「山陽電気鉄道網干線」の版間の差分
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{{Infobox 鉄道路線 |
{{Infobox 鉄道路線 |
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|路線名 |
|路線名 = [[File:Sanyo electric railway logo-2.svg|20px|link=山陽電気鉄道]] 網干線 |
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|路線色 |
|路線色 = red |
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|ロゴ = Number prefix San-yo Railway line.svg |
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|画像説明 = 3200系による飾磨行き列車([[山陽天満駅]]) |
|画像説明 = 3200系による飾磨行き列車([[山陽天満駅]]) |
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|国 |
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|所在地 |
|所在地 = [[兵庫県]][[姫路市]] |
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|起点 |
|起点 = [[飾磨駅]] |
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|終点 |
|終点 = [[山陽網干駅]] |
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|駅数 |
|駅数 = 7駅 |
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|路線記号 = SY |
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|開業 |
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|最終延伸 = [[1941年]][[7月6日]] |
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|廃止 |
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|所有者 |
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|運営者 |
|運営者 = 山陽電気鉄道 |
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|使用車両 = [[山陽電気鉄道3000系電車|3000 |
|使用車両 = [[山陽電気鉄道3000系電車|3000系]]、[[山陽電気鉄道6000系電車|6000系]] |
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|路線距離 = 8.5 [[キロメートル|km]] |
|路線距離 = 8.5 [[キロメートル|km]] |
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|軌間 |
|軌間 = 1,435 [[ミリメートル|mm]] ([[標準軌]]) |
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|線路数 |
|線路数 = [[単線]] |
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|電化方式 = [[直流電化|直流]]1,500 [[ボルト (単位)|V]] [[架空電車線方式]] |
|電化方式 = [[直流電化|直流]]1,500 [[ボルト (単位)|V]] [[架空電車線方式]] |
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|閉塞方式 = 自動閉塞式 |
|閉塞方式 = [[閉塞 (鉄道)#自動閉塞式|自動閉塞式]] |
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|保安装置 = |
|保安装置 = |
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|車両基地 = 飾磨車庫 |
|車両基地 = 飾磨車庫 |
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|最高速度 = 90[[キロメートル毎時|km/h]]<ref name="terada">寺田裕一 |
|最高速度 = 90 [[キロメートル毎時|km/h]]<ref name="terada">{{cite book|和書|author=寺田裕一 |title=データブック日本の私鉄 : 全国私鉄165社局掲載 |edition=改訂新版 |publisher=ネコ・パブリッシング |series=NEKO MOOK ; 1836 |year=2013}}</ref> |
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|路線図 |
|路線図 = Sanyo Electric Railway Linemap.svg |
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|title=停車場・施設・接続路線 |
|title=停車場・施設・接続路線 |
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<!-- 経路図は出来るだけ幅を狭く、本文を圧迫しないよう --> |
<!-- 経路図は出来るだけ幅を狭く、本文を圧迫しないよう --> |
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{{BS3||KBHFe||8.5|SY 56 [[山陽網干駅]]|}} |
{{BS3||KBHFe||8.5|SY 56 [[山陽網干駅]]|}} |
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⚫ | '''網干線'''(あぼしせん)は、[[飾磨駅]]から[[山陽網干駅]]までを結ぶ[[山陽電気鉄道]]の[[鉄道路線]]である。全線が[[兵庫県]][[姫路市]]内にある。 |
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* 駅数:7駅(起終点駅含む) |
* 駅数:7駅(起終点駅含む) |
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* 複線区間:なし(全線単線) |
* 複線区間:なし(全線[[単線]]) |
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* 電化区間:全線電化(直流1500V) |
* 電化区間:全線電化([[直流電化|直流]]1500V) |
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* [[閉塞 (鉄道)|閉塞方式]]:自動閉塞式 |
* [[閉塞 (鉄道)|閉塞方式]]:[[閉塞 (鉄道)#自動閉塞式|自動閉塞式]] |
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* [[列車運行管理システム|運行管理システム]]:SANTICS(サンティクス:Sanyo Traffic and Information Control System) |
* [[列車運行管理システム|運行管理システム]]:SANTICS(サンティクス:Sanyo Traffic and Information Control System) |
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* 最高速度 |
* 最高速度:90 km/h<ref name="terada" /> |
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== 運行形態 == |
== 運行形態 == |
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網干線内の飾磨駅 - 山陽網干駅間のみの運行で、途中駅が始発・終着になる列車はない。平日のラッシュ時は12分間隔、日中時間帯と土曜・休日は1時間あたり4本(15分間隔)で運行されている。 |
網干線内の飾磨駅 - 山陽網干駅間のみの運行で、途中駅が始発・終着になる列車はない。平日のラッシュ時は12分間隔、日中時間帯と土曜・休日は1時間あたり4本(15分間隔)で運行されている。 |
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網干線の建設が決まったとき、線路を敷く予定地が[[土地区画整理事業]]区域になっていて場所や工法についての兵庫県との折衝に時間がかかった。このため、線路用地は[[複線]]分を確保するが単線で工事を施工することで建設が始まった経緯があった。そのため現在でも飾磨駅 - 山陽網干駅間のすべての駅で[[列車交換]]が可能であり、ほぼ全区間にわたって複線分の用地も手当てされている<ref>{{cite book|和書|title=山陽電車 駅と沿線100年の旅 |publisher=神戸新聞総合出版センター |date=2007-08-20 |page=124 |ISBN=9784343004314 |id={{全国書誌番号|21291302}} }}</ref>。
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⚫ | かつては、通勤時間帯などに飾磨駅で[[スイッチバック]]して電鉄姫路駅(現在の[[山陽姫路駅]])への直通運転があったが、[[1991年]](平成3年)のダイヤ改正 |
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⚫ | かつては、通勤時間帯などに飾磨駅で[[スイッチバック]]して[[山陽電気鉄道本線|本線]]の電鉄姫路駅(現在の[[山陽姫路駅]])への直通運転があったが、[[1991年]](平成3年)のダイヤ改正以降の設定はない。 |
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過去には、例年2 - 3月の週末に[[綾部山|綾部山梅林]]への送客を目的とした網干線直通の臨時特急﹁観梅号﹂が運転されていた。車両は[[山陽電気鉄道5000系電車|5000系]]の4両編成で運転され、当時は4両編成であった3次車で運行されたこともあった。[[高速神戸駅|高速神戸]]発︵復路は[[新開地駅|新開地]]行き︶とし、本線内は特急停車駅に停車、網干線内はノンストップで運行された︵[[停車 (鉄道)#運転停車|運転停車]]あり︶。定期列車が3両編成のみで、特急の運転がない網干線では、希少な優等列車であったが、本線で[[直通特急 (阪神・山陽)|直通特急]]が運行開始されて以降は |
過去には、例年2 - 3月の週末に[[綾部山|綾部山梅林]]への送客を目的とした網干線直通の臨時特急﹁観梅号﹂が運転されていた。車両は[[山陽電気鉄道5000系電車|5000系]]の4両編成で運転され、当時は4両編成であった3次車で運行されたこともあった。[[高速神戸駅|高速神戸]]発︵復路は[[新開地駅|新開地]]行き︶とし、本線内は特急停車駅に停車、網干線内はノンストップで運行された︵[[停車 (鉄道)#運転停車|運転停車]]あり︶。定期列車が3両編成のみで、特急の運転がない網干線では、希少な優等列車であったが、本線で[[直通特急 (阪神・山陽)|直通特急]]が運行開始されて以降は運転されていない。
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当路線は、同じく姫路市[[網干|網干区]]を通るJR[[山陽本線]]から2km以上も離れているので、運行支障が発生してもJRまたはその逆による[[振替輸送]]は実施されない。 |
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== 歴史 == |
== 歴史 == |
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* [[1937年]](昭和12年)5月25日:鉄道免許状下付(電鉄飾磨駅-揖保郡網干間 動力瓦斯力)<ref>[{{NDLDC|2959601/10}} 「鉄道免許状下付」『官報』1937年5月28日](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref> |
* [[1937年]](昭和12年)5月25日:鉄道免許状下付(電鉄飾磨駅-揖保郡網干間 動力瓦斯力)<ref>[{{NDLDC|2959601/10}} 「鉄道免許状下付」『官報』1937年5月28日]([[国立国会図書館]]デジタルコレクション)</ref> |
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* [[1940年]](昭和15年) |
* [[1940年]](昭和15年) |
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** [[10月15日]]:電鉄飾磨駅 - 夢前川駅間が開業<ref>[{{NDLDC|2960642/12}} 「地方鉄道運輸開始」『官報』1940年10月29日](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>。 |
** [[10月15日]]:電鉄飾磨駅 - 夢前川駅間が開業<ref>[{{NDLDC|2960642/12}} 「地方鉄道運輸開始」『官報』1940年10月29日](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>。 |
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* [[1991年]](平成3年)[[4月7日]]:山陽姫路駅との直通列車廃止。電鉄飾磨駅を飾磨駅、電鉄天満駅を山陽天満駅、電鉄網干駅を山陽網干駅に改称。 |
* [[1991年]](平成3年)[[4月7日]]:山陽姫路駅との直通列車廃止。電鉄飾磨駅を飾磨駅、電鉄天満駅を山陽天満駅、電鉄網干駅を山陽網干駅に改称。 |
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* [[1995年]](平成7年) |
* [[1995年]](平成7年) |
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** [[1月17日]]:[[阪神・淡路大震災]]で全線不通となる。 |
** [[1月17日]]‥[[阪神・淡路大震災]]で全線不通となる<ref name="交通960117">{{Cite news |和書|title=被災地の鉄道この1年 |newspaper=[[交通新聞]] |publisher=交通新聞社 |date=1996-01-17 |pages=6-7 }}</ref>。
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** [[1月18日]]:全線運転再開。 |
** [[1月18日]]:全線運転再開{{R|交通960117}}。 |
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** [[6月16日]]:ワンマン運転開始。 |
** [[6月16日]]‥ワンマン運転開始<ref>{{cite news |和書|title=網干線をワンマン化 |newspaper=交通新聞 |date=1996-05-25 |publisher=交通新聞社 |page=3 }}</ref>。
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* [[2011年]](平成23年) |
* [[2011年]](平成23年) |
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** [[3月1日]]:駅構内の喫煙コーナーを廃止し、駅構内を全面禁煙化。 |
** [[3月1日]]:駅構内の喫煙コーナーを廃止し、駅構内を全面禁煙化。 |
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* [[2014年]](平成26年)4月1日:全駅に[[駅ナンバリング]]を導入<ref name="sanyo-railway20140207">{{ |
* [[2014年]]︵平成26年︶4月1日‥全駅に[[駅ナンバリング]]を導入<ref name="sanyo-railway20140207">{{cite pressrelease|和書|title=全駅に駅ナンバリングを導入します |publisher=山陽電気鉄道 |date=2014-02-07 |url=http://www.sanyo-railway.co.jp/media/1391749594.pdf |format=PDF}}</ref>。
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* 2019年︵平成31年︶2月28日‥当路線の主力だった[[山陽電気鉄道3000系電車#3200 |
* 2019年︵平成31年︶2月28日‥当路線の主力だった[[山陽電気鉄道3000系電車#3200系|3200形]]の運用が終了する<ref>{{cite web|url=https://railf.jp/news/2019/02/24/201000.html |title=山陽3200系に﹁Last Run﹂ヘッドマーク |website=[[鉄道ファン]]・railf.jp |date=2019-02-24 |accessdate=2023-09-14}}</ref>。翌日からは日中の運用で、1運用以上は必ず[[山陽電気鉄道6000系電車|6000系]]が担うこととなった。
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=== 網干線延伸計画 === |
=== 網干線延伸計画 === |
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一時は網干線を |
一時は網干線を[[相生市|相生]]・[[赤穂市|赤穂]]経由ルートで[[岡山市]]域方面に延伸する構想があった。 |
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そもそも「山陽電気鉄道」の社名は、[[宇治川電気]]時代の1928年に飾磨 - 岡山間の鉄道敷設免許申請を行った際、別名義として用いられたことに始まる。この免許申請は、当時の[[鉄道省]]が有年 - 赤穂 - 西大寺という競合ルートの計画(戦後[[赤穂線]]として開通)を持っていたため却下された。 |
そもそも「山陽電気鉄道」の社名は、[[宇治川電気]]時代の1928年に飾磨 - 岡山間の鉄道敷設免許申請を行った際、別名義として用いられたことに始まる。この免許申請は、当時の[[鉄道省]]が有年 - 赤穂 - 西大寺という競合ルートの計画(戦後[[赤穂線]]として開通)を持っていたため却下された。 |
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山陽電気鉄道が、兵庫県南部に限定された路線であるにもかかわらず﹁'''[[山陽地方|山陽]]'''﹂という広範囲を表す地名を用いていることは、宇治川電気時代末期から山陽電気鉄道設立に至る当時の拡大姿勢を唯一今日に残すものと言える。このような、実際の路線の所在地と会社名との相違は、[[南海電気鉄道]]など各地で見られる。
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山陽電気鉄道が、兵庫県南部に限定された路線であるにもかかわらず﹁'''[[山陽地方|山陽]]'''﹂という広範囲を表す地名を用いていることは、宇治川電気時代末期から山陽電気鉄道設立に至る当時の拡大姿勢を唯一今日に残すものと言える︵但し同社の路線沿線の大半を占める[[播磨国]]は[[山陽道]]に属していた︶。このような、実際の路線の所在地と会社名との相違は、[[南海電気鉄道]]など各地で見られる。
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しかし、その後も飾磨 - 赤穂間については、鉄道省の計画線と競合しないことから延伸が検討され続け、1936年に再び電鉄飾磨 - 相生︵那波︶間の鉄道敷設免許申請が行われた。この際、電鉄飾磨 - 網干間については、日本製鐵︵現在の[[日本製鉄]]︶の製鉄所建設決定など急速な工場立地が進んだことから、その必要性に加えて緊急性が認められ、1937年に免許が交付された︵日米開戦直前の1940年10月から翌年7月にかけて全線が開通︶。ただし、残る網干 - 相生間については却下された。
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しかし、その後も飾磨 - 赤穂間については、鉄道省の計画線と競合しないことから延伸が検討され続け、1936年に再び電鉄飾磨 - 相生︵那波︶間の鉄道敷設免許申請が行われた。この際、電鉄飾磨 - 網干間については、日本製鐵︵現在の[[日本製鉄]]︶の製鉄所建設決定など急速な工場立地が進んだことから、その必要性に加えて緊急性が認められ、1937年に免許が交付された︵日米開戦直前の1940年10月から翌年7月にかけて全線が開通︶。ただし、残る網干 - 相生間については却下された。
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相生方面への建設計画が再浮上したのは戦後になってからで、1952年に姫路市網干 - 赤穂市上仮屋間25.2kmの鉄道敷設免許が交付された<ref>国鉄赤穂線と同日[{{NDLDC|2963873/19}} ﹁運輸省告示第132号﹂﹃官報﹄1951年6月9日]︵国立国会図書館デジタルコレクション︶</ref>。前年︵1951年︶に国鉄赤穂線の相生駅 - [[播州赤穂駅]]間が開業していたにもかかわらず<ref>[{{NDLDC|2963873/19}} ﹁運輸省告示第133号﹂﹃官報﹄1951年6月9日]︵国立国会図書館デジタルコレクション︶</ref>、並行する路線免許の交付がされた背景には、燃料事情の極端な悪化でバスなどの運行が困難であった当時の社会情勢が影響している。
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相生方面への建設計画が再浮上したのは戦後になってからで、1952年に姫路市網干 - 赤穂市上仮屋間25.2kmの鉄道敷設免許が交付された<ref>国鉄赤穂線と同日[{{NDLDC|2963873/19}} ﹁運輸省告示第132号﹂﹃官報﹄1951年6月9日]︵国立国会図書館デジタルコレクション︶</ref>。前年︵1951年︶に国鉄赤穂線の[[相生駅 (兵庫県)|相生駅]] - [[播州赤穂駅]]間が開業していたにもかかわらず<ref>[{{NDLDC|2963873/19}} ﹁運輸省告示第133号﹂﹃官報﹄1951年6月9日]︵国立国会図書館デジタルコレクション︶</ref>、並行する路線の免許の交付がされた背景には、燃料事情の極端な悪化でバスなどの運行が困難であった当時の社会情勢が影響している。姫路市の下余部公民館に保管されている図面では、山陽網干駅手前で分岐し、[[揖保川]]に沿って北西に進み[[竜野駅]]、相生駅を目指すルートが示されている<ref>{{cite news|和書|url=https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/202205/sp/0015328373.shtml |title=西播磨へ﹁幻の鉄路﹂山電に壮大な延伸計画あった 謎の図面、公民館で見つかる |newspaper=神戸新聞NEXT |date=2022-05-25}}</ref>。
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実際には[[揖保川]]への橋梁架設など建設工事にあたって様々な技術的困難が存在し、また多額の建設資金が必要であったこと、その後の急速な燃料事情回復から鉄道延伸の必然性自体が低下したため、ほどなく計画は中断するに至った。1971年秋の網干 - 相生間免許失効をもって、網干以西への延長計画は消滅している。
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実際には[[揖保川]]への橋梁架設など建設工事にあたって様々な技術的困難が存在し、また多額の建設資金が必要であったこと、その後の急速な燃料事情回復から鉄道延伸の必然性自体が低下したため、ほどなく計画は中断するに至った。1971年秋の網干 - 相生間免許失効をもって、網干以西への延長計画は消滅している。
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== 駅一覧 == |
== 駅一覧 == |
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* 全駅[[兵庫県]][[姫路市]]に所在。 |
* 全駅[[兵庫県]][[姫路市]]内に所在。 |
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* 普通車のみ運転、全列車が各駅に停車。 |
* 普通車のみ運転、全列車が各駅に停車。 |
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* 線内の全ての駅で[[列車交換]]が可能。 |
* 線内の全ての駅で[[列車交換]]が可能。 |
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!駅名 |
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!接続路線 |
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!SY 40 |
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|[[平松駅]]<br />< |
|[[平松駅]]<br /><small> |
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== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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=== 注釈 === |
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=== 出典 === |
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== 関連項目 == |
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* [[日本の鉄道路線一覧]] |
* [[日本の鉄道路線一覧]] |
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* [[神戸 - 岡山・倉敷線]] - 現在、兵庫県と岡山県を結びJRと競合する高速バス。上述のように山陽電鉄も神戸 - 岡山間を結ぶ構想があったが、このバス路線は1994年の開設。2003年には姫路 - 岡山間に[[播備ライナー]]も運行されていた。
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2023年11月12日 (日) 13:01時点における最新版
網干線 | |||
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3200系による飾磨行き列車(山陽天満駅) | |||
基本情報 | |||
国 | 日本 | ||
所在地 | 兵庫県姫路市 | ||
起点 | 飾磨駅 | ||
終点 | 山陽網干駅 | ||
駅数 | 7駅 | ||
路線記号 | SY | ||
開業 | 1940年10月15日 | ||
最終延伸 | 1941年7月6日 | ||
所有者 | 山陽電気鉄道 | ||
運営者 | 山陽電気鉄道 | ||
車両基地 | 飾磨車庫 | ||
使用車両 | 3000系、6000系 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 8.5 km | ||
軌間 | 1,435 mm (標準軌) | ||
線路数 | 単線 | ||
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
閉塞方式 | 自動閉塞式 | ||
最高速度 | 90 km/h[1] | ||
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路線データ[編集]
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 路線距離:8.5 km
- 軌間:1,435 mm
- 駅数:7駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線電化(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 運行管理システム:SANTICS(サンティクス:Sanyo Traffic and Information Control System)
- 最高速度:90 km/h[1]
運行形態[編集]
歴史[編集]
●1937年︵昭和12年︶5月25日‥鉄道免許状下付︵電鉄飾磨駅-揖保郡網干間 動力瓦斯力︶[3] ●1940年︵昭和15年︶ ●10月15日‥電鉄飾磨駅 - 夢前川駅間が開業[4]。 ●12月23日‥夢前川駅 - 日鉄前︵仮︶駅間が開業[5]。 ●1941年︵昭和16年︶ ●4月27日‥日鉄前︵仮︶駅 - 電鉄天満駅間が開業。日鉄前︵仮︶駅を移設し広畑駅に改称[6]。 ●7月6日‥電鉄天満駅 - 電鉄網干駅間が開業し全通[7]。 ●1991年︵平成3年︶4月7日‥山陽姫路駅との直通列車廃止。電鉄飾磨駅を飾磨駅、電鉄天満駅を山陽天満駅、電鉄網干駅を山陽網干駅に改称。 ●1995年︵平成7年︶ ●1月17日‥阪神・淡路大震災で全線不通となる[8]。 ●1月18日‥全線運転再開[8]。 ●6月16日‥ワンマン運転開始[9]。 ●2011年︵平成23年︶ ●3月1日‥駅構内の喫煙コーナーを廃止し、駅構内を全面禁煙化。 ●2014年︵平成26年︶4月1日‥全駅に駅ナンバリングを導入[10]。 ●2019年︵平成31年︶2月28日‥当路線の主力だった3200形の運用が終了する[11]。翌日からは日中の運用で、1運用以上は必ず6000系が担うこととなった。網干線延伸計画[編集]
一時は網干線を相生・赤穂経由ルートで岡山市域方面に延伸する構想があった。 そもそも﹁山陽電気鉄道﹂の社名は、宇治川電気時代の1928年に飾磨 - 岡山間の鉄道敷設免許申請を行った際、別名義として用いられたことに始まる。この免許申請は、当時の鉄道省が有年 - 赤穂 - 西大寺という競合ルートの計画︵戦後赤穂線として開通︶を持っていたため却下された。 山陽電気鉄道が、兵庫県南部に限定された路線であるにもかかわらず﹁山陽﹂という広範囲を表す地名を用いていることは、宇治川電気時代末期から山陽電気鉄道設立に至る当時の拡大姿勢を唯一今日に残すものと言える︵但し同社の路線沿線の大半を占める播磨国は山陽道に属していた︶。このような、実際の路線の所在地と会社名との相違は、南海電気鉄道など各地で見られる。 しかし、その後も飾磨 - 赤穂間については、鉄道省の計画線と競合しないことから延伸が検討され続け、1936年に再び電鉄飾磨 - 相生︵那波︶間の鉄道敷設免許申請が行われた。この際、電鉄飾磨 - 網干間については、日本製鐵︵現在の日本製鉄︶の製鉄所建設決定など急速な工場立地が進んだことから、その必要性に加えて緊急性が認められ、1937年に免許が交付された︵日米開戦直前の1940年10月から翌年7月にかけて全線が開通︶。ただし、残る網干 - 相生間については却下された。 相生方面への建設計画が再浮上したのは戦後になってからで、1952年に姫路市網干 - 赤穂市上仮屋間25.2kmの鉄道敷設免許が交付された[12]。前年︵1951年︶に国鉄赤穂線の相生駅 - 播州赤穂駅間が開業していたにもかかわらず[13]、並行する路線の免許の交付がされた背景には、燃料事情の極端な悪化でバスなどの運行が困難であった当時の社会情勢が影響している。姫路市の下余部公民館に保管されている図面では、山陽網干駅手前で分岐し、揖保川に沿って北西に進み竜野駅、相生駅を目指すルートが示されている[14]。 実際には揖保川への橋梁架設など建設工事にあたって様々な技術的困難が存在し、また多額の建設資金が必要であったこと、その後の急速な燃料事情回復から鉄道延伸の必然性自体が低下したため、ほどなく計画は中断するに至った。1971年秋の網干 - 相生間免許失効をもって、網干以西への延長計画は消滅している。駅一覧[編集]
●全駅兵庫県姫路市内に所在。 ●普通車のみ運転、全列車が各駅に停車。 ●線内の全ての駅で列車交換が可能。 ●駅番号は2014年4月1日より導入[10]。 ●2000年以降、飾磨・山陽網干駅以外の網干線の駅では駅員の常駐がなくなり、駅員は巡回して対応している。駅番号 | 駅名 | 駅間 営業キロ |
累計 営業キロ |
接続路線 |
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SY 40 | 飾磨駅 | - | 0.0 | 山陽電気鉄道: 本線 |
SY 51 | 西飾磨駅 | 2.4 | 2.4 | |
SY 52 | 夢前川駅 | 1.2 | 3.6 | |
SY 53 | 広畑駅 | 1.1 | 4.7 | |
SY 54 | 山陽天満駅 | 0.9 | 5.6 | |
SY 55 | 平松駅 |
1.7 | 7.3 | |
SY 56 | 山陽網干駅 | 1.2 | 8.5 |
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 3000系は本線運用時は使われないが、6000系は本線運用時でも使用される。