SF映画
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歴史[編集]
1900年~[編集]
世界初のSF映画は、1902年にジョルジュ・メリエスがジュール・ヴェルヌの小説に鼓舞され製作した、フランスの映画﹃月世界旅行﹄︵Le Voyage dans la Lune︶と言われている。この映画では、強力な大砲から発射された宇宙船での月旅行を描き、宇宙旅行や異星人の設定、当時では革新的な特殊効果により、空想的な映像を具体化し将来のSF映画に大きな影響を及ぼした。 1910年にはJ・シャーリー・ドーレイがメアリ・シェリーの小説﹃フランケンシュタイン﹄︵Frankenstein︶を映画化。 1925年﹃ロスト・ワールド﹄︵The Lost World︶は、アーサー・コナン・ドイルの原作での人気があるテーマであり、1960年﹃失われた世界﹄︵The Lost World︶でリメイクされている。 1927年のフリッツ・ラングによる﹃メトロポリス﹄︵Metropolis︶は、未来都市とロボットを登場させ、未来社会を描いたSF映画として有名で、前出の﹃月世界旅行﹄は空想に重きを置いた物語であるが、SF的設定の確かさでは本作がSF映画の始祖とも言える。1984年には現存するフィルムを集め、ジョルジオ・モロダーにより纏められた再編集版が公開されている。1930年~[編集]
1930年代からはトーキーが入り、今日のSF映画に直接影響を残す作品が作られている。 1931年のジェームズ・ホエール(James Whale)の﹃フランケンシュタイン﹄(FRANKENSTEIN)は、ロンドンの喜劇舞台が元になっているため、原作との相違点が多いが、モンスターの造形は、﹁フランケンシュタイン﹂のキャラクターを決定付ける影響があった。 1933年にはメリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードザックによる、﹃キング・コング﹄(KING KONG)が製作され、アメリカのKING OF MONSTERとして幾度とリバイバル上映され、1976年、2005年に同名でリメイクが作成されている。特にピーター・ジャクソン監督版は、初代に忠実である。 H・G・ウェルズの原作では、1933年﹃透明人間﹄(THE INVISIBLE MAN)、﹃獣人島﹄(ISLAND OF LOST SOULS)‥モロー博士の島が製作されており、以後何度かリメイクされることになる。 1941年にはアニメーション、1948年には実写版の﹃スーパーマン﹄(SUPERMAN)が、1943年には﹃バットマン﹄(THE BATMAN)が製作され、コミックヒーローの映画化がされている。この頃は、スペクタクルなSF映画よりホラーの﹁吸血鬼﹂﹁狼男﹂﹁ドラキュラ﹂﹁ミイラ男﹂などが多く作成されている。1950年~[編集]
1950年代はSF映画ブームと言える。 ジョージ・パルは特撮を生かした4本の本格SF映画を製作している。1950年﹃月世界征服﹄(DESTINATION MOON)、1951年﹃地球最後の日﹄(WHEN WORLDS COLLIDE)、1953年﹃宇宙戦争﹄(WAR OF THE WORLDS)、1959年﹃タイム・マシン﹄(THE TIME MACHINE)、それぞれの原作は、ロバート・A・ハインライン﹃宇宙船ガリレオ号﹄、エドウィン・パルマーとフィリップ・ウィリー﹃地球最後の日﹄、ハーバート・ジョージ・ウェルズ﹃宇宙戦争﹄、H・G・ウェルズ﹃タイム・マシン﹄。 1951年﹃地球の静止する日﹄(THE DAY THE EARTH STOOD STILL)ロバート・ワイズ監督、同年﹃遊星よりの物体X﹄(THE THING FROM ANOTHER WORLD)ハワード・ホークス製作︵監督︶。 1954年には﹃海底二万哩﹄(20,000 LEAGUES UNDER THE SEA)をウォルト・ディズニーが製作。ネモ船長とノーチラス号のイメージはこの作品が決定づけていると言っても過言ではない。 1956年﹃禁断の惑星﹄(FORBIDDEN PLANET)のロボットロビィは、﹃地球の静止する日﹄のゴートと、﹃宇宙家族ロビンソン﹄︵1965年からのアメリカのTVシリーズ︶のフライディと共に、いわゆる﹁ロボット﹂のキャラクターを確立した。 ﹃ボディ・スナッチャー/恐怖の街﹄(INVASION OF THE BODY SNATCHERS)は、独立系プロによる低予算映画である。 1957年﹃縮みゆく人間﹄(THE INCREDIBLE SHRINKING MAN)は、リチャード・マシスンの原作で、この時代、放射能を題材にした映画が多く作成されている。 日本では、1954年に本多猪四郎監督が﹃ゴジラ﹄を製作。以後50年で28作品が製作された。1960年~[編集]
1960年原作アーサー・コナン・ドイルの﹃失われた世界﹄(THE LOST WORLD)と、1961年原作ジュール・ヴェルヌの﹃SF巨大生物の島﹄(MYSTERIOUS ISLAND)は、共に登場する恐竜などに特撮を使用しているが、前者のウィリス・オブライエンは、1925年の﹃ロスト・ワールド﹄を担当しており、後者のレイ・ハリーハウゼンとも関係が深い。この後、レイは1967年﹃恐竜100万年﹄1969年﹃恐竜グワンジ﹄を手がける。 ●1964年﹃博士の異常な愛情﹄(DR. STRANGELOVE OR : HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB)、スタンリー・キューブリック監督 ●1966年﹃ミクロの決死圏﹄(FANTASTIC VOYAGE) ●1966年﹃華氏451﹄(FAHRENHEIT 451) ●1967年﹃バーバレラ﹄(BARBARELLA) ●1967年﹃魚が出てきた日﹄(THE DAY THE FISH CAME OUT) ●1968年﹃2001年宇宙の旅﹄(2001: A SPACE ODYSSEY)、スタンリー・キューブリック監督 ●1968年﹃猿の惑星﹄(PLANET OF THE APES) 日本では、東宝のSFシリーズとも言える﹃電送人間﹄、﹃ガス人間第一号﹄が1960年に、﹃世界大戦争﹄が1961年に、﹃妖星ゴラス﹄が1962年に、﹃マタンゴ﹄、﹃海底軍艦﹄が1963年に公開されている。 また、1961年東宝の﹃モスラ﹄、1965年大映の﹃大怪獣ガメラ﹄、1967年松竹の﹃宇宙大怪獣ギララ﹄、日活の﹃大巨獣ガッパ﹄と怪獣が次々と生み出された。ベスト10[編集]
●科学者グループによるベスト10︵Our expert panel votes for the top 10 sci-fi films︶ ●英国のガーディアン誌発表︵2004年8月26日︶ (一)ブレードランナー Blade Runner (1982) (二)2001年宇宙の旅 2001: A Space Odyssey (1968) (三)スター・ウォーズ / スター・ウォーズ/帝国の逆襲 Star Wars (1977) / The Empire Strikes Back (1980) (四)エイリアン ALIEN (1979) (五)惑星ソラリス SOLARIS (1972) (六)ターミネーター / ターミネーター2 Terminator (1984) / T2: Judgement Day (1991) (七)地球の静止する日 Day the Earth Stood Still (1951) (八)宇宙戦争 War of the Worlds (1953) (九)マトリックス The Matrix (1999) (十)未知との遭遇 Close Encounters of the Third Kind (1977)●2008年にアメリカン・フィルム・インスティチュートが発表した10ジャンルのトップ10におけるSF映画のトップ10。 (一)2001年宇宙の旅 2001: A Space Odyssey (1968) (二)スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 Star Wars (1977) (三)E.T. E.T. The Extra Terrestrial (1982) (四)時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange (1971) (五)地球の静止する日 Day the Earth Stood Still (1951) (六)ブレードランナー Blade Runner (1982) (七)エイリアン ALIEN (1979) (八)ターミネーター2T2: Judgement Day (1991) (九)ボディ・スナッチャー/恐怖の街 Invasion of the Body Snatchers (1956) (十)バック・トゥ・ザ・フューチャー Back to the Future (1985)
- 2014年に情報誌Time Outロンドン版が発表した「SF映画のベスト100(100 Best sci-fi movies)の上位10本。
- 2001年宇宙の旅 2001: A Space Odyssey (1968)
- ブレードランナー Blade Runner (1982)
- エイリアン ALIEN (1979)
- 未知との遭遇 Close Encounters of the Third Kind (1977)
- エイリアン2 ALIENS (1986)
- スター・ウォーズ Star Wars (1977)
- 未来世紀ブラジル Brazil (1985)
- メトロポリス Metropolis (1927)
- ターミネーター Terminator (1984)
- スター・ウォーズ/帝国の逆襲 The Empire Strikes Back(1980)
関連項目[編集]
関連書[編集]
- 北島明弘 『世界SF映画全史』 愛育社 ISBN 4-7500-0258-5