「南海1000系電車 (2代)」の版間の差分
編集の要約なし |
HATARA KEI (会話 | 投稿記録) 編集の要約なし |
||
28行目: | 28行目: | ||
|備考= |
|備考= |
||
}} |
}} |
||
'''南海1000系電車'''︵なんかい1000けいでんしゃ︶は、[[南海電気鉄道]]の[[通勤形電車]]の一系列である。形式名として、[[ |
'''南海1000系電車'''︵なんかい1000けいでんしゃ︶は、[[南海電気鉄道]]の[[通勤形電車]]の一系列である。形式名として、[[1987年]]に[[南海11001系電車|旧1000系]]が全車[[廃車 (鉄道)|廃車]]となって以来、空番となっていた1000番台を割り当てられた。
|
||
== 概要 == |
== 概要 == |
||
[[南海本線|南海線]]用4扉通勤車である[[南海9000系電車|9000系]]の後継系列として、[[南海高野線|高野線]][[ズームカー|大運転]]用[[南海2000系電車|2000系]]で導入された新技術を採り入れつつ、[[1994年]]の関西新空港開業を見据えた南海グループ全体の新[[コーポレートアイデンティティ|CI]]戦略に従う新しいデザインを盛り込んだ、南海本線・高野線の双方で共通運用可能なハイグレードな次世代汎用通勤車として設計され、[[1992年]]より合計76両が[[東急車輛製造]]で製造された。 |
[[南海本線|南海線]]用4扉通勤車である[[南海9000系電車|9000系]]の後継系列として、[[南海高野線|高野線]][[ズームカー|大運転]]用[[南海2000系電車|2000系]]で導入された新技術を採り入れつつ、[[1994年]]の関西新空港開業を見据えた南海グループ全体の新[[コーポレートアイデンティティ|CI]]戦略に従う新しいデザインを盛り込んだ、南海本線・高野線の双方で共通運用可能なハイグレードな次世代汎用通勤車として設計され、[[1992年]]より合計76両が[[東急車輛製造]]で製造された。 |
||
本系列は新造の度に機会を捉えて様々な改良が加えられ続けており、1次車・2-5次車・50番台 |
本系列は新造の度に機会を捉えて様々な改良が加えられ続けており、第1次車・第2 - 5次車・50番台(第6次車)の3グループに大別される。 |
||
== 車種構成 == |
== 車種構成 == |
||
40行目: | 40行目: | ||
このため形式はモハ1001-サハ1801-モハ1301-サハ1601-モハ1101-クハ1501+モハ1001-クハ1701となり、2両編成側のモハ1001形を30番台に区分してある。 |
このため形式はモハ1001-サハ1801-モハ1301-サハ1601-モハ1101-クハ1501+モハ1001-クハ1701となり、2両編成側のモハ1001形を30番台に区分してある。 |
||
また、2両編成を2 |
また、2両編成を2本組み合わせた4両編成も存在するほか、試作要素の多い第6次車は例外的にモハ1051-サハ1851-モハ1151-クハ1751の4両固定編成として製造されている。 |
||
== 車体 == |
== 車体 == |
||
2000系で初採用された、有限要素法によって設計された軽量ステンレス |
2000系で初採用された、有限要素法によって設計された20[[メートル|m]]級軽量構造[[ステンレス]]車体を採用するが、外板はひずみを避けるべく、板厚を増してビードを廃した平滑な仕上げとなっている。 |
||
車体断面は第1次車は従来通り2, |
車体断面は第1次車は従来通り2,744[[ミリメートル|mm]]幅であったが、第2次車以降は[[南海空港線]]開業に伴う車両限界の変更で裾絞りが入った2,850mm幅の大断面車体となった。 |
||
窓配置はdD2D2D2D1(d:乗務員扉、D:客用扉)あるいは1D2D2D2D1で、戸袋窓のない幅1,300mmの両開き扉を備える。 |
窓配置はdD2D2D2D1(d:乗務員扉、D:客用扉)あるいは1D2D2D2D1で、戸袋窓のない幅1,300mmの両開き扉を備える。 |
||
前頭部は工作の容易性などを考慮して2000系と同様、FRP製の縁覆いを使用するが、平面的な構成であった2000系と異なり、上部が曲面を描いて後退し貫通扉部も上方が傾斜する、スピード感を強調したデザインとされている。 |
前頭部は工作の容易性などを考慮して2000系と同様、[[繊維強化プラスチック|FRP]]製の縁覆いを使用するが、平面的な構成であった2000系と異なり、上部が曲面を描いて後退し貫通扉部も上方が傾斜する、スピード感を強調したデザインとされている。 |
||
前照灯と標識灯は横並びで一体型のケースに収められたものが前面左右の腰板部に組み込まれており、標識灯はLEDを使用する。 |
前照灯と標識灯は横並びで一体型のケースに収められたものが前面左右の腰板部に組み込まれており、標識灯はLEDを使用する。 |
||
57行目: | 57行目: | ||
この新カラースキームは在来の[[南海9000系電車|9000系]]・[[南海8200系電車|8200系]]などのステンレス車や[[南海7000系電車|7100系]]・[[南海21000系電車|21000系]]などの鋼製車に対して適用され、高野線の[[こうや (列車)|特急﹁こうや﹂]]用[[南海30000系電車|30000系]]と廃車時期が迫っていた[[南海1521系電車|1521系]]と[[南海1201形電車|1201形]]を除く全車が塗色変更された<ref>ただし[[南海11000系電車|11000系]]のみ[[南海31000系電車|31000系]]登場後に30000系の塗色に変更された。</ref>。
|
この新カラースキームは在来の[[南海9000系電車|9000系]]・[[南海8200系電車|8200系]]などのステンレス車や[[南海7000系電車|7100系]]・[[南海21000系電車|21000系]]などの鋼製車に対して適用され、高野線の[[こうや (列車)|特急﹁こうや﹂]]用[[南海30000系電車|30000系]]と廃車時期が迫っていた[[南海1521系電車|1521系]]と[[南海1201形電車|1201形]]を除く全車が塗色変更された<ref>ただし[[南海11000系電車|11000系]]のみ[[南海31000系電車|31000系]]登場後に30000系の塗色に変更された。</ref>。
|
||
なお、第 |
なお、第1 - 5次車については車体全体をグレーで塗装されていたが、第6次車では無塗装に変更されている。 |
||
=== 接客設備 === |
=== 接客設備 === |
||
68行目: | 68行目: | ||
また、扉上部にマップ型[[発光ダイオード|LED]]停車駅案内表示器およびLED情報案内表示器が千鳥設置されていたが、第6次車でマップ型[[発光ダイオード|LED]]停車駅案内表示器が廃止され、在来車も通常の路線図で塞いでいる。さらに、第6次車では座席端部へのスタンションポール設置と扉開閉時の[[ドアチャイム]]の設置が実施されている。
|
また、扉上部にマップ型[[発光ダイオード|LED]]停車駅案内表示器およびLED情報案内表示器が千鳥設置されていたが、第6次車でマップ型[[発光ダイオード|LED]]停車駅案内表示器が廃止され、在来車も通常の路線図で塞いでいる。さらに、第6次車では座席端部へのスタンションポール設置と扉開閉時の[[ドアチャイム]]の設置が実施されている。
|
||
本系列は2003年に本線・高野線に[[女性専用車両]]が導入された時点では6 |
本系列は2003年に本線・高野線に[[女性専用車両]]が導入された時点では6両編成以下の編成での運転が基本であったため、導入対象外となっていた。2005年のダイヤ改正で南海線から高野線へ1032編成が再度転属して高野線において本系列による8両編成での運転が可能になったことから、まず1001編成のみ難波方から4両目(サハ1601形)に設定された。1002編成も高野線所属であったがやや遅れての設定となった。これは同編成が当時専門学校の全面広告車であったため、デザイン上女性専用車ステッカーを貼付できなかったことによる。なお、本線所属車は現在でも女性専用車の設定対象外であるが1003編成は高野線へ転属したため2009年6月に設定された。 |
||
冷房装置は冷凍能力14,000kcal/hの東芝RPU-4014を各車3基ずつ搭載する。ただし、外観上は連続したクーラーキセをかぶせて一体化してある。 |
冷房装置は冷凍能力14,000kcal/hの[[東芝]]RPU-4014を各車3基ずつ搭載する。ただし、外観上は連続したクーラーキセをかぶせて一体化してある。 |
||
== 主要機器 == |
== 主要機器 == |
||
76行目: | 76行目: | ||
全電動車がかご形三相交流誘導電動機を各4基ずつ装架する。 |
全電動車がかご形三相交流誘導電動機を各4基ずつ装架する。 |
||
第1 |
第1 - 5次車は[[三菱電機]]MB-5046-A<ref>端子電圧1100[[ボルト (単位)|V]]・同期周波数73[[ヘルツ|Hz]]時定格出力180[[ワット|kW]]/2,130[[rpm (単位)|rpm]]。</ref>を、第6次車は改良型の三菱電機MB-5091-Aを採用する。
|
||
駆動システムは[[WN平行カルダン駆動方式|WNドライブ]]方式で、[[TD平行カルダン駆動方式|TDカルダンドライブ]]を採用した2000系とは異なる。 |
駆動システムは[[WN平行カルダン駆動方式|WNドライブ]]方式で、[[TD平行カルダン駆動方式|TDカルダンドライブ]]を採用した2000系とは異なる。 |
||
歯数比はいずれも99:14(7.07)で、設計上 |
歯数比はいずれも99:14(7.07)で、設計上120[[キロメートル毎時|km/h]]運転可能な性能を備える。 |
||
=== 主制御器 === |
=== 主制御器 === |
||
1 |
第1 - 5次車までは[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御器]]の[[日立製作所]]VFG-HR-1420-Fを各電動車に搭載する。 |
||
このVFG-HR-1420-Fは設計当時一般的であった耐圧4500V・ |
このVFG-HR-1420-Fは設計当時一般的であった耐圧4500V・2500[[アンペア|A]]級[[ゲートターンオフサイリスタ|GTO]][[半導体素子|素子]]をスイッチング素子として使用し、容量の関係上1制御器で4基の主電動機を制御する構成とされている。 |
||
これに対し、第6次車ではGTOに代えて最新の2レベル[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子を使用する日立製作所VFI-HR-4011-Aに変更されて静粛性が大幅に向上し、また純電気ブレーキ使用が可能とされている。 |
これに対し、第6次車ではGTOに代えて最新の2レベル[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子を使用する日立製作所VFI-HR-4011-Aに変更されて静粛性が大幅に向上し、また純電気ブレーキ使用が可能とされている。 |
||
97行目: | 97行目: | ||
全車とも、軽量化を目的として、[[住友金属工業]]製[[ボルスタレス台車]]を装着する。 |
全車とも、軽量化を目的として、[[住友金属工業]]製[[ボルスタレス台車]]を装着する。 |
||
ただし形式は第1・2次車と第 |
ただし形式は第1・2次車と第3 - 5次車、それに6次車で異なっており、第1・2次車は2枚の板ばねで軸箱を支持する平行支持板式︵SU式︶のSS-127︵電動車︶・027︵付随車︶を、第3 - 5次車は同じく平行支持板式︵SU式︶で改良型のSS-127A︵電動車︶・027A︵付随車︶を、第6次車は新開発のモノリンク式のSS-159︵電動車︶・059︵付随車︶を、それぞれ採用する。
|
||
=== ブレーキ === |
=== ブレーキ === |
||
9000系の三菱電機MBS-Rを基本としつつ、電動車の回生制動能力を有効活用する遅れ込め方式を採用した、MBSA[[電気指令式ブレーキ|電気指令式電磁直通ブレーキ]] |
9000系の三菱電機MBS-Rを基本としつつ、電動車の回生制動能力を有効活用する遅れ込め方式を採用した、MBSA[[電気指令式ブレーキ|電気指令式電磁直通ブレーキ]] |
||
が採用され |
が採用されている。 |
||
== |
== 編成 == |
||
南海線には6両7編成、4両1編成(第6次車)、2両5編成の計56両が、高野線には6両3編成、2両1編成の計20両がそれぞれ在籍する。 |
南海線には6両7編成、4両1編成(第6次車)、2両5編成の計56両が、高野線には6両3編成、2両1編成の計20両がそれぞれ在籍する。 |
||
111行目: | 111行目: | ||
[[画像:Nankai1000Series1002F01.jpg|thumb|right|192px|1次車1002×6(2006年7月撮影)]] |
[[画像:Nankai1000Series1002F01.jpg|thumb|right|192px|1次車1002×6(2006年7月撮影)]] |
||
=== 1次車 === |
=== 第1次車 === |
||
* 2両2編成が南海線に、6両3編成、2両1編成が高野線に在籍する。 |
* 2両2編成が南海線に、6両3編成、2両1編成が高野線に在籍する。 |
||
* 2008年7月現在、6両編成は1003編成以外[[ラッピング広告]]車である。 |
* 2008年7月現在、6両編成は1003編成以外[[ラッピング広告]]車である。 |
||
119行目: | 119行目: | ||
* 南海線・高野線共通の車両は、正式にはこのグループのみであり、1032編成は南海線→高野線→南海線→高野線と過去に3回転属している。 |
* 南海線・高野線共通の車両は、正式にはこのグループのみであり、1032編成は南海線→高野線→南海線→高野線と過去に3回転属している。 |
||
** 車両事情により2006年4月23日ころから6月最初の頃まで南海線所属の1003編成が高野線の運用に就いていたことがある。また2009年6月現在、1003編成は再度高野線の運用に就いている。 |
** 車両事情により2006年4月23日ころから6月最初の頃まで南海線所属の1003編成が高野線の運用に就いていたことがある。また2009年6月現在、1003編成は再度高野線の運用に就いている。 |
||
** 1次車の6編成のうち、1回も所属線区の転属がないのは1031編成のみである。一時期この編成だけが1次車として南海線に取り残されたことがあり、2次車以降の車体拡幅車(1034編成など)と連結して運用されていたが、2次車側から見て車体幅が異なって車側灯が見づらいという問題があったことから、のちに車側灯の高さを台座を取り付けるなどして2次車以降と同一にしている。 |
** 第1次車の6編成のうち、1回も所属線区の転属がないのは1031編成のみである。一時期この編成だけが第1次車として南海線に取り残されたことがあり、第2次車以降の車体拡幅車(1034編成など)と連結して運用されていたが、第2次車側から見て車体幅が異なって車側灯が見づらいという問題があったことから、のちに車側灯の高さを台座を取り付けるなどして第2次車以降と同一にしている。 |
||
* 列車種別選別装置は竣工当初、更新準備工事にとどまっていた。 |
* 列車種別選別装置は竣工当初、更新準備工事にとどまっていた。 |
||
=== 2 |
=== 第2 - 5次車 === |
||
* 2 |
* 第2 - 5次車は南海線(南海本線・空港線・和歌山港線)のみに配置されている。 |
||
* この編成からCI導入に準拠し先頭車のロゴタイプが変更され、さらに使用されなくなった旧社章に代わってCI章が採用された(これは[[1993年]][[10月]]以降に定期検査等を出場した既存車両にも引き継がれた)。 |
* この編成からCI導入に準拠し先頭車のロゴタイプが変更され、さらに使用されなくなった旧社章に代わってCI章が採用された(これは[[1993年]][[10月]]以降に定期検査等を出場した既存車両にも引き継がれた)。 |
||
* 高野線での使用は可能であるが7100系1次車の代替であることやJR西日本(阪和線)[[JR西日本223系電車|223系]](関空快速・紀州路快速)との対抗からか本線に集中配備されている |
* 高野線での使用は可能であるが7100系1次車の代替であることやJR西日本(阪和線)[[JR西日本223系電車|223系]](関空快速・紀州路快速)との対抗からか本線に集中配備されている |
||
* 6両7編成、2両3編成が在籍する。 |
* 6両7編成、2両3編成が在籍する。 |
||
* 5次車の1010編成は1002編成と同じく「minapita」のラッピング広告車である。 |
* 第5次車の1010編成は1002編成と同じく「minapita」のラッピング広告車である。 |
||
* 2次車の1005編成は2007年12月から2009年7月中旬まで[[住之江競艇|住之江競艇]]のラッピング広告車だった。 |
* 第2次車の1005編成は2007年12月から2009年7月中旬まで[[住之江競艇|住之江競艇]]のラッピング広告車だった。 |
||
* 4次車の1009編成は2009年2月から[[みさき公園]]新イルカ館のラッピング広告車である。なお、戸袋部外側のステッカーは他の編成にも施されている。 |
* 第4次車の1009編成は2009年2月から[[みさき公園]]新イルカ館のラッピング広告車である。なお、戸袋部外側のステッカーは他の編成にも施されている。 |
||
* 2・3次車と4・5次車 |
* 第2・3次車と第4・5次車の相違点は[[自動列車停止装置|ATS]]車上子の取付位置を変更した程度に留まる。 |
||
* 列車種別選別装置は最初から車上子⇔地上子双方向の高速デジタル伝送を可能としたトランスポンダ方式を採用。 |
* 列車種別選別装置は最初から車上子⇔地上子双方向の高速デジタル伝送を可能としたトランスポンダ方式を採用。 |
||
{{右|[[画像:Nankai1050Series02.jpg|thumb|240px|none|1000系50番台車]]}} |
{{右|[[画像:Nankai1050Series02.jpg|thumb|240px|none|1000系50番台車]]}} |
||
=== 6次車(50番台) === |
=== 第6次車(50番台) === |
||
* 6次車(50番台)は[[2001年]](平成13年)に登場した。通称'''1050系'''。 |
* 第6次車(50番台)は[[2001年]](平成13年)に登場した。通称'''1050系'''。 |
||
* [[2007年]]現在は南海線(南海本線・空港線・和歌山港線)のみの運行である。 |
* [[2007年]]現在は南海線(南海本線・空港線・和歌山港線)のみの運行である。 |
||
* 1051編成の4両1編成のみ在籍する。 |
* 1051編成の4両1編成のみ在籍する。 |
||
145行目: | 145行目: | ||
== 運用 == |
== 運用 == |
||
=== 南海線 === |
=== 南海線 === |
||
6 |
6両編成は編成単独で全車自由席[[特別急行列車|特急列車]]から[[普通列車|普通車]]まで幅広く用いられ、2両編成は2組つないだ4両編成で普通車に、1051編成あるいは[[南海8000系電車 (2代)|8000系]]と組んで6両編成で優等列車等に用いられる。<ref>ごくまれに2両編成を3組つないだ6両編成で運転されることもある。</ref>。
|
||
1051編成は新製以来ほとんど編成単独の4 |
1051編成は新製以来ほとんど編成単独の4両編成で普通車に用いられてきた<ref>実際には2002年の年末から一時期、2両編成と併結し6両編成で運転された実績がある。</ref>が、2005年の車両配属変更後は2両編成と組んで6両編成となり、全車自由席特急から普通車まで幅広く用いられることが多くなっている。これは南海線配置の2両編成が5本体制となり、4両編成を組むと1編成余るためである。ただし、2両編成が検査などや、8000系との併結運用に充当されていて余らない場合は、従来どおり編成単独の4両編成で普通運用に充当される。
|
||
なお南海線では8 |
なお、南海線では8両編成の設定があるが、本系列の6両編成と2両編成をつないだ8両編成は本系列竣工直後に一時期見られた程度に留まっている。これは南海線の8両編成は運用の都合上、4両編成2本に分割できるように組成することが求められるためである。
|
||
女性専用車は8 |
女性専用車は8両編成にしか設定されないので、南海線の本系列はその対象外となっている。<!--今後7000系が順次廃車となるため、その代替として本系列も8連運用に参入する可能性がある。-->また、試運転にて1051編成も8000系との併結による8両編成が実現しているが、現時点では、営業運転で1051編成が8両編成運用に充当される予定はない<ref>8000系の8001・8002編成はすでに女性専用車の設定がなされているため、実質的には1051編成をこれらの和歌山市方に連結させた8両編成の運行が可能である。</ref>。
|
||
1次車登場時には[[淡路島]]航路連絡[[急行列車|急行]]「淡路号」<ref>[[難波駅]] |
第1次車登場時には[[淡路島]]航路連絡[[急行列車|急行]]「淡路号」<ref>[[難波駅]] - [[多奈川駅]]間を直通運行。[[1993年]]廃止。</ref>が運行されていたため、[[南海多奈川線|多奈川線]]にも入線実績がある。1003編成と1033編成が高野線から南海線に転属したため、在籍全編成が南海線での運用実績を持つこととなった。 |
||
=== 高野線 === |
=== 高野線 === |
||
6 |
6両編成と2両編成を併結した8両編成で[[急行列車|急行・区間急行]]・[[準急列車|準急行]]に、6両編成単独で急行等優等列車から[[各駅停車]]まで、高野線区間運転の特急系以外の各列車種別に幅広く用いられる。
|
||
泉北高速鉄道線にも乗り入れるが、区間運転用のため20m級大型車両の入線ができない[[橋本駅 (和歌山県)|橋本駅]]以南には乗り入れない。一時期2 |
泉北高速鉄道線にも乗り入れるが、区間運転用のため20m級大型車両の入線ができない[[橋本駅 (和歌山県)|橋本駅]]以南には乗り入れない。一時期2両編成の配置がなくなり6両編成以外には使用されない時期もあったが、[[2005年]]に1032編成が南海線から移籍して8両編成での運用が復活した。2009年には1003Fの高野線への復帰により、オリジナル塗装車のみによる8両編成も実現した。
|
||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
{{commonscat|Nankai 1000 series (II)}} |
{{commonscat|Nankai 1000 series (II)}} |
||
{{脚注ヘルプ}} |
{{脚注ヘルプ}} |
||
{{Reflist|2}} |
|||
<div class="references-small"><references /></div> |
|||
{{南海電気鉄道の車両}} |
{{南海電気鉄道の車両}} |
2009年8月24日 (月) 13:13時点における版
南海1000系電車(2代) | |
---|---|
基本情報 | |
製造所 | 東急車輛製造 |
主要諸元 | |
編成 | 6両(8編成)、6両(2編成)、4両(1編成・50番台)、2両(6編成) |
軌間 | 1,067 |
電気方式 | 直流1500V架線給電 |
設計最高速度 | 120 |
起動加速度 | 2.5 |
減速度(常用) | 3.7 |
減速度(非常) | 4.0 |
編成定員 | 588名 |
全幅 | 2744mm(1次車)、2850(1次車以外) |
主電動機出力 | 180kW |
駆動方式 | WN平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 7.07 |
制御装置 |
GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御 IGBT素子VVVFインバータ制御(50番台、純電気ブレーキ対応) |
制動装置 | 回生制動併用電気指令式ブレーキ(遅れ込め制御) |