹂とともに使う場合、﹁三寸二分﹂︵= 3.2寸︶のように表す。1の位が0の場合は、単に﹁二分﹂︵= 0.2寸︶のように表す。[[石川英輔]]は、﹁一分は常に基準となる寸の{{分数|1|10}}︵すなわち0.1寸︶を表すのであって、0.1[[尺]]を意味することはない。﹂としている<ref>石川英輔﹁ニッポンのサイズ図鑑﹂、p.33、ISBN 978-4-4730-4367-2、(株)淡交社</ref>。[[小泉袈裟勝]]は、﹁分は一般に上位の単位の{{分数|1|10}}に当てられる。﹂としてる<ref>[[#小泉1989|小泉(1989), p. 233]]</ref>。したがって、一尺三分は、1.3尺ではなく、1尺+0寸+3分 = 1尺+0.3寸 = 1尺+0.03尺 = 1.03尺 である。
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==== その他 ==== |
==== その他 ==== |
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なお、[[ワイヤ]]や[[ボルト (部品)|ボルト]]などの鋼材の直径を示す場合、[[ヤード・ポンド法]]における{{分数|1|8}}インチ(十進表記で 0.125 インチ;[[十二進法|十二進表記]]で 0.16 インチ = 1[[ライン (単位)|ライン]]6ポイントが基本単位として用いられることがある。{{分数|1|8}}インチ は 3.175 [[ミリメートル|mm]] であり、尺貫法の分の長さに近いことから、便宜的にこれを「分」と呼ぶ場合がある<ref>[[#小泉1989|小泉(1989), p. 233]] 八分の一インチの日本的呼称。ねじなどの寸法に用いた。「四分ねじ」など。幕末から輸入された機械類がフート、インチ系で、八分の一インチ、十六分の一インチなどが単位として用いられていたからである。八分の一インチは三・一八ミリで、一分に近い。</ref> |
なお、[[ワイヤ]]や[[ボルト (部品)|ボルト]]などの鋼材の直径を示す場合、[[ヤード・ポンド法]]における{{分数|1|8}}インチ(十進表記で 0.125 インチ;[[十二進法|十二進表記]]で 0.16 インチ = 1[[ライン (単位)|ライン]]6ポイント)が基本単位として用いられることがある。{{分数|1|8}}インチ は 3.175 [[ミリメートル|mm]] であり、尺貫法の分の長さに近いことから、便宜的にこれを「分」と呼ぶ場合がある<ref>[[#小泉1989|小泉(1989), p. 233]] 八分の一インチの日本的呼称。ねじなどの寸法に用いた。「四分ねじ」など。幕末から輸入された機械類がフート、インチ系で、八分の一インチ、十六分の一インチなどが単位として用いられていたからである。八分の一インチは三・一八ミリで、一分に近い。</ref> |
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<ref>[[#二村2002|二村(2002), p.289]] また, 正しい使い方ではないが, 町工場などで1/8インチを分とよぶことがある. すなわち, 1/8インチは3 mm強であるから, ほぼ1分に近いところから出たよび名であろう.</ref>。例えば、{{分数|3|8}}インチ︵十二進表記で 0.46インチ = 4ライン6ポイント︶を3分、{{分数|1|2}}インチ︵十二進表記で0.6インチ = 6ライン︶を4分と呼ぶ。
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<ref>[[#二村2002|二村(2002), p.289]] また, 正しい使い方ではないが, 町工場などで1/8インチを分とよぶことがある. すなわち, 1/8インチは3 mm強であるから, ほぼ1分に近いところから出たよび名であろう.</ref>。例えば、{{分数|3|8}}インチ︵十二進表記で 0.46インチ = 4ライン6ポイント︶を3分、{{分数|1|2}}インチ︵十二進表記で0.6インチ = 6ライン︶を4分と呼ぶ。
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[[質量]]の単位としての﹁分﹂︵読みは、﹁ふん﹂。後述。︶は、[[匁]]の{{分数|1|10}}である<ref>[[#二村2002|二村(2002), p.289]] 質量 日本固有の[[貫]]系の質量単位. 匁の10分の1をいう.</ref>。度量衡法では、[[匁]]は 3.75 g であるので、分は、 0.375 g である。[[匁]]は、﹁もんめ﹂︵単位記号は、mom︶と表記されて﹁真珠の質量の計量﹂の場合に限って認められるが、分は使用が禁止されている︵前述︶。
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[[質量]]の単位としての﹁分﹂︵読みは、﹁ふん﹂。後述。︶は、[[匁]]の{{分数|1|10}}である<ref>[[#二村2002|二村(2002), p.289]] 質量 日本固有の[[貫]]系の質量単位. 匁の10分の1をいう.</ref>。度量衡法では、[[匁]]は 3.75 g であるので、分は、 0.375 g である。[[匁]]は、﹁もんめ﹂︵単位記号は、mom︶と表記されて﹁真珠の質量の計量﹂の場合に限って認められるが、分は使用が禁止されている︵前述︶。
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1891年制定の度量衡法では「貫」が基本となる単位とされ、「分」は貫の{{分数|1| |
1891年制定の度量衡法では「貫」が基本となる単位とされ、「分」は貫の{{分数|1|10,000}}と定められた。 |
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=== 分(温度の単位) === |
=== 分(温度の単位) === |
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[[温度]]の分量単位としての﹁分﹂は、[[セルシウス度|度]]の{{分数|1|10}} |
[[温度]]の分量単位としての﹁分﹂は、[[セルシウス度|度]]の{{分数|1|10}}である。例えば 36.5 [[セルシウス度|℃]]を﹁三十六度五分﹂と呼ぶ。ただし、この呼び方は、[[国際単位系]]でも日本の[[計量法]]体系でも認められていない。1902年に書かれた[[正岡子規]]の﹃[https://www.aozora.gr.jp/cards/000305/files/43537_41508.html 病牀六尺]﹄には、体温を﹁三十六度五分﹂とする表現が現れる。
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== 歴史単位 == |
== 歴史単位 == |
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=== 百分の一を意味するとの誤解 === |
=== 百分の一を意味するとの誤解 === |
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割合を言うときには、﹁三割二分六厘﹂というように表現する。﹁[[割]]﹂そのものが{{ |
割合を言うときには、﹁三割二分六厘﹂というように表現する。﹁[[割]]﹂そのものが{{分数|1|10}}を意味する数詞であるために、﹁割﹂とともに﹁分﹂を使った場合には、まるで分が{{分数|1|100}}を意味するかのように誤解されがちである。この誤解はかなり広範に信じられている<ref>[[大修館書店]]による﹁漢字文化資料館﹂において、﹁ややこしいのですが、この表は、実際の数字を表す場合の表で、割合を表すときには、10分の1に﹁割﹂が割って入って、後は1桁ずつ繰り下がるそうです。﹂という勘違いに基づく解説がなされている。[https://kanjibunka.com/kanji-faq/history/q0057/ 漢字で数を表す時、10分の1は割、100分の1は分、1000分の1は厘となりますが、もっと小さい数を表す漢字には、どのようなものがありますか?] 漢字Q&A、漢字文化資料館</ref><ref>[https://note.com/takeotamashiro/n/n5ad832f3bf6d ﹁分﹂は十分の一? 百分の一?] 玉城武生、2020-07-29</ref>。
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割合においても、分は割の1 |
割合においても、分は割の{{分数|1|10}}を意味する。割合の全体は十割︵10割︶であるが、現代の数学において割合の全体は実数の1で示すため、一割︵1割、すなわち現代数学での{{分数|1|10}}に相当︶の{{分数|1|10}}である﹁分﹂に{{分数|1|100}}の意味があるとの誤解が生じた。
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== その他の表現・使用 == |
== その他の表現・使用 == |
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﹁七分咲き﹂、﹁五分五分﹂、﹁九分九厘﹂、﹁腹八分︵腹八分目︶﹂、﹁盗人にも三分の理﹂、﹁七分袖﹂の表現の中での使われ方は、全体である﹁十分︵じゅうぶ︶ = 1﹂に対する割合を表している。つまりそれぞれ﹁1﹂を全部として、﹁0.7咲き﹂、﹁0.5 対 0.5﹂、﹁0.99﹂、﹁満腹の0.8﹂、﹁盗人にも0.3︵30%︶の理屈﹂、﹁長袖の70%の長さの袖﹂ということであり、これらからも﹁分﹂が{{分数|1|10}}の意味であることが明確である。
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﹁七分咲き﹂、﹁五分五分﹂、﹁九分九厘﹂、﹁腹八分︵腹八分目︶﹂、﹁盗人にも三分の理﹂、﹁七分袖﹂の表現の中での使われ方は、全体である﹁十分︵じゅうぶ︶ = 1﹂に対する割合を表している。つまりそれぞれ﹁1﹂を全部として、﹁0.7咲き﹂、﹁0.5 対 0.5﹂、﹁0.99﹂、﹁満腹の0.8﹂、﹁盗人にも0.3︵30%︶の理屈﹂、﹁長袖の70%の長さの袖﹂ということであり、これらからも﹁分﹂が{{分数|1|10}}の意味であることが明確である。
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中国と台湾における[[国際単位系]]の[[SI接頭語]]でも、{{分数|1|10}}を表す分量単位である[[デシ]]︵deci、記号は |
中国と台湾における[[国際単位系]]の[[SI接頭語]]でも、{{分数|1|10}}を表す分量単位である[[デシ]]︵deci、記号は d︶の漢字として﹁分﹂を使用している︵[[:zh:国际单位制#詞頭]]︶。なお、{{分数|1|100}}のセンチ︵centi、記号は c︶には﹁厘﹂を、{{分数|1|1000}}のミリ︵milli、記号は m︶には﹁毫﹂を使用している︵[[:zh:国际单位制词头]]︶。
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[[人民元]]や[[ニュー台湾ドル]]、[[満州国圓]]などの通貨単位においても、分は元や[[圓]]から見れば{{分数|1|100}}とはなるが、その場合でも分の意味としてはあくまで︵元や圓の{{分数|1|10}}である︶角の{{分数|1|10}}であり、分自体が{{分数|1|100}}を表しているわけではない。例えば﹁3角5分﹂は﹁3.5角﹂の意味である。
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[[人民元]]や[[ニュー台湾ドル]]、[[満州国圓]]などの通貨単位においても、分は元や[[圓]]から見れば{{分数|1|100}}とはなるが、その場合でも分の意味としてはあくまで︵元や圓の{{分数|1|10}}である︶角の{{分数|1|10}}であり、分自体が{{分数|1|100}}を表しているわけではない。例えば﹁3角5分﹂は﹁3.5角﹂の意味である。
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== 六十進法における「分」 == |
== 六十進法における「分」 == |
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時間と角度は[[六十進法]]なので、﹁分﹂は |
時間と角度は[[六十進法]]なので、﹁分﹂は六十分の一 ({{分数|1|[[60]]}}) を表すことになる。なお、この場合の読みは、﹁ふん﹂または﹁ぷん﹂である。
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* [[分|時間の一分]] = {{分数|1|60}}[[時間 (単位)|時間]] |
* [[分|時間の一分]] = {{分数|1|60}}[[時間 (単位)|時間]] |
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* [[分 (角度)|角度の一分]] = {{分数|1|60}}[[度 (角度)|度]] |
* [[分 (角度)|角度の一分]] = {{分数|1|60}}[[度 (角度)|度]] |
2024年6月20日 (木) 09:44時点における最新版
概説[編集]
十進法の文脈では﹁十個に切り分ける﹂ということから、様々な計量単位や割合の1⁄10を表すために使われる[3][4][5]。 ﹁割﹂と共に使われる場合には、﹁分﹂が1⁄100を意味すると誤解されることがある︵後述︶。なお、厘は分の1⁄10であり、分の上位の単位の1⁄100である[6]。 十進法以外では、時間や角度といった六十進法では 六十分の一 (1⁄60) を意味する。この場合の読みは﹁ふん﹂である。計量単位など[編集]
長さや質量の単位の分は、根拠法である計量法施行法も1958年末で廃止され、1966年以降は、日本の計量法では、計量単位としての分は、特殊の計量の場合[8]であっても、取引・証明における使用は一切禁止されている。 以下、近代の日本において使われていた﹁分﹂の個別の単位について述べる。明治時代から第二次世界大戦前までは、国定教科書で小数の呼称として、﹁分・厘・毛・・﹂が使われていた。その中で1935年の教科書には、3.4 km を﹁三粁四分﹂と記した立札の写真の掲載がある[7]。数 | 長さ | 質量 | 温度 | 道のり |
---|---|---|---|---|
1000 | 貫* | |||
100 | 丈 | |||
10 | 尺* | |||
1 | 寸 | 匁 | 度 | 粁 |
0.1 | 分 | 分 | 分 | 分 |
0.01 | 厘 | 厘 | 厘 | 厘 |
0.001 | 毛 | 毛 | 毛 | 毛 |
1に相当する単位が「上位の単位」となる。* 度量衡法で基本とされた単位。 |
分(長さの単位)[編集]
尺・寸に対する分[編集]
その他[編集]
なお、ワイヤやボルトなどの鋼材の直径を示す場合、ヤード・ポンド法における1⁄8インチ︵十進表記で 0.125 インチ‥十二進表記で 0.16 インチ = 1ライン6ポイント︶が基本単位として用いられることがある。1⁄8インチ は 3.175 mmであり、尺貫法の分の長さに近いことから、便宜的にこれを﹁分﹂と呼ぶ場合がある[11] [12]。例えば、3⁄8インチ︵十二進表記で 0.46インチ = 4ライン6ポイント︶を3分、1⁄2インチ︵十二進表記で0.6インチ = 6ライン︶を4分と呼ぶ。分︵質量の単位︶[編集]
質量の単位としての﹁分﹂︵読みは、﹁ふん﹂。後述。︶は、匁の1⁄10である[13]。度量衡法では、匁は 3.75 g であるので、分は、 0.375 g である。匁は、﹁もんめ﹂︵単位記号は、mom︶と表記されて﹁真珠の質量の計量﹂の場合に限って認められるが、分は使用が禁止されている︵前述︶。 1891年制定の度量衡法では﹁貫﹂が基本となる単位とされ、﹁分﹂は貫の1⁄10,000と定められた。分︵温度の単位︶[編集]
温度の分量単位としての﹁分﹂は、度の1⁄10である。例えば 36.5 ℃を﹁三十六度五分﹂と呼ぶ。ただし、この呼び方は、国際単位系でも日本の計量法体系でも認められていない。1902年に書かれた正岡子規の﹃病牀六尺﹄には、体温を﹁三十六度五分﹂とする表現が現れる。歴史単位[編集]
中国や日本などで用いられている、あるいは過去に用いられていた十進法の単位系として主に以下のものがある。数 | 長さ | 重さ | 割合 | 免 | 銀目 | 長さ | 十二時辰 | 銀圓 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1000 | 引 | 貫☨ | 貫☨ | ||||||
100 | 丈 | ||||||||
10 | 尺 | 両 | (全体) | (石高) | (5⁄2束☨) | 圓 | |||
1 | 寸 | 銭(匁☨) | 割 | 一つ☨ | 匁☨ | 文 | 伏☨ | 時(刻) | 角 |
0.1 | 分 | 分 | 分 | 分 | 分 | 分 | 分 | 分 | 分 |
0.01 | 厘 | 厘 | 厘 | 厘 | 厘 | 厘 | 厘 | 厘 | 文 |
0.001 | 毛 | 毫(毛) | 毛 | 毛 | 毛 | 毛 | 毛 | 毛 | |
太字は基本単位。☨日本固有の単位。 |
分(長さの単位)[編集]
尺・寸に対する分[編集]
文に対する分[編集]
文︵もん︶は、主として足袋や靴など履物の大きさを表すのに用いられた長さの単位で、銭貨の直径に相当する約2.4センチメートル[注 2]であるが、この﹁文﹂の1⁄10を﹁分﹂という。例えば、十文三分︵ともん さんぶ︶ = 10.3文 = 約24.5 cm である。束・伏に対する分[編集]
束は、主として矢の長さを表すのに用いられる長さの単位で、2尺5寸 = 10束、1束(拳の幅) = 4伏(指4本分の幅)であるが、この指1本分の幅﹁伏﹂の1⁄10を﹁分﹂という。例えば、5分刈り = 0.5伏 = 約9 mm である。分︵重さの単位︶[編集]
歴史的には重さの基本単位は両であり[16]、銭︵匁︶は両の1⁄10である。銭︵匁︶の1⁄10が分である。分︵時間の単位︶[編集]
ここでいう時間の単位としての﹁分﹂は、近世頃まで使用され、十二時辰による一時︵とき︶︵刻︶を10等分したものであり、現在使用されている六十進法による分︵ふん, min︶とは異なる。 例えば、江戸時代後期の1854年に起った安政東海地震の発生時刻は﹁朝五ツ時七分﹂︵9:23頃[注 3]︶︵駿河国﹃震災諸家届書﹄︶のように書かれたものがある[17]。このように表記した場合、﹁朝五ツ時﹂︵8:06頃[注 4]︶から一時の7⁄10だけ経過した時刻を指している[18]。 安政南海地震では揺れた時間が﹁凡ソ二分時位﹂︵広島﹃藝州広嶋ゟ十二月朔日相届候書状写﹄︶と書かれたものがある[19]。これは、現在の単位で約2分間ではなく、一時の2⁄10、つまり20分余揺れたという意味である[注 3]。 当時一般的だった不定時法では昼と夜の長さは緯度、季節によって変動し、例えば江戸の場合、夏至では昼の一時は2.64 h、夜の一時は1.36 h、冬至では昼の一時は1.82 h、夜の一時は2.18 hと変動する[20]。従って﹁一分﹂の長さは、現在の単位で夏至では昼が約15分51秒、夜が約8分9秒、冬至では昼が約10分56秒、夜が約13分4秒と変動する[21]。![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f1/Oozushi_Han_in_Iyo_%28Ehime%29%2C_1746.jpg/200px-Oozushi_Han_in_Iyo_%28Ehime%29%2C_1746.jpg)