アドボ
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アドボ︵スペイン語、タガログ語‥Adobo︶とは、マリネを意味する単語。また、フィリピンの肉や野菜の煮込み料理の名称でもある。酢が使われることが多く、常温での保存性を高めた料理法であるといえる。語源はスペイン語で﹁マリネする﹂または﹁漬ける﹂を意味する動詞アドバル︵adobar︶である。﹁マリネした﹂や﹁漬けた﹂を意味する過去分詞形はアドバード︵男性形‥adobado︶またはアドバーダ︵女性形‥adobada︶となる。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/04/Pescadoadobado.jpg/200px-Pescadoadobado.jpg)
スペインのペスカード・アドバード︵魚肉の漬け揚げ︶
スペインでは、ニンニク、香辛料、酢、ハーブでマリネ液︵アドボ︶を作り、豚肉、イカ、魚を漬けてから蒸し煮や漬け焼き、フライにした料理を﹁○○・エン・アドボ﹂または﹁○○・アドバード︵ダ︶﹂︵○○には素材名が入る︶と呼ぶ。酢の代わりに白ワインを使うこともある。
アドボ料理はタパスあるいは主菜として供される。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/08/Homemade_chicken_adobo_1.JPG/200px-Homemade_chicken_adobo_1.JPG)
フィリピンの鶏のアドボ
アドボはフィリピンの代表的な家庭料理で、フィリピン人の国民食である。もともとスペイン料理のアドバード︵肉の漬け焼き︶を起源としている。材料は骨付きの鶏︵手羽︶か豚︵豚足︶のいずれかを使うのが代表的で、鶏肉と豚肉を両方使うこともある。また、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、タケノコなどの野菜やエビ、ゆで卵を具に加えることもある。多量の酢を用いた漬け汁に肉を漬け込むために肉が柔らかくなり、保存性が高まる。レシピは各家庭や店によってまちまちだが、味付けにはニンニク、ソイソースであるトヨかパティス、砂糖、粒の黒胡椒、ローリエなどを使うのが一般的である。日本のカレーライスのように、具と汁をご飯と同じ皿に盛ってスプーンとフォークで食べる。
レシピのバリエーションは非常に豊富で、煮汁を飛ばして日本料理の照り焼きのようにする例もあれば、シチューのように汁を残したものもある。獣肉ではなくイカを用いることも多く、この場合はイカ墨で煮汁が黒くなる。また、唐辛子で辛味を加えたものや、ココナッツミルクで煮込んで汁が白濁したもの、多量のグリーンピースと一緒に煮て汁が緑色をしたもの、牛肉や魚肉を用いるもの、ベニノキの種子を加えて汁に赤色がついたもの、ナスやエンサイ、オクラ、サヤインゲンなど野菜だけを煮たものもあり、外見も風味もまったく違う料理だが、いずれもアドボの一種である。共通しているのは、中心となる具材を酢に漬けて煮ることである。
豚肉のアドボが余ったら、煮汁と一緒に炒飯にしたり、スライスして焼き、白飯と卵料理に添えて朝食に食べたり、食パンにはさんでホットサンドにすることもある。
ハワイ料理のプレートランチのメニューにもよく使われる。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/00/Pechuga_Adobada.jpg/200px-Pechuga_Adobada.jpg)
ペチュガ・アドバーダ︵鶏胸肉の漬け焼き︶
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5d/Chipotlesenadobo.jpg/200px-Chipotlesenadobo.jpg)
メキシコのチポトレのアドボ漬け
メキシコ北部とアメリカ合衆国のニューメキシコ州には、カルネ・アドバーダという肉︵主に豚肉︶の漬け焼き料理がある。漬け汁︵アドボ︶に中辛の赤唐辛子のピュレを大量に用いるのが特徴であり、酢は少量しか用いない。
メキシコ料理では、チポトレもアドボに漬けてから利用されることが多い。アドボに漬けたチポトレの缶詰も市販されている。
概要[編集]
スペインのアドボ[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/04/Pescadoadobado.jpg/200px-Pescadoadobado.jpg)
フィリピンのアドボ[編集]
メキシコとアメリカ合衆国のアドボ[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/00/Pechuga_Adobada.jpg/200px-Pechuga_Adobada.jpg)
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