村松英子
むらまつ えいこ 村松 英子 | |
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![]() 『婦人生活』1965年1月号より | |
本名 | 南日 英子(旧姓:村松) |
生年月日 | 1938年3月31日(86歳) |
出生地 |
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身長 | 162cm |
血液型 | B型 |
職業 | 女優・詩人 |
ジャンル | 舞台・テレビドラマ・映画 |
活動期間 | 1955年 - |
配偶者 | 南日恒夫 |
著名な家族 |
村松常雄(父) 田部隆次(祖父) 村松剛(兄) 村松えり(娘) |
所属劇団 |
文学座(1955年-1963年) 劇団雲(1963年-1964年) 劇団NLT(1964年-1968年) 浪曼劇場(1968年-1972年) サロン劇場(1995年-) |
主な作品 | |
テレビドラマ 『あかつき』(1963年) 舞台 『班女』(1965年) |
村松 英子︵むらまつ えいこ、1938年︵昭和13年︶3月31日[1] - ︶は、日本の女優・詩人。身長162cm、体重50kg。
東京都出身。本名は南日英子[1]。父は精神医学者の村松常雄、母方の祖父は田部隆次。実兄は文芸評論家の村松剛。兄の友人三島由紀夫の弟子で演劇活動を引き継いでいる[2]。再従兄弟に当たる夫の南日恒夫︵日本テレビ勤務の技師︶は南日恒太郎の孫。娘に女優の村松えり。
来歴・人物[編集]
東京市淀橋区西大久保︵現・東京都新宿区大久保︶で誕生[3]。学者一家の家庭に生れ、父・村松常雄の書斎で﹃マザーグース﹄﹃ペロー童話集﹄などを読み聞かされて育つ[2]。芝居好きの祖母は英子を歌舞伎に連れていくこともあった[2]。 日本女子大学附属豊明小学校の10歳の頃、兄・村松剛の影響で詩に親しみ、毎年夏に避暑に行く信濃追分で兄から﹃立原道造詩集﹄を買ってもらったのをきっかけに、自身も詩を書いたりするようになる[2]。 日本女子大学附属中学校・高等学校、日本女子大学英文科を卒業後に、慶應義塾大学大学院英文学科修了[1][2][4]。大学院ではエリオットを研究した[2]。 日本女子大学在学中に文学座に入団し、その後、座員に昇格。1956年︵昭和31年︶に初舞台﹃女の一生﹄に出演した[1]。1961年︵昭和36年︶に再従兄弟の南日恒夫と結婚[2]。同年11月に楽屋当番をしている時、杉村春子に﹃十日の菊﹄公演初日の花束を持って来た三島由紀夫と初対面した[2][5]。 1963年︵昭和38年︶の﹁喜びの琴事件﹂で、三島、中村伸郎らと共に文学座を脱退し、劇団雲を経てグループNLTに所属[5][2]。英子の資質を認めていた三島に指導を受け、﹃班女﹄など三島戯曲の舞台に多数出演した[5][2]。1968年︵昭和43年︶には再び三島らと共にNLTを脱退し、劇団浪曼劇場の旗揚げに参加した[5][2]。 1966年︵昭和41年︶、第一回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した。1971年︵昭和46年︶1月24日の三島の葬儀に際しては、︵本人は初め辞退したが遺族の強い希望で︶演劇界代表で弔辞を読んだが嗚咽を抑えきれなかった[6][2][7]。英子は三島没後にカトリックの洗礼をうけ信者となった[2]。 夫︵日本テレビ社員だったがすでに物故している︶との間に高齢で出来た2人の子の育児や主婦業などでしばらく演劇活動は休止していたが、1995年︵平成7年︶から再開。演劇ユニット﹁サロン劇場﹂を主宰し演出家でもあり、﹃近代能楽集﹄、﹃鹿鳴館﹄、﹃薔薇と海賊﹄など多くの三島戯曲を公演している[6][2][8]。娘・村松えりも女優として﹁サロン劇場﹂公演に多数出演しており[9]、えり自身も2017年に﹁サロン劇場 B- side﹂を立ち上げて英子も出演している。 学生時代より詩作をしており、詩集をはじめ、育児や人生論に関する書籍を数冊出版している[2][4]。 1983年︵昭和58年︶より長年、鳥取女子短期大学、北海学園大学、慶應義塾大学での客員講師︵鳥取女子短期大学では、1993年に英文科教授に昇格︶を歴任し、1993年︵平成5年︶開館の倉敷市劇場﹁芸文館﹂の初代館長を務めた[4][1]。また、日本会議代表委員[10][11]、美しい日本の憲法をつくる国民の会代表発起人[12]を務めた。主な出演[編集]
出典は[2][4][13][14][1][8][15][3][16][17][18]舞台[編集]
●女の一生︵1956年︶ - 布引けいの娘役 ●守銭奴︵1957年︶ - エリーズ役 ●班女︵1965年、1996年︶ - 花子役 ●サド侯爵夫人︵1965年︶ - アンヌ役 ●リュイ・ブラス︵1966年︶ - 王妃役 ●鹿鳴館︵1967年︶ - 朝子役 ●朱雀家の滅亡︵1967年︶ - 璃津子役 ●癩王のテラス︵1969年︶ - 第二王妃役 ●薔薇と海賊︵1970年︶ - 楓阿里子役 ●館の殺人 ●ベル・ブック・アンド・キャンドル ●気紛れ ●海を越えて エミーとジョン ●葵上︵1996年︶ ●卒塔婆小町︵1997年︶ ●弱法師︵1997年︶ ●熊野︵1998年︶映画[編集]
●アラブの嵐︵1961年、日活︶ ●怪談︵1964年、東宝︶ - 建礼門院役 ●ここから始まる︵1965年、東宝︶ ●日本暗黒街︵1966年、東映︶ ●陸軍中野学校 雲一号指令︵1966年、大映︶ ●他人の顔︵1966年、東宝︶ ●花の宴︵1967年、松竹︶ ●育ちざかり︵1967年、東宝︶ ●爽春︵1968年、松竹︶ ●年ごろ︵1968年、東宝︶ ●娘ざかり︵1969年、東宝︶ ●砂の器︵1974年、松竹大船・橋本プロ ︶ - 銀座クラブのママ役、ノンクレジット ●本陣殺人事件︵1975年、ATG︶ ●悪魔が来りて笛を吹く︵1979年、東映︶ ●隠密同心 大江戸捜査網︵1979年、東宝︶ - 敬秀尼役テレビドラマ[編集]
●一族再会︵1960年︶ ●NHK連続テレビ小説 あかつき︵1963年、NHK︶ - 佐田千津役 ●波の塔︵1964年、NET︶ - 結城頼子役 ●徳川家康︵1964年 - 1965年、NET︶ ●ぼんたん家族︵1965年、NET︶ ●青い山脈︵1966年、NTV︶ ●近鉄金曜劇場﹁愛とこころのシリーズ 女が帰るとき﹂︵1967年2月10日、ABC︶ ●平四郎危機一発 第1話︵1967年、TBS︶ ●若き日の高杉晋作︵1967年11月30日︶ ●泣いてたまるか 第33話︵1967年、ABC︶ ●白い巨塔︵1967年、NET︶ ●明治天皇︵1967年、NTV︶ ●風 第14話﹁孤剣春を行く﹂︵1968年、TBS︶ ●三匹の侍 第5シリーズ 第20話﹁白い幻花﹂︵1968年、CX︶ - 深雪 ●女ゆえに︵1968年、NTV︶ ●NHK劇場﹁去年の秋﹂︵1968年3月14日、NHK︶ ●大奥 第21話﹁呪われた肌﹂︵1968年、KTV︶ - 桂 ●日本剣客伝︵NET︶ ●第2話﹁小野次郎左衛門﹂︵1968年5月︶ ●第10話﹁千葉周作﹂︵1968年12月︶ ●ローンウルフ 一匹狼 第37話﹁運命の拳銃﹂︵1968年、NTV︶ ●東京バイパス指令 第5話﹁恐喝︵かつあげ︶﹂︵1968年、NTV・東宝︶ ●上方武士道︵1969年、NTV︶ - 冬子内親王 ●ザ・ガードマン︵TBS / 大映テレビ室︶ ●第198話﹁怪談・車に乗った幽霊﹂︵1969年︶ ●怪奇ロマン劇場 第3話﹁ゆきおんな﹂︵1969年7月19日、NET︶ - 雪女 ●特命捜査室 第11話﹁一匹狼︵ローンウルフ︶﹂︵1969年、CX︶ ●夫よ男よ強くなれ 第4話﹁さぁ離婚しましょう﹂︵1969年10月23日、NET・東宝︶ ●ゴールドアイ 第12話﹁密売大組織﹂︵1970年5月1日、NTV︶ - 佐野ケイ子 ●遠山の金さん捕物帳 第2話﹁吹矢場にいた女﹂︵1970年7月19日︶- お甲 ●日本怪談劇場 第13話﹁怪談・雪女﹂︵1970年9月26日、12ch︶ - 雪女 ●大坂城の女︵1970年、KTV︶ ●銭形平次 第213話﹁流人島異聞﹂︵1970年、CX︶ - お杉 ●男は度胸︵1970年、NHK︶ ●徳川おんな絵巻︵1970年、KTV︶ - ナレーション ●柳生十兵衛 第16話﹁三九郎故郷へ帰る﹂︵1970年︶ - 美津 ●ぼてじゃこ物語︵1971年、NTV/よみうりテレビ制作︶ ●人形佐七捕物帳 第1話﹁江戸一番のいい男﹂︵1971年、NET・東宝︶ - お俊 ●大奥恋物語︵1971年、CX︶ - お登勢 ●NHK大河ドラマ﹁新・平家物語﹂︵1972年、NHK︶ ●荒野の素浪人 第12話﹁慕情 赤い谷の女﹂︵1972年、NET︶ - 雪乃 ●木枯し紋次郎 第18話﹁流れ舟は帰らず﹂︵1971年、CX︶ - おみつ ●非情のライセンス︵1973年、NET︶ - 河村志津 ●氾濫︵1974年、NET︶ ●高校教師︵1974年、東京12ch・東宝︶ - 小松原貴子教諭 ●しろがね心中︵1975年、TBS︶ ●Gメン'75 第7話﹁女子学生誘拐殺人事件﹂︵1975年、TBS・東映︶ ●伝七捕物帳 ︵NTV︶ ●第81話﹁罠を斬った包丁﹂︵1975年︶- お和 ●第109話﹁舞い降りた鶴﹂︵1976年︶- お千代 ●十手無用 九丁堀事件帖 第13話﹁死神を追え﹂︵1975年、NTV・東映︶ - おふさ ●女の十字路︵1977年︶ ●花のながれ︵1977年、TBS︶ ●Yの悲劇︵1978年︶ ●薔薇海峡 ︵1978年、TBS︶ ●探偵物語 第5話﹁夜汽車で来たあいつ﹂︵1979年、NTV︶ ●江戸の牙 第8話﹁対決!黒い稲妻﹂︵1979年、ANB︶ ●そば屋梅吉捕物帳 第14話﹁黒い十手に悪の華﹂︵1979年、12ch︶ - 千代 ●鬼平犯科帳 第1シリーズ 第21話﹁引き込み女﹂︵1980年、テレビ朝日 / 東宝︶ - お元 ●西遊記II 第14話﹁鬼女妖怪 狙われた新婚夫婦﹂︵1980年、NTV︶ - 千手観音 ●柳生あばれ旅 第18話﹁涙に散った乱れ雲﹂︵1981年︶ ●土曜ワイド劇場﹁先妻の亡霊と闘う新妻﹂︵1981年、ANB︶ ●時代劇スペシャル ﹁日本犯科帳 隠密奉行・久留米編﹂︵1982年、CX︶ ●天守物語 ●ニュードキュメンタリードラマ昭和 松本清張事件にせまる 第13・14回︵1984年、ANB︶ - ナレーション著書[編集]
出典は[2][4][1][19][20]詩集[編集]
- 『ひとつの魔法』 ユリイカ、1960年
- 『一角獣』 サンリオ出版(現代女性詩人叢書)、1973年
随筆など[編集]
- 『天使とのたたかい 詩人女優の母としての記』 主婦の友社、1979年
- 『愛はわが家から 村松英子の子育て奮戦記』 講談社、1983年
- 『私のたったひとつの望いに 女・詩・演劇』 文化出版局、1985年
- 『貴女への贈りもの 人生で一番大切なこと』 中央書院、1999年
- 『こころの花 あなたと共に』 講談社、2003年
- 『三島由紀夫追想のうた 女優として育てられて』 阪急コミュニケーションズ、2007年
- 『歴史に恋して』万葉舎、2018年
訳書[編集]
- 『世界の愛の詩集』 ルック社、1966年
- 『わが子を抱きしめ、さとす「一分間のしつけ」』(ジェラルド・E・ネルソン著)三笠書房、1985年
脚注[編集]
(一)^ abcdefg広瀬正浩﹁村松英子﹂︵事典 2000, pp. 612–613︶
(二)^ abcdefghijklmnopq﹁第四章 新劇女優 村松英子﹂︵岡山 2016, pp. 135–174︶
(三)^ ab村松英子 - KINENOTE
(四)^ abcde著者略歴︵英子 2007, p. 200︶
(五)^ abcd﹁出逢いから傍に落ち着くまで﹂﹁先生のお傍で﹂︵英子 2007, pp. 12–34︶
(六)^ ab﹁三島先生の葬儀﹂﹁付記として﹂︵英子 2007, pp. 131–145︶
(七)^ ﹁第八章﹂︵年表 1990, pp. 229–245︶
(八)^ ab鈴木靖子﹁村松英子﹂︵旧事典 1976, p. 413︶
(九)^ “移動しながら謎解き劇 村松英子の﹁サロン劇場﹂”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年11月25日). オリジナルの2016年12月1日時点におけるアーカイブ。
(十)^ ﹃前衛﹄2007年7月号、日本共産党中央委員会、53-66頁、﹁〝靖国〟派団体の関係資料﹂。
(11)^ 遠藤悠樹︵編︶、日本会議の人脈、三才ブックス、2016年。
(12)^ “役員名簿︵平成26年9月27日現在︶”. 憲法改正を実現する1,000万人ネットワーク | 美しい日本の憲法をつくる国民の会. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
(13)^ ﹁三島先生の言葉から﹂︵英子 2007, pp. 11–146︶
(14)^ ﹁戯曲編﹂︵英子 2007, pp. 147–193︶
(15)^ 85回史 2012
(16)^ 村松英子 - allcinema
(17)^ テレビドラマデータベース﹁村松英子﹂
(18)^ Drill Spin データベース﹁村松英子﹂
(19)^ CiNii Books﹁村松英子﹂
(20)^ 国会図書館リサーチ﹁村松英子﹂