イブニングドレス
イブニングドレス︵英: evening dress︶は、女性の夜間の正式な礼装。夜間︵18時以降︶の集会、観劇、舞踏会、晩餐会などで着用され、夜会服︵やかいふく︶とも訳されるノースリーブのドレスのことである。
概要[編集]
女性の夜の正装とされ、男性のテールコート(燕尾服)と対をなす。欧米では昼と夜の礼服が区別されており、これは、白人主流派の先進国であるアングロサクソン諸国では晩餐会、夜会、舞踏会、演奏会、演劇、オペラ、バレエ、ミュージカルの夜の時間が日本に比べて遅く、歴史・文化上細かな行事による服装上の区別が厳格であった経緯による。 ワンピース型の衣服で、スカート丈は踝までの総丈か、靴の爪先が完全に隠れる長さ、あるいはそれ以上の長さである。装飾性が高いドレスや舞踏会、また厳粛な行事などの場合は裾を床に長く引くこともある。 原則として袖は無いベアトップ・キャミソール・ホルターネックなどのデザインになっており、肩および背中と胸の上部を露出した︵ノースリーブ︶ものになっている。しかし、1987年のアメリカ大統領主催の日本国皇太子歓迎晩餐会に於けるナンシー夫人と美智子妃︵当時︶のイブニングドレスのように、晩餐会という夜の場で、同伴男性がタキシードという夜用礼服でも、長袖で襟が詰まっているイブニングドレスも有り、これは個人の好みや地域性、またデザインとして様々なバリエーションがある。 素材はサテンクレープ、カントンクレープ、タフタ、ジョーゼット、シフォンベルベット、ブロケード、オーガンジー、レースなど装飾性の高いものが用いられる。 首元はネックレスなどで装飾され、屋外の場合は薄手のストールやケープをはおることもある。 靴も金、銀革、繻子などの装飾性の高い色素材のもの、または服と共布の夜会靴が履かれる[1]。 イブニングドレスでは肘上まである長い手袋(オペラグローブ)を着用するのが正式なマナーである[2][3][4]。 ヨーロッパで最も格式高いダンス・パーティの一つであるオーパンバル(en:Vienna Opera Ball)と呼ばれる舞踏会では、女性は純白のイブニングドレスに白のオペラグローブの着用が義務付けられている[5]。 ロングイブニングドレス︵ヒール丈またはトレーン丈︶が正礼装であり、セミイブニングドレスまたはディナードレス︵踝丈またはヒール丈が正式︶が準礼装である。それぞれ男性のホワイトタイ︵燕尾服︶、ブラックタイ︵タキシード︶に対する[6]。脚注[編集]
(一)^ イブニングドレスとは?着用マナーを知ってあなたも大人の世界の仲間入り!
(二)^ 職業能力開発総合大学校基盤整備センター﹁被服概論﹂p-39
(三)^ (株)学研パブリッシング﹁冠婚葬祭マナーしきたり大事典﹂p-25
(四)^ 原田妙子﹁女子大学生の服装規範について 第1報 フォーマルウェアの知識の理解度﹂﹃名古屋女子大学紀要. 家政・自然編, 人文・社会編﹄第61号、2015年3月、57-66頁、NAID 120005619464。
(五)^ “Make Your Debut At The Vienna Opera Ball-Dresscode” (英語). wiener-staatsoper.at. 2019年11月9日閲覧。
(六)^ プロトコールの基本|外務省
参考文献[編集]
- 國土潤一 著「これがオペラだ 上手な楽しみ方とその知識」音楽之友社
- 渡辺和 著「気軽に行こうクラシック・コンサート チケットから服装まで」
- 渡辺誠 著「もしも宮中晩餐会に招かれたら 至高のマナー学」角川ONEテーマ21新書
- JTBパブリッシング 「タビトモ」(「ニューヨーク」「ロンドン」「北京」「上海」「ソウル」) - ミュージカル・演劇(京劇、雑技を含む)の開演時間について。