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イ ン フ レ は 、 経 済 に 様 々 な 良 い 影 響 と 悪 い 影 響 を 与 え る 。 イ ン フ レ の 負 の 影 響 と し て は 、 お 金 を 保 有 す る こ と に よ る [ [ 機 会 費 用 ] ] の 増 加 、 将 来 の イ ン フ レ に 対 す る 不 確 実 性 に よ る 投 資 や 貯 蓄 の 抑 制 、 さ ら に イ ン フ レ が 急 速 に 進 ん だ 場 合 に は 、 消 費 者 が 将 来 の 価 格 上 昇 を 懸 念 し て 買 い だ め を 始 め 、 商 品 が 不 足 す る こ と な ど が 挙 げ ら れ る 。 ポ ジ テ ィ ブ な 効 果 と し て は 、 [ [ 名 目 硬 直 性 | 名 目 賃 金 の 硬 直 化 ] ] に よ る [ [ 失 業 ] ] 率 の 低 下 、 中 央 銀 行 の [ [ 金 融 政 策 ] ] の 自 由 度 の 拡 大 、 お 金 を た め 込 む の で は な く 融 資 や 投 資 を 促 す こ と 、 デ フ レ に 伴 う 非 効 率 性 の 回 避 な ど が 挙 げ ら れ る 。
イ ン フ レ は 、 経 済 に 様 々 な 良 い 影 響 と 悪 い 影 響 を 与 え る 。 イ ン フ レ の 負 の 影 響 と し て は 、 お 金 を 保 有 す る こ と に よ る [ [ 機 会 費 用 ] ] の 増 加 、 将 来 の イ ン フ レ に 対 す る 不 確 実 性 に よ る 投 資 や 貯 蓄 の 抑 制 、 さ ら に イ ン フ レ が 急 速 に 進 ん だ 場 合 に は 、 消 費 者 が 将 来 の 価 格 上 昇 を 懸 念 し て 買 い だ め を 始 め 、 商 品 が 不 足 す る こ と な ど が 挙 げ ら れ る 。 ポ ジ テ ィ ブ な 効 果 と し て は 、 [ [ 名 目 硬 直 性 | 名 目 賃 金 の 硬 直 化 ] ] に よ る [ [ 失 業 ] ] 率 の 低 下 、 中 央 銀 行 の [ [ 金 融 政 策 ] ] の 自 由 度 の 拡 大 、 お 金 を た め 込 む の で は な く 融 資 や 投 資 を 促 す こ と 、 デ フ レ に 伴 う 非 効 率 性 の 回 避 な ど が 挙 げ ら れ る 。
今日、ほとんどのエコノミストは、低位で安定したインフレ率を支持している<ref name="econjournalwatch.org">Hummel, Jeffrey Rogers. "Death and Taxes, Including Inflation: the Public versus Economists" (January 2007). p. 56</ref>。インフレ率が低い(ゼロやマイナスではなく)と、景気後退の際に労働市場の調整が迅速に行われるため、[[景気後退]]の深刻さが軽減され、[[流動性の罠]]によって金融政策が経済を安定させることができなくなるリスクが軽減されるのである。インフレ率を低く安定的に維持する任務は、通常、金融当局に与えられている。一般的に、これらの金融当局は[[中央銀行]]であり、[[利子|金利]]の設定、[[公開市場操作]]、銀行の[[準備預金制度|預金準備率]]の設定を通じて金融政策をコントロールする。
今日、ほとんどのエコノミストは、低位で安定したインフレ率を支持している<ref name="econjournalwatch.org">Hummel, Jeffrey Rogers. "Death and Taxes, Including Inflation: the Public versus Economists" (January 2007). p. 56</ref>。インフレ率が低い(ゼロやマイナスではなく)と、景気後退の際に労働市場の調整が迅速に行われるため、[[景気後退]]の深刻さが軽減され、[[流動性の罠]]によって金融政策が経済を安定させることができなくなるリスクが軽減されるのである。インフレ率を低く安定的に維持する任務は、通常、金融当局に与えられている。一般的に、これらの金融当局は[[中央銀行]]であり、金利の設定、[[公開市場操作]]、銀行の預金準備率の設定を通じて金融政策をコントロールする。
== 分類 ==
== 分類 ==
2023年1月15日 (日) 15:11時点における版
2019年の世界各国のインフレ
経 済 学 で は 、 一 定 期 間 に わ た っ て 経 済 の 価 格 水 準 が 全 般 的 に 上 昇 す る こ と を イ ン フ レ ー シ ョ ン ︵ 英 語 : i n f l a t i o n 、 物 価 上 昇 、 イ ン フ レ ︶ と 呼 ぶ [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] 。 一 般 的 な 価 格 水 準 が 上 昇 す る と 、 1 単 位 の 通 貨 で 購 入 で き る 財 や サ ー ビ ス の 数 が 減 る 。 そ の 結 果 、 イ ン フ レ ー シ ョ ン は 1 単 位 の 通 貨 あ た り の 購 買 力 の 低 下 、 つ ま り 経 済 に お け る 交 換 手 段 や 会 計 単 位 の 実 質 的 な 価 値 の 低 下 を 反 映 す る [ 5 ] [ 6 ] 。 イ ン フ レ ー シ ョ ン の 反 対 は デ フ レ ー シ ョ ン で あ り 、 財 や サ ー ビ ス の 一 般 的 な 価 格 水 準 が 持 続 的 に 低 下 す る こ と で あ る 。 イ ン フ レ ー シ ョ ン の 一 般 的 な 指 標 は イ ン フ レ 率 で 、 物 価 ︵ 通 常 は 消 費 者 物 価 指 数 ︶ の 長 期 的 な 変 化 率 を 年 率 換 算 し た も の で あ る 。
経 済 学 者 は 、 非 常 に 高 い イ ン フ レ 率 や ハ イ パ ー イ ン フ レ ー シ ョ ン は 有 害 で あ り 、 マ ネ ー サ プ ラ イ の 過 剰 な 増 加 が 原 因 で あ る と 考 え て い る [ 7 ] 。 一 方 、 低 ・ 中 程 度 の イ ン フ レ 率 を 決 定 づ け る 要 因 に つ い て は 、 よ り 多 様 な 見 解 が あ る 。 低 ・ 中 程 度 の イ ン フ レ は 、 財 ・ サ ー ビ ス に 対 す る 実 質 的 な 需 要 の 変 動 や 、 物 資 が 不 足 し て い る と き な ど の 供 給 可 能 量 の 変 化 に 起 因 す る と 考 え ら れ る [ 8 ] 。 し か し 、 長 期 的 に 持 続 す る イ ン フ レ は 、 マ ネ ー サ プ ラ イ が 経 済 成 長 率 を 上 回 る ス ピ ー ド で 増 加 す る こ と に よ っ て 起 こ る と い う の が 共 通 の 見 解 で あ る [ 9 ] [ 1 0 ] 。
イ ン フ レ は 、 経 済 に 様 々 な 良 い 影 響 と 悪 い 影 響 を 与 え る 。 イ ン フ レ の 負 の 影 響 と し て は 、 お 金 を 保 有 す る こ と に よ る 機 会 費 用 の 増 加 、 将 来 の イ ン フ レ に 対 す る 不 確 実 性 に よ る 投 資 や 貯 蓄 の 抑 制 、 さ ら に イ ン フ レ が 急 速 に 進 ん だ 場 合 に は 、 消 費 者 が 将 来 の 価 格 上 昇 を 懸 念 し て 買 い だ め を 始 め 、 商 品 が 不 足 す る こ と な ど が 挙 げ ら れ る 。 ポ ジ テ ィ ブ な 効 果 と し て は 、 名 目 賃 金 の 硬 直 化 に よ る 失 業 率 の 低 下 、 中 央 銀 行 の 金 融 政 策 の 自 由 度 の 拡 大 、 お 金 を た め 込 む の で は な く 融 資 や 投 資 を 促 す こ と 、 デ フ レ に 伴 う 非 効 率 性 の 回 避 な ど が 挙 げ ら れ る 。
今 日 、 ほ と ん ど の エ コ ノ ミ ス ト は 、 低 位 で 安 定 し た イ ン フ レ 率 を 支 持 し て い る [ 1 1 ] 。 イ ン フ レ 率 が 低 い ︵ ゼ ロ や マ イ ナ ス で は な く ︶ と 、 景 気 後 退 の 際 に 労 働 市 場 の 調 整 が 迅 速 に 行 わ れ る た め 、 景 気 後 退 の 深 刻 さ が 軽 減 さ れ 、 流 動 性 の 罠 に よ っ て 金 融 政 策 が 経 済 を 安 定 さ せ る こ と が で き な く な る リ ス ク が 軽 減 さ れ る の で あ る 。 イ ン フ レ 率 を 低 く 安 定 的 に 維 持 す る 任 務 は 、 通 常 、 金 融 当 局 に 与 え ら れ て い る 。 一 般 的 に 、 こ れ ら の 金 融 当 局 は 中 央 銀 行 で あ り 、 金 利 の 設 定 、 公 開 市 場 操 作 、 銀 行 の 預 金 準 備 率 の 設 定 を 通 じ て 金 融 政 策 を コ ン ト ロ ー ル す る 。
分 類
実 物 的 要 因
1 0 0 兆 ジ ン バ ブ エ ・ ド ル 紙 幣 。 ジ ン バ ブ エ の 紙 幣
戦 争 や 産 業 構 造 破 壊 に よ り 、 供 給 が 需 要 を 大 幅 に 下 回 る こ と に よ っ て 発 生 す る イ ン フ レ 。 第 二 次 大 戦 終 戦 直 後 の 日 本 ︵ 1 9 4 6 年 ︶ で は 3 0 0 % 強 の イ ン フ レ 率 を 記 録 し て い る [ 1 2 ] 。 ま た 、 ジ ン バ ブ エ で は 、 政 策 に よ り 白 人 農 家 が 国 外 に 追 い 出 さ れ 農 業 構 造 が 破 壊 さ れ た と こ ろ に 旱 魃 が 追 い 討 ち を か け た こ と に よ り 極 度 の 物 不 足 が 発 生 、 最 終 的 に 2 億 3 0 0 0 万 % と い う 超 ハ イ パ ー イ ン フ レ ー シ ョ ン と な っ た [ 1 3 ] 。
需 要
需 要 側 に 原 因 が あ る イ ン フ レ ー シ ョ ン で 、 需 要 超 過 イ ン フ レ ー シ ョ ン ︵ 需 要 牽 引 型 イ ン フ レ ー シ ョ ン 、 デ ィ マ ン ド プ ル ・ イ ン フ レ ー シ ョ ン 、 d e m a n d - p u l l i n f l a t i o n ︶ と も 呼 ば れ る 。 需 要 の 増 大 ︵ 需 要 曲 線 の 上 方 シ フ ト ︶ に よ り 、 価 格 が 高 く て も 購 買 意 欲 が 衰 え な い の で 物 価 は 上 昇 す る 。 こ の 場 合 、 供 給 曲 線 が 垂 直 で あ る ︵ す な わ ち 生 産 し て い な い ︶ 場 合 を 除 い て 景 気 は よ く な る 。
1 9 7 3 年 か ら 1 9 7 5 年 に か け て の 日 本 の イ ン フ レ の 原 因 は 、 オ イ ル シ ョ ッ ク に 注 目 が 集 ま る が 、 変 動 相 場 制 移 行 直 前 の 短 資 流 入 に よ る 過 剰 流 動 性 、 ﹁ 列 島 改 造 ブ ー ム ﹂ に よ る 過 剰 な 建 設 需 要 も 大 き な 要 因 で あ る [ 要 出 典 ] 。
供 給
供 給 曲 線 の 上 方 シ フ ト に 原 因 が あ る イ ン フ レ で 、 原 価 上 昇 イ ン フ レ ー シ ョ ン ︵ コ ス ト プ ッ シ ュ ・ イ ン フ レ ー シ ョ ン 、 c o s t - p u s h i n f l a t i o n ︶ と も 呼 ば れ る 。 多 く の 場 合 、 景 気 が 悪 化 し ス タ グ フ レ ー シ ョ ン か 、 そ れ に 近 い 状 態 に な る 。 通 常 為 替 レ ー ト が 下 落 す る と 、 輸 入 物 価 が 上 昇 し て イ ン フ レ を 引 き 起 こ す と 同 時 に 、 企 業 が 抱 え る 外 貨 建 て の 債 務 の 返 済 負 担 が 膨 ら む [ 1 4 ] 。
原 価 上 昇 は 総 供 給 が 上 に シ フ ト す る の で 、 実 質 G D P は 減 少 す る [ 1 5 ] 。 一 方 で 、 需 要 超 過 は 総 需 要 が 上 に シ フ ト す る の で 、 実 質 G D P は 増 加 す る [ 1 5 ] 。 つ ま り 、 実 質 G D P の 動 き で 原 価 上 昇 か 需 要 超 過 か は 判 別 で き る [ 1 5 ] 。 景 気 の 過 熱 に よ っ て 物 価 が 上 昇 し て い る の か ど う か を 判 断 す る に は 、 消 費 者 物 価 指 数 で は な く G D P デ フ レ ー タ ー を 見 な け れ ば な ら な い [ 1 6 ] 。
原 価 イ ン フ レ ー シ ョ ン ︵ コ ス ト イ ン フ レ ー シ ョ ン ︶
賃 金 ・ 材 料 等 の 高 騰 に よ っ て 発 生 す る 。 原 油 価 格 の 高 騰 に よ る イ ン フ レ ー シ ョ ン や 消 費 増 税 に よ る ス タ グ フ レ ー シ ョ ン が 典 型 的 な 例 で あ る 。
構 造 イ ン フ レ ー シ ョ ン
産 業 に よ っ て 成 長 に 格 差 が あ る 場 合 、 生 産 性 の 低 い 産 業 の 物 価 が 高 く な り 発 生 す る 。 例 え ば 効 率 の 良 い 製 造 業 で 生 産 性 が 上 が り 賃 金 が 上 昇 し た と す る 。 こ れ に 影 響 を 受 け て サ ー ビ ス 業 で 生 産 性 向 上 以 上 に 賃 金 が 上 昇 す る と サ ー ビ ス 料 を 上 げ ざ る を 得 な く な る た め 、 イ ン フ レ ー シ ョ ン を 招 く 。
輸 出 イ ン フ レ ー シ ョ ン
輸 出 の 増 大 に よ り 発 生 す る 。 企 業 が 製 品 を 輸 出 に 振 り 向 け た こ と に よ り 、 国 内 市 場 向 け の 供 給 量 が 結 果 的 に 減 っ て 発 生 す る 。 幕 末 期 に 生 糸 な ど の 輸 出 が 急 増 し 、 イ ン フ レ ー シ ョ ン が 発 生 し て い る 。 こ の パ タ ー ン は 乗 数 効 果 で 総 需 要 が 増 大 し て い る た め 、 需 要 イ ン フ レ の 側 面 も あ る 。
輸 入 イ ン フ レ ー シ ョ ン
他 国 の 輸 入 を 通 じ て 国 外 の イ ン フ レ ー シ ョ ン が 国 内 に 影 響 し 発 生 す る 。 例 え ば 穀 物 を 輸 入 し て い た 国 が 、 輸 出 元 の 国 の 内 需 が 増 加 し た り 輸 出 元 が 他 の 需 要 国 へ 輸 出 を 振 り 分 け た 場 合 な ど に 穀 物 の 輸 入 が 減 少 し 、 穀 物 価 格 が 上 昇 す る と い っ た 具 合 で あ る 。 実 際 に 中 国 が 穀 物 純 輸 入 国 に 転 じ た 際 、 ト ウ モ ロ コ シ 市 場 で 価 格 急 騰 が 起 き た こ と が あ る 。
キ ャ ッ チ ア ッ プ イ ン フ レ ー シ ョ ン
賃 金 や 物 価 統 制 を 行 っ て い る 体 制 が 、 市 場 経 済 に 移 行 す る 際 に 発 生 す る こ と が 多 い 。 米 国 お よ び 日 本 で 1 9 7 0 年 代 に か け て 発 生 し た 。 欧 州 で は 冷 戦 の 終 結 お よ び 欧 州 中 央 銀 行 ︵ E C B ︶ 拡 大 に よ る 東 欧 諸 国 の 自 由 主 義 諸 国 へ の 経 済 統 合 に よ り 、 低 賃 金 諸 国 で の 賃 金 ・ サ ー ビ ス 価 格 の 上 昇 に よ る キ ャ ッ チ ア ッ プ イ ン フ レ が 発 生 し て い る [ 1 7 ] 。
貨 幣 的 要 因
貨 幣 の 供 給 量 が 増 え る こ と に よ っ て 発 生 す る 。 貨 幣 の 供 給 増 加 は 、 他 の あ ら ゆ る 財 ・ サ ー ビ ス に 対 す る 貨 幣 の 相 対 価 値 を 低 下 さ せ る が 、 こ れ は イ ン フ レ ー シ ョ ン そ の も の で あ る 。 さ ら に 、 貨 幣 の 供 給 増 加 は 貨 幣 に 対 す る 債 券 の 相 対 価 値 を 高 め る こ と に な り 名 目 金 利 を 低 下 さ せ る 。 こ の た め 通 常 は 投 資 が 増 大 し 、 需 要 増 大 を も た ら す 。 そ の プ ロ セ ス が 最 終 的 に 、 需 要 イ ン フ レ に 帰 結 す る こ と で も イ ン フ レ ー シ ョ ン に 結 び つ く 。 公 開 市 場 操 作 な ど の 中 央 銀 行 に よ る 通 常 の 貨 幣 供 給 調 節 以 外 に 、 貨 幣 の 供 給 が 増 え る 特 段 の 理 由 が あ る 場 合 に は 、 ﹁ 財 政 イ ン フ レ ﹂ ﹁ 信 用 イ ン フ レ ﹂ ﹁ 為 替 イ ン フ レ ﹂ な ど と 呼 ん で 区 分 け る こ と も あ る 。
財 政 イ ン フ レ ー シ ョ ン
政 府 の 発 行 し た 公 債 を 中 央 銀 行 が 引 き 受 け る こ と ︵ 財 政 フ ァ イ ナ ン ス 、 マ ネ タ イ ゼ ー シ ョ ン ︶ に よ り 、 貨 幣 の 供 給 が 増 加 し て 発 生 す る イ ン フ レ ー シ ョ ン [ 1 8 ] 。 金 融 緩 和 を 経 由 し た 効 果 に 加 え て 、 財 政 支 出 に よ る 有 効 需 要 創 出 効 果 に よ っ て 需 要 イ ン フ レ も 発 生 す る 。
信 用 イ ン フ レ ー シ ョ ン
市 中 銀 行 が 貸 付 や 信 用 保 証 を 増 加 さ せ る こ と に よ っ て 信 用 貨 幣 の 供 給 量 が 増 大 す る こ と か ら 発 生 す る イ ン フ レ ー シ ョ ン 。
為 替 イ ン フ レ ー シ ョ ン
外 国 為 替 市 場 を 経 由 し て 通 貨 が 大 量 に 供 給 さ れ る こ と で 発 生 す る イ ン フ レ ー シ ョ ン 。 戦 前 の 金 解 禁 に お け る ﹁ 為 替 イ ン フ レ ー シ ョ ン 論 争 ﹂ を 特 に 指 す 場 合 も あ る [ 1 9 ] [ 2 0 ] [ 2 1 ] [ 2 2 ] 。 な お 、 当 時 は 固 定 相 場 制 で あ り 、 現 在 の 変 動 相 場 制 と は 、 外 国 為 替 市 場 の 動 き が 貨 幣 供 給 量 に 与 え る 影 響 が 異 な る こ と に 留 意 が 必 要 で あ る 。
速 度 別
ク リ ー ピ ン グ イ ン フ レ ー シ ョ ン
ゆ る や か に 進 む イ ン フ レ ー シ ョ ン 。 イ ン フ レ 率 は 年 数 % で 、 好 況 期 に 見 ら れ る 。 経 済 が 健 全 に 成 長 し て い る と 見 な さ れ 、 望 ま し い 状 態 と 言 わ れ る こ と が 多 い 。 ﹁ マ イ ル ド ・ イ ン フ レ ﹂ と も 呼 ば れ る 。
ギ ャ ロ ッ ピ ン グ イ ン フ レ ー シ ョ ン
早 足 に 進 む イ ン フ レ ー シ ョ ン 。 馬 の 早 足 を 表 す ﹁ ギ ャ ロ ッ プ ﹂ か ら 。 イ ン フ レ 率 は 年 率 1 0 % 超 - 数 十 % 程 度 を 指 す こ と が 多 い 。 ス タ グ フ レ ー シ ョ ン に 伴 っ て 生 じ る こ と が あ る 。
ハ イ パ ー イ ン フ レ ー シ ョ ン
経済への影響
イ ン フ レ は 名 目 所 得 が 一 定 の 人 に と っ て 損 で あ る が 、 そ の 人 を 雇 う 側 に と っ て は そ の 分 得 と な る [ 2 3 ] 。
賃 金 も 物 価 の 上 昇 に 伴 っ て 上 昇 す る が 、 物 価 に 比 べ る と 調 整 に 遅 れ を と る た め 、 実 質 賃 金 が 下 が り 、 雇 用 を 増 や し や す く す る の で 失 業 率 は 下 が る ︵ フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 ︶ [ 2 4 ] [ 2 5 ] 。 実 質 G D P が 増 え る デ ィ マ ン ド ・ プ ル 型 で は 雇 用 は 増 加 し 、 実 質 G D P が 減 少 す る コ ス ト ・ プ ッ シ ュ 型 で は 雇 用 は 減 る [ 2 6 ] 。
経 済 学 者 の ス テ ィ ー ヴ ン ・ ラ ン ズ バ ー グ は 、 ロ バ ー ト ・ ル ー カ ス の 理 論 を 挙 げ ﹁ イ ン フ レ は 人 々 を 騙 し て 失 業 者 に 職 を 受 け 入 れ さ せ 、 雇 用 者 に は 労 働 者 を 雇 わ せ る 。 政 府 は イ ン フ レ が 続 け ば そ れ に 伴 っ て 高 い 雇 用 が 続 く こ と に 気 づ き 、 イ ン フ レ 率 を 自 動 的 に 操 作 し よ う と 決 め る 。 労 働 者 と 雇 用 者 は 政 府 の 意 図 に 気 づ き 、 騙 さ れ な く な る 。 イ ン フ レ と 失 業 の 相 関 関 係 が 切 れ た の は 、 政 府 が そ れ を 利 用 し よ う と し た か ら で あ る ﹂ と 指 摘 し て い る [ 2 7 ] 。 ラ ン ズ バ ー グ は ﹁ ﹃ イ ン フ レ ﹄ が 人 々 を 働 か せ る の で は な く 、 ﹃ 予 想 し な か っ た ﹄ イ ン フ レ が 人 々 を 働 か せ る 。 完 全 に 予 想 さ れ た イ ン フ レ の 下 で は 、 失 業 者 は 就 業 し な い 。 完 全 に 予 想 さ れ た イ ン フ レ は 誰 の 行 動 に も 影 響 を 与 え な い ﹂ と 指 摘 し て い る [ 2 8 ] 。
予 想 外 の イ ン フ レ は 、 値 打 ち の 下 が っ た 通 貨 で 借 金 を 返 済 す る 借 り 手 に と っ て 得 と な る が 、 返 済 を 受 け 取 る 貸 し 手 に と っ て は 損 と な る [ 2 3 ] 。 物 価 上 昇 率 が 預 金 金 利 を 上 回 る と 預 貯 金 の 価 値 を 実 質 的 に 引 き 下 げ る 。 物 価 上 昇 率 が 貸 出 金 利 を 上 回 っ た 場 合 、 イ ン フ レ に よ り 実 質 的 な 負 債 の 価 値 が 下 が り 、 そ の 結 果 実 質 的 な 返 済 負 担 が 減 る ︵ 住 宅 ロ ー ン な ど ︶ 。
イ ン フ レ 率 上 昇 自 体 は 、 個 人 消 費 を 底 上 げ す る 効 果 が あ る [ 2 9 ] 。 期 待 イ ン フ レ 率 が 高 ま り 実 質 金 利 が 低 下 し た 場 合 に は 、 消 費 が 増 大 す る [ 2 9 ] 。 た だ し 、 イ ン フ レ 率 が 過 度 に 高 ま っ た 場 合 に は 将 来 の 予 測 が 困 難 に な り 、 不 確 実 性 を 高 め る こ と か ら 消 費 や 投 資 は 停 滞 す る 。
経 済 学 者 の 原 田 泰 、 大 和 総 研 は ﹁ 高 イ ン フ レ は 、 人 々 の 実 質 所 得 を 低 下 さ せ 、 自 国 通 貨 建 て の 資 産 価 値 を 低 下 さ せ る [ 3 0 ] ﹂ ﹁ ハ イ パ ー イ ン フ レ は 、 一 物 一 価 の 法 則 か ら 為 替 レ ー ト を 暴 落 さ せ 、 資 本 の 対 外 逃 避 な ど を 引 き 起 こ す [ 3 1 ] ﹂ と 指 摘 し て い る 。
経 済 学 者 の 伊 東 光 晴 は ﹁ 人 々 の 期 待 は 多 様 で あ り 、 物 価 が 上 が れ ば 、 生 活 を 切 り 詰 め る 人 も い る か も し れ な い 。 低 金 利 で 設 備 投 資 が 増 え る か と い う と 、 過 去 に 経 済 企 画 庁 の 企 業 行 動 調 査 は 否 定 的 な 調 査 結 果 を 出 し て い る ﹂ と 指 摘 し て い る [ 3 2 ] 。
S ・ ラ ン ズ バ ー グ は ﹁ イ ン フ レ の 真 の 経 済 コ ス ト は 、 人 々 が イ ン フ レ を 回 避 す る た め に コ ス ト の 高 い 行 動 に 走 り 、 そ の 行 動 が 誰 の 得 に も な ら な い こ と で あ る ﹂ と 指 摘 し て い る [ 3 3 ] 。
経 済 学 者 の 岩 田 規 久 男 は ﹁ イ ン フ レ に よ っ て 物 価 が 上 昇 し て も 、 そ れ 以 上 に 賃 金 が 上 が り 実 質 所 得 が 増 え れ ば 、 生 活 は 豊 か と な る ﹂ と 指 摘 し て い る [ 3 4 ] 。 岩 田 は ﹁ 人 々 の 生 活 を 安 定 さ せ る た め に は 、 で き る だ け 低 い 水 準 の イ ン フ レ 率 を 維 持 し な け れ ば な ら な い ﹂ と 指 摘 し て い る [ 3 5 ] 。 岩 田 は ﹁ 安 定 的 な 経 済 成 長 ・ 雇 用 を 達 成 す る と い う 意 味 に お い て の 物 価 の 安 定 と は 、 過 去 の 各 国 の 経 験 か ら 、 イ ン フ レ 率 が 中 期 的 に 2 - 3 % 程 度 の 推 移 の こ と を 意 味 す る ﹂ と 指 摘 し て い る [ 3 6 ] 。
経 済 学 者 の 高 橋 洋 一 は ﹁ 3 - 5 % の イ ン フ レ 率 は マ イ ル ド ・ イ ン フ レ ー シ ョ ン の 範 囲 で あ り 、 一 国 経 済 に と っ て 問 題 と な ら な い と い う の が コ ン セ ン サ ス と な っ て い る ﹂ と 指 摘 し て い る [ 3 7 ] 。 経 済 学 者 の 竹 中 平 蔵 は ﹁ ﹃ 物 価 は 毎 年 1 - 2 % く ら い 上 が る の が 自 然 で よ い ﹄ と い う の が 、 世 界 の 専 門 家 の コ ン セ ン サ ス で あ る 。 5 % を 上 回 る 物 価 上 昇 は よ く な い ﹂ と 指 摘 し [ 3 8 ] 、 ま た 竹 中 は ﹁ 理 想 は 、 物 価 上 昇 率 を ゼ ロ か ら 数 % 程 度 の 範 囲 で 安 定 さ せ る こ と で あ る ﹂ と も 指 摘 し て い る [ 3 9 ] 。
経 済 学 者 の 若 田 部 昌 澄 は ﹁ ハ イ パ ー イ ン フ レ の 例 を 俟 つ ま で も な く 、 イ ン フ レ 率 が 2 ケ タ 以 上 に 高 く な る の は 経 済 に 悪 影 響 を お よ ぼ す 。 お そ ら く 5 % を 超 え る と 望 ま し く な い だ ろ う ﹂ と 指 摘 し て い る [ 4 0 ] 。
経 済 学 者 の J ・ E ・ ス テ ィ グ リ ッ ツ は ﹁ イ ン フ レ に 過 大 な 関 心 を 注 ぐ あ ま り 、 一 部 の 国 の 中 央 銀 行 は 、 金 融 市 場 で 起 き て い る 状 況 に 無 頓 着 に な っ て し ま っ た 。 資 産 バ ブ ル が 無 制 約 に ふ く ら ん で い く の を 中 央 銀 行 が 放 置 す る こ と に よ り 経 済 が 負 担 す る コ ス ト に 比 べ れ ば 、 緩 や か な イ ン フ レ に よ る コ ス ト な ど 微 々 た る も の に す ぎ な い ﹂ と 述 べ て い る [ 4 1 ] 。
対 策
イ ン フ レ の 阻 止 や 解 消 の た め 様 々 な 対 策 が 行 わ れ て い る 。
例
中央銀行の政策金利 や公定歩合 の引き上げ
中央銀行の公開市場操作 による資金吸収オペレーション
中央銀行の預金準備率引き上げ操作
中央銀行の新通貨発行と預金封鎖にともなう新通貨への切り替え
政府が財政支出を削減
政府が増税をして消費を抑える
インフレターゲット (物価水準目標)
例
インフレーションのアレゴリー (幕末 、1868年より前)
世界最古
記 録 に 残 る 世 界 最 古 の イ ン フ レ ー シ ョ ン は マ ケ ド ニ ア 王 国 の ア レ ク サ ン ダ ー 大 王 の 死 去 直 後 、 紀 元 前 3 2 3 年 の こ と で あ る と 言 わ れ て い る [ 4 3 ] 。 マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 工 科 大 学 教 授 ピ ー タ ー ・ テ ミ ン の 研 究 に よ る と 、 当 時 の バ ビ ロ ニ ア に は 既 に 市 場 経 済 が あ り 、 農 産 物 の 供 給 不 足 な ど に 対 し て ア ケ メ ネ ス 朝 ペ ル シ ア な ど 征 服 地 か ら 接 収 し て も た ら さ れ た 過 剰 な 財 宝 ︵ 主 に 銀 ︶ の 在 庫 が あ る 中 で 、 大 王 の 死 に よ っ て 人 々 の 不 安 感 が 増 大 し た こ と が 引 き 金 と な っ て 、 イ ン フ レ ー シ ョ ン が 発 生 し た [ 4 3 ] 。
古 代 ロ ー マ
軍 人 皇 帝 時 代 の 古 代 ロ ー マ で は 兵 士 へ の 給 与 を 増 や す 必 要 に 迫 ら れ 銀 貨 の 改 悪 を 繰 り 返 し た 結 果 、 イ ン フ レ ー シ ョ ン が 起 こ り 市 民 生 活 に 影 響 が 出 て て い た 。 デ ィ オ ク レ テ ィ ア ヌ ス は 通 貨 改 革 を 敢 行 し た が 効 果 が 無 か っ た た め 、 3 0 1 年 に 物 品 や サ ー ビ ス の 最 高 価 格 を 定 め た 勅 令 ﹃ 最 高 価 格 令 ﹄ を 出 し た 。 こ れ ら は 実 施 さ れ た 形 跡 が 無 く 効 果 は 薄 か っ た と さ れ る が 、 日 用 品 の 価 格 や 各 職 業 の 給 与 が 詳 細 に 定 め ら れ て お り 、 現 代 で は 貴 重 な 歴 史 資 料 と な っ て い る [ 4 4 ] 。
価 格 革 命
ピ サ ロ に よ る イ ン カ 帝 国 征 服 後 、 ポ ト シ 銀 山 な ど か ら 大 量 の 金 銀 が ス ペ イ ン に 運 ば れ た 。 1 5 2 1 年 か ら 1 6 6 0 年 ま で の 間 に ス ペ イ ン に 運 ば れ た 金 銀 の 量 は 金 2 0 0 ト ン 、 銀 1 . 8 万 ト ン と 言 わ れ る 。 こ れ ら の 金 銀 は 主 に 貨 幣 と な っ た た め 、 欧 州 全 域 で 貨 幣 価 値 が 3 分 の 1 に な っ た 。 つ ま り 物 価 が 3 倍 に な る イ ン フ レ が 起 こ っ た わ け で 、 こ れ を ﹁ 価 格 革 命 ﹂ と 言 っ た 。 貨 幣 供 給 に よ り 商 工 業 の 発 展 が 起 こ り 、 地 代 の 減 少 の た め に 封 建 領 主 層 が 没 落 す る な ど の 社 会 的 変 化 を も た ら し た 。
ロ シ ア 革 命
ロ シ ア 革 命 後 に ウ ラ ジ ー ミ ル ・ レ ー ニ ン 率 い る ボ リ シ ェ ヴ ィ キ 政 権 が 誕 生 し た が 、 共 産 主 義 化 の た め の 諸 政 策 ︵ 穀 物 の 強 制 徴 発 ・ 産 業 の 国 有 化 等 ︶ で 、 ロ シ ア は ハ イ パ ー イ ン フ レ に 陥 り 、 ル ー ブ ル の 価 値 は 第 一 次 世 界 大 戦 前 の 5 0 0 億 分 の 1 に な っ た [ 4 5 ] ︵ ソ ビ エ ト 初 期 の ハ イ パ ー イ ン フ レ ︵ 英 語 版 ︶ も 参 照 ︶ 。 経 済 学 者 ジ ョ ン ・ メ イ ナ ー ド ・ ケ イ ン ズ に よ れ ば 、 レ ー ニ ン は こ の イ ン フ レ に つ い て ﹁ 資 本 主 義 を 破 壊 す る 最 善 の 方 法 は 、 通 貨 を 堕 落 さ せ る こ と だ 。 政 府 は イ ン フ レ を 継 続 す る こ と で 、 密 か に 、 気 づ か れ る こ と な く 、 国 民 の 富 の う ち 、 か な り の 部 分 を 没 収 で き る 。 ﹂ と 述 べ た と い う [ 4 6 ] 。 そ の 後 ル ー ブ ル は 、 1 9 2 4 年 4 月 ま で に 3 回 の デ ノ ミ が 行 わ れ 、 ロ シ ア の イ ン フ レ は 沈 静 化 し た [ 4 7 ] 。
局地的
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国 単 位 で の イ ン フ レ の 他 に 、 地 域 単 位 、 都 市 単 位 で イ ン フ レ 現 象 が 起 き る こ と が あ る 。
1 3 2 4 年 、 メ ッ カ 巡 礼 に 向 か っ た マ ン サ ・ ム ー サ は 、 富 を 知 ら し め る た め に 道 中 の カ イ ロ で 黄 金 を ば ら 撒 い た こ と か ら 金 相 場 が 暴 落 し 、 10 年 以 上 の 間 エ ジ プ ト 周 辺 で イ ン フ レ ー シ ョ ン が 続 い た と い わ れ る [ 4 8 ] 。 12 年 後 の 記 述 で は 、 エ ジ プ ト で の 金 の 価 格 は 1 ミ ス カ ー ル ︵ 英 語 版 ︶ ︵ 4 . 2 5 グ ラ ム ︶ の 金 は 25 デ ィ ル ハ ム 以 上 で あ っ た が 、 マ ン サ ・ ム ー サ が 訪 れ て か ら は 下 落 し 、 1 ミ ス カ ル の 金 は 22 デ ィ ル ハ ム を 下 回 っ た と さ れ る 。
現 代 的 に 問 題 に な っ て い る の は 、 国 際 連 合 平 和 維 持 活 動 ︵ P e a c e - K e e p i n g O p e r a t i o n s ‥ P K O ︶ に 伴 う イ ン フ レ ー シ ョ ン で あ る [ 要 出 典 ] 。 紛 争 地 域 の 停 戦 後 、 平 和 維 持 の た め に 派 遣 さ れ る 各 国 の 部 隊 は 、 経 済 が 疲 弊 し て い る 所 に 急 に 現 れ る 富 裕 層 と 同 じ で あ る 。 そ の た め 、 駐 屯 地 の 周 辺 で は 、 部 隊 が 調 達 す る 生 活 物 資 ・ 食 料 品 を 中 心 に 価 格 上 昇 が 起 き て イ ン フ レ と な り 、 紛 争 で 困 窮 し た 周 辺 住 民 の 生 活 を 圧 迫 す る 。 対 策 と し て 部 隊 員 の 駐 屯 地 外 で の 購 買 活 動 抑 制 が 行 わ れ て お り 、 P K O 部 隊 は 価 格 維 持 活 動 ︵ P r i c e K e e p i n g O p e r a t i o n ︶ も 同 時 に 行 っ て い る こ と に な る 。
日 本 で は 、 明 治 以 降 の 資 本 主 義 経 済 化 の 下 で 局 地 的 な イ ン フ レ が 見 ら れ た 。 農 業 地 域 や 未 開 拓 地 域 ︵ 北 海 道 ︶ に 工 業 ・ 鉱 業 ・ 巨 大 物 流 施 設 ︵ 港 湾 ︶ が 出 来 る と 、 急 激 な 資 本 投 下 と 人 口 の 急 増 ︵ 都 市 化 ︶ と が 発 生 し 、 生 活 物 資 の 必 要 か ら 局 地 的 な イ ン フ レ が 起 き た 。 そ の た め 、 物 価 安 定 を 目 的 に 日 本 銀 行 の 支 店 や 出 張 所 が 置 か れ た 。 日 銀 の 支 店 ・ 出 張 所 の 開 設 場 所 や 開 設 時 期 は 、 そ の 地 域 で の 経 済 活 動 に 伴 う 局 地 的 イ ン フ レ 懸 念 と 密 接 に 関 係 し て い る [ 要 出 典 ] 。
期 待 イ ン フ レ 率
期 待 イ ン フ レ 率 ︵ 予 想 イ ン フ レ 率 ︶ や ブ レ ー ク ・ イ ー ブ ン ・ イ ン フ レ 率 ︵ 損 益 分 岐 イ ン フ レ 率 ︶ に 関 し て は 期 待 イ ン フ レ 率 を 参 照 。
脚注
(一) ^ W y p l o s z & B u r d a 1 9 9 7 ( G l o s s a r y )
(二) ^ B l a n c h a r d 2 0 0 0 ( G l o s s a r y )
(三) ^ B a r r o 1 9 9 7 ( G l o s s a r y )
(四) ^ A b e l & B e r n a n k e 1 9 9 5 ( G l o s s a r y )
(五) ^ W h y p r i c e s t a b i l i t y ? A r c h i v e d O c t o b e r 1 4 , 2 0 0 8 , a t t h e W a y b a c k M a c h i n e . , C e n t r a l B a n k o f I c e l a n d , A c c e s s e d o n S e p t e m b e r 1 1 , 2 0 0 8 .
(六) ^ P a u l H . W a l g e n b a c h , N o r m a n E . D i t t r i c h a n d E r n e s t I . H a n s o n , ( 1 9 7 3 ) , F i n a n c i a l A c c o u n t i n g , N e w Y o r k : H a r c o u r t B r a c e J a v o n o v i c h , I n c . P a g e 4 2 9 . " T h e M e a s u r i n g U n i t p r i n c i p l e : T h e u n i t o f m e a s u r e i n a c c o u n t i n g s h a l l b e t h e b a s e m o n e y u n i t o f t h e m o s t r e l e v a n t c u r r e n c y . T h i s p r i n c i p l e a l s o a s s u m e s t h a t t h e u n i t o f m e a s u r e i s s t a b l e ; t h a t i s , c h a n g e s i n i t s g e n e r a l p u r c h a s i n g p o w e r a r e n o t c o n s i d e r e d s u f f i c i e n t l y i m p o r t a n t t o r e q u i r e a d j u s t m e n t s t o t h e b a s i c f i n a n c i a l s t a t e m e n t s . "
(七) ^ R o b e r t B a r r o a n d V i t t o r i o G r i l l i ( 1 9 9 4 ) , E u r o p e a n M a c r o e c o n o m i c s , C h . 8 , p . 1 3 9 , F i g . 8 . 1 . M a c m i l l a n , I S B N 0 - 3 3 3 - 5 7 7 6 4 - 7 .
(八) ^ “ M Z M v e l o c i t y ” . 2 0 1 4 年 9 月 13 日 閲 覧 。
(九) ^ M a n k i w 2 0 0 2 , p p . 8 1 – 1 0 7
(十) ^ A b e l & B e r n a n k e 2 0 0 5 , p p . 2 6 6 – 2 6 9
(11) ^ H u m m e l , J e f f r e y R o g e r s . " D e a t h a n d T a x e s , I n c l u d i n g I n f l a t i o n : t h e P u b l i c v e r s u s E c o n o m i s t s " ( J a n u a r y 2 0 0 7 ) . p . 5 6
(12) ^ 三 橋 貴 明 ﹃ 高 校 生 で も わ か る 日 本 経 済 の す ご さ ! ﹄ 彩 図 社 、 2 0 0 9 年 、 66 頁 。
(13) ^ 三 橋 貴 明 ﹃ 高 校 生 で も わ か る 日 本 経 済 の す ご さ ! ﹄ 彩 図 社 、 2 0 0 9 年 、 65 頁 。
(14) ^ 三 和 総 合 研 究 所 編 ﹃ 30 語 で わ か る 日 本 経 済 ﹄ 日 本 経 済 新 聞 社 ︿ 日 経 ビ ジ ネ ス 人 文 庫 ﹀ 、 2 0 0 0 年 、 2 5 8 頁 。
(15) ^ a b c 政 治 ・ 社 会 ︻ 日 本 の 解 き 方 ︼ 岩 田 日 銀 副 総 裁 の 本 音 を 読 む 財 政 政 策 求 め る メ ッ セ ー ジ か Z A K Z A K 2 0 1 4 年 5 月 31 日
(16) ^ 森 永 卓 郎 ﹃ ﹁ 騙 さ れ な い ! ﹂ た め の 経 済 学 モ リ タ ク 流 ・ 経 済 ニ ュ ー ス の ウ ラ 読 み 術 ﹄ P H P 研 究 所 ︿ P H P ビ ジ ネ ス 新 書 ﹀ 、 2 0 0 8 年 、 96 頁 。
(17) ^ [ 1 ] [ 2 ]
(18) ^ ﹁ 財 政 赤 字 の 問 題 点 に つ い て ﹂ [ 3 ] P . 2 、 ﹁ デ フ レ 、 不 良 債 権 問 題 と 金 融 政 策 ﹂ 深 尾 光 洋 ︵ 財 務 省 財 務 総 合 政 策 研 究 所 2 0 0 2 . 8 ︶ [ 4 ] P . 4 0
(19) ^ C i n i i 文 献 情 報 [ 5 ]
(20) ^ 吉 田 賢 一 , ﹁ 為 替 相 場 の ﹁ 名 目 的 ﹂ 変 動 の 購 買 力 平 価 説 : ﹁ 外 国 為 替 相 場 変 動 の 二 重 性 ﹂ 再 論 ﹂ ﹃ 經 濟 學 研 究 ﹄ 46 巻 1 号 p . 5 3 - 6 8 1 9 9 6 年 , 北 海 道 大 学 經 濟 學 部 , I S S N 0 4 5 1 - 6 2 6 5 。
(21) ^ 吉 田 賢 一 , ﹁ 金 解 禁 ( 昭 和 5 ~ 6 年 ) の 歴 史 的 意 義 : 井 上 準 之 助 の 緊 縮 財 政 政 策 ﹂ ﹃ 經 濟 學 研 究 ﹄ 38 巻 3 号 p . 4 7 - 7 8 1 9 8 8 年 , 北 海 道 大 学 經 濟 學 部 , I S S N 0 4 5 1 - 6 2 6 5 。
(22) ^ 藤 沢 正 也 , ﹁ イ ン フ レ ー シ ョ ン の マ ネ タ リ イ フ ァ ク タ ー : ハ ロ ッ ド の イ ン フ レ 対 策 論 を め ぐ っ て ﹂ ﹃ 商 学 討 究 ﹄ 10 巻 3 号 p . 1 - 3 0 1 9 6 0 年 , 小 樽 商 科 大 学 , I S S N 0 4 7 4 8 6 3 8 。
(23) ^ a b ス テ ィ ー ヴ ン ・ ラ ン ズ バ ー グ ﹃ ラ ン チ タ イ ム の 経 済 学 - 日 常 生 活 の 謎 を や さ し く 解 き 明 か す ﹄ 日 本 経 済 新 聞 社 ︿ 日 経 ビ ジ ネ ス 人 文 庫 ﹀ 、 2 0 0 4 年 、 1 1 3 頁 。
(24) ^ 浜 田 宏 一 ・ 内 閣 官 房 参 与 核 心 イ ン タ ビ ュ ー ﹁ ア ベ ノ ミ ク ス が も た ら す 金 融 政 策 の 大 転 換 イ ン フ レ 目 標 と 日 銀 法 改 正 で 日 本 経 済 を 取 り 戻 す ﹂ ダ イ ヤ モ ン ド ・ オ ン ラ イ ン 2 0 1 3 年 1 月 20 日
(25) ^ ﹁ 白 川 総 裁 は 誠 実 だ っ た が 、 国 民 を 苦 し め た ﹂ 浜 田 宏 一 イ ェ ー ル 大 学 名 誉 教 授 独 占 イ ン タ ビ ュ ー 東 洋 経 済 オ ン ラ イ ン 2 0 1 3 年 2 月 8 日
(26) ^ 高 橋 洋 一 の 俗 論 を 撃 つ ! 現 在 の イ ン フ レ は 金 融 政 策 の 効 果 懸 念 は 1 9 9 7 年 型 に 近 づ く 消 費 税 増 税 の 影 響 ダ イ ヤ モ ン ド ・ オ ン ラ イ ン 2 0 1 4 年 5 月 29 日
(27) ^ ス テ ィ ー ヴ ン ・ ラ ン ズ バ ー グ ﹃ ラ ン チ タ イ ム の 経 済 学 - 日 常 生 活 の 謎 を や さ し く 解 き 明 か す ﹄ 日 本 経 済 新 聞 社 ︿ 日 経 ビ ジ ネ ス 人 文 庫 ﹀ 、 2 0 0 4 年 、 3 3 0 頁 。
(28) ^ ス テ ィ ー ヴ ン ・ ラ ン ズ バ ー グ ﹃ ラ ン チ タ イ ム の 経 済 学 - 日 常 生 活 の 謎 を や さ し く 解 き 明 か す ﹄ 日 本 経 済 新 聞 社 ︿ 日 経 ビ ジ ネ ス 人 文 庫 ﹀ 、 2 0 0 4 年 、 3 3 1 頁 。
(29) ^ a b 大 型 増 税 で 個 人 消 費 は 落 ち 込 む - - 総 需 要 安 定 化 政 策 を 徹 底 す べ き / 村 上 尚 己 / エ コ ノ ミ ス ト S Y N O D O S - シ ノ ド ス - 2 0 1 4 年 8 月 12 日
(30) ^ 原 田 泰 ・ 大 和 総 研 ﹃ 新 社 会 人 に 効 く 日 本 経 済 入 門 ﹄ 毎 日 新 聞 社 ︿ 毎 日 ビ ジ ネ ス ブ ッ ク ス ﹀ 、 2 0 0 9 年 、 1 2 6 頁 。
(31) ^ 原 田 泰 ・ 大 和 総 研 ﹃ 新 社 会 人 に 効 く 日 本 経 済 入 門 ﹄ 毎 日 新 聞 社 ︿ 毎 日 ビ ジ ネ ス ブ ッ ク ス ﹀ 、 2 0 0 9 年 、 1 3 4 頁 。
(32) ^ 経 済 学 者 伊 東 光 晴 氏 ﹁ 聞 き か じ り だ か ら 安 倍 首 相 は 嘘 を つ く ﹂ 日 刊 ゲ ン ダ イ 2 0 1 4 年 8 月 10 日
(33) ^ ス テ ィ ー ヴ ン ・ ラ ン ズ バ ー グ ﹃ ラ ン チ タ イ ム の 経 済 学 - 日 常 生 活 の 謎 を や さ し く 解 き 明 か す ﹄ 日 本 経 済 新 聞 社 ︿ 日 経 ビ ジ ネ ス 人 文 庫 ﹀ 、 2 0 0 4 年 、 1 1 4 頁 。
(34) ^ 岩 田 規 久 男 ﹃ 日 本 経 済 に い ま 何 が 起 き て い る の か ﹄ 東 洋 経 済 新 報 社 、 2 0 0 5 年 、 40 頁 。
(35) ^ 岩 田 規 久 男 ﹃ 景 気 っ て な ん だ ろ う ﹄ 筑 摩 書 房 ︿ ち く ま プ リ マ ー 新 書 ﹀ 、 2 0 0 8 年 、 1 5 3 頁 。
(36) ^ 岩 田 規 久 男 ﹃ 経 済 学 的 思 考 の す す め ﹄ 筑 摩 書 房 、 2 0 1 1 年 、 1 6 8 頁 。
(37) ^ 高 橋 洋 一 ﹃ 日 本 の 大 問 題 が 面 白 い ほ ど 解 け る 本 シ ン プ ル ・ ロ ジ カ ル に 考 え る ﹄ 光 文 社 ︿ 光 文 社 新 書 ﹀ 、 2 0 1 0 年 、 55 頁 。
(38) ^ 竹 中 平 蔵 ﹃ 竹 中 先 生 、 経 済 っ て な ん で す か ? ﹄ ナ レ ッ ジ フ ォ ア 、 2 0 0 8 年 、 76 頁 。
(39) ^ 竹 中 平 蔵 ﹃ あ し た の 経 済 学 ﹄ 幻 冬 舎 、 2 0 0 3 年 、 81 頁 。
(40) ^ 日 銀 新 総 裁 は ゼ ロ 金 利 に 復 帰 を P H P ビ ジ ネ ス オ ン ラ イ ン 衆 知 2 0 0 8 年 5 月 8 日
(41) ^ ジ ョ セ フ ・ ス テ ィ グ リ ッ ツ 教 授 特 別 寄 稿 ﹁ も う 同 じ 過 ち は 繰 り 返 す な ! 2 0 0 9 年 に 得 た 厳 し い 教 訓 ﹂ ダ イ ヤ モ ン ド ・ オ ン ラ イ ン 2 0 1 0 年 1 月 5 日
(42) ^ 円 高 な く し て 成 長 な し P H P ビ ジ ネ ス オ ン ラ イ ン 衆 知 2 0 0 8 年 9 月 16 日
(43) ^ a b R o g e r D o b s o n ( 2 0 0 2 年 1 月 27 日 ) . “ H o w A l e x a n d e r c a u s e d a g r e a t B a b y l o n i n f l a t i o n ” . イ ン デ ペ ン デ ン ト . https://www.independent.co.uk/news/world/europe/how-alexander-caused-a-great-babylon-inflation-9213402.html 2 0 1 9 年 3 月 28 日 閲 覧 。
(44) ^ * 本 村 凌 二 ﹃ 教 養 と し て の ﹁ ロ ー マ 史 ﹂ の 読 み 方 ﹄ P H P 研 究 所 、 2 0 1 8 年 。 p 3 0 0
(45) ^ 冨 田 俊 基 ﹃ 国 債 の 歴 史 金 利 に 凝 縮 さ れ た 過 去 と 未 来 ﹄ 2 0 0 6 年 P . 3 1 0
(46) ^ ジ ョ ン ・ メ イ ナ ー ド ・ ケ イ ン ズ 山 岡 洋 一 訳 ﹃ ケ イ ン ズ 説 得 論 集 ﹄ ﹁ イ ン フ レ ー シ ョ ン ︵ 1 9 1 9 年 ︶ ﹂ 2 0 2 1 年
(47) ^ 冨 田 俊 基 ﹃ 国 債 の 歴 史 金 利 に 凝 縮 さ れ た 過 去 と 未 来 ﹄ 2 0 0 6 年 P . 3 1 0
(48) ^ ク ー リ エ ・ ジ ャ ポ ン , 2 0 1 3 年 3 月 号 , P 1 3
(49) ^ a b 内 藤 2 0 1 3 , p p . 1 1 – 1 5 .
参考文献
関連項目