ドナ・サマー
ドナ・サマー | |
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1977年 | |
基本情報 | |
出生名 | LaDonna Adrian Gaines |
別名 |
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出身地 |
1948年12月31日 アメリカ合衆国・マサチューセッツ州ボストン |
死没 |
2012年5月17日(63歳没) アメリカ合衆国・フロリダ州キーウエスト |
ジャンル | |
職業 | 歌手 |
活動期間 | 1968年 - 2012年 |
レーベル | |
公式サイト | Official site |
ドナ・サマー︵Donna Summer、1948年12月31日 - 2012年5月17日︶は、アメリカ合衆国の歌手、ソングライター。マサチューセッツ州ボストン近郊のドーチェスター出身。グラミー賞を5回受賞した[1]。
ディスコの女王︵Queen of Disco︶の異名を持つ。
Summer The Donna Summer Specialで バッド・ガールを歌ったドナ・サマー︵1980年︶
1968年にミュージカル﹁ヘアー﹂のヨーロッパ公演でデビュー、1971年にファーストシングル、1974年にファーストアルバムを発表した[2]。
1970年代にジョルジオ・モロダーのプロデュースにより、ディスコ・ミュージックの第一人者として活躍し﹁ディスコの女王﹂︵Queen of Disco︶と呼ばれ、一世を風靡した[1]。70年代後半のディスコではシルヴェスター、ヴィレッジ・ピープルらの﹁ゲイ・ディスコ﹂が人気となっていた。アメリカのディスコの客は黒人とゲイが多かったが、ゲイの男性から特に支持されていたのが、ドナ・サマーである。他にゲイの男性を中心として、グロリア・ゲイナー、ダイアナ・ロス、メルバ・ムーア、ロリータ・ハロウェイらもディスコの女王という見方をされた。彼女は、75年から80年にかけて﹁ホット・スタッフ﹂﹁愛の誘惑﹂﹁アイ・フィール・ラブ﹂﹁マッカーサー・パーク﹂﹁バッド・ガール﹂﹁ワンダラー﹂﹁ラスト・ダンス﹂﹁ヘブン・ノウズ﹂﹁オン・ザ・レイディオ﹂﹁ディム・オール・ザ・ライト﹂ などのヒットを放った。81年は不調だったが、その後も﹁ラブ・イズ・イン・コントロール﹂(1982)﹁情熱物語﹂(1983)をヒットさせている。84年から88年にかけては、はっきり低迷状態となり、過去の人扱いされた。しかしサマーは﹁イッツ・フォー・リアル﹂(1989)のカム・バック・ヒットを放つことができた。
1980年にデヴィッド・ゲフィン率いるゲフィン・レコードへ古巣のカサブランカ・レコードから移籍。その後、彼女が﹁AIDSはゲイに対する天罰である﹂と発言したとされ、ゲイのファンも多かった[3]ために反感を買った[4][5]。1980年代中盤の間、サマーの広報はデマについての否定声明を数回に渡って出し、レコード業界とゲイ・コミュニティの一部が彼女を支え続けた。サマー自身はこの件について沈黙を続け、彼女が直接言及するのは数年後のことだった。1989年に雑誌アドボケートのインタビューに答え、自分のキャリアはオープンゲイの多くのスタッフと共に築いてきたし、ゲイを理由に彼らを批難したことは一度も無いと述べ、﹁私は性的指向で人を見たりしない。ゲイかストレートかで人を判断したりしない。私の愛は人としての思いやりから成っている。﹂と述べた。またハフィントン・ポストの記事においても、サマーがアンチ・ゲイとのレッテルを拒否したことが明らかになっている[6]。
Washington DCのコンベンション・センターでのドナ︵1 985年︶
1990年代から2000年代にかけては目立ったヒット曲はないが、元祖ディスコクイーンたる由縁か、ビルボードのダンスまたはクラブ・チャートにおいてトップ10入りする常連であった。1992年にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を獲得した[7]。
2008年5月に9年ぶり︵オリジナルアルバムとしては17年ぶり︶となる﹃Crayons﹄を発表、ここからのシングル3曲﹁I'm a Fire﹂﹁Stamp Your Feet﹂﹁Fame (The Game)﹂そして﹁To Paris With Love﹂が2008年から2010年にかけて4曲連続でビルボードのダンス・チャートで1位を記録。﹁To Paris With Love﹂は、彼女にとってビルボードの各シングル・チャートにおける通算22曲目の1位となった。
2012年5月17日朝、フロリダ州ネイプルズで、肺がんのため死去。享年63歳。
なお、彼女は喫煙者ではなかった。
2013年に、ロックの殿堂入りを果たした。授賞式ではケリー・ローランドがプレゼンターを務め、彼女の家族が受賞し、ジェニファー・ハドソンが﹁バッド・ガール﹂﹁ラスト・ダンス﹂のカバーを披露した。
なお、サマーは有名になる前、約8年間ドイツを中心にヨーロッパで歌手活動をしていたため、ドイツ語が堪能であった。
●1991年に来日公演した時に彼女の髪が金髪だったのは、その年にリリースされたアルバム"Mistaken Identity"のジャケット撮影の直後にその公演が行われたため︵そのアルバムのジャケットで彼女は“人違い”の意のタイトルに因んで金髪であった︶。よってあの金髪は かつらではなく、染めた地毛であった。
経歴[編集]
サマーのフォロワー[編集]
●マドンナ ●ブロンディ ●ニュー・オーダー ●ビヨンセカバー曲など[編集]
●ブロンスキー・ビート・アンド・マーク・アーモンド﹃アイ・フィール・ラヴ﹄ ●ブロンスキー・ビートはゲイによるエレクトロ・ポップ・バンドで、マーク・アーモンドもゲイである。 ●シーナ・イーストン﹃恋の魔法使い﹄ ●アンダーワールドの﹃キング・オブ・スネイク﹄のベースラインは﹃アイ・フィール・ラヴ﹄のものを手本にしている。ディスコグラフィ[編集]
アルバム[編集]
●Lady of the Night ︵1974年日本未発売︶-インディーズアルバム ●Love to Love You Baby 愛の誘惑︵1975年)-メジャーアルバム第1弾 ●A Love Trilogy ラブ・トリロジー︵1976年︶-メジャーアルバム第2弾 ●Four Seasons of Love フォー・シーズンズ・オブ・ラブ︵1976年)-メジャーアルバム第3弾 ●I Remember Yesterday アイ・リメンバー・イエスタデイ︵1977年)-メジャーアルバム第4弾 ●Once Upon a Time ワンス・アポン・ア・タイム︵1977年)-メジャーアルバム第5弾 ●Live and More ライブ・アンド・モア︵1978年)-メジャーアルバム第6弾(発売当時LP2枚組の1面〜3面が、1st〜5thからの楽曲のライヴ録音。4面がリチャード・ハリスのカヴァー曲﹁マッカーサーパーク組曲﹂という構成が、アルバムタイトルの所以。) ●Bad Girls 華麗なる誘惑︵1979年︶-メジャーアルバム第7弾 ●On the Radio オン・ザ・レイディオ (1979年)-ベストアルバム第1弾:全16曲入り-メジャーアルバム第8弾 ●The Wanderer ワンダラー︵1980年︶-メジャーアルバム第9弾。ゲフィン・レコード移籍第1作 ●Donna Summer 恋の魔法使い︵1982年︶-メジャーアルバム第10弾。彼女の名前が冠した記念すべきアルバム。 ●She Works Hard for the Money 情熱物語︵1983年︶-メジャーアルバム第11弾 ●Cats Without Claws キャッツ・ウィズアウト・クロウズ︵1984年︶-メジャーアルバム第12弾 ●All Systems Go オール・システムズ・ゴー︵1987年︶-メジャーアルバム第13弾 ●Another Place and Time アナザー・プレイス・アンド・タイム︵1989年︶-メジャーアルバム第14弾 ●Mistaken Identity ミステイクン・アイデンティティー︵1991年︶-メジャーアルバム第15弾 ●Christmas Spirit クリスマス・スピリット︵1994年︶-メジャーアルバム第16弾。クリスマスの名曲が色んなジャンルによってカヴァーされた。 ●I'm a Rainbow アイム・ア・レインボー︵1996年、しかしレコーディングは1981年︶-メジャーアルバム第17弾。度重なる延期の末、発売されたアルバム。 ●Live & More... Encore! ライブ&モア・アンコール!︵1999年︶-メジャーアルバム第18弾。(VH1)のライヴのハイライトの中から選りすぐりのナンバーをセレクト。 ●Crayons クレヨン︵2008年︶-メジャーアルバム第19弾。ドナ・サマーにとって最期のアルバム。エレクトロニック・ダンス・ミュージック系や色々なジャンルか詰まったダンスミュージックの見本的アルバム。 ●Love To Love You Donna (2013年)-メジャーアルバム第20弾。最近流行りのエレクトロニック・ダンス・ミュージックサウンド全開のリミックス・ミニアルバム。アフロジャックをはじめとするエレクトロニック・ダンス・ミュージックサウンドを代表する様々なリミックス・アーティストが集結。シングル[編集]
(日本盤シングルとしてリリースされた曲に限り邦題を﹁﹂内に表記。︶ ●The Hostage ﹁恐怖の脅迫電話﹂(1974年) ︵ただし当時はドンナ・サマーとして︶ ●Lady of the Night (1974年) ︵欧州のみリリース︶ ●Love to Love You Baby ﹁愛の誘惑﹂(1975年)、ヒット曲 ●Could It Be Magic ﹁恋はマジック﹂(1976年) ●Try Me I Know We Can Make It ﹁愛のたわむれ﹂(1976年) ●Spring Affair ﹁スプリング・アフェアー﹂(1976年) ●Can't We Just Sit Down (And Talk It Over) ﹁貴方のひざで﹂(1977年) ●I Remember Yesterday ﹁アイ・リメンバー・イエスタデイ﹂(1977年) ●Love's Unkind (1977年) ︵欧州のみリリース。︶ ●I Feel Love﹁アイ・フィール・ラブ﹂ (1977年) ︵日本では﹁貴方のひざで﹂のB面としてリリース︶、ヒット曲 ●Rumour Has It (1977年) ︵日本では﹁ワンス・アポン・ア・タイム﹂のB面としてリリース︶ ●Once Upon a Time ﹁ワンス・アポン・ア・タイム﹂(1977年) ●I Love You ﹁アイ・ラブ・ユー﹂(1977年) ●Down Deep Inside (Theme from "The Deep") ﹁ザ・ディープのテーマ﹂(1978年) ●Last Dance ﹁ラスト・ダンス﹂(1978年) ●MacArthur Park ﹁マッカーサー・パーク﹂(1978年) ●Heaven Knows ﹁ヘブン・ノウズ﹂(1978年) ●Hot Stuff ﹁ホット・スタッフ﹂(1979年) ●Bad Girls ﹁バッド・ガールズ﹂(1979年) ●Dim All the Lights ﹁ディム・オール・ザ・ライツ﹂(1979年) ●Sunset People ﹁サンセット・ピープル﹂(1979年) ︵欧州・日本のみリリース︶ ●No More Tears (Enough Is Enough) ﹁ノー・モア・ティアーズ﹂(1979年) ●On the Radio ﹁オン・ザ・レイディオ﹂(1979年) ●Walk Away ﹁ウォーク・アウェイ﹂(1980年) ●The Wanderer ﹁ワンダラー﹂(1980年) ●Cold Love ﹁コールド・ラブ﹂(1980年) ●Looking' Up ﹁ルッキング・アップ﹂(1980年) ︵日本のみリリース。︶ ●Who Do You Think You're Foolin' (1980年) ︵日本では﹁ルッキング・アップ﹂のB面としてリリース︶ ●Love is in Control ﹁恋の魔法使い﹂(1982年) ●State of Independence ﹁ステイト・オブ・インデペンデンス﹂(1982年) ●Protection ﹁プロテクション﹂(1982年) ︵日本・欧州でリリース︶ ●The Woman in Me (1982年) ︵日本未発売︶ ●She Works Hard for the Money ﹁情熱物語﹂(1983年) ●Unconditional Love ﹁アンコンディショナル・ラブ﹂(1983年) ●Love Has a Mind of its Own ﹁愛を心に﹂(1983年) ●There Goes My Baby ﹁ゼア・ゴーズ・マイ・ベイビー﹂(1984年) ●Supernatural Love ﹁スーパーナチュラル・ラブ﹂(1984年) ●Eyes (1984年) (欧州のみリリース) ●Dinner With Gershwin ﹁ディナー・ウィズ・ガーシュウィン﹂(1987年) ●All Systems Go(1987年) ︵欧州のみリリース) ●Only the Fool Survives ﹁オンリー・ザ・フール﹂(1987年) ●This Time I Know It's for Real ﹁イッツ・フォー・リアル﹂(1989年) ●I Don't Wanna Get Hurt ﹁アイ・ドント・ウォナ・ゲット・ハート﹂(1989年) ︵米国未発売︶ ●Love's About to Change My Heart ﹁チェンジ・マイ・ハート﹂(1989年) ●When Love Takes Over You (1989年) ︵欧州のみリリース︶ ●Breakaway (1990年) ︵日本未発売︶ ●When Love Cries ﹁ホエン・ラブ・クライズ﹂(1991年) ●Work That Magic ﹁ワーク・ザット・マジック﹂(1991年) ●Carry on (1992年) (日本未発売︶ ●La Vie en rose (1993年) (欧州のみリリース︶ ●Melody of Love (Wanna Be Loved) ﹁メロディ・オブ・ラヴ﹂(1994年) ●Whenever There is Love (1997年) ︵日本未発売︶ ●I Will Go With You ﹁アイ・ウィル・ゴー・ウィズ・ユー﹂(1999年) ●Love is the Healer (1999年) (日本未発売︶ ●The Power of One (Theme from "Pokémon 2000") (2000年) ︵日本未発売︶ ●You're So Beautiful (2003年) ︵日本未発売︶ ●I Will Live for Love (2003年) ︵日本未発売︶ ●I Got Your Love (2005年) ︵日本未発売︶ ●I'm a Fire (2008年) ●Stamp Your Feet (2008年) ●Sand on My Feet (2008年) ●Fame (The Game) (2008年) ●To Paris With Love (2010年)日本公演[編集]
●1979年 6月19日 日本武道館、21日,22日 大阪フェスティバルホール ●1987年 12月11日新潟県民会館、12月12日横浜スペシャル・イベントサイト 12月14日福岡サンパレス、12月16日名古屋市公会堂 12月18日大阪厚生年金会館、12月19日,20日NHKホール︵東京︶ 12月21日新高輪プリンスホテル﹁飛天の間﹂︵ディナー・ショー︶︵東京︶ ●1991年 American Music Awards in Yokohama Arena 3月23日 横浜アリーナ ●1994年 12月14日,15日 六本木ヴェルファーレ、16日 大宮ソニックシティ、19日 神奈川県民ホール なお、大宮ソニックシティでの公演は5曲ほどで中止になった。これは前日までの六本木ヴェルファーレ公演で喉を潰してしまったためで、次の神奈川県民ホールでのコンサートのチケットとの引き換えか、全額返金という形で対処された。脚注[編集]
(一)^ ab“ドナ・サマーさん死去 ﹁ディスコの女王﹂”. 東京新聞 (2012年5月18日). 2012年5月18日閲覧。
(二)^ “ドナ・サマー、死去”. BARKS (2012年5月18日). 2012年5月20日閲覧。
(三)^ “DJ KORBY's RADIO SHOW”. J-WAVE (2006年8月27日). 2012年5月19日閲覧。
(四)^ “DIVA DEBACLE”. nme.com (1999年10月4日). 2012年5月19日閲覧。
(五)^ “Donna Summer would like her gay fans to dwell on the hits, not the misunderstanding”. メトロ・ウィークリー (2010年8月25日). 2012年5月19日閲覧。
(六)^ http://www.huffingtonpost.com/.../donna-summer-anti-gay-remarks-...
(七)^ “Donna Summer”. Hollywood Walk of Fame. Hollywood Chamber of Commerce. 2018年7月6日閲覧。