パーカー・パイン
パーカー・パイン (Parker Pyne) は、アガサ・クリスティ作の推理小説に登場する架空の探偵。クリスティ作品の探偵たちの中ではもっともユーモラスな存在として知られる。14の短編に登場する。
概要[編集]
禿頭で度のきつい眼鏡をかけた中年の男。元は某官庁の統計の仕事に勤めていたが辞職し、リッチモンド街に人生相談所を開設する。﹁人生には5種類の主な不幸がある﹂とし、﹁それらすべてが論理的に解決できる﹂という統計理論を持っており、人生相談を行うことでその人物の悩みや不満を解決する。 新聞に﹁あなたは幸せ? でないならば、パーカー・パイン氏に相談を︵Are you happy? If not consult Mr Parker Pyne, 17 Richmond Street. ︶﹂という印象的な広告を出しており、依頼人たちはその広告を見てパーカー・パインに相談してくる、というのが主要なパターンである。推理法[編集]
人間を類型分類し、その傾向によって犯人や犯行︵依頼内容の全体像︶を予測する。依頼人の話を聞いただけで、おおよその全体像を掴んでしまうなど、安楽椅子探偵に近いところもあるが、その後に事件を解決する手段として、事務所の事務員たちを用いるところに最大の特徴がある。彼らに役を与えることで依頼者の悩みを解決する。パインの仲間[編集]
パインの相談所には﹁工作員﹂と言ってもいいような様々な事務員がおり、相談者の不満解消に尽くしている。これらの事務員の中には、ポアロ作品に登場する人物もいる。彼らの仕事は、依頼人の状況に合わせ、それぞれが役柄を演じて仕掛けを演じる﹁コンゲーム﹂の手法で進められる。 ミス・レモン パインの秘書。有能だが神経質な性格。ポアロ作品でも、ポアロの有能な秘書として全く同一の設定で登場する。 アリアドニ・オリヴァ 女流小説家。依頼人の要求に合わせた筋書きを考案する。ポアロ作品ではポアロの友人としてしばしば登場する。クリスティ自身がモデルとされる。 クロード・ラットレル ハンサムな青年で、主にジゴロ役をこなす。 マドリーン・ド・サラ エキゾチックな美貌の女性で、男を籠絡する悪女役をこなす。登場作品[編集]
すべて短編である。- パーカー・パイン登場
- 中年夫人の事件
- 不満軍人の事件
- 困った婦人の事件
- 不満な夫の事件
- サラリーマンの事件
- 富豪婦人の事件
- あなたは欲しいものをすべて手に入れましたか?
- バグダッドの門
- シラーズの家
- 高価な真珠
- ナイル河上の死
- デルファイの神託
- レガッタ・デーの事件(日本では『黄色いアイリス』として出版されている)
- レガッタ・デーの事件
- ポリエンサ海岸の事件