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2024年4月15日 (月) 03:54時点における最新版
歴史[編集]
1950年代や1960年代、つまりコンピュータと言っても実質的にはメインフレームやミニコンピュータくらいしかなく、まだパーソナルコンピュータがこの世に登場していなかった時代に、すでにゲームソフトはつくられ、遊ばれていた。- 1952年にケンブリッジ大学の大学院生だったアレキサンダー・サンディ・ダグラスがEDSAC用に『OXO』という三目並べのゲームソフトを作成した。
- 1961年にはマサチューセッツ工科大学の学生のマーティン・グレーツ(Martin Graetz)とアラン・コトックがメインフレームのPDP-1で動く『スペースウォー!』というシューティング・ゲームのソフトを開発した。
- 1975〜1976年ころにはアメリカのプログラマでケイビング愛好家のウィル・クラウザーが『アドベンチャー』という、テキストベースのつまり文章で行う、冒険ゲームを開発し、1977年にはドン・ウッズがそれを拡張した。
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PDP-1のモニタ装置と、そのスクリーン上で作動する『スペースウォー!』
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『スペースウォー!』の画面
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クラウザーによる『アドベンチャー』の画面
黎明期のパーソナルコンピュータ用のゲームソフト[編集]
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Apple II用ゲームソフト、Mystery House(1980年、Siera社より発売。1987年に権利者がパブリックドメインへと移行させた)。コマンド入力させ、行動を選択させる。
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Mystery Houseの室内
黎明期のゲーム機用のゲームソフト[編集]
ゲーム機用[編集]
パッケージ版[編集]
﹁ゲームソフト﹂と呼ばれていたにせよ、カートリッジ版のそれは、実は、純粋なソフトウェアではなく、かなりハードウェア的な要素も含んでいた。たとえばROMカートリッジ形態の場合、カードエッジコネクタでデータバス以外も接続し、ただのメモリ用のROMチップだけでなく、サウンド処理用LSI、ASIC、補助プロセッサなども内蔵されていた。ゲーム機本体をハードウェア的に補う役割も果たしていた。さらに、ファミコンやスーパーファミコンではプラットフォームの世代交代の直前の時期などには、ゲーム機本体よりも高性能なプロセッサが積まれることもあった。ものによっては、カートリッジ内に主処理を行うプロセッサ︵メインプロセッサ︶を搭載する製品もあった[1]。 最初はコンピュータ用の一般的チップが使われることも多かったが、その後、簡単にソフトウェアをコピーされてしまうことを防止するために、さまざまな工夫をしてプロテクトをかけるということも多くなった。 初代ファミリーコンピュータ時代の﹁ゲームソフト﹂は、とても質素な紙箱、ゲームカートリッジと同じサイズか、せいぜい2倍程度のサイズの紙箱に入っていた。説明書も小さな紙切れのようなものであった。この時代はゲーム機にOSを搭載せず、ゲームデータとBIOS両方の役割をカセット内の基板に搭載させる傾向にあった。また、ゲームキューブまでのソフトの包装に紙が使用されているため、長期間販売するとパッケージが摩耗・劣化する問題もあった。ダウンロード版[編集]
最近では、ゲーム専用コンソールでも、インターネット経由のデジタル配信による販売が盛んである︵ダウンロード販売またはオンラインソフトウェアとも︶。メリット[編集]
ユーザー側としては、デジタル配信なら、わざわざ時間をかけて実店舗に出向いて購入する手間も不要であるし、ネット通販のように商品が自宅に届くまで1〜3日など待つ必要もない。PSNなどのサイトに接続し、ソフトウェアのリストを見て、気に入ったらすぐにダウンロードを開始することができるというメリットがある。次第にソフトの購入数が増えても、それらは全部ハードディスクの中におさまり、﹁物体﹂のパッケージは増えないので、部屋のスペースを余分にとらない、部屋がちらからないというメリットもある。 ゲーム開発会社やプラットフォーマー︵つまりゲームプラットフォームを開発・販売しているソニー・インタラクティブエンタテインメントや任天堂など︶の側としても、サーバーにゲームソフトのデータを置いておけば、ユーザーたちがアクセスして、クレジットカードの番号なども入力して有料でダウンロードされるたびに確実に売上を計上できるので、とても便利な仕組みである。また、ダウンロード版販売の場合、メーカー側はディスクやそのパッケージなどの﹁物体﹂を大量に製造せずに済む。メーカーにとっては﹁物体﹂を大量に製造するというのは、悩みのタネである。というのは、製造するためには製造数を指定しなければならず︵たとえば他社の工場で製造する場合は発注数量を明記した﹁注文書﹂の類を作成し︵明示的であれ非明示的であれ︶取引契約を結んだ形にしなければならないし、たとえば自社工場で製造する場合でも数量を明記した﹁製造指示書﹂の類を自社工場の管理部門に対して渡さなければならない︶、つまり数量をあらかじめ指定しないと﹁物体﹂のゲームソフトの製造は始まらないのである。つまり、あらかじめ﹁売れるだろう数﹂を予想しないと﹁物体﹂状の製品は製造を開始することすらできないのである。だが販売担当者も普通の人間でありいわゆる"全知全能の神"ではないので、ゲームソフトがどれくらい売れるかなどということは事前に分かるわけがない。もし担当者が﹁よく売れるはず﹂と見込んで、一度に大量に発注して作ってしまうと、それが売れなかった場合、大量のデッドストック︵不良在庫︶になってしまい、それが原因で倒産に追い込まれてしまうこともあった。製造にかかったコストがまるまる損失として企業の会計︵経理、キャッシュフロー︶に襲いかかる。かといってデッドストックを恐れるあまり、あまりに小さなロット︵製造数︶で製造すると、今度は予想以上に売れた場合に、需要に応えられず供給不足となり、売上が伸びない。このように需要量に対して製造量が少なすぎる状況は、マーケティングの分野ではしばしば﹁販売チャンスの喪失﹂などと厳しい言い方で表現する。つまり販売責任者は、販売予想数を大きく見積もってしまっても﹁地獄﹂を見るし、小さく見積もってしまってもやはりなにかと社内・社外から責められて苦しむことになる。その点、ダウンロード方式ならば、︵誰もできるはずのない︶販売数予想をする必要もないし、先行費用を投入してしまって﹁物体﹂を製造する必要がないので、プラットフォーマーもゲーム開発会社も、﹁物体﹂の製造コストを気にしなくて済む分、より安心できる。またパッケージ版販売方式の場合、発売からしばらくしてプレーヤーたちがゲームをコンプリートする︵最後までやりきる︶ころを過ぎると中古ソフトが大量に出回るようになってしまい、新品の売上に強いブレーキがかかりがちだが、ダウンロード版販売方式ならそれも防げるというメリットもある。デメリット[編集]
ほとんどのユーザのインターネットの接続速度は︵たとえブロードバンドでも︶それほど速いスピードではなく、ダウンロード速度も大した速度ではないのに、近年のゲームソフトはサイズが大きく︵バイト数が非常に多く︶なる傾向があり、ダウンロードに数時間もかかってしまうもの増えてきており、ユーザにとっては悩みのタネである。またダウンロード版の場合、ゲーム・コンソールのハードがハードディスクごと故障したりすると、せっかく料金を支払ってダウンロードしたゲームソフトも全部使えなくなってしまい復旧できない場合があるが、パッケージ版の場合はそうした事態は免れてゲーム機を買い替えるなどして何度でもインストールすれば済むので、コンソールの故障などにあった経験のあるプレーヤーの一部などは、ダウンロード版を意識的に避けて手堅くパッケージ版を選ぶこともある。PC版[編集]
PCゲームは、以前はPCショップなどでのパッケージ販売が主流であった。ブロードバンド接続とネット決済が一般化するようになった2000年代からゆっくりとダウンロード販売の利用が活発化し、やがて次第に主流となってきた歴史があり、2015年時点のシンポジウムでは、カドカワ株式会社取締役の浜村弘一ファミ通グループ代表は、PCゲームはダウンロード販売が非常に浸透しており、PCゲームのダウンロード収益︵売上︶の半分はSteamが占めていて、アクティブユーザー数が1億人を超えるプラットフォームになっている、と指摘した[2]。スマホ版[編集]
2010年代に入るとスマートフォン︵スマートデバイス︶が普及し[3]、スマホ用のゲーム・アプリという形のゲームソフトのダウンロード数が非常に伸びており、Android向けのGoogle Playや、iPhone向けのApp Storeでのゲーム供給が非常に活発化している。ダウンロード数ではPC用ゲームソフトの販売数を超えているのはもちろんのこと、家庭用ゲームコンソール用のゲームソフトの販売数も超え、ゲームソフトの世界ではダウンロード数で、﹁スマートフォン向けゲーム﹂が頂点に躍り出た。また、ゲームソフトのリージョンがなく、アカウントの地域設定を切り替えることで本来日本で販売されていないアプリケーションもダウンロードできる。2020年代の現在、テレビCMも︵かなりの広告費を投入して︶スマホ向けゲームソフトのCMが突出して多く流されるような状況になっている。その他[編集]
キラーソフト[編集]
ゲームコンソールのメーカー自身によって意図的に﹁キラーソフト﹂として開発されたソフト、つまりそれがあるから他のコンソールではなくそのコンソールを購入しようと消費者に思わせるような魅力あるソフトウェアは、他の機種には移植されない。他社のコンソールに移植してしまっては、そのコンソールの売り上げを支えるキラーソフトではなくなってしまうからである。たとえばPlayStationシリーズの﹃グランツーリスモ﹄シリーズはそういう役割を担ってきた。一方、後発となったマイクロソフト社はXBOXというコンソールのためにキラーソフトとして﹃Forza﹄シリーズを用意してそれに対抗した。移植[編集]
特にコンソールの売上をささえるための﹁キラーソフト﹂というわけではない、第三者的なソフト開発会社から開発・販売されるゲームソフトは、最初は1種類のゲームコンソールを想定して開発されたとしても、評判が良ければ、しばしば複数のゲーム機に移植される。複数のプラットフォームで売れば、ゲームソフトの売上の総額は増えるからである。互換性[編集]
なお、ゲームコンソールは下位互換機能を持つように開発されることも多い。たとえばPS2ゲームの中にはPS3コンソールでもプレイできるものもかなりある。XBOXシリーズでも同様にプレイできるソフトがある。ただし、原則的には動作すると謳っていても、実際には上位機種では完全には動かないソフトも多い。ソフトウェア開発会社があまり標準的でない方式、たとえば︵旧︶コンソールのハードの一部の機能を特殊なやりかたで利用する方法などをソフトウェア上で採用していたりすると、動作しない場合がある。記録媒体[編集]
●半導体メモリ ●ロムカセット︵ファミリーコンピュータ、メガドライブ、ゲームボーイ、ネオジオ、ゲームギア、ゲームボーイカラー、ネオジオポケットカラー、ゲームボーイアドバンス︶ ●ICカード ●マイカード︵SG-1000、SG-1000II、セガ・マークIII、セガ・マスターシステム︶ ●BEE CARD︵MSX︶ ●HuCARD︵PCエンジン︶ ●フラッシュメモリ︵ニンテンドー3DS、PlayStation Vita、Nintendo Switch︶ ●インターネットよりダウンロード︵デジタル配信︶ ●メモリースティックDuo︵PlayStation Portable︶ ●USBフラッシュドライブ︵PCゲーム、Xbox 360、PlayStation 3、Wii U︶ ●USB 3.0以上のUSBフラッシュドライブ︵PlayStation 4、Xbox One︶ ●SDカード︵Wii、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DS、ニンテンドーゲームキューブの一部周辺機器、ゲームボーイアドバンスの一部周辺機器、Nintendo Switch、PlayStation 3のCECHAモデル︶ ●本体メモリー︵メモリーの種類は問わない。iPod touch、iPad、Nintendo Switch、ニンテンドー3DSなど︶ ●専用メモリーカード︵PlayStation Vita︶ ●内蔵SSD︵PlayStation 4、Xbox Series X/S、PlayStation 5︶ ●磁気ディスク ●フロッピーディスク︵PCゲーム︶ ●クイックディスク︵ファミリーコンピュータ ディスクシステム︶ ●インターネットよりダウンロード︵デジタル配信︶ ●HDD︵PCゲーム、PSX、Xbox、Xbox 360、PlayStation 3、Wii U、PlayStation 4、Xbox One︶ ●光ディスク ●CD-ROM︵PCゲーム、CD-ROM2、SUPER CD-ROM2、メガCD、3DO、セガサターン、PlayStation︶ ●LD-ROM︵レーザーアクティブ︶ ●GD-ROM︵ドリームキャスト︶ ●DVD-ROM︵PCゲーム、PlayStation 2、Xbox、Xbox 360︶ ●独自規格ディスク︵ニンテンドーゲームキューブ、Wii、Wii U︶ ●UMD︵PlayStation Portable︶ ●BD-ROM︵PlayStation 3、PlayStation 4、Xbox One、Xbox Series X、スマートデリバリー対応Xbox One/Series X作品︶ ●UHD BD︵PlayStation 5 スタンダードモデル︶パソコン用[編集]
スマホ、タブレット用[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ なお、「物」として販売したものであるにもかかわらず、一般のパソコンソフトなどと同様に中古流通を「撲滅」(という表現がキャンペーンで実際に使われた)しようと業界が動いたこともあったが、最終的に挫折した。
出典[編集]
関連項目[編集]
- コンピュータゲームのタイトル一覧
- 中古ゲームソフト
- アセット・フリップ - 商用利用可能な著作権フリー素材(アセット)を利用した粗製乱造ソフト(ショベルウェア)開発の手法