「JR北海道キハ201系気動車」の版間の差分
m 切れたアンカーリンクを修復: 2021-05-25 #ATS-Dx(DN・DK・DF)形→自動列車停止装置#ATS-Dx (DN・DK・DF) 形 |
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== 概要 == |
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札幌圏の輸送改善を目的として導入された。 |
札幌圏の通勤輸送改善を目的として導入された。﹁すべてにおいて﹃電車と同じ﹄を追求<ref name="RF433_74-77" />﹂を開発コンセプトに掲げ、同時期に登場した[[JR北海道731系電車|731系電車]]とは合同の設計・開発プロジェクトを編成しての徹底した共通化が図られている。デザインは内外装ともに、[[北海道旅客鉄道苗穂工場|苗穂工場]]で行われた<ref name="RF433_74-77" />。
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[[1996年]]︵平成8年︶に3両編成4本︵12両︶が[[富士重工業]]で製造され、731系が本格投入される翌[[1997年]]︵平成9年︶[[3月22日]]の[[1980年代・1990年代のJRダイヤ改正#3月22日|ダイヤ改正]]に合わせて営業運転を開始した。以来731系電車とは連結時に[[協調運転#電車と気動車の協調運転|互いの動力を協調させた運転]]を実施している<ref group="注">このような運転方法は、[[1989年]]から[[1992年]]までの間、[[九州旅客鉄道]]︵JR九州︶において[[国鉄キハ183系気動車|キハ183系1000番台]]﹁[[ハウステンボス (列車)|オランダ村特急]]﹂と[[国鉄485系電車|485系]]﹁[[有明 (列車)|有明]]﹂の[[門司港駅]]→[[博多駅]]︵[[1990年]]からは[[鳥栖駅]]︶間の下り列車で実施されていた。</ref>。その後の増備はなされなかったが、[[1998年]]︵[[平成]]10年︶に試作車が登場した特急型気動車[[JR北海道キハ261系気動車|キハ261系]]は、本系列をベースに設計された︵当該項目を参照︶
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[[1996年]]︵平成8年︶に3両編成4本︵12両︶が[[富士重工業]]で製造され、731系が本格的に営業投入される翌[[1997年]]︵平成9年︶[[3月22日]]の[[1980年代・1990年代のJRダイヤ改正#3月22日|ダイヤ改正]]に合わせて営業運転を開始した。以来731系電車とは連結時に[[協調運転#電車と気動車の協調運転|互いの動力を協調させた運転]]を実施している<ref group="注">このような運転方法は、[[1989年]]から[[1992年]]までの間、[[九州旅客鉄道]]︵JR九州︶において[[国鉄キハ183系気動車|キハ183系1000番台]]﹁[[ハウステンボス (列車)|オランダ村特急]]﹂と[[国鉄485系電車|485系]]﹁[[有明 (列車)|有明]]﹂の[[門司港駅]]→[[博多駅]]︵[[1990年]]からは[[鳥栖駅]]︶間の下り列車で実施されていた。</ref>。その後の増備はなされなかったが、[[1998年]]︵[[平成]]10年︶に試作車が登場した特急型気動車[[JR北海道キハ261系気動車|キハ261系]]は、本系列をベースに設計された︵当該項目を参照︶
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=== 導入の経緯 === |
=== 導入の経緯 === |
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先頭部は731系と同様、普通鋼製の高[[操縦席|運転台]]構造とし[[クラッシャブルゾーン|衝撃吸収構造]]とした貫通式である<ref name="RF433_74-77" />。灯火類の意匠や[[幌#鉄道における幌|自動幌]]装置の採用も全く同一である。
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先頭部は731系と同様、普通鋼製の高[[操縦席|運転台]]構造とし[[クラッシャブルゾーン|衝撃吸収構造]]とした貫通式である<ref name="RF433_74-77" />。灯火類の意匠や[[幌#鉄道における幌|自動幌]]装置の採用も全く同一である。
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車体側面には、コーポレートカラーの[[萌黄|萌黄色]](ライトグリーン)をベースに、731系と対比した |
車体側面には、コーポレートカラーの[[萌黄|萌黄色]](ライトグリーン)をベースに、731系と対比した青の帯(前面は青のみ)を配する<ref name="RF433_74-77" />。 |
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前面上部の[[方向幕#ヘッドマーク|種別表示器]]・側面の[[方向幕|行先表示器]]はともに幕式である。 |
前面上部の[[方向幕#ヘッドマーク|種別表示器]]・側面の[[方向幕|行先表示器]]はともに幕式である。 |
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731系と同じ到達時分を確保するため<ref name="RF433_74-77" />、曲線通過時の遠心力を緩和し、乗り心地を損なわず曲線の高速通過を可能とするため、[[川崎重工業]]開発の[[車体傾斜式車両#空気ばね車体傾斜方式|空気ばねを用いた強制車体傾斜装置]]を搭載する。
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731系と同じ到達時分を確保するため<ref name="RF433_74-77" />、曲線通過時の遠心力を緩和し、乗り心地を損なわず曲線の高速通過を可能とするため、[[川崎重工業]]開発の[[車体傾斜式車両#空気ばね車体傾斜方式|空気ばねを用いた強制車体傾斜装置]]を搭載する。
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これは、曲線に差し掛かると、先頭車両に搭載した[[ジャイロスコープ|ジャイロセンサー]]︵[[ヨー軸角速度センサ|角速度センサー]]︶により車体の[[ヨーイング]][[角速度|角速度と走行速度]]を検知し、制御装置では、検知されたヨーイング角速度と走行速度から曲線の方向・角度を求め、加えて内蔵された[[加速度計|加速度センサー]]から左右[[加速度]]を求め、傾斜角度を決定し、各車両に搭載された車体傾斜電磁弁により、[[鉄道車両の台車|台車]]外軌側の台車枕ばね︵[[空気ばね]]︶内圧を高め、車体を傾斜︵2度︶させるもので |
これは、曲線に差し掛かると、先頭車両に搭載した[[ジャイロスコープ|ジャイロセンサー]]︵[[ヨー軸角速度センサ|角速度センサー]]︶により車体の[[ヨーイング]][[角速度|角速度と走行速度]]を検知し、制御装置では、検知されたヨーイング角速度と走行速度から曲線の方向・角度を求め、加えて内蔵された[[加速度計|加速度センサー]]から左右[[加速度]]を求め、傾斜角度を決定し、各車両に搭載された車体傾斜電磁弁により、[[鉄道車両の台車|台車]]外軌側の台車枕ばね︵[[空気ばね]]︶内圧を高め、車体を傾斜︵2度︶させるもので、使用時は本則を10 - 25 km/h上回る速度での曲線通過を可能とした<ref name="RF433_74-77" />。なお、開発に当たっては[[JR北海道キハ150形気動車|キハ150形気動車]]を用いた試験が行われている<ref name="RF433_74-77" />。
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これにより、使用時は本則を10 - 25 km/h上回る速度での曲線通過を可能とした<ref name="RF433_74-77" />。なお、開発に当たっては[[JR北海道キハ150形気動車|キハ150形気動車]]を用いた試験が行われている<ref name="RF433_74-77" />。
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== 編成・形式 == |
== 編成・形式 == |
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* [[千歳線]](札幌駅 - [[新千歳空港駅]]) |
* [[千歳線]](札幌駅 - [[新千歳空港駅]]) |
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** 登場時に札幌駅 - [[千歳駅 (北海道)|千歳駅]]の定期運用があり<ref name="RF433_74-77" />、同年10月より[[新千歳空港駅]]まで延長されたが、翌年3月のダイヤ改正で消滅した。 |
** 登場時に札幌駅 - [[千歳駅 (北海道)|千歳駅]]の定期運用があり<ref name="RF433_74-77" />、同年10月より[[新千歳空港駅]]まで延長されたが、翌年3月のダイヤ改正で消滅した。 |
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* 函館本線(江別駅 - 岩見沢駅) |
* 函館本線(江別駅 - [[岩見沢駅]]) |
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** 登場当初に運用が存在した<ref name="RF433_74-77" />。 |
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* その他 |
* その他 |
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** 1999年(平成11年)7月18日には臨時列車「ヘルシーサイクリング日高号」として札幌駅 - [[静内駅]]間で運転され[[日高本線]]に入線した<ref name="rf_199910">[[交友社]]『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』1999年10月号 通巻462号 p.122</ref>。 |
** 1999年(平成11年)7月18日には臨時列車「ヘルシーサイクリング日高号」として札幌駅 - [[静内駅]]間で運転され[[日高本線]]に入線した<ref name="rf_199910">[[交友社]]『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』1999年10月号 通巻462号 p.122</ref>。 |
2022年10月30日 (日) 11:51時点における版
JR北海道キハ201系気動車 | |
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キハ201系気動車 (2009年10月10日 / 苗穂運転所一般公開にて) | |
基本情報 | |
運用者 | 北海道旅客鉄道 |
製造所 | 富士重工業 |
製造年 | 1996年 |
製造数 | 4編成12両 |
運用開始 | 1997年3月22日 |
主要諸元 | |
編成 | 3両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
最高運転速度 | 120 km/h |
設計最高速度 | 130 km/h |
起動加速度 | 2.2 km/h/s |
減速度(常用) | 4.4 km/h/s |
編成重量 | 118.0 t |
全長 |
21,670 mm(100番台) 21,300 mm(200番台) |
全幅 | 2,800 mm |
全高 |
3,620 mm(100番台) 4,012 mm(200番台) |
車体 | ステンレス |
台車 |
N-DT201形 (ヨーダンパ付ボルスタレス式) |
動力伝達方式 | 液体式 |
機関 | N-DMF13HZE |
機関出力 | 450 ps × 2基 / 両 |
変速段 | 変速1段直結4段 パワーオン制御付 |
制動装置 |
電気指令式空気ブレーキ (機関ブレーキ・排気ブレーキ併用) |
保安装置 |
ATS-SN ATS-DN |
備考 |
731系電車との協調運転可 *1 - 100番台 *2 - 200番台 |
概要
札幌圏の通勤輸送改善を目的として導入された。﹁すべてにおいて﹃電車と同じ﹄を追求[1]﹂を開発コンセプトに掲げ、同時期に登場した731系電車とは合同の設計・開発プロジェクトを編成しての徹底した共通化が図られている。デザインは内外装ともに、苗穂工場で行われた[1]。 1996年︵平成8年︶に3両編成4本︵12両︶が富士重工業で製造され、731系が本格的に営業投入される翌1997年︵平成9年︶3月22日のダイヤ改正に合わせて営業運転を開始した。以来731系電車とは連結時に互いの動力を協調させた運転を実施している[注 2]。その後の増備はなされなかったが、1998年︵平成10年︶に試作車が登場した特急型気動車キハ261系は、本系列をベースに設計された︵当該項目を参照︶導入の経緯
車両概説
車体
内装
インテリアも、ロングシート︵有効幅455mm/人、出入り口付近は格納可能︶、客室仕切の廃止、客用扉上部と左右へのエアカーテン設置、ボタン開閉式の半自動ドアの装備、遠赤外線暖房、温風暖房や固定遠赤外線暖房の装備、ドアチャイム・自動放送装置・3色LED式車内案内表示装置︵各乗降扉上部。左右で千鳥配置︶装備など、731系と全く同一である[1]。 ただし、便所︵和式︶の設置車両・車いすスペースの設置車両が、731系ではそれぞれ岩見沢方先頭車︵Tc1車︶、小樽方先頭車︵Tc2車︶であったのに対し、本系列ではいずれも中間車︵M車︶への設置となっている[1]。 運転台は731系同様の左手操作式ワンハンドルマスコンを搭載し、モニタ装置はタッチパネル式のカラー液晶ディスプレイとなった。 なお、運転台には電車との併結運転時に使用する機器・スイッチ類などが設置されている[1]。機器類
駆動機関は直噴式のN-DMF13HZE形ディーゼルエンジン︵定格出力 450ps/2,100rpm、ターボチャージャー付︶を全車2基搭載し、731系と同様、最高速度130 km/h︵曲線通過速度=本則+10 km/h︶、起動加速度︵0〜60 km/h︶2.2 km/h/sを達成している[1]。 液体変速機は、山線での運用、曲線通過後の再力行性能確保のため、変速1段・直結4段、パワーオン制御[注 5]付きのものを搭載する[1]。 台車は731系と基本的に同一のヨーダンパ付き軸梁式ボルスタレス台車︵N-DT201形︶であり、ステップ面を低床ホーム高さ (970 mm) と同一面とする必要性から、車輪を振子車両で実績のある新製時直径810 mmのものとしている[1]。 ブレーキシステムも731系と同一の、マルチモード滑走・再粘着制御を行うものであり、気動車の本系列は電気指令式空気ブレーキと排気ブレーキを併用する。基礎ブレーキ装置も同様に苗穂工場製の高粘着合成鋳鉄制輪子を採用した両抱き式踏面ブレーキとし、全天候下において130 km/h から十分な余裕をもって600 m 以内での停止が可能である[1]。 冷房装置は各車屋根上に集中式のもの (30,000 kcal/h) を搭載している[1]。 なお、731系電車との共通化、電車併結に伴い、制御電圧の共通化 (100 V)、接地系共通化などが行われている。車体傾斜装置
編成・形式
以下、方面を示す場合、札幌駅在姿を基準とする。本系列は編成を組むすべての車両が﹁キハ201形﹂であり、番台区分で区別されている[注 6]。編成は731系同様3両︵Mc1-M-Mc2︶を固定ユニットとして構成される[1]。 編成番号は岩見沢方先頭車の車両番号に識別記号﹁D﹂を付し、﹁D-101﹂などと表記される[1]。 キハ201形100番台 (Mc1) 編成の岩見沢方先頭車︵定員‥141名、うち着席50名︶。先頭部に自動幌装置を持つ。 キハ201形200番台 (M) 中間車︵定員‥153名、うち着席52名︶。客室内岩見沢方に便所、倶知安方に車いすスペースを装備する。 キハ201形300番台 (Mc2) 編成の小樽・倶知安方先頭車︵定員‥141名、うち着席50名︶。基本的な仕様は100番台と同一である。改造
重要機器取替
経年20年を迎える2018年︵平成30年︶度から2021年︵令和3年︶度までの計画で、車両更新までの機能維持を目的とした、機関・変速機等の動力関係の機器取替が実施されている[2][3]。その他の改造は表を参照。- 改造所…苗穂所:苗穂運転所、苗穂工:苗穂工場
運用
過去の運用線区・臨時列車
車歴表
●製造…富士重‥富士重工業 ●配置…苗穂所‥苗穂運転所脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 『鉄道ファン』通巻433号 pp.74-77
- ^ 岩本(2018)
- ^ a b c d 『鉄道ファン』通巻711号 別冊付録 p.32
- ^ a b c d 『鉄道ファン』通巻507号 p.84
- ^ 『鉄道ファン』通巻687号 別冊付録 p.33
- ^ a b 『鉄道ファン』通巻699号 別冊付録 p.33
- ^ 『鉄道ファン』通巻723号 別冊付録 p.32
- ^ 『JR時刻表』2017年3月号、交通新聞社。
- ^ 交友社『鉄道ファン』1999年10月号 通巻462号 p.122
- ^ a b c d 『鉄道ファン』通巻435号 p.75