1840年代以来の用語。はじめヘーゲル学派に単数形の〈精神の学〉〈精神学〉〈精神論〉などと訳される用法があるが,J.S.ミルの《論理学体系》(1843)の独訳(1849)に当たり,自然科学に対立する〈道徳科学moral sciences〉が精神諸科学と複数形で訳され,ディルタイの《精神諸科学序論》(1883)やブントの著作活動によって流布し,自然科学以外の経験科学の総称とされるに至った。ディルタイはその対象を歴史的社会的現実とし,方法的基礎ははじめは記述的分析的心理学のちには解釈学とした。その後,心理学と歴史の位置づけをめぐって論争が生じ,文化科学という名称が取って代わるようになった。
執筆者:茅野 良男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…ドイツ観念論哲学と歴史主義の遺産を継承して,ゲーテ時代の精神的巨人たちの優れた評伝(《体験と創作》として1905年にまとめられたゲーテ論やヘルダーリン論)や,ルネサンスやライプニッツに関する卓抜な論稿を著し,いわゆる精神史的傾向の中心的存在となった。これらはドイツ文学研究をはじめとする個別的精神科学に大きな影響を与えている。だが,彼の哲学的意義は,いわゆる精神科学の存立根拠と方法意識に関する――自己の具体的な歴史研究に根ざした――鋭く深い反省的考察にある。…
※「精神科学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...
6/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
5/20 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫を追加
5/14 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新