貴族(読み)キゾク(英語表記)nobilitas[ラテン]

デジタル大辞泉 「貴族」の意味・読み・例文・類語

き‐ぞく【貴族】

 
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精選版 日本国語大辞典 「貴族」の意味・読み・例文・類語

き‐ぞく【貴族】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 家柄や身分のとうとい人。また、社会の上流にあって、通例特権を世襲している階級。
    1. [初出の実例]「世祿の貴族愈々盛なるに従ひ王室の威権次第に衰へ」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二)
    2. [その他の文献]〔晉書‐列女〕
  3. ( 比喩的に ) ある特権に安住している者。「労働貴族」「独身貴族」

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改訂新版 世界大百科事典 「貴族」の意味・わかりやすい解説

貴族 (きぞく)
nobilitas[ラテン]


西nobilitynoblesseAdel

86aristokratiaaristoi︿32

退

 12︿13knightschevaliersRitterschafthidalgos1213︿


  
 西19

︿B.調

 ︿︿1718︿

 ︿︿19退
 


1︿︿2︿︿3殿殿殿殿殿418692︿
 1946
  




 ︿輿

 ︿

 退姿

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「貴族」の意味・わかりやすい解説

貴族
きぞく

一つの社会において、格段に高い政治的ないし法的な特権と栄誉をもつことを社会的かつ伝統的に承認された集団。一面において血統の観念と強く結び付く傾向があり、いわゆる「貴種」として自他ともに認められるのが本来的なあり方で、その地位は世襲されるのが普通である。新たに貴族の地位を与えられた者が「成り上がり貴族」として、「生まれながらの貴族」に比して、ややもすれば民衆からも軽んぜられるのはそのためである。他面において貴族は、政治的あるいは宗教的権威の存在を前提とすることが多い。とくに王権によって新貴族が創出されるため、歴史的には貴族層内部に絶えず交代が生じた。近代市民社会では、貴族は消滅したわけではないにしても、影響力を失うのが普通である。

[渡辺昌美]

ヨーロッパ


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山川 世界史小辞典 改訂新版 「貴族」の解説

貴族(きぞく)


PeerageAdelnoblesse()

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貴族」の意味・わかりやすい解説

貴族
きぞく
peerage; Adel; noblesse

 
西 1848 191718西151450 160082  

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百科事典マイペディア 「貴族」の意味・わかりやすい解説

貴族【きぞく】

 
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旺文社日本史事典 三訂版 「貴族」の解説

貴族
きぞく

血統的に尊いとされ,その地位を世襲する特権的身分に属する人びと
大化改新(645)前では氏 (うじ) ・姓 (かばね) をもち土地・人民を私有し,朝廷の官職を世襲した。改新後,土地・人民は収公され,世襲は廃止されたが,律令制による五位以上の上級官人は蔭位 (おんい) の制・官位相当の制により官位・官職を世襲し,それに伴う位田・職田・位封・職封などを給付され,特権を回復した。平安中期から特に藤原氏がその地位を独占し,荘園の集中的寄進をうけた。鎌倉時代以後,武家に対し公家と総称。殿上人・地下人に分かれ,前者が前代の貴族に相当するが政治権力・経済力は漸減し,承久の乱・建武の新政で勢力回復を試みたが失敗。応仁の乱(1467〜77)以後,荘園の喪失により窮乏した。近世,織田信長・豊臣秀吉らの保護をうけ,江戸幕府の統制下に存続し,幕末には尊王論などと結び政界に活動する者がでた。明治維新後は華族をさす。上級公家・大名・維新の功臣・資本家らを含み,爵位を有し貴族院を構成したが,第二次世界大戦後日本国憲法の施行により貴族院は廃止され,貴族制度は消滅した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「貴族」の解説

貴族
きぞく
nobility (イギリス)
Adel (ドイツ)
noblesse (フランス)

 

使  

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普及版 字通 「貴族」の読み・字形・画数・意味

【貴族】きぞく

 
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「貴族」の解説

貴族
きぞく

古代では三位以上を貴,五位以上を通貴といい,国家の支配階級である彼らがほぼ貴族にあたる。大和朝廷下の豪族の首長は,それぞれが宗教的権威者・政治的権力者として人民を支配する王権であり,その支配組織が氏(うじ)であった。こうした豪族が貴族となるのは,人民支配を放棄し,王権の主権者であることを放棄したときで,大化の改新から大宝律令成立にかけて氏族的要素をある程度残しながらも,制度上は土地・人民から離れた律令官僚貴族として位置づけられた。中世以後は,新たに支配階級となった武家に対する公家の上層部(摂家・清華(せいが)家など)をさしたが,伝統的権威をもつ存在にすぎなかった。明治期以後おかれた旧大名を含む華族は特権階級にとどまり,これも第2次大戦後廃止された。

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世界大百科事典(旧版)内の貴族の言及

【アンシャン・レジーム】より

…これらの社団を大きく包み込むものとして,中世以来の伝統的な身分制秩序が受け継がれていた。第一身分としての聖職者clergé,第二身分としての貴族noblesse,そしてブルジョアジー以下の第三身分le tiers étatがそれである。革命前夜の総人口2600万のうち,聖職者は約12万,貴族は約35万にすぎないが,彼らは,王税を免除された特権階層を形成していた。…

【華族】より

…また,海外へ洋行する者も多く,同年の岩倉使節団に同行した留学生には多数の華族が含まれていた。この使節団はヨーロッパの貴族制にも関心を払い,これは帰国後の岩倉具視や木戸孝允らの対華族策となった。74年創立の華族会館(当初は当時の全華族427家中の約4分の1が参加。…

【靴】より

…この爪先には,干し草,羊毛などを詰めこみ鯨骨で整形したという。このような,歩くためのものという機能からはずれてデザインに走りすぎた靴を取り締まる法令は,イギリスでは1463年,フランスでは1470年に施行され,貴族を除いて一般の人びとの靴は爪先の長さ15cm以内に規制された。しかし次には逆に,横幅の広い靴が流行するようになり,16世紀半ばには横幅を規制する法令が施行されることになった。…

【古代社会】より


[身分秩序]
 律令政府は,統一した全国支配を行うために,全面的な身分制を作りあげた。政治権力を掌握したのは,身分制の上にたって,氏・姓(かばね)をもたない天皇と,その下にあって通貴と称される五位以上の貴族である。この貴族は身分的にも経済的にも国家によって保護されており,前代から畿内を拠点に大和政権を構成していた大豪族の後継者が占めていた。…

【ジェントルマン】より

…本来のジェントルマンとは,地代収入によって特有の奢侈(しやし)的な消費生活や教養,政治活動を中心とする行動様式などを維持しえた有閑階級のことである。基本的には,公侯伯子男という爵位をもつ貴族と,身分的には庶民であるが,貴族と同様に〈家紋つきコートcoat of arms〉の使用を認められていた〈ジェントリーgentry〉とがその構成員であった。家紋は盾の形をした枠組みのなかに特定の図案が収められているもので,その家門がかつて武器をもつことを許された階層に属していたことを象徴する。…

【地主】より


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【シュラフタ】より

…この言葉は,〈生れ,素姓〉を意味するドイツ語〈ゲシュレヒトGeschlecht〉から作られたチェコ語〈シュレヒタšlechta〉に由来する。チェコ語と同様,ポーランドでも〈貴族〉一般の意味でも使われるが,ここでは〈ポーランド貴族〉の意味に限定して説明する。 ポーランド建国の功労者とされているミエシュコ1世やボレスワフ1世の騎兵であった〈従者たち〉は,侯や王の個人的な隷属民であった。…

【身分制社会】より


[法制上の諸身分]
 この社会の構造的な特徴の一つは,それぞれの個人がなんらかの身分集団に属するものとされ,いろいろな身分が一種の階層秩序(ヒエラルヒー)をなしているところにある。大きく分ければ,聖職者(僧侶),貴族,市民,農民という諸身分が一般的であるが,聖職者身分や貴族身分は,さらにその内部でいくつかの階層に編成されているのがふつうである。そして,おのおのの身分は独自の権利や名誉と結びつけられていたから,身分制社会は〈特権のシステム〉としての特徴をも示す。…

※「貴族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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