長野総合車両センター
長野県長野市にある東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両基地
長野総合車両センター(ながのそうごうしゃりょうセンター)は、長野県長野市西和田二丁目にある東日本旅客鉄道(JR東日本)首都圏本部管轄の車両基地および車両工場。
長野総合車両センター | |
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![]() 長野総合車両センター(2022年11月) | |
基本情報 | |
国 |
![]() |
所在地 | 長野県長野市西和田2-29-1 |
鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道 |
帰属組織 | 首都圏本部 |
所属略号 | 都ナノ |
整備済み車両略号 | 長野総合車セ、NN |
最寄駅 | 長野電鉄長野線桐原駅 |
管轄車両 |
211系 キハ110系 HB-E300系 |
旧称 |
長野総合車両所 北長野運転所・長野工場 |
開設 | 1945年 |
車両基地概要 | |
敷地面積 | 270,006 m2 |
留置線本数 | 17本 |
検査線本数 | 21本 |
洗浄線本数 | 3本 |
配置両数 | |
電車 | 192両 |
気動車 | 20両 |
合計 | 212両 |
備考 | クモヤ143-52は車籍抹消済みだが稼働は終了していない。 |
概要
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1888年︵明治21年︶5月1日に官設鉄道開業に併せて開設された長野機関庫を前身にもつ車両基地で、工場のある場所にはかつて平林城があり、1930年︵昭和5年︶には長野都市計画が認可され、城山公園と同規模の平林公園の建設が予定されていたが、戦時中の用途地域制限解除期間中に鉄道省長野工機部の工場が建設された[4]。
日本国有鉄道︵国鉄︶時代は長野工場と称し、車両検査・修繕だけでなく、蒸気機関車などの製造も行った。同じ敷地内には配置車両がある基地︵長野運転所→長野第一運転区→北長野運転所、略号﹁長ナノ﹂︶もあったが、1991年︵平成3年︶7月1日に長野工場と北長野運転所を統合し長野総合車両所が発足[5]、その時JRの在来線では初めて、車両基地と車両工場を一体化させた区所となった[注1]。2004年︵平成16年︶6月1日に現名称に改称した[5]。
国鉄分割民営化によるJR東日本継承後から長野支社の管轄であったが2022年11月に首都圏本部管轄内の車両センターとなり、それに伴い同センターの所属略号も﹁長ナノ﹂から﹁都ナノ﹂に変更された[6]。
当センター内には周知の埋蔵文化財包蔵地として、南側には平林城址と記した石碑が立ち[7]、国鉄車両基地遺跡[8]、西和田遺跡[9]がある。
一般公開
編集毎年(2020年から2022年を除いた)10月上旬に「JR長野鉄道フェスタ」(旧 「長野総合車両センターふれあいまつり」)を開催してセンター内を一般公開している。
2019年開催時の主な内容
- 車両展示(交検庫・修繕庫・工場棟)
- 電車床下探検隊(クモヤ143-52を展示)
- 工場・訓練センター公開
- 運転シミュレーション体験
- トラバーサー乗車体験
- 鉄道グッズ・部品販売
- Nゲージ鉄道模型展示
- 記念弁当(限定100個販売)
また、開催に伴って専用駐車場の用意や長野駅から同センター近隣のJR貨物北長野貨物基地まで30分間隔で無料シャトルバスを運行した[10]。
歴史
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/02/JNR_115_series_remodeling_work_record_plate_at_Nagano_workshop.jpg/220px-JNR_115_series_remodeling_work_record_plate_at_Nagano_workshop.jpg)
配置車両に記される略号
編集(2010年10月撮影)
整備車両に記される略号
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●﹁長野総合車セ﹂︵﹁長野工﹂→﹁長総車所﹂→﹁長野総合車セ﹂と推移。︶
●﹁NN﹂︵﹁長 Naga﹂と﹁野 No﹂の頭文字をそれぞれ採りNNと省略。︶
現在は﹁長野総合車セ﹂が主流である。
業務内容と職場
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当センターの主な業務は、車両の検査・修繕・改造である。また、車両配置もあるため車両基地の機能も有しており、車体の清掃業務なども行っている。
当センターには鋳物職場があり、鋳鉄制輪子やNN46ブレーキライニング︵ブレーキパッド︶などを製造している[14]︵後述を参照︶。
さらに首都圏・近郊地域で使用された電車の廃車に伴う解体作業も実施している[15][注3]。
下記にセンターの業務について、項目別に説明する。
検査担当形式と配置区所
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出典‥JR東日本テクノロジー株式会社HP事業紹介
電車
●長野総合車両センター‥211系
●松本車両センター‥E353系、E127系
●えちごトキめき鉄道‥ET127系
気動車
●長野総合車両センター‥キハ110系、HB-E300系
●小海線統括センター‥キハ100系、キハ110系、キハE200系
●えちごトキめき鉄道‥ET122形、ET122形1000番台
上記の担当形式の他にも改造・機器更新等と同時に検査を行う場合がある。
2015年までは新潟車両センター所属車も当センターが検査を担当していたが、北陸新幹線が開業したことにより長野駅 - 直江津駅間がしなの鉄道北しなの線・えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインにそれぞれ経営分離されたことから、回送経路が全線JR線の大宮総合車両センターへ移行されている。
改造・機器更新など
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しなの鉄道115系の塗色変更やリニューアル改造[16]、京葉車両センター所属の205系0番台を富士急行6000系への改造を施工[17][18][19][20]などの実績がある。
その他
●JR東海371系の富士急行8500系への改造。
●中央線快速用E233系0番台のトイレ設置工事や2階建てグリーン車連結対応改造。
●元中央・総武緩行線用E231系0番台の転用改造︵武蔵野線向け︶。
●E257系0番台の踊り子・湘南用2000番台化︵一部編成︶・臨時列車用5000番台化への転用改造。
●E353系フリーWi-Fi設置。
●E233系2000番台ワンマン運転対応化改造[21][22]。
●E127系0番台の南武支線転用改造。
2019年10月に首都圏でJR東日本と乗り入れを行っている相模鉄道の相鉄10000系10701F︵E231系がベースの車両・なお10000系はJR東日本へ乗り入れは行っていない︶が、機器更新のため同車両センターまで甲種輸送により入場[23]し、その後2020年1月に同車両センターからかしわ台車両センターまで甲種輸送された[24]。大手私鉄の電車がJRの工場へ入場するのは、大宮総合車両センターへ入場した小田急4000形に続き2例目となったが、こちらは、JR貨物のEH200形に牽引されたため甲種輸送で行われた[23][24]。
鋳物職場
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/93/%E7%B5%A6%E6%B0%B4%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%97%E9%8A%98%E6%9D%BF_D51451_20200927_01.jpg/200px-%E7%B5%A6%E6%B0%B4%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%97%E9%8A%98%E6%9D%BF_D51451_20200927_01.jpg)
車両解体
編集解体線に留置中の、運用を離脱した車両群
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車両解体線。車両は解体中のサハE230形500番台(6扉車)
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配置車両
編集電車 | 気動車 | 機関車 | 客車 | 貨車 | 合計 |
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192両 | 20両 | 0両 | 0両 | 0両 | 212両 |
電車
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/90/Series211-2000-N614.jpg/220px-Series211-2000-N614.jpg)
気動車
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b4/Kiha110-231_Joetsu-line.jpg/220px-Kiha110-231_Joetsu-line.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c9/JR_East_Kiha110_oykot_20210509.jpg/220px-JR_East_Kiha110_oykot_20210509.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/73/Series_HB-E300-2_Resort_view_hursato.jpg/220px-Series_HB-E300-2_Resort_view_hursato.jpg)
過去の配置車両
編集電車
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115系
●1986年から2019年まで1000番台が配置されていた。
●定期運用終了後も長野総合訓練センターに3両編成︵N15編成︶1本が配置されていた[28]が、2019年10月15日付で廃車され[29]、配置が無くなった。
●2015年3月14日のダイヤ改正までは中央本線︵立川 - 塩尻 - 中津川・岡谷 - 辰野 - 塩尻間︶、大糸線︵松本 - 信濃大町間︶、篠ノ井線︵全線︶、信越本線︵篠ノ井 - 柿崎間︶、飯田線︵飯田 - 辰野間︶およびしなの鉄道線︵篠ノ井 - 軽井沢間︶の普通列車で運用された。しかし、同日のダイヤ改正において信越本線長野 - 妙高高原間がしなの鉄道北しなの線へと移行されたことにより、C編成を除く115系の長野支社管内での定期運用は終了[30]。また、しなの鉄道区間への当車両センター所属115系の乗り入れも終了した。さらに211系の導入が進んだことで、2015年10月をもって、C編成を含む115系の定期運用が全て消滅。
●C編成は2007年3月に松本車両センターから転入した車両で、主に中央東線で運用されていた。また2010年︵平成22年︶12月のダイヤ改正までは、通常時は豊田車両センターM40編成を充当していた快速﹁むさしの号﹂代走運用に投入されたケースがある。
●N1 - 16編成は東海旅客鉄道︵JR東海︶がATS-P︵ATS-PT︶導入以前に使用していたATS︵ATS-ST︶に対応しているためJR東海管内である中央西線・飯田線やしなの鉄道線への入線が可能で、2007年にJR東海所有の115系が全廃となった後も引き続き2014年のダイヤ改正まではJR東海区間へ乗り入れていた。
●全編成がセミクロスシートである。ただしN29編成は一時期、ロングシート化された。
●塗装は基本的には長野色であったが、最後まで残った訓練車は湘南色であった。なお、過去にはC1編成が横須賀色、N9編成が湘南色とされていた。
●C5 - 11編成および、N1・3・5 - 7・11 - 14・16・21・24 - 26・28・29・32・33編成は、内装などの更新を施工したリニューアル車両。
●2014年3月15日のダイヤ改正以降、211系が追加導入されたことに伴い、多くの編成が廃車となった︵C2・4 - 14編成、N2・4・5・8・10・16・22 - 24・26・28 - 33編成)。また、C3編成、N3・6・11・14・25・27編成は2015年3月15日までに、N9編成は2015年12月16日付で新潟車両センターへ転出した。
●北陸新幹線延伸後に経営分離された際、しなの鉄道に3両編成5本︵N1・7・12・13・21編成︶が譲渡された。
●C14編成、N4編成が廃車されたことにより、長野支社所属の115系の長野色は廃止された。
●また、C1編成についても、2015年10月28日に定期運用を離脱し、同年11月22日のさよなら運転﹁ありがとう115系C1編成﹂をもって、完全に運用を離脱し、2015年11月25日付で廃車となった。これにより、長野支社管内では115系全ての運用が終了した。
165・169系
●国鉄時代は信越本線の急行﹁信州﹂﹁妙高﹂﹁とがくし﹂や篠ノ井線の急行﹁天竜﹂﹁かもしか﹂で運用されていた。JR化後は長野県内の普通列車や篠ノ井線・飯田線の快速﹁みすず﹂で運用されていた。
●引退後は一部がしなの鉄道に譲渡され2012年まで有料快速列車﹁しなのサンライズ・しなのサンセット﹂を中心に運用されていた。
381系
●特急﹁しなの﹂で運用されていたが、国鉄時代の1982年11月15日のダイヤ改正から全車両が神領電車区︵現・神領車両区︶に転属となった。
485系
●5000番台6両編成1本︵N201編成・ジョイフルトレイン﹁彩︵いろどり︶﹂︶が配置されていた。
●2017年9月30日のラストラン列車﹁ありがとういろどり号﹂をもって営業運転を終了、同年10月20日付で廃車[31]され長野総合車両センターにおいて解体された。
489系
●1986年に金沢運転所から200番台︵N301 - N303編成︶が﹁あさま﹂運用分として転入し、配置されたものである。
●運用は﹁あさま﹂﹁そよかぜ﹂に限定され、﹁白山﹂﹁能登﹂などの北陸本線へ乗り入れる運用はなかった。
●1997年9月30日の特急﹁あさま﹂廃止に伴い順次廃車され、長野総合車両センターで解体された。
183・189系
●定期運用離脱前は、N102編成が平日朝に塩尻 - 長野間で運行される快速﹁おはようライナー﹂に充当されていた。
●信越本線の長野 - 直江津間が経営分離されるまでは、普通・快速﹁妙高﹂や、しなの鉄道線の快速﹁しなのサンライズ号﹂などでも運用された。
●主に、1997年の北陸新幹線︵高崎 - 長野間︶先行開通以前に在来線のエル特急﹁あさま﹂で運用されていた189系を、普通車のみの6両編成に組み替えた編成である。
●N101編成は制御車に房総・総武特急で使用後、﹁あずさ﹂で運用されていたクハ183-1525・1528が組み込まれていた。これは臨時特急﹁はまかいじ﹂を当センターで担当することになった際、京浜東北線・根岸線へ乗り入れることからATC-6形搭載の必要があったためで、元々東京地下駅乗り入れ用にATC機器室を装備していた同番台車が松本車両センターから転入したものである。
●N104編成は大宮総合車両センターからの転属車であり、2013年7月30日から運行を開始した。なお、N104編成は﹁妙高﹂などの定期運行列車には充当されず、﹁あずさ﹂の臨時増発時など、主に臨時列車として用いられていたが、2015年3月に廃車となった。また、車体の老朽化および189系電車の余剰化に伴い、N103編成も同月に廃車となった。
●また、183系2両が組み込まれていた国鉄色のN101編成についても2015年5月17日のさよなら運転終了後に廃車[32]、183系は廃形式となった。
●2015年以降もN102編成が配置されていたが[28]、2019年3月ダイヤ改正で定期運用を離脱し、2019年6月25日付けで廃車[33]、配置が無くなるとともに、189系は廃形式となった。
70系・80系
クモヤ90形
●中央本線狭小トンネル対応車の800番台2両︵801・805︶が配置されていたが、1997年11月に廃車された。
クモヤ143形
●2022年8月2日までクモヤ143-52の1両が配置されていた。
●2018年3月17日付けで松本車両センターより転入[34]。
●篠ノ井線の冬季霜取り運用についていたが、現在は牽引車として構内の車両入れ換えを担当。
●2022年8月2日限りで検査満了に伴い除籍。以降は本線走行が不可能となったが、2022年10月現在も長野総合車両センター構内でのみ入換車両という位置付けで稼働している。
クモユニ143形
●2018年7月時点ではクモユニ143-1・3の2両が配置されていた。事業用︵牽引車代用︶。
●クモユニ143-3は、2018年8月4日付で除籍の上[35][36]、東京・大宮総合訓練センターの訓練機械に転用された。
●クモユニ143-1も、2019年10月15日付で廃車され[29]、クモユニ143形は廃形式となった。
115系
169系
381系
485系 彩(いろどり)
489系200番台
189系
クモヤ143-52
クモユニ143-1
気動車
編集
キハ58系
●1997年にキハ110系に置き換えられるまで、飯山線で運用されていた。
●塗色は、飯山線用の青と白を基本としたツートンカラーに、赤、橙色、黄色の三色の帯が斜めに入っていた。
●運用終了後は廃車解体された。
キハ52形
●1997年にキハ110系に置き換えられるまで、飯山線で運用されていた。
●運用終了後は新津運輸区に転出し、米坂線や磐越西線など新潟支社管内で運用された。
機関車
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DD16形ディーゼル機関車
●11号機が配置されていたが、キヤE195系やHB-E300系の台頭と老朽化により2021年12月27日付で廃車となった[37]。これにより、DD16形はJR東日本では廃形式となった。
●主に小海線や飯山線などの非電化区間で臨時列車や工事臨時列車の牽引に充当された。
DD16 11
客車
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12系
●波動用の座席車と、簡易お座敷車、そして正規お座敷列車のジョイフルトレイン﹁白樺﹂が配置されていた。
●﹁白樺﹂は当センターの工場部門の前身である長野工場で、1983年に改造されたものである。
●﹁白樺﹂は1995年に後継車として登場した14系﹁浪漫﹂に置き換えられ引退、1996年に廃車された。
14系
●波動用の座席車と、お座敷列車のジョイフルトレイン﹁浪漫﹂が配置されていた。
●﹁浪漫﹂は当センターの前身である長野総合車両所で1995年に改造されたもので、両端車にガラス張りの展望室を備えた。
●﹁浪漫﹂は2007年に485系ジョイフルトレイン﹁彩︵いろどり︶﹂に置き換えられ引退、廃車された。
12系 白樺
14系 浪漫
長野総合訓練センター
編集長野総合訓練センター訓練線
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当センター南に併設される長野総合訓練センターは、鉄道車両の運転技術をはじめ、事故処理、連結作業、緊急時の対応などといった、乗務員に求められる技能を地上設備や車両を使用し実習するための施設である。
訓練線は、訓練用車両を留置するための基地線が3線、訓練走行をするための訓練線︵電化済み︶が東西に約300メートル敷設されている。東端には訓練用ホーム﹁あさま駅﹂が設置され、西端には﹁しなの駅﹂がそれぞれ設置されている。
訓練用機械には、京浜東北線で運用されていた209系電車の中間車︵モハ208-40・モハ209-40︶を先頭化改造した2両編成を使用し、他に車掌車と入換動車が使用されている。
1991年に訓練車が配置されてから2019年に現行の車両になるまでは専用の115系電車が3代にわたって使用されており、0番台のN00編成、300番台の2代目N00編成、1000番台のN15編成と推移している。
-
長野総合訓練センター(2022年12月4日)
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訓練用機械(2023年10月)
編成 | クモハ115形 | モハ114形 | クハ115形 | 使用年 |
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N00 | 1 | 1※ | 611 | 1991年 - 2002年 |
N00(2) | 326 | 362 | 392 | 2002年 - 2007年 |
N15 | 1074 | 1180 | 1222 | 2007年 - 2019年 |
- ※:車両番号はモヤ114-1
- N00編成(初代)のうちモヤ114-1は元モハ114-801、クハ115-611は元サハ115-1である。
長野スキルアップセンター
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ここでは実際の鉄道車両を車両に搭載される装置の可動部を直接見ることができるように改造したもので、車両部品や機器を扱う作業員に対する教育を中心に使用される。
●車両は京葉線で運用されていたクハ204-118を廃車後、長野色に塗装変更したものを使用。
●ドア稼働部はサハ209-556を解体後、稼働可能な状態に復元したものを使用。
クハ204-118(2023年10月)
サハ209-556ドア稼働部(2023年10月)
保存車
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当センターでは博物館等での保存が見込まれる車両や余剰となった車両を屋外留置線で保存している。下記は2023年10月現在、確認されている保存車である。
屋外留置される車両は通常時をはじめ、一般公開の際も非公開となっている。
屋外留置されている車両
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●クモハ115-1030︵休車︶
●高崎車両センターに所属する。
●T1040編成の水上・横川寄り制御電動車で2018年3月16日をもって引退し、同年6月に当センターへ回送された。前面の方向幕は埋められている。
●EF65 1104・1105︵廃車・休車︶
●1105のみ尾久車両センターに所属する。1104は2023年4月4日に除籍[38]。
●1104は2021年8月、1105は2022年2月に当センターへ回送された。
●クロ253-1︵廃車︶
●Ne-01編成の制御車︵グリーン車︶で、2010年7月にNe-09編成と共に長野総合車両センターへ回送された。
●クモユニ143-1︵廃車︶
●2019年10月まで当センターにて配置されていた。
●主に当センターから長野駅までの職員輸送と入れ換えで運用された。
●クハ189-510・9︵廃車︶
●落成から2019年の除籍まで当センターの生え抜きだった189系N102編成の両先頭車。
●ED60 1︵廃車︶
●本形式で唯一の現存車。
●DD16 11︵廃車︶
●マニ50-2241︵廃車︶
静態保存されている車両
編集-
115系T1040編成
-
EF65 1104
-
253系Ne-01編成
-
189系N102編成
-
クハ111-249
過去に屋外留置されていた車両(現在は解体済み)
編集- モハ188・189 - 32・40
- N102編成の中間車4両。
- クモヤ143-8・9
- ED62 1
- EF62 3
- EF63 15・19
- DD16 1・302
-
クモヤ143-9
-
EF62 3
その他エピソード
編集配置車両以外の車両留置
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当センターでは配置車両や検査入場以外での営業運転に使用される車両の留置も行っており、定期運用では篠ノ井線・信越本線等で運用される松本車両センター所属のE353系電車・E127系電車のほか、﹁特急しなの︵名古屋 - 長野間︶﹂で運用される東海旅客鉄道神領車両区所属の383系電車が乗り入れている。
臨時運用では、首都圏方面などからの団体臨時列車や臨時の﹁特急あずさ︵新宿 - 松本間︶﹂で運用されるE257系電車がある。
蒸気機関車の検査
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梅小路蒸気機関車館開設当初、保存蒸気機関車の整備は当センターの前身の一つである長野工場で行っており、多くの車両は最後の全般検査を長野工場で受けている。また、C51形239号機の外装復元も行なっている。その後、現役蒸気機関車の全廃に伴って長野工場での整備を終了し、営業継続機関車については鷹取工場に引き継がれた。鷹取工場の閉鎖後は梅小路運転区で整備が行われている。
回送線
編集2015年3月14日に北陸新幹線が金沢駅まで延伸したことに伴い、信越本線・長野駅 - 直江津駅間が経営分離されたが、長野駅から当センターまでを連絡する回送線は経営分離後のしなの鉄道北しなの線とは別に敷設されているため、経営分離の影響は受けていない。
車両製造
編集
長野工場時代は、車両を製造した実績があり、以下にそれを示す。
●D51形蒸気機関車 - 1938年︵昭和13年︶から長野工場で9両が製造された[14]。そのうち、1940年︵昭和15年︶3月に長野工場で製造した486号機は、1969年︵昭和44年︶10月の廃車後、当センターで静態保存されている[14]。
●DD16形ディーゼル機関車- 1971年︵昭和46年︶に長野工場で1,2号機を製造
●JR東日本107系電車 - 100番台を2両製造︵R9編成・ノックダウン生産︶
脚注
編集注釈
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(一)^ 当センターのように、車両工場と車両基地の機能を同じ敷地内でもつ車両基地は、JR東日本では新幹線総合車両センターや東京総合車両センターがあり、他にJR西日本網干総合車両所、東武鉄道南栗橋車両管区、相模鉄道かしわ台車両センターなどが該当する。なお、JR北海道の苗穂工場︵JR貨物苗穂車両所も含む︶も同じ敷地内に車両配置の基地があるが、そこは苗穂運転所という名称である。
(二)^ ﹁長﹂で始まる名称を持つ他区との区別のため。長万部機関区の区名札にも﹁長﹂は使われず、﹁万﹂の旧漢字である﹁萬﹂とされていた。
(三)^ abJR東日本テクノロジーHPの長野支店の事業所紹介では﹁JR東日本長野総合車両センター内で、在来線車両の定期検査、改造工事、ブレーキ部品・転落防止外ホロの製造、廃車解体などの業務を行っています。﹂と記載されている[15]。
出典
編集
(一)^ ab太田浩道 編﹁東日本旅客鉄道 長野総合車両センター 長ナノ﹂﹃JR電車編成表 2023夏﹄発行人 伊藤嘉道、交通新聞社︿ジェー・アール・アール編﹀、2023年5月18日、102-103頁。ISBN 978-4-330-02423-3。
(二)^ ab別冊付録‥﹁東日本旅客鉄道 電車 気動車 長野総合車両センター︹長野︺︵長ナノ︶﹂﹃鉄道ファン7月号付録JR旅客会社の車両配置表/JR車両のデータバンク 2023﹄第63巻7号︵通巻第747号︶、交友社、2023年7月1日、14 - 15頁。
(三)^ 第35期有価証券報告書42頁 (PDF) - 東日本旅客鉄道
(四)^ 浅野純一郎﹁戦前期に策定された地方都市の都市計画の施行経過とその連続性に関する研究 : 1930-1969年間の長野都市計画を対象として﹂﹃日本建築学会計画系論文集﹄第69巻第580号、日本建築学会、2004年、133-140頁、doi:10.3130/aija.69.133_3、ISSN 1340-4210、NAID 110004659774、2021年6月20日閲覧。
(五)^ abcdジェー・アール・アル編 (2016) (日本語). JR気動車客車編成表2016 . 交通新聞社. p. 223. ISBN 978-4330690162
(六)^ abジェー・アール・アール 編﹃JR電車編成表2023冬﹄交通新聞社、2022年11月22日、2頁。
(七)^ “おらが町の史跡・文化財”. 古牧地区住民自治協議会. 2021年2月11日閲覧。
(八)^ “長野市文化財データベース”. 長野市. 2021年2月11日閲覧。
(九)^ “長野市文化財データベース”. 長野市. 2021年2月11日閲覧。
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参考文献
編集- 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2013年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2013年版「製造部門を持つ鉄道工場 長野総合車両センターを見る」30-42P
関連項目
編集座標: 北緯36度39分28秒 東経138度12分53.6秒 / 北緯36.65778度 東経138.214889度