サントリーミステリー大賞
サントリーミステリー大賞︵サントリーミステリーたいしょう︶は、サントリー、文藝春秋、朝日放送が主催していた、公募のミステリーの新人賞である。
概要[編集]
1983年から2003年の休止まで、全20回実施された。 最終選考を公開で行うこと、読者賞を別に設けること、受賞作はテレビドラマ化することなどの特徴があった。また、一時期海外作品の応募を認めていた。第7回~第9回は海外作品が大賞を受賞し、日本語に翻訳して刊行された。 大賞受賞者には正賞としてサントリー特製ウイスキー、副賞として1200万円が贈呈された。 大賞作︵第11回を除く︶はテレビ朝日系列︵朝日放送制作︶にてサントリー一社提供の年1回の特別枠﹁サントリーミステリースペシャル﹂︵1983年 - 1997年︶、﹁サントリーミステリー大賞スペシャル﹂︵1998年 - 2003年︶としてドラマ化、全国放送された。1985年 - 1986年は金曜日21:00 - 22:48︵JST︶で放送されていたが、その後、﹃素敵にドキュメント﹄のスタートや﹃ニュースステーション﹄の金曜日夜10時スタート編成に伴い、1987年 - 2003年は﹃土曜ワイド劇場﹄を1週分休止して、土曜日21:00 - 22:51に放送された。なお、1983年、1984年の放送時間はそれぞれ月曜日21:00 - 23:33、21:00 - 22:51であった。受賞者一覧[編集]
第1回-第10回[編集]
●第1回︵1983年︶ ●大賞 鷹羽十九哉﹃虹へ、アヴァンチュール﹄ ●読者賞 麗羅﹃桜子は帰ってきたか﹄ ●佳作賞 黒川博行﹃二度のお別れ﹄ ●第2回︵1984年︶ ●大賞 由良三郎﹃運命交響曲殺人事件﹄ ●読者賞 井上淳﹃懐かしき友へ―オールド・フレンズ―﹄ ●佳作賞 黒川博行﹃雨に殺せば﹄ ●第3回︵1985年︶ ●大賞 土井行夫﹃名なし鳥飛んだ﹄ ●読者賞 保田良雄﹃カフカズに星墜ちて﹄ ●佳作賞 深谷忠記﹃一万分の一ミリの殺人﹄ ●第4回︵1986年︶ ●大賞 黒川博行﹃キャッツアイころがった﹄ ●読者賞 長尾誠夫﹃源氏物語人殺し絵巻﹄ ●佳作賞 ラルフ・ヤング﹃クロスファイア﹄ ●第5回︵1987年︶この年以降は﹁土曜ワイド劇場﹂枠での放送になる。 ●大賞・読者賞 典厩五郎﹃土壇場でハリー・ライム﹄ ●第6回︵1988年︶ ●大賞 笹倉明﹃漂流裁判﹄ ●読者賞 樋口有介﹃ぼくと、ぼくらの夏﹄ ●佳作賞 岩木章太郎﹃新古今殺人草紙﹄ ●佳作賞 ダブ・シルバーマン﹃グッド・シェパーズ﹄︵未刊行︶ ●第7回︵1989年︶ ●大賞 ベゴーニャ・ロペス﹃死がお待ちかね﹄ ●読者賞 黒崎緑﹃ワイングラスは殺意に満ちて﹄ ●佳作賞 中川裕朗﹃猟人の眠り﹄ ●第8回︵1990年︶ ●大賞 モリー・マキタリック﹃TVレポーター殺人事件﹄ ●読者賞 関口ふさえ︵関口芙沙恵︶﹃蜂の殺意﹄ ●佳作賞 ふゆきたかし﹃暗示の壁﹄ ●第9回︵1991年︶ ●大賞 ドナ・M. レオン﹃死のフェニーチェ劇場﹄ ●読者賞 今井泉﹃碇泊なき海図﹄ ●佳作賞 醍醐麻沙夫﹃ヴィナスの濡れ衣―南紀殺人事件﹄ ●佳作賞 横山秀夫﹃ルパンの消息﹄ ●第10回︵1992年︶ ●大賞・読者賞 花木深﹃B29の行方﹄ ●特別佳作賞 マーガレット・パーク・ブリッジズ﹃わが愛しのワトスン﹄ ●佳作賞 山卓雄﹃天明殺人草紙―源内狂乱﹄︵未刊行︶ ●佳作賞 舞岡淳﹃バブル﹄︵未刊行︶第11回-第20回[編集]
●第11回︵1993年︶大賞作品が映像化不可能だったため、代わりに読者賞作品が映像化。 ●大賞 熊谷独﹃最後の逃亡者﹄ ●読者賞 祐未みらの﹃緋の風﹄ ●佳作賞 秋川陽二﹃殺人フォーサム﹄ ●第12回︵1995年︶ ●大賞・読者賞 丹羽昌一﹃天皇︵エンペラドール︶の密使﹄ ●佳作賞 高橋俊﹃シャドーランサーの男﹄︵未刊行︶ ●佳作賞 桝田武宗﹃黄色い流砂﹄︵未刊行︶ ●第13回︵1996年︶ ●大賞 森純﹃八月の獲物﹄ ●読者賞 伊野上裕伸﹃火の壁﹄ ●佳作賞 伊坂幸太郎﹃悪党たちが目にしみる﹄︵﹃陽気なギャングが地球を回す﹄の原型︶ ●第14回︵1997年︶ ●大賞 三宅彰﹃風よ、撃て﹄ ●読者賞 高尾佐介﹃アンデスの十字架﹄ ●優秀作品賞 内田モトキ﹃パイロット・イン・コマンド﹄ ●第15回︵1998年︶ ●大賞 結城五郎﹃心室細動﹄ ●読者賞 司城志朗﹃ゲノム・ハザード﹄ ●優秀作品賞 川端裕人﹃夏のロケット﹄ ●第16回︵1999年︶ ●大賞・読者賞 高嶋哲夫﹃イントゥルーダー﹄ ●優秀作品賞 新井政彦﹃CATT―託されたメッセージ﹄︵未刊行︶ ●優秀作品賞 阿川大樹﹃天使の漂流﹄︵未刊行︶ ●第17回︵2000年︶ ●大賞・読者賞 垣根涼介﹃午前三時のルースター﹄ ●優秀作品賞 新井政彦﹃ネバーランドの柩﹄︵未刊行︶ ●優秀作品賞 結城辰二﹃暴走ラボ︵研究所︶﹄︵未刊行︶ ●第18回︵2001年︶ ●大賞・読者賞 笹本稜平﹃時の渚﹄ ●優秀作品賞 五十嵐貴久﹃TVJ﹄ ●優秀作品賞 海月ルイ﹃尼僧の襟﹄︵未刊行︶ ●第19回︵2002年︶ ●大賞・読者賞 海月ルイ﹃子盗り﹄ ●優秀作品賞 義則喬﹃静かなる叫び﹄︵未刊行︶ ●優秀作品賞 藤村いずみ﹃孤独の陰翳﹄︵未刊行︶ ●第20回︵2003年︶ ●大賞 中野順一﹃セカンド・サイト﹄ ●読者賞 鈴木凛太朗﹃視えない大きな鳥﹄︵未刊行︶ ●優秀作品賞 藤森益弘﹃春の砦﹄ 第20回をもって終了となった。歴代選考委員[編集]
●第1回から第2回 阿川弘之、開高健、小松左京、田辺聖子、都筑道夫 ●第3回 開高健、小松左京、都筑道夫、田辺聖子、イーデス・ハンソン ●第4回から第7回 開高健、田中小実昌、田辺聖子、都筑道夫、イーデス・ハンソン ●第8回 田中小実昌、田辺聖子、都筑道夫、向井敏、イーデス・ハンソン ●第9回 田中小実昌、田辺聖子、都筑道夫、夏樹静子、イーデス・ハンソン ●第10回から第12回 北方謙三、栗本薫、筒井康隆、都筑道夫、夏樹静子 ●第13回から第15回 長部日出雄、北方謙三、栗本薫、筒井康隆、都筑道夫、夏樹静子ドラマ化作品[編集]
原作は第11回を除きいずれも上記の大賞を受賞した作品である。なお、第11回は読者賞受賞作が原作となっている。参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 文藝春秋|書籍|サントリーミステリー大賞受賞作 - 公式サイト、大賞の受賞作リストがある。