2009年の欧州連合
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2009年の欧州連合では、2009年︵平成21年︶の欧州連合︵EU︶に関する出来事について記述する。
概要[編集]
できごと[編集]
1月[編集]
●1月1日 ●チェコ、欧州連合理事会議長国に就任。任期は、2009年6月30日まで [1]。 ●スロバキアでユーロ導入。ユーロ圏は、欧州連合加盟国27カ国のうち16カ国に拡大 [2]。 ●ロシア、ウクライナ向けの天然ガス供給停止︵﹁ガス紛争﹂の始まり︶。両国間の2009年のガス価格をめぐる交渉の決裂が原因だが、親欧米のウクライナ政権を揺さぶるロシアの戦略の一環との見方もある[3][4][5]。この影響でウクライナ経由の欧州向け天然ガスが減少したため、欧州各国の懸念が強まり、欧州連合理事会議長国チェコは、1月2日、紛争の早期解決を促す声明を発表した [6][7]。 ●1月7日 - ロシア、ウクライナ経由の欧州向け天然ガス供給停止。ロシア側は、ウクライナが欧州向けのパイプラインを閉鎖したと非難。ガスの供給停止により、東欧諸国を中心に影響が広がり、工場の操業停止や一般家庭の暖房停止など経済や市民生活に被害をもたらした [8][9][10]。 ●1月20日 - ロシア、ウクライナ向け及びウクライナ経由の欧州向け天然ガス供給再開。ロシアとウクライナ間のガス価格をめぐる交渉妥結を受け、ガス紛争は20日ぶりに終息した。ブルガリアが2億5,000万ユーロの損害賠償を求めるなど、被害を受けた欧州諸国はロシアに対する反発を強めた[11][12]。欧州委員会のパローゾ委員長は、供給再開は歓迎するものの、欧州の消費者が紛争の﹁人質﹂になる状況は容認できないと批判し、欧州のエネルギー安全保障、特にエネルギーの供給源と供給ルートの多様化の必要性を訴えた [13]。 ●1月29日 - 中国の温家宝首相、ベルギーのブリュッセルにある欧州連合本部を訪問。温家宝首相は、欧州5カ国歴訪の途中で、ベルギーはその3番目の訪問国 [14]。2月[編集]
3月[編集]
●3月5日 - 欧州中央銀行は政策金利を1.5%に引き下げた[15]。 ●3月24日 - 欧州連合理事会議長国チェコの下院、トポラーネク政権に対する不信任決議案を賛成多数で可決。トポラーネク首相は、3月26日、正式に辞任した[16][17]。議長国任期期間中の政権崩壊に関して、欧州連合︵EU︶の政策執行機関である欧州委員会は、チェコが今後も議長国としての任務を、従来通り支障なく全うできるという見通しを明らかにした [18][19]。4月[編集]
●4月2日 - 欧州中央銀行は政策金利を1.25%に引き下げた[20]。 ●4月5日 - 11時30分頃、北朝鮮、日本東方の太平洋上に向けて、長距離弾道ミサイル﹃テポドン2号﹄の改良型と見られるミサイル発射実験を実施[21][22]。欧州連合︵EU︶、国連安保理決議1718号違反として北朝鮮を非難 [23][24]。5月[編集]
●5月7日 - 欧州中央銀行は政策金利を0.25%下げ1%にすることを決定[25]。6月[編集]
●6月4日-7日 - 欧州連合加盟27カ国で欧州議会議員選挙実施。中道右派の欧州人民党・民主主義グループ︵EPP︶は288議席から265議席へと減らしたものの、第1党を維持し勝利。中道左派の欧州社会党︵PES︶は、215議席から162議席へと大きく後退した。経済危機を背景に右派の勢力が伸長した [26][27]。 ●6月8日 - S&Pはアイルランドソブリン格付けを﹁AA﹂に引き下げた[28]。7月[編集]
●7月1日 - スウェーデン、欧州連合理事会議長国に就任。任期は、2009年12月31日まで [1][29]。8月[編集]
9月[編集]
10月[編集]
●10月2日 - アイルランド、リスボン条約批准の賛否を問う2回目の国民投票を実施。翌日の開票の結果、賛成票が67.1%を占め、批准が承認された。前年6月の1回目の投票では否決されたが、その後の金融危機により経済状況が一変。欧州連合への期待の高まりと、再否決による外国資本引き上げの懸念が賛成票を後押しした[30][31]。これにより、残る未批准国はチェコとポーランドの2カ国だけとなり、条約発効に向けて大きく前進した [32]。 ●10月5日 - ベルギーのブリュッセルにある欧州連合本部前で、牛乳価格の下落に抗議して、農民ら数千人が抗議デモ。道路上に牛乳をまき散らすなどしたが、大きな混乱はなかった [33]。 ●10月10日 - ポーランドのカチンスキ大統領、リスボン条約の批准文書に署名。これにより、残る未批准国はチェコのみとなった [34]。11月[編集]
12月[編集]
死去[編集]
●.脚注[編集]
(一)^ ab欧州連合理事会公式サイト ”PRESIDENCY WEBSITES” 英語. 2009年5月8日閲覧.
(二)^ ﹁スロバキアでユーロ流通開始﹂ 産経新聞2009年1月1日付. 2009年4月19日閲覧.
(三)^ ﹁ロシアがウクライナへのガス供給停止﹂ 産経新聞2009年1月1日付. 2009年5月19日閲覧.
(四)^ 佐藤貴生 ﹁﹁ガス戦争﹂長期戦も辞さず ロシアとウクライナ﹂ 産経新聞2009年1月2日付. 2009年5月19日閲覧.
(五)^ 佐藤貴生 ﹁ガス供給問題Q&A事業透明性﹁?﹂ ロシアに政治的思惑﹂ 産経新聞2009年1月13日付. 2009年5月17日閲覧.
(六)^ 欧州連合 駐日欧州委員会代表部公式サイト ﹁EU、ロシアからウクライナ経由のガス供給の速やかな再開を求める ︵日本語仮訳︶﹂ 2009年1月2日発表. 2009年5月22日閲覧.
(七)^ 黒沢潤 ﹁欧州でガス供給が減少 懸念高まる﹂ 産経新聞2009年1月4日付. 2009年5月19日閲覧.
(八)^ ﹁ウクライナ経由の供給停止 露、欧州向けガス﹂ 産経新聞2009年1月7日付. 2009年5月19日閲覧.
(九)^ 佐藤貴生 ﹁露のガス供給停止、欧州十数カ国に影響﹂ 産経新聞2009年1月7日付. 2009年5月19日閲覧.
(十)^ ﹁ガス紛争で影響拡大、東欧で市民生活にも影﹂ 産経新聞2009年1月9日付. 2009年5月19日閲覧.
(11)^ 佐藤貴生 ﹁﹁ガス紛争﹂2週間ぶり解決 欧州・ウクライナ供給再開﹂ 産経新聞2009年1月20日付. 2009年5月17日閲覧.
(12)^ 遠藤良介 ﹁﹁政権転覆﹂狙った露の誤算 “ガス紛争”の決算﹂ 産経新聞2009年1月27日付. 2009年5月17日閲覧.
(13)^ 欧州連合 駐日欧州委員会代表部公式サイト ﹁ウクライナ・ロシア間ガス紛争の解決に関するバローゾ委員長の声明 ︵日本語仮訳︶﹂ 2009年1月20日発表. 2009年5月23日閲覧.
(14)^ 駐インド中国大使館公式サイト “Wen Jiabao Arrives in Brussels for Official Visit to EU Headquarters” 2009年1月30日発表. 英語. 2009年4月17日閲覧.
(15)^ ﹁ECB、主要政策金利を50bp引き下げ1.50%に﹂ロイター 2009年3月5日付
(16)^ ﹁チェコ政権不信任案可決EU運営に影響も﹂ 産経新聞2009年3月25日付. 2009年5月9日閲覧.
(17)^ トポラーネク首相は、辞任後も新政権が発足するまでは、暫定的に首相を務める。 ﹁EU議長国 チェコのトポラーネク政権崩壊 脆弱な暫定内閣 条約批准も微妙﹂ オックスフォード・アナリティカ2009年4月2日付. 2009年5月10日閲覧.
(18)^ 欧州連合 駐日欧州委員会代表部公式サイト ﹁チェコ議会における本日の議決に関する欧州委員会談話 ︵日本語仮訳︶﹂ 2009年3月25日発表. 2009年5月10日閲覧.
(19)^ ﹁チェコ首相が6月末まで議長国にEUが声明﹂ 産経新聞2009年3月25日付. 2009年5月9日閲覧.
(20)^ “ECBが主要政策金利を25bp引き下げ”. ロイター. (2009年4月2日)
(21)^ ﹁︻北ミサイル発射︼日本政府、﹁飛翔体﹂発射を確認﹂ 産経新聞2009年4月5日付. 2009年4月25日閲覧.
(22)^ ﹁︻北ミサイル︼発射は﹁ミサイル﹂と断定 官房長官﹂ 産経新聞2009年4月10日付. 2009年4月25日閲覧.
(23)^ ﹁︻北ミサイル発射︼EU﹁国連決議違反﹂﹂ 産経新聞2009年4月5日付. 2009年4月29日閲覧.
(24)^ ﹁︻北ミサイル発射︼北朝鮮への対抗措置必要 米欧首脳会議が共同声明﹂ 産経新聞2009年4月5日付. 2009年4月29日閲覧.
(25)^ “ECB‥政策金利0.25ポイント下げ1%に-預金金利据え置き︵2︶”. ブルームバーグ. (2009年5月7日)
(26)^ 欧州連合 駐日欧州委員会代表部公式サイト ﹁欧州議会選挙、中道右派の圧倒的勝利 ︵日本語仮訳︶﹂ 2009年6月8日発表. 2009年6月15日閲覧.
(27)^ 山口昌子・木村正人 ﹁欧州議会選、経済危機背景に中道右派勝利 極右政党も台頭﹂ 産経新聞2009年6月8日付. 2009年6月15日閲覧.
(28)^ “NY外為市場でユーロ下落、アイルランドの格下げで”. ロイター. (2009年6月8日)
(29)^ ﹁EU議長国、スウェーデンに交代﹂ AFPBB News2009年7月1日付. 2009年10月9日閲覧.
(30)^ 木村正人 ﹁アイルランド、金融危機でEU新基本条約への態度一変﹂ 産経新聞2009年10月3日付. 2009年10月7日閲覧.
(31)^ 木村正人 ﹁EU新基本条約 アイルランド再国民投票 批准へ﹂ 産経新聞2009年10月4日付. 2009年10月7日閲覧.
(32)^ 木村正人 ﹁次の関門はチェコのクラウス大統領EU新基本条約﹂ 産経新聞2009年10月3日付. 2009年10月7日閲覧.
(33)^ ﹁EU本部前で牛乳まく 価格下落で農民ら抗議﹂ 産経新聞2009年10月6日付. 2009年10月7日閲覧.
(34)^ ﹁ポーランドも批准EU新基本条約﹂ 産経新聞2009年10月10日付. 2009年10月10日閲覧.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 欧州統合の主な出来事 (欧州連合 駐日欧州委員会代表部公式サイト内)
- The history of the European Union (欧州連合ポータルサイト「EUROPA」内。英語)