「屋根裏」の版間の差分
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{{Otheruses|建築構造|東京都渋谷区のライブハウス|屋根裏 (ライブハウス)}} |
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{{出典の明記|date=2012年6月}} |
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'''屋根裏'''︵やねうら、{{Lang-en-short|atticまたはgarret}}︶とは、[[屋根]]の裏側︵下側︶に当たる部分の空間のこと。小屋裏︵こやうら︶とも言う。
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[[平屋]]建てで[[天井]]が造られている建築物の場合は、屋根と[[天井]]の間の空間が屋根裏である。 |
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日本の住宅では昔から[[物置]]のスペースとして使われ、薄暗い空間をイメージさせるが、近代建築などでは窓から光を取り入れ[[書斎]]や子供部屋として使われていたりもする。また、水平の天井を張らずに小屋組みまで吹き抜けにし、上部に空間を設けたもの([[ロフト]]等)も屋根裏の一種になる。 |
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<!--西洋建築ではありふれた様式。--> |
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|File:Wikipedia-dachboden.jpg|屋根裏の一例 |
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|File:Attic bedroom.jpg|[[寝室]]として使われている屋根裏の例([[アイスランド]]) |
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|File:Schloss Hoensbroek Kleine Zolder.jpg|大きな館の屋根裏を見学者のために活用している例([[リンブルフ州 (オランダ)|オランダ、リンブルフ州]]、[[:nl:Kasteel_Hoensbroek|Kasteel Hoensbroek]]の屋根裏) |
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活用できないか、していない屋根裏にも、点検口を設けて最低限に出入りが可能なようにする必要がある。多くは、押入れの隅に開かれることが多い。 |
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== 建築技術 == |
== 建築技術 == |
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; 小屋組の技術 |
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屋根裏にある程度の大きさの空間を確保するためには、勾配屋根を支えるための[[小屋組]]の部材が邪魔にならないよう工夫しなければならない。 |
屋根裏にある程度の大きさの空間を確保するためには、勾配屋根を支えるための[[小屋組]]の部材が邪魔にならないよう工夫しなければならない。 |
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また、空間の確保だけでなく、換気・断熱などにも配慮しなければならない。これらに特に配慮しなければ屋根裏は50℃をゆうに超える高温となり収納物に傷みを生じることもあり、部屋として用いるなら居室と同等の配慮が必要となる。 |
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⚫ | : 二段階の勾配を持つ屋根。意図的に屋根の中腹を外側に膨らませたような形となっているため、屋根裏に高さを、建物の中心からはずれた位置でも(かなり壁寄りの位置でも)、確保できる。 |
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⚫ | : 小屋組の部材が邪魔になりにくい{{仮リンク|クイーンポストトラス|en|Queen post}}やマンサードトラスなどは屋根裏に空間を確保するのに適している。 |
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[[File:Louver_(PSF).png|thumb|160px|right|屋根裏の換気のために壁面に設置される[[ルーバー]]の例]] |
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; 換気・断熱 |
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== 屋根裏のイメージ == |
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また、空間の確保だけでなく、換気・断熱なども考慮・配慮しなければならない。屋根裏の[[換気]]をするか、しないかは設計上は選択可能ではある<ref>{{Cite journal|title=BSD-102: Understanding Attic Ventilation |author=Joseph Lstiburek |journal=Ashrae Journal |volume=48 |issue=4 |pages=36 |year=2006 |publisher=American Society of Heating, Refrigeration and Air Conditioning Engineers, Inc. |url=https://www.buildingscience.com/documents/digests/bsd-102-understanding-attic-ventilation}}</ref>。だが、これらに特に配慮しなければ屋根裏は50℃をゆうに超える高温となり収納物に傷みを生じることもあり、部屋として用いるなら居室と同等の配慮が必要となる。それでも構造的にやはり階下の本来の居室に比べ居住性面では不利で、屋根裏部屋は家賃が安い低所得者向け、あるいは家内で冷遇される者に割り当てられる場合が多かった。 |
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== 日本 == |
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日本では[[江戸時代]]後期に[[養蚕]]がさかんになり<ref name="yousangatakentiku">{{Cite journal|和書|author=王岩, 吉野泰子, 熊谷一清, 高橋深雪, 関口克明 |title=養蚕型建築に対応した伝統民居の温熱・空気環境の実態とそのメカニズム |journal=日本建築学会環境系論文集 |ISSN=13480685 |publisher=日本建築学会 |year=2008 |month=dec |issue=634 |pages=1451-1455 |naid=110007005405 |doi=10.3130/aije.73.1451 |url=https://doi.org/10.3130/aije.73.1451}}</ref>、養蚕農家では([[茅葺]]屋根などの)屋根裏を養蚕のための空間にした<ref name="yousangatakentiku" />。養蚕に適した温度は27-30℃であり、天井をすのこ状などにし下に[[囲炉裏]]を配置しその暖気が屋根裏に届くようにして、気温の下がる冬季でも養蚕に適した温度を保つことができた<ref name="yousangatakentiku" />。養蚕農家では、屋根裏を養蚕専用の空間にする場合も養蚕・住 兼用の空間にする場合もあった<ref name="yousangatakentiku" /><ref>{{Cite journal|和書|author=下河辺千穂子 |title=養蚕経営の展開過程と住宅構造の対応に関する研究 |journal=農業技術研究所報告 H 経営土地利用 |ISSN=00774863 |publisher=農林省農業技術研究所 |year=1968 |month=jan |issue=38 |pages=79-102 |naid=40003106854 |url=https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010826874}}</ref><ref>{{Cite journal|和書|author=吉田高子, 浦添元気 |title=養父市養蚕農家の形状特性と分布傾向について |journal=近畿大学理工学部研究報告 |ISSN=03864928 |publisher=近畿大学理工学部 |year=2008 |month=sep |issue=44 |pages=27-34 |naid=120005736181 |url=http://id.nii.ac.jp/1391/00009559/}}</ref>。 |
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⚫ | 開放されていない屋根裏は、人家周辺に生息する動物にとっては、樹 |
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{{Gallery|height = 200px |
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|File:Gokayama gassho-zukuri yane-ura 20050504 1.jpg|[[合掌造り]]の屋根裏(富山県南砺市(旧[[平村 (富山県)|平村]]) [[越中]][[五箇山]] 相倉合掌集落。3階屋根裏の構造) |
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|File:Gassho-zukuri minka 3rd-floor 20060801.jpg|合掌造りの4階構造の3階部分([[白川郷]]の合掌造り民家のひとつ長瀬家。もと[[養蚕]]に使っていた3階を民具の展示室として公開している。4階は非公開。) |
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日本ではかつてたいていは薄暗い空間であったが、[[近代建築]]などでは欧米風に造り、窓から光を取り入れて[[書斎]]や[[子供部屋]]として使用されることもある。なお活用できないか、していない屋根裏にも、[[点検口]]を設けて最低限の出入りが可能なようにする必要があり、日本では点検口は[[一軒家|戸建て住宅]]の場合[[押入れ]]の天井隅に置かれることが多い。アパートやマンションなどの集合住宅の場合、[[陸屋根]]が多いが、片流れ屋根で 屋根裏の空間がそれなりにある場合もあり、しばしば最上階の部屋の[[ユニットバス]]などの天井に屋根裏の点検口が配置されている。 |
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== 生物 == |
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== 文学と屋根裏 == |
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[[File:Carl Spitzweg - Der arme Poet (Neue Pinakothek).jpg|thumb|屋根裏部屋の例(絵画『貧しい詩人』)]] |
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⚫ | [[児童文学]]などにおいて物語の[[モチーフ]]としてしばしば登場する。例えば「[[小公女]]」の主人公セーラに与えられたのは屋根裏部屋となっているが、これは彼女の惨めな境遇を表現する重要な装置として使われている。 |
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== 出典 == |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[ロフト]] |
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* [[地下室]] |
* [[地下室]] |
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* '''[[屋根裏 (ライブハウス)|屋根裏]]''' - [[東京都]][[渋谷区]]の[[ライブハウス]]。[[1975年]]創業。現在は[[下北沢]]にも同名のライブハウスを構える。 |
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{{DEFAULTSORT:やねうら}} |
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[[Category:建築構造]] |
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[[be:Гарышча]] |
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[[be-x-old:Гарышча]] |
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[[cs:Půda (stavebnictví)]] |
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[[pt:Sótão]] |
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[[simple:Attic]] |
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[[sv:Vindsvåning]] |
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[[tr:Tavan arası]] |
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[[uk:Горище]] |
2024年4月17日 (水) 15:37時点における最新版
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屋根裏の例
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屋根裏の一例
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大きな館の屋根裏を見学者のために活用している例(オランダ、リンブルフ州、Kasteel Hoensbroekの屋根裏)
建築技術[編集]
小屋組の技術 屋根裏にある程度の大きさの空間を確保するためには、勾配屋根を支えるための小屋組の部材が邪魔にならないよう工夫しなければならない。 ●マンサード屋根・ギャンブレル屋根 二段階の勾配を持つ屋根。意図的に屋根の中腹を外側に膨らませたような形となっているため、屋根裏に高さを、建物の中心からはずれた位置でも︵かなり壁寄りの位置でも︶、確保できる。 ●トラスの設計 小屋組の部材が邪魔になりにくいクイーンポストトラスやマンサードトラスなどは屋根裏に空間を確保するのに適している。![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/11/Louver_%28PSF%29.png/160px-Louver_%28PSF%29.png)
日本[編集]
日本では江戸時代後期に養蚕がさかんになり[2]、養蚕農家では︵茅葺屋根などの︶屋根裏を養蚕のための空間にした[2]。養蚕に適した温度は27-30℃であり、天井をすのこ状などにし下に囲炉裏を配置しその暖気が屋根裏に届くようにして、気温の下がる冬季でも養蚕に適した温度を保つことができた[2]。養蚕農家では、屋根裏を養蚕専用の空間にする場合も養蚕・住 兼用の空間にする場合もあった[2][3][4]。生物[編集]
開放されていない屋根裏は、人家周辺に生息する動物にとっては、樹洞のようなものであり、彼らの生活の場となる例がある。ネズミが屋根裏を走る音はよく聞かれる︵ハツカネズミかクマネズミ︶。アライグマが巣くう例もある。彼らの糞尿が被害をもたらす場合もある。文学と屋根裏[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/85/Carl_Spitzweg_-_Der_arme_Poet_%28Neue_Pinakothek%29.jpg/220px-Carl_Spitzweg_-_Der_arme_Poet_%28Neue_Pinakothek%29.jpg)