クリスマスプディング
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クリスマスプディング (Christmas pudding)は、イギリスの伝統的なクリスマスケーキ。具材にプラムが使われることが多いため、プラム・プディング (plum pudding) とも呼ばれる[1]。
味や食感、外見は日本人が想像するケーキや一般に﹁プリン﹂と呼ばれるカスタードプディングとは大きく異なる[2]。味は濃厚で芳醇、その食感は﹁ドライフルーツが舌に絡む﹂とも言われる[3]。
フランベされたクリスマスプディング
生パン粉と小麦粉、ミンスミートと呼ばれる牛脂︵ケンネ脂、もしくはバター︶、卵、砂糖、ブランデーなどにつけて柔らかくしたドライフルーツ、クルミなどのナッツ類、香辛料︵ナツメグ、シナモン、クローブなど︶、ラム酒などの材料を混ぜ合わせて[7]一晩寝かせる。クリスマスプディングの材料には、13種類の材料が使われていなければならないという迷信がある[1]。生地をオーブンで焼き上げると、イギリス風クリスマスケーキになる[8]。
伝統的な工程では、生地を加熱する前に家族全員で1回ずつ願い事を唱えながら生地をかき回し[1]、かき回しの儀式を終えた後に型に流し込んで蒸しあげる。この時、生地を混ぜる向きは時計回りでなければならなく、反時計回りに混ぜると縁起が悪いと考えられていた[9]。この儀式は、宇宙の中心である地球の周囲を太陽が時計回りに周るという迷信︵天動説︶に由来している[9]。
蒸しあがったものは、おおむね1か月ほど冷所で熟成させられ[7][8]、寝かせている間に果物が発酵してアルコール分が増加する[10]。この熟成期間が長いほどおいしいという俗信もあり[8]、﹁クリスマスプディングを食べ終わったらすぐに、来年のクリスマスプディングを作り始める。﹂と言われるほどである。
食べる前に再度蒸して︵もしくは茹でるか湯煎をして︶加熱し、ヒイラギの枝を飾り付けて熱くしたブランデーをかけてフランベする[11][注 1][注 2]。カンバーランド風のラム酒入りバターか、ブランデー入りバターを添えるのが、伝統的な食べ方である[10]。好みでホイップクリームやカスタードクリームで食べる人もいる。
プディングを蒸し上げる前、願い事をしながら生地に指輪やコイン、指貫などの小物を混ぜ込む儀式が行われる場合もある[11]。この儀式は十二夜でケーキの中に護符を入れる習慣に由来しており[1]、切り分けられたときに当たった小物を見て将来の運勢を占う[11]。