安倍邦太郎
安倍 邦太郎︵あべ くにたろう、1883年︿明治16年﹀11月8日 - 1946年︿昭和21年﹀4月26日︶は、日本の実業家、政治家。衆議院議員︵1期︶、新潟市会議員︵6期︶、第14・15代新潟市会議長。
略歴[編集]
新潟県中蒲原郡流作場新田︵現 新潟市中央区三和町︶の名家・安倍家[注 1]の11世当主・安倍周平の長男として出生[3][4][注 2]。 1902年︵明治35年︶3月に新潟中学校を卒業、4月に東京専門学校高等予科︵現 早稲田大学高等学院︶に入学、新潟中学校の2年先輩の会津八一[注 3]とともに東京府東京市牛込区牛込原町︵現 東京都新宿区原町︶の玉川温徳方に下宿[9]。 1903年︵明治36年︶7月に早稲田大学高等予科を修了、9月に早稲田大学大学部政治経済学科に入学、1906年︵明治39年︶7月に卒業、ウラジオストクと樺太を視察[10][注 4]、鍵三銀行[注 5]支配人、新潟保育院理事などに就任[13][14][15]。 1917年︵大正6年︶4月に新潟市会議員に就任[3][16][17]、新潟市参事会員、新潟市農会副会長、新潟県農会議員、亀田郷水害予防組合議員、新潟市産米改良委員、新潟港是調査会委員、日本硫曹[注 6]常務取締役などに就任[13][14]。 1920年︵大正9年︶7月に沼垂幼稚園第2代園長に就任[21][注 7]、1925年︵大正14年︶2月に新潟商業会議所議員に就任[22]、5月に都市計画新潟地方委員会委員に就任[23]、1926年︵大正15年︶に新潟実業組合連合会理事長に就任[24]。 1928年︵昭和3年︶2月に第16回衆議院議員総選挙で新潟県第1区から立憲民政党の公認で立候補して当選[25][26][27]、1929年︵昭和4年︶3月に新潟商工会議所顧問に就任[22]、新潟市教育会長、日東硫曹[注 6]専務取締役などに就任[15][16]。 1933年︵昭和8年︶4月に第14代新潟市会議長に就任[3][28][注 8]、東部硫酸販売取締役に就任[3]、1937年︵昭和12年︶4月に第15代新潟市会議長に就任[28][注 9]、1938年︵昭和13年︶6月に第7代全国市会議長会会長に就任[29][注 10]。 日東硫曹[注 6]社長、日東運送社長、新潟青果配給統制社長、新潟株式取引所監査役、新潟米穀取引所監査役、新潟港作業監査役などに就任[3][22]、1941年︵昭和16年︶1月に大政翼賛会新潟県支部顧問・新潟市支部理事に就任[3]。 1946年︵昭和21年︶4月26日午後に新潟市流作場の自宅の農園で作業中に発病し、午後3時30分ごろに心臓麻痺で死去[30]。栄典・表彰[編集]
●1921年︵大正10年︶7月1日 - 第一回国勢調査記念章[31] ●1928年︵昭和3年︶11月10日 - 金杯一個[32] ●1940年︵昭和15年︶11月10日 - 紀元二千六百年祝典記念章[33]親族[編集]
●安倍九二造 - 叔祖父[34]、安倍家12世当主、新潟県中蒲原郡沼垂町第4・7代町長、元新潟県会議員、沼垂幼稚園創設者・初代園長、沼垂図書館初代館長。 ●安倍邦衛 - 従叔父[34]、安倍九二造の長男、新潟中学校の2年先輩、鉄道官僚、元東京地下鉄道技師長、元東京市電気局技術長、元東京高速鉄道顧問技師。日本で最初の地下鉄の設計者。著作物[編集]
著書[編集]
●﹃通俗市政問答﹄安倍邦太郎︵私家版︶、1932年。編書[編集]
●﹃萬代の光﹄安倍邦太郎︵私家版︶、1915年。脚注[編集]
注釈[編集]
(一)^ 1878年︵明治11年︶9月19日に明治天皇は、地方巡幸で新潟県蒲原郡新潟町︵現 新潟市中央区︶の信濃川を船で渡ったあと、流作場新田の安倍家12世当主・安倍九二造の邸宅で休憩した[1][2]。
(二)^ 安倍邦太郎は安倍家14世当主。1929年︵昭和4年︶1月に次弟の安倍家13世当主・安倍邦男から安倍家の家督を相続した[5]。
(三)^ 安倍邦太郎は会津八一と歌の友で日野資徳の門下[6]。1901年︵明治34年︶7月に新潟中学校の同級生の青木得三、式場益平、山崎良平︵恩師の夏目漱石に﹃僧良寛詩集﹄を贈る[7]︶たちと会津八一とともに同人雑誌﹃若菜舟﹄を発行した[8]。
(四)^ 1919年︵大正8年︶に欧米10数カ国を視察[11]。
(五)^ 1920年︵大正9年︶11月に第四銀行に合併された[12]。
(六)^ abc1932年︵昭和7年︶10月に日本硫曹は日東硫肥と合併して日東硫曹に社名変更し[18]、1970年︵昭和45年︶7月に日東硫曹はサン化学に合併され[19]、1983年︵昭和58年︶4月にサン化学は東北肥料と合併してコープケミカルに社名変更した[20]。
(七)^ 1923年︵大正12年︶3月に退任[21]。
(八)^ 1937年︵昭和12年︶4月に退任[28]。
(九)^ 1942年︵昭和17年︶5月に退任[28]。
(十)^ 1939年︵昭和14年︶4月に退任[29]。
出典[編集]
(一)^ ﹃新潟市史 通史編3近代︵上︶﹄144-145頁。﹃ぬったり 沼垂定住三百年記念誌﹄93-94頁。﹁沼垂町誌﹂84頁。﹃中蒲原郡誌 下編﹄926頁。﹃中蒲原郡誌 新潟市編﹄554頁。﹃新潟県 精髄 中蒲原郡誌︿下編﹀﹄1258頁。
(二)^ ﹃新潟縣史蹟名勝天然紀念物﹄47頁。﹃史蹟調査報吿 第九輯 明治天皇聖蹟﹄18頁。﹃流作場開拓者 安倍玄的とその一族﹄24-26頁。﹃故きをたずねて 流作場二百五十年誌﹄257・634頁。﹃万代コミ協だより 万代の風﹄第32号、2面。
(三)^ abcdef﹃新潟縣人名辭書﹄255頁。
(四)^ ﹃流作場開拓者 安倍玄的とその一族﹄13-14頁。﹃故きをたずねて 流作場二百五十年誌﹄629頁。﹃越佐人物誌 名家系譜﹄24-25頁。
(五)^ ﹃流作場開拓者 安倍玄的とその一族﹄28頁。﹃故きをたずねて 流作場二百五十年誌﹄637頁。
(六)^ ﹃會津八一・吉野秀雄 往復書簡︿上﹀﹄128頁。
(七)^ ﹃漱石全集 第十三卷 續書簡集﹄577頁。
(八)^ ﹃會津八一傳﹄107-108・777頁。﹃會津八一﹄448頁。﹃會津八一全集 第十卷﹄旧版、416-417頁。
(九)^ ﹃會津八一傳﹄261・778頁。﹃會津八一﹄449頁。﹃會津八一全集 第十卷﹄旧版、417頁。﹃會津八一全集 第十二﹄新版、504-505頁。
(十)^ ﹃流作場開拓者 安倍玄的とその一族﹄28頁。﹃故きをたずねて 流作場二百五十年誌﹄637頁。﹃新潟市史 通史編4近代︵下︶﹄172頁。
(11)^ ﹃流作場開拓者 安倍玄的とその一族﹄28-29頁。﹃故きをたずねて 流作場二百五十年誌﹄637頁。﹃昭和新潟人物誌﹄94頁。﹃越佐名士錄﹄175頁。
(12)^ (株)北越銀行﹃創業百年史﹄(1980.09) - 渋沢社史データベース
(13)^ ab﹃衆議院要覽﹄170頁。﹃第一囘乃至第二十囘總選擧 衆議院議員略歷﹄1頁。﹃議会制度百年史 衆議院議員名鑑﹄1頁。
(14)^ ab﹃越佐と名士﹄174頁。
(15)^ ab﹃越佐名士錄﹄175頁。
(16)^ ab﹃昭和新潟人物誌﹄93頁。
(17)^ ﹃百年のあゆみ 新潟市議会小史﹄533頁。
(18)^ 日産化学工業(株)﹃百二十年史﹄(2007.05) - 渋沢社史データベース
(19)^ 日本化成(株)﹃50年史﹄(1987.11) - 渋沢社史データベース
(20)^ 日産化学工業(株)﹃百二十年史﹄(2007.05) - 渋沢社史データベース
(21)^ ab﹃新潟市立沼垂幼稚園 創立百周年記念誌 あゆみ﹄20頁。
(22)^ abc﹃新潟商工会議所七十年史﹄99頁。
(23)^ ﹁敍任及辭令﹂﹃官報﹄第3826号、684頁、内閣印刷局、1925年5月27日。
(24)^ ﹃新潟市史 通史編4近代︵下︶﹄35頁。
(25)^ ﹃新潟市史 通史編4近代︵下︶﹄122頁。﹃新潟商工会議所七十年史﹄99頁。﹃越佐と名士﹄174頁。﹃越佐人物誌 上巻﹄35頁。﹃昭和新潟人物誌﹄94頁。
(26)^ ﹃流作場開拓者 安倍玄的とその一族﹄29頁。﹃故きをたずねて 流作場二百五十年誌﹄637頁。
(27)^ ﹃第一囘乃至第二十囘總選擧 衆議院議員略歷﹄1頁。﹃議会制度百年史 衆議院議員名鑑﹄1頁。
(28)^ abcd﹃百年のあゆみ 新潟市議会小史﹄507頁。
(29)^ ab歴代会長 - 全国市議会議長会
(30)^ ﹃新潟日報﹄1946年4月28日、2面。
(31)^ ﹁辭令﹂﹃官報﹄号外、43頁、内閣印刷局、1922年6月29日。
(32)^ ﹁授爵、敍任及辭令﹂﹃官報﹄号外、6頁、内閣印刷局、1928年11月10日。
(33)^ ﹁辭令二﹂﹃官報﹄第4445号付録、20頁、内閣印刷局、1941年10月31日。
(34)^ ab﹃流作場開拓者 安倍玄的とその一族﹄13-14頁。﹃故きをたずねて 流作場二百五十年誌﹄629頁。﹃越佐人物誌 名家系譜﹄24-25頁。
