1957年岐阜県生まれ。82年東京大学工学部卒業。86年同大学大学院工学系研究科博士課程中退。理化学研究所研究員、京都大学工学研究科助教授などを経て2001年より現職。工学博士。著書に﹃量子分光化学﹄、﹃蛍光X線分析﹄など。 以前に一連の原発問題の議論の中で、われわれの社会において﹁科学の民主化﹂と﹁民主の科学化﹂がいずれも大きく遅れている問題が指摘されたことがあった。 ﹁民主の科学化﹂については一般の市民が科学的な思考をする習慣が身についていないことを、﹁科学の民主化﹂では科学者が科学的に正しいことだけに目が行くことで、民主主義にとって何が正しいかの視点が欠けていることが問題になっていることを学んだ。 そしてそれが、日本が原発問題で一つの方向性を打ち出すことを難しくしているのではないか、という論点だった。 どうもその問題が司法の世界にも持ち込まれているようだ。そして、それは人を裁きその自
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