晒し
晒し︵さらし︶は、住所・電話番号・顔写真などの個人を特定する情報を本人に無断でインターネットに公開し、対象者を攻撃する行為[1]。本人と対峙することなく被害を与えようとする間接的なネットいじめの一形態に当たる[1]。悪事を犯したと目される人物を正義感をもって私刑しようとする衝動的な動機によって行われる場合もある︵ネット自警団とも呼ばれる︶[2]。英語では文書︵documentsの略のdocs︶ばらまきを意味するドクシング︵doxing、doxxing︶とも[3][4]。
晒しはプライバシー侵害や肖像権侵害に当たる場合がある[5]。日本では個人によるプライバシー侵害を罰する法律がなく、民法上の不法行為として損害賠償請求をしても訴訟費用に見合う賠償が得られることが少ない[5]。
2011年に行われた日本人を対象とするアンケート調査によれば、17.5%が個人情報晒しの不安を感じており、特に2ちゃんねるやYahoo!掲示板、Facebookの利用者でこの比率が高かった[6]。
GLOCOMの鈴木謙介は、個人情報の晒しは友達やより緩やかな知り合いの関係で構成されるケータイ文化がネット上に侵食しつつあることの現れではないかと2007年に指摘した[7]。
出典[編集]
(一)^ ab原清治、山内乾史、大多和直樹、浅田瞳﹁ネットいじめの実態とその抑止策に関する実証的研究﹂2012年度
(二)^ ﹁﹁ネットで叩く﹂側の論理 誰が﹁私刑﹂を執行するのか﹂﹃AERA﹄2013年8月26日号、朝日新聞出版、2013年。
(三)^ 町山智浩﹃アメリカは今日も﹁炎上﹂中﹄ / 週刊文春2015年6月25日号
(四)^ 大学教授、白人至上主義者だと誤って名指しされ シャーロッツビル衝突 2017年8月16日
(五)^ ab佐藤佳弘﹃インターネットと人権侵害﹄41-48
(六)^ 山本 太郎, 千葉 直子, 植田 広樹, 高橋 克巳, 平田 真一, 小笠原 盛浩, 関谷 直也, 中村 功, 橋元 良明 テキスト系CGM利用時の不安に関する自由記述を中心とした調査結果について 日本社会情報学会 第26回全国大会P 475-480
(七)^ 鈴木謙介 第23回: ケータイが侵食するインターネット~異なる文化の邂逅によって生じるトラブルへの対処を~ 2007年1月