ASM-3
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![]() XASM-3-E | |
種類 | 空対艦ミサイル、空対地ミサイル |
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製造国 |
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設計 | 技術研究本部→防衛装備庁 |
性能諸元 | |
ミサイル直径 | 0.35m |
ミサイル全長 | 6.0m |
ミサイル重量 | 940kg[1] |
射程 | 推定300キロ以上(ASM-3A)[2] |
推進方式 | インテグラル・ロケット・ラムジェット[3] |
誘導方式 | 慣性/GPS誘導(中間段階) + アクティブ/パッシブ複合誘導(終末段階) |
飛翔速度 | 最大マッハ3以上 |
ASM-3は、防衛装備庁[4]が開発した超音速飛翔の空対艦ミサイル︵対艦誘導弾︶[5]。開発中はXASM-3と呼称されていた。2018年︵平成30年︶1月に開発完了が報道されたが[6]、すぐには量産配備には至らず、さらに改良を加え射程が延伸されたASM-3Aを2021年︵令和3年︶度に取得開始[7][8][9]、さらに射程延伸型のASM-3︵改︶の開発を2020年︵令和2年︶度から2025年︵令和7年︶度まで行う予定である[10]。
概要
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ASM-3は、従来の国産対艦誘導弾と比較して大幅に性能を向上させることで迎撃されない確率を高めて、防空能力が大幅に向上しつつある敵艦艇をより確実に撃破出来るミサイルとして計画された[11]。F-2戦闘機で運用する事[12]を前提に、1980年代末より開発の検討が開始された[13]。2013年時点では、2016年︵平成28年︶度の開発完了を目指していた[11]。
最大の特徴は、インテグラル・ロケット・ラムジェット︵integral rocket ramjet、IRR︶による推進系で、構造としてはラムジェットエンジンの後部に固体ロケットブースターが統合︵integrate︶されている。推進時にはまず固体ロケットブースターが作動してラムジェットの動作可能速度まで加速した後、固体燃料が焼失した後のロケット部分がラムジェットの燃焼室となる。これによりマッハ3以上で超音速飛行し、敵の迎撃可能時間を減少させている[13]。また、ステルス性を考慮した弾体形状にすることで被探知性を低下させ、アクティブ・レーダー・ホーミング方式とパッシブ・レーダー・ホーミング方式の複合シーカー方式を採用しECCM能力を向上させることで、敵艦艇をより確実に撃破出来るようになっている[13]。さらに敵艦艇の艦対空ミサイルより長射程化させ敵の迎撃可能範囲外から誘導弾を発射できるようにすることで、発射母機の安全性が高まっている。
当初は赤外線画像、アクティブレーダー、パッシブレーダーの3方式の併用を予定していたが、赤外線画像誘導方式に関しては、これを省いても命中率・破壊力には大差ないと見られたことから、開発経費削減のため削除された[13]。これにより開発経費が10%程度削減されたとされる。2002年時点では、XASM-3は旧式化した80式空対艦誘導弾︵ASM-1︶のみを置き換えるものとし、誘導方式が異なる︵赤外線画像方式を採用する︶93式空対艦誘導弾︵ASM-2︶と併用し、対妨害性を確保するとして開発が検討されていたが[14]、2009年時点ではASM-2の後継ともされている[12][11]。またASM-3Aは、ASM-2Bと同様に中間誘導にGPS誘導を用いているため、艦船だけでなく地上の目標や沿岸攻撃などの対地攻撃能力を持つ。そのため、敵基地攻撃能力の一つに十分なり得る。
2018年1月7日、XASM-3の計15回に及ぶ発射試験が終了し、2019年度から量産を開始することが報道されたが[6]、2018年度と2019年度の防衛予算に調達予算は計上されず、中国人民解放軍海軍艦艇の高性能化に対する射程の短さから改良型の開発が行われることとなり、2020年度から射程400km以上の射程延伸型のASM-3︵改︶の開発予算が計上される予定である[10][2]。ASM-3︵改︶はF-2戦闘機での運用を維持するために機体規模は変更せず、軽量化による射程延伸を予定している[10]。また、周辺国艦艇の高性能化に少しでも早く対応するため、ASM-3︵改︶の開発途中の成果を反映させ射程を延伸させたASM-3Aを量産し取得する予定である[7][8]。2024年度の予算においてASM3-A取得のために118億円が計上された。[15]
なおASM-3︵改︶の開発と並行して、2019年度から2025年度にかけて、さらに高速なマッハ5以上の極超音速で飛行可能なスクラムジェットエンジンで飛行する誘導弾の要素技術に関する研究﹁極超音速誘導弾要素技術の研究﹂を行い[16][17]、2023年度から2031年度にかけて総額1,851億円かけて﹁極超音速誘導弾の研究﹂が行われる予定である[18]。
開発経緯
[編集]ASM-3
[編集]![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/53/JASDF_F-2_carries_XASM-3_at_Gifu_air_base_2017.jpg/250px-JASDF_F-2_carries_XASM-3_at_Gifu_air_base_2017.jpg)
ASM-3A
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●2021年度︵令和3年度︶
●令和3年度予算に計上、取得開始予定[7][8]。2022年3月、ASM-3A︵仮称︶として三菱重工業と契約[9]。2024年度の予算においてASM3-A取得のために118億円が計上。[15]
ASM-3(改)
[編集]出典
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(一)^ “Introduction to the Equipment of the Japan Self-Defense Forces A Reference Guide to the Defense Industrial Base of Japan (Edision 2)”. 防衛省. p. 48. 2020年11月6日閲覧。
(二)^ ab“射程外から攻撃可能 空自ミサイル開発へ”. 読売新聞. (2019年3月17日). オリジナルの2019年3月17日時点におけるアーカイブ。
(三)^ “誘導武器の開発・調達の現状 平成23年5月” (pdf). 防衛省経理装備局 システム装備課. 2021年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月17日閲覧。
(四)^ “統合装備”. 防衛装備庁. 2019年6月17日閲覧。
(五)^ “長距離対艦ミサイル開発へ=中国念頭、20年度にも着手-防衛省”. 時事通信 (2019年3月24日). 2019年6月17日閲覧。[リンク切れ]
(六)^ ab“超音速ミサイル:量産へ 国産﹁ASM3﹂、抑止力強化”. 毎日新聞. (2018年1月7日). オリジナルの2018年1月7日時点におけるアーカイブ。
(七)^ abc﹃新たな重要装備品等の選定結果について﹄︵プレスリリース︶防衛省、2020年12月25日。2020年12月26日閲覧。
(八)^ abcJSF (2020年12月26日). “超音速対艦ミサイル﹁ASM-3A﹂の量産開始が決定”. Yahoo!ニュース (ヤフー株式会社). オリジナルの2020年12月25日時点におけるアーカイブ。 2020年12月26日閲覧。
(九)^ ab防衛装備庁 契約に係る情報の公表︵中央調達分︶令和3年度 月別契約情報/随意契約︵基準以上︶︵Excelファイル︶2022年3月31日契約分
(十)^ abcd令和元年度 政策評価 事前の事業評価 ASM-3︵改︶
(11)^ abc“平成25年行政事業レビューシート 新空対艦誘導弾(XASM-3)” (pdf). 防衛省. 2013年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月17日閲覧。
(12)^ abc“平成21年度 政策評価書︵事前の事業評価︶ 新空対艦誘導弾(XASM-3)” (pdf). 防衛省. 2019年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月17日閲覧。
(13)^ abcdef宮脇 2013
(14)^ “平成14年度 政策評価書︵事前の事業評価︶ 新空対艦誘導弾(XASM-3)” (pdf). 防衛省. 2019年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月17日閲覧。
(15)^ ab令和6年度予算の概要
(16)^ “防衛省、極超音速ミサイル開発へ 敵基地攻撃能力懸念も:政治”. 東京新聞. (2018年9月19日). オリジナルの2018年9月20日時点におけるアーカイブ。
(17)^ “平成30年度 事前の事業評価 評価書一覧”. 防衛省. 2020年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月17日閲覧。
(18)^ 令和4年度政策評価︵事前の事業評価︶極超音速誘導弾の研究
(19)^ 政策評価書︵要旨︶(事前の事業評価︶新空対艦誘導弾(XASM-3),平成21年10月
(20)^ 艦型標的︵その1︶役務請負契約に係る公募の応募者募集要領
(21)^ “航空自衛隊航空開発集団パンフレット”. 航空自衛隊航空開発集団. 2022年7月25日閲覧。
参考文献
[編集]関連項目
[編集]- 各国が保有する超音速ミサイル
- Kh-31を元に開発。2016年西沙諸島に配備した
- 自力開発の対艦誘導弾、現在は射程300キロの増程型を開発している。
外部リンク
[編集]- 超音速空対艦誘導弾用推進装置の研究
- 平成14年度 事前の政策評価 - 要旨 本文
- 平成21年度 事後の政策評価 - 要旨 本文 参考
- 新空対艦誘導弾(XASM-3)の開発
- 平成21年度 事前の事業評価 - 要旨 本文 参考
- 超音速空対艦誘導弾用推進技術(技術研究本部 防衛技術シンポジウム2009)
- ASM-3(改)
- 令和元年度 事前の事業評価 - 要旨 本文 参考