「ユグドラシル」の版間の差分
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[[サクソン人|ザクセン人]]が[[イルミンスール]] ([[古ザクセン語]]: {{sname||Irminsul}}, ザクセン人の祖神イルミンの柱の意) という同じような世界樹を崇拝していたことが、[[カール大帝]]の記録などから分かっている。大帝は、ザクセンに対する征服戦争︵[[ザクセン戦争 (カール大帝)|ザクセン戦争]]︶の最初の年となった [[772年]]、もしくはその翌年に、[[パーダーボルン]]近郊の[[オーバーマースベルク|エレスブルク]] ([[w:Obermarsberg|Eresburg [Obermarsberg]]]) にて'''キリスト教から見た'''邪教の拠り所であったこの神木を伐り倒したと伝えられる<ref>{{cite book |last1=Lewis |first1=David Levering |authorlink1=David Levering Lewis |title=God's Crucible: Islam and the making of Europe 570 to 1215 |year=2008 |publisher={{sname||W. W. Norton & Company}} |location={{sname||New York}} |language=en |isbn=978-0-393-06472-8 |page=242}}</ref>。
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[[サクソン人|ザクセン人]]が[[イルミンスール]] ([[古ザクセン語]]: {{sname||Irminsul}}, ザクセン人の祖神イルミンの柱の意) という同じような世界樹を崇拝していたことが、[[カール大帝]]の記録などから分かっている。大帝は、ザクセンに対する征服戦争︵[[ザクセン戦争 (カール大帝)|ザクセン戦争]]︶の最初の年となった [[772年]]、もしくはその翌年に、[[パーダーボルン]]近郊の[[オーバーマースベルク|エレスブルク]] ([[w:Obermarsberg|Eresburg [Obermarsberg]]]) にて'''[[キリスト教]]から見た'''[[邪教]]の拠り所であったこの神木を伐り倒したと伝えられる<ref>{{cite book |last1=Lewis |first1=David Levering |authorlink1=David Levering Lewis |title=God's Crucible: Islam and the making of Europe 570 to 1215 |year=2008 |publisher={{sname||W. W. Norton & Company}} |location={{sname||New York}} |language=en |isbn=978-0-393-06472-8 |page=242}}</ref>。
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== 脚注 == |
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2013年4月21日 (日) 08:36時点における版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b9/Yggdrasil.jpg/230px-Yggdrasil.jpg)
中心の木がユグドラシルである。
『スノッリのエッダ』の英語訳本(1847年)ための、Oluf Bagge の手になる挿絵。
ユグドラシル (古ノルド語: Yggdrasill, [ˈyɡːˌdrasilː][1]; ユッグドラシッル︶、英語: Yggdrasil ([ˈɪg.drə.sɪl], イグドゥラスィル) は、北欧神話に登場する1本の架空の木。
世界を体現する巨大な木であり、アースガルズ、ミズガルズ、ウートガルズ、ヘルヘイムなどの九つの世界を内包する存在とされる。そのような本質を捉えて英語では "World tree" 、日本語では、世界樹︵せかいじゅ︶、宇宙樹︵うちゅうじゅ︶と呼ばれる。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/02/AM_738_4to_Yggdrasill.png/170px-AM_738_4to_Yggdrasill.png)
ユグドラシルと、そこに棲みつく様々な生き物達
17世紀、アイスランドの写本﹃AM 738 4to﹄の中の1図。
日本語名は、引用先の言語の違いによって、また、仮名転写の際に生じる言語的揺らぎに原因して、"Ygg-" を﹁ユッグ﹂と読むものと﹁ユグ﹂と読むもの、﹁イッグ﹂と読むものと﹁イグ﹂と読むもの、さらに "drasill" を﹁ドラシル﹂と読むものと﹁ドラジル﹂と読むものがあり、これらの組み合わせによって多数の異形が存在する。
呼称
原義
Yggdrasill という名前の由来には諸説あるが、最も有力な説ではその原義を "Ygg's horse" ︵恐るべき者の馬︶とする。"Yggr" および "Ygg" は主神オーディンの数ある異名の一つで (cf. en) 、その名はオーディンの馬を意味していると解釈されている。日本語名
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/02/AM_738_4to_Yggdrasill.png/170px-AM_738_4to_Yggdrasill.png)
特徴
三つの根が幹を支えている。﹃グリームニルの言葉﹄第31節によると、それぞれの下にヘルヘイム、霜の巨人、人間が住んでいる[2]。また﹃ギュルヴィたぶらかし﹄での説明では、根はアースガルズ、霜の巨人の住む世界、ニヴルヘイムの上へと通じている[3]。 アースガルズに向かう根のすぐ下には神聖なウルズの泉があり[4]、霜の巨人の元へ向かう根のすぐ下にはミーミルの泉がある[3]。 この木に棲む栗鼠のラタトスクが各々の世界間に情報を伝えるメッセンジャーとなっている。 木の頂きには一羽の鷲︵フレースヴェルグとされる︶が留まっており、その眼の間にヴェズルフェルニルと呼ばれる鷹が止まっているという[5]。 ユグドラシルの根は、蛇のニーズヘッグによって齧られている。また、ダーインとドヴァリン、ドゥネイルとドゥラスロール (古ノルド語: Dáinn ok Dvalinn, Dúneyrr ok Duraþrór, en) という四頭の牡鹿がユグドラシルの樹皮を食料としている[6]。また、﹃グリームニルの言葉﹄第25節によると、山羊のヘイズルーンがレーラズという樹木の葉を食料にしているとされる[7]が、レーラズがユグドラシルと同じ樹木かははっきりしていない[8]。類似の世界樹
イルミンスール
ザクセン人がイルミンスール (古ザクセン語: Irminsul, ザクセン人の祖神イルミンの柱の意) という同じような世界樹を崇拝していたことが、カール大帝の記録などから分かっている。大帝は、ザクセンに対する征服戦争︵ザクセン戦争︶の最初の年となった 772年、もしくはその翌年に、パーダーボルン近郊のエレスブルク (Eresburg [Obermarsberg]) にてキリスト教から見た邪教の拠り所であったこの神木を伐り倒したと伝えられる[9]。脚注
(一)^ 下宮・金子、p.22。
(二)^ ﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄55頁。
(三)^ ab﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄236頁。
(四)^ ﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄237頁。
(五)^ ﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄238頁。
(六)^ ﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄55、238-239頁。
(七)^ ﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄54頁。
(八)^ ﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄59頁。
(九)^ Lewis, David Levering (2008) (英語). God's Crucible: Islam and the making of Europe 570 to 1215. New York: W. W. Norton & Company. p. 242. ISBN 978-0-393-06472-8