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インターモーダル輸送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
複合一貫輸送から転送)
アメリカ合衆国バージニア州ポーツマスのAPMターミナルで、鉄道から船へコンテナの積み替えを行っている様子
1844年のスケッチ

: Intermodal Freight Transport

intermodal containerISO[1]使

輸送手段[編集]

現代の超大型コンテナ船では珍しくはなくなってきた、9段積みされた船倉内風景。
最上段(薄緑色コンテナ)から6段目(赤いコンテナの真下)の朱色コンテナまでは40 ft型で、以下の7段目から最底辺の9段目までは、20 ft型を横2列に並べて3段積みされている。

コンテナ船[編集]

コンテナを運搬する貨物船をコンテナ船といい、規格化されたコンテナだけを運搬する船はフルコンテナ船またはフルコン船と呼ばれる。

専用コンテナ船の船艙には、コンテナが左右にずれない様にするための「セルガイド」という鋼鉄製の強靭な垂直レールが備わっており、規格化された大きさのコンテナは、セルガイド最上部のエントリー・ガイドと呼ばれる斜体に沿って上甲板の開口部から、効率的に積み込まれる。上甲板の上まで積まれたコンテナは、3段目や5段目などの要所を、1本 20 kg以上もある鋼鉄製の「ラッシング・バー」で固定する必要がある。

コンテナを専門に運ぶためにセルガイドを備えたコンテナ船では、20フィート・コンテナを縦に2個並べた真上に40フィート・コンテナを重ねることは普通に行なうが、上下が逆で、40フィート・コンテナの上に20フィート・コンテナを乗せて運搬することは行なっていない。これは、船艙の底の金具で20フィート・コンテナの横ずれを防止できるが、40フィート・コンテナの上面には四隅にのみ金具が備わっているだけであるため、20フィート・コンテナは充分に固定できないためである[2]。また、コンテナは四隅の金具で上に乗るコンテナの全重量を支えており、40フィート・コンテナの中央部分には20フィートの隅金具を支える隅金具がなく、上に乗る20フィート・コンテナの重量を支えることができないためである。

コンテナ船の荷役をする港湾施設はコンテナターミナルと呼ばれる。コンテナを積卸専用の岸壁クレーンをガントリークレーンといい、揚貨能力はおよそ35トン以上、作業のスピードは熟練作業員の場合、1時間に40本以上である。[3]

船の巨大化[編集]


TEU (twenty-foot equivalent units) 2011 TEU6.1 m× 2.44 m × 2.6 m39m31980 4,000 TEU2000 6,000 TEU8,000 TEU11,000 TEU

20069(11,000 TEU) [ 1]
200692012CMA CGM  (16,020 TEU)
CSCLCSCL Globe (19.100 TEU)

6201212CMA-CGMdCMA CGM  16,020 TEU28%[4]

China Shipping Container Lines (CSCL)  19.100 TEU20141118CSCL Globe CSCL Globe22015113MSC, Mediterranean Shipping Company 19,224 TEU MSC Oscar

201732720,000 TEU20,170 TEUMOL Triumph[5]4Madrid Maersk20,568 TEU5OOCL Hong KongOOCL21,413 TEU103120,000 TEU20,182 TEUen:MOL Truth[6]

はしけ[編集]

RO-RO技術を応用したはしけにより、ヨーロッパのライン川ドナウ川や、米国ミシシッピ川のような大規模な内陸水運水路で貨物を輸送している(バージコンテナ輸送)[7]

ウィキメディア・コモンズには、コンテナバージに関するカテゴリがあります。

鉄道[編集]

アメリカ・ペンシルバニア州では、2段積み(ダブルスタック)されたコンテナ車が複線化されたトンネルを悠々と走っている。

鉄道貨物輸送は船に比べて速く、飛行機よりも割安なため、大陸間輸送の場合でもランドブリッジとして大陸横断鉄道が(特に北アメリカ大陸で)活用されている。内陸輸送の上でも、トラック数百台分のコンテナを一気に運ぶことができるため鉄道は効率的な輸送手段である。アメリカ合衆国ヨーロッパなどでは海上コンテナ(ISO規格コンテナ)の使用が一般的で、コンテナ貨車を 100両以上連ねた長大な貨物列車(俗に「マイル・トレイン」と呼ばれる)が効率的な物流手段として日常的に運転されている。

車両限界に余裕のあるアメリカなどでは、コンテナを上下2段に積み重ねて輸送する「ダブルスタックカー」も見られる。こうした複層貨物鉄道輸送はアメリカ以外でも効率的にコンテナを大量輸送するために導入されている。