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核 抑 止 ︵ か く よ く し ︶ と は 、 対 立 す る 核 保 有 国 間 に お い て 、 核 兵 器 に よ る 報 復 の 意 思 と 能 力 を 信 憑 性 を も っ て 相 手 国 に 伝 達 し 、 そ れ を 認 識 さ せ る こ と が 、 互 い に 核 兵 器 の 使 用 を 意 図 的 に 躊 躇 す る 状 況 を 作 り 出 し 、 結 果 と し て 重 大 な 核 戦 争 ま た は 核 戦 争 に つ な が る 全 面 戦 争 が 回 避 さ れ る 、 と い う 考 え 方 で 、 核 戦 略 が 依 拠 す る 理 論 の 一 つ で あ る 。 核 抑 止 論 と も 呼 ば れ る 。
核 抑 止 は 2 つ の 意 味 を 持 つ 。 当 初 の 意 味 と し て は 、 核 保 有 国 と 非 核 保 有 国 の 間 に お い て 、 非 核 保 有 国 が 核 保 有 国 か ら の 核 攻 撃 を 避 け よ う と す る た め 、 非 核 保 有 国 か ら の 侵 攻 に よ る 戦 争 が 抑 止 さ れ る と い う も の で あ る 。 も う 一 つ は 1 9 6 0 年 代 以 降 に 確 立 し た 、 核 保 有 国 間 に お い て 、 双 方 が 核 兵 器 の 応 酬 に よ る 収 拾 し 難 い 壊 滅 的 な 結 果 を 避 け よ う と す る た め 、 自 制 的 と な り 核 の 使 用 が 抑 止 さ れ る と い う も の で あ る 。
前 者 の 戦 争 抑 止 に つ い て は 、 核 保 有 国 と 非 保 有 国 間 で 成 立 す る と 考 え ら れ た 。 こ れ は 冷 戦 初 期 の 、 ア メ リ カ の み が 核 保 有 国 で あ っ た こ ろ に 強 い 支 持 を 受 け た 。 事 実 、 ア メ リ カ は 核 戦 力 一 辺 倒 に 傾 倒 し 、 朝 鮮 戦 争 に お い て は 兵 力 に 不 自 由 す る ほ ど の 通 常 戦 力 の 減 勢 を 行 っ た 。
し か し 、 1 9 4 9 年 に ソ 連 が 原 爆 実 験 に 成 功 し て 以 降 、 米 ソ 両 国 は 核 戦 争 に 打 ち 勝 つ ︵ 国 家 を 破 滅 さ せ う る だ け の ︶ 核 戦 力 の 構 築 に 努 め た が 、 米 ソ 双 方 の 核 戦 力 が 相 互 の 国 家 を 破 壊 で き る だ け の 質 と 量 を 整 え た 1 9 6 0 年 代 以 降 は 、 い か に 国 家 の 破 滅 に 至 る 核 使 用 を 躊 躇 さ せ る 軍 事 的 ・ 経 済 的 状 況 を 維 持 す る か に シ フ ト し た 。 こ の 状 況 に お い て は 必 ず し も 戦 争 の 抑 止 は 目 的 と さ れ ず 、 ま た 戦 術 分 野 に 分 類 さ れ る 核 兵 器 の 使 用 を 否 定 す る こ と に も な ら な い 。
1 9 6 0 年 代 、 早 期 警 戒 衛 星 の 配 備 で 、 米 ソ 両 国 は 相 手 の 核 ミ サ イ ル 発 射 を よ り 早 く 的 確 に 察 知 で き る よ う に な っ た 。 こ れ に よ り 敵 の 核 ミ サ イ ル が 着 弾 す る 前 に 報 復 核 攻 撃 を 決 断 す る こ と が 可 能 に な っ た 。
相 互 確 証 破 壊 ︵ M u t u a l A s s u r e d D e s t r u c t i o n 、 M A D 、 1 9 6 5 年 ︶ は 最 も 知 ら れ た 核 抑 止 理 論 で 、 ロ バ ー ト ・ マ ク ナ マ ラ に よ っ て 発 表 さ れ た 。 元 は 確 証 破 壊 戦 略 ︵ A s s u r e d D e s t r u c t i o n S t r a t e g y 、 1 9 5 4 年 ︶ に 遡 る 。 米 ソ の 一 方 が 、 他 方 に 先 制 奇 襲 第 一 撃 を 企 図 し て も 、 生 残 核 戦 力 に よ る 報 復 第 二 撃 に よ っ て 、 攻 撃 国 に 耐 え 難 い 損 害 が 生 じ る た め 、 双 方 で 先 制 奇 襲 核 攻 撃 を 控 え ざ る を 得 な く な り 、 核 戦 争 を 抑 止 す る と い う ド ク ト リ ン で あ る 。
核 戦 力 も 通 常 戦 力 も 、 軍 事 力 に よ る 戦 争 抑 止 と 言 う 意 味 で は 手 段 に 過 ぎ な い た め 、 手 持 ち の 戦 力 を い か に 有 効 に 抑 止 力 に 転 化 さ せ る か と い う 観 点 か ら 、 核 抑 止 理 論 も 大 量 報 復 戦 略 ︵ ニ ュ ー ル ッ ク 戦 略 、 1 9 5 4 年 ︶ 、 柔 軟 対 応 戦 略 ︵ F l e x i b l e R e s p o n c e S t r a t e g y 、 1 9 6 1 年 ︶ 、 損 害 限 定 ︵ D a m a g e L i m i t a t i o n 、 1 9 6 4 年 ︶ 、 相 殺 戦 略 ︵ C o u n t e r v a i l i n g S t r a t e g y 、 1 9 8 0 年 ︶ 、 戦 略 防 衛 構 想 ︵ S t r a t e g i c D e f e n s e I n i t i a t i v e , S D I 、 1 9 8 3 年 ︶ な ど 、 時 代 や 技 術 発 展 を 受 け 変 化 し た 。
ソ 連 崩 壊 の 直 後 か ら ロ シ ア の 政 治 的 ・ 経 済 的 安 定 が 図 ら れ た 21 世 紀 ま で の 間 に 、 旧 ソ 連 の 核 関 連 技 術 の 流 出 が あ り 、 さ ら に は ア メ リ カ 一 極 化 へ の 対 抗 か ら 中 国 が 支 援 し た 事 も あ り 、 イ ラ ン 、 パ キ ス タ ン 、 北 朝 鮮 に お け る 核 拡 散 が 発 生 し た 。 こ れ ら は 冷 戦 期 の 米 ソ 二 極 対 立 に お け る 核 抑 止 と は 異 な る 核 保 有 ・ 核 兵 器 使 用 の 動 機 と な る た め 、 別 種 の 対 策 が 必 要 と な る 。
核抑止理論を使った政策や核戦略については「
核戦略 」を参照
抑止は大きく分けて2つあり、一つは「懲罰的抑止」、もう一つは「拒否的抑止」である。
懲 罰 的 抑 止 ︵ 英 : d e t e r r e n c e b y p u n i s h m e n t ︶ と は 、 相 手 国 の 第 一 撃 後 に 報 復 的 な 反 撃 を 行 え る 非 脆 弱 な 第 二 撃 能 力 を 構 築 す る こ と に よ り 、 相 手 国 に 利 得 に 見 合 わ な い 耐 え 難 い 損 害 が 生 じ る と 認 識 さ せ 、 そ の 挑 戦 の 意 思 を 挫 く 抑 止 で あ る 。 そ の た め 、 こ の 抑 止 で は 核 兵 器 は 存 在 す る だ け で よ く 、 対 価 値 報 復 能 力 の 非 脆 弱 性 が 重 要 と な る 。 相 互 確 証 破 壊 や ﹁ 核 の 傘 ﹂ は 、 こ の 懲 罰 的 抑 止 に 該 当 す る 。
拒否的抑止(英: deterrence by denial )とは、相手国の攻撃能力を無力化する第一撃能力や攻撃を阻止する防衛能力を構築し、相手国に、自国の受ける損害が限定的で目標達成が拒否されると認識させ、その挑戦の意思を挫く抑止である。そのため、核の使用を前提としない懲罰的抑止とは異なり、拒否的抑止では損害を限定して核戦争を遂行し勝利する態勢の構築により、逆説的に相手国の核使用を抑止する。その態勢は、対兵力攻撃能力やミサイル防衛、核シェルターなどから成り立つ。戦略防衛構想は、この拒否的抑止に該当する。
非核兵器保有国に対してであっても、核を使用した場合には同盟した核兵器保有国からの報復(核の傘)が機能する状況であるとしても、それでもなお核兵器の使用を抑制できない例として、次のケースが考えられる。
国 家 に 支 援 さ れ た テ ロ リ ス ト に よ る 核 テ ロ リ ズ ム は 、 2 0 0 0 年 代 の ア メ リ カ で 最 大 の 脅 威 だ と さ れ た 。 国 家 と 異 な り テ ロ リ ス ト に は 報 復 核 攻 撃 さ れ る 都 市 が な い の で 、 テ ロ リ ス ト が ア メ リ カ や 同 盟 国 の 都 市 で 核 兵 器 を 爆 発 さ せ る こ と を 核 戦 力 で 抑 止 で き な い と い う パ ラ ド ッ ク ス で あ る 。 冷 戦 期 型 の 懲 罰 的 な 核 抑 止 は 社 会 へ の 受 け 入 れ 難 い 損 害 の 脅 迫 に 基 づ く の で 、 明 確 な 社 会 を 持 た な い 非 対 称 な 非 国 家 主 体 相 手 に は 、 そ の ま ま 適 用 で き な い 。 そ の た め 非 国 家 主 体 に 対 し て は 、 通 常 戦 力 に よ る 精 密 攻 撃 や 斬 首 作 戦 、 ヒ ト ・ モ ノ ・ カ ネ の 移 動 制 限 に よ る 生 活 基 盤 の 破 壊 、 監 視 に よ る テ ロ の 未 然 阻 止 の 取 り 組 み な ど 、 拒 否 的 抑 止 も 含 め た 多 岐 に わ た る 手 段 で 抑 止 を 試 み る テ ー ラ ー ド 抑 止 が 考 え ら れ て い る 。
核 保 有 国 同 士 の 通 常 戦 力 に よ る 軍 事 衝 突 に お い て 、 敗 亡 寸 前 と な っ た 国 家 が 、 自 暴 自 棄 に あ る い は 、 局 面 の 打 開 を 目 的 と し て 合 理 的 に 核 を 使 用 す る 可 能 性 が あ る [ 2 ] 。 こ れ は 既 に 軍 事 的 に 劣 勢 で 敗 亡 寸 前 で あ る た め 、 失 う も の が な く 懲 罰 的 な 脅 迫 は 意 味 を な さ な い た め で あ る 。 な お 、 敗 亡 寸 前 の 国 家 で あ っ て も 、 国 家 体 制 そ の も の が 保 証 さ れ る の で あ れ ば 核 使 用 の 可 能 性 は 低 く 、 ま た 軍 事 的 に 優 勢 に な っ た 国 家 も 、 相 手 国 に よ る 核 使 用 を 恐 れ て 国 家 体 制 を 転 覆 す る ま で の 攻 勢 を 思 い と ど め る 可 能 性 が 高 い 。
な お ロ シ ア の 核 ド ク ト リ ン で は 核 使 用 の 条 件 の 一 つ を 、 国 家 が 存 立 の 危 機 に 瀕 し た 時 、 と し て い る [ 3 ] 。
ある核保有国の死活的国益を犯すような軍事的行動を他国がとった場合、その国家は比例原則を無視して対応する可能性があり、そこには核使用も含まれる[5] 。これは中国にとっての台湾が知られ、中国は台湾を「核心的利益」だとする声明を繰り返し発表している[6] [7] 。
国際司法裁判所 が1996年に「核兵器による威嚇とその使用は、武力紛争に関する国際法、とりわけ国際人道法に一般的に違反する」と勧告した[要出典 ] 。
● 核 抑 止 に よ る 平 和 は 、 ﹁ 相 手 に 核 攻 撃 さ れ る か も し れ な い ﹂ と い う ﹁ 相 互 不 信 ﹂ と ﹁ 恐 怖 ﹂ が 両 国 間 に 横 た わ り 、 互 い の 社 会 を 人 質 と し て 脅 迫 し あ っ た 中 で 保 た れ る の で 、 本 来 の 平 和 と は 大 き く 逸 脱 し て い る の で は な い か と い う 指 摘 [ 要 出 典 ] [ 誰 ? ] 。
● 核 抑 止 は 核 報 復 に よ る 脅 し で 成 立 す る が 、 相 手 国 の 第 一 撃 の 時 点 で 、 特 に 首 都 機 能 を 標 的 と さ れ た 場 合 は 、 甚 え が た い 損 害 が 発 生 す る 。 加 え て 、 揮 命 令 系 統 が 混 乱 す る の で 核 報 復 の 実 行 は 困 難 で は な い か と い う 指 摘 [ 要 出 典 ] [ 誰 ? ] 。
● 相 互 核 抑 止 に よ っ て 戦 略 レ ベ ル で 安 定 し て も 、 核 エ ス カ レ ー シ ョ ン に 至 ら な い 範 囲 で は 現 状 変 更 を 行 う こ と が で き る た め 、 か え っ て 通 常 戦 力 の レ ベ ル で 不 安 定 化 す る 。 [ 要 出 典 ] 。
使用された核兵器の量によっては核の冬 に繋がる可能性があり、核戦争に伴う周辺国の環境被害も考慮しなければならない[8] 。
自 国 に 対 す る 武 力 攻 撃 の 抑 止 を ﹁ 基 本 抑 止 ︵ 英 : b a s i c d e t e r r e n c e ︶ ﹂ と い い 、 同 盟 国 に 対 す る 武 力 攻 撃 の 抑 止 を ﹁ 拡 大 抑 止 ︵ 英 : e x t e n d e d d e t e r r e n c e ︶ ﹂ と い う 。 拡 大 抑 止 の 中 で 通 常 戦 力 を 用 い た も の を ﹁ 拡 大 通 常 抑 止 ︵ 英 : e x t e n d e d c o n v e n t i o n a l d e t e r r e n c e ︶ ﹂ 、 核 戦 力 を 用 い た も の を ﹁ 拡 大 核 抑 止 ︵ 英 : e x t e n d e d n u c l e a r d e t e r r e n c e ︶ ﹂ ま た は ﹁ 核 の 傘 ︵ 英 : n u c l e a r u m b r e l l a ︶ ﹂ と い う 。 拡 大 核 抑 止 は 、 ア メ リ カ ま た は ロ シ ア ︵ 1 9 9 1 年 以 前 は ソ 連 ︶ が 、 同 盟 国 に 対 す る 第 三 国 か ら の 武 力 攻 撃 に は 報 復 核 攻 撃 を 行 う と い う 威 嚇 に よ っ て 、 第 三 国 の 武 力 攻 撃 の 意 図 を 挫 折 さ せ る 試 み で あ り 、 冷 戦 が 終 わ っ た 現 在 で も 存 在 し て い る 。
一 般 に 基 本 抑 止 に 比 べ 、 拡 大 抑 止 に は 信 憑 性 が 伴 い に く い と さ れ [ 要 出 典 ] 、 信 頼 性 の 論 議 は 米 ソ 冷 戦 時 代 か ら 存 在 す る [ 1 1 ] 。 冷 戦 時 代 に 米 ソ 両 国 か ら ﹁ 報 復 を し な い ﹂ と い う 言 質 を 取 れ る 国 家 は 存 在 し な か っ た 。 ア メ リ カ 政 府 は 公 式 に は 同 盟 国 へ の 拡 大 抑 止 を 一 度 も 否 定 し た こ と は 無 く 、 今 後 も 拡 大 抑 止 を 維 持 す る こ と を 再 三 明 言 し て い る [ 要 出 典 ] 。 し か し 、 そ れ は 同 盟 国 や 仮 想 敵 国 に 対 す る 外 交 戦 略 と し て の 政 治 的 ア ピ ー ル で あ る と さ れ る [ 要 出 典 ] 。 特 に 拡 大 核 抑 止 の 場 合 、 も し 同 盟 国 が 核 攻 撃 を 受 け た 際 に 、 ア メ リ カ が 自 国 の 損 害 と 全 面 戦 争 の 危 険 性 を 覚 悟 し て 、 実 際 に 報 復 核 攻 撃 を 選 択 す る の か に つ い て ﹁ ニ ュ ー ヨ ー ク を 犠 牲 に し て パ リ を 守 る の か ﹂ と 実 効 性 に 疑 問 が し ば し ば 提 起 さ れ る [ 1 2 ] 。
湾 岸 戦 争 に お い て パ ト リ オ ッ ト ミ サ イ ル が 政 治 的 に 大 き な 効 果 を 上 げ 、 ア メ リ カ が そ れ 以 来 ミ サ イ ル 防 衛 に 熱 心 な こ と も ﹁ ア メ リ カ は 報 復 義 務 を 怠 り 、 そ の 代 わ り パ ト リ オ ッ ト ミ サ イ ル 派 遣 で 済 ま す つ も り で は な い か ? ﹂ と い う 疑 念 を 増 幅 さ せ て い る [ 要 出 典 ] 。
● ア メ リ カ の 核 の 傘 に 対 す る 否 定 的 な 考 え は 、 ア メ リ カ の 政 治 家 や 学 者 か ら も 出 て い る [ 1 3 ] [ 誰 ? ] 。 ア メ リ カ の 核 の 傘 へ の 否 定 意 見 の 根 拠 は 、 直 接 ア メ リ カ 政 府 高 官 に イ ン タ ビ ュ ー し た 経 験 や 、 意 見 交 換 し た 経 緯 な ど を 基 に し て い る [ 要 出 典 ] 。
● 元 ア メ リ カ 国 務 長 官 の ヘ ン リ ー ・ キ ッ シ ン ジ ャ ー は ﹁ 超 大 国 は 同 盟 国 に 対 す る 核 の 傘 を 保 証 す る た め 自 殺 行 為 を す る わ け は な い ﹂ と 語 っ た [ 要 出 典 ] 。
● C I A 長 官 を 務 め た ス タ ン ス フ ィ ー ル ド ・ タ ー ナ ー [ 1 4 ] は ﹁ も し ロ シ ア が 日 本 に 核 ミ サ イ ル を 撃 ち 込 ん で も 、 ア メ リ カ が ロ シ ア に 対 し て 核 攻 撃 を か け る は ず が な い ﹂ と 断 言 し た [ 要 出 典 ] 。
● 元 国 務 次 官 補 の カ ー ル ・ フ ォ ー ド は ﹁ 自 主 的 な 核 抑 止 力 を 持 た な い 日 本 は 、 も し 有 事 の 際 、 米 軍 と 共 に 行 動 し て い て も ニ ュ ー ク リ ア ・ ブ ラ ッ ク メ ー ル ︵ 核 に よ る 脅 迫 ︶ を か け ら れ た 途 端 、 降 伏 ま た は 大 幅 な 譲 歩 の 末 停 戦 に 応 じ な け れ ば な ら な い ﹂ と い っ た [ 要 出 典 ] 。
● 以 下 の ア メ リ カ の 要 人 が 、 ア メ リ カ の 核 の 傘 を 否 定 す る 発 言 を し て い る [ 要 出 典 ] 。
● サ ミ ュ エ ル ・ P ・ ハ ン テ ィ ン ト ン ︵ ハ ー バ ー ド 大 学 比 較 政 治 学 教 授 ︶
● マ ー ク ・ カ ー ク ︵ 連 邦 下 院 軍 事 委 メ ン バ ー ︶
● ケ ネ ス ・ ウ ォ ル ツ ︵ 国 際 政 治 学 者 、 カ リ フ ォ ル ニ ア 大 学 バ ー ク レ ー 校 名 誉 教 授 ︶
● エ ニ ・ フ ァ レ オ マ バ エ ガ ︵ 下 院 外 交 委 ・ ア ジ ア 太 平 洋 小 委 員 会 委 員 ︶
● 核 報 復 を 想 定 し て も な お 自 国 の 被 害 を 顧 み な い 独 裁 者 が 存 在 す る こ と も 想 定 さ れ る 。
● 1 9 7 0 年 代 、 欧 州 に お い て ア メ リ カ の 拡 大 抑 止 の 信 頼 性 に 対 す る 論 争 が あ っ た 。 1 9 7 2 年 、 ソ 連 は 中 距 離 弾 道 ミ サ イ ル の S S - 2 0 を 配 備 し 、 こ れ は 欧 州 に と っ て 脅 威 と な っ た 。 ア メ リ カ が ﹁ 欧 州 が 核 攻 撃 さ れ て も 、 ソ 連 に 対 し 復 核 報 攻 撃 を 行 う ﹂ と 説 得 し た も の の 、 欧 州 諸 国 は こ れ ま で よ り 強 い 核 の プ レ ゼ ン ス と 、 同 等 の 中 距 離 弾 道 ミ サ イ ル を 欧 州 に 配 備 す る よ う 求 め 、 パ ー シ ン グ II が 欧 州 各 国 に 配 備 さ れ [ 1 1 ] 、 米 国 は 拡 大 核 抑 止 の 信 頼 性 を 上 げ よ う と し た [ 1 5 ] 。
2016年に行われたアメリカ国家安全保障会議 の机上演習において、ロシアがバルト三国への侵攻で核兵器を使用した場合、1度目の演習では通常戦力で報復を行い、2度目の演習ではロシアの同盟国であるベラルーシに核攻撃を行ったとされ、非核戦力での報復も実際に選択された[16] 。
こ れ に 対 し 、 ア メ リ カ に よ る ﹁ 核 の 傘 ﹂ の 提 供 は 、 ア メ リ カ を 盟 主 と す る 一 大 同 盟 の 存 続 理 由 で も あ り 、 た と え ニ ュ ー ヨ ー ク が 消 え よ う が ワ シ ン ト ン が 吹 き 飛 ば さ れ よ う が 、 ア メ リ カ が ﹁ 核 の 傘 ﹂ を 提 供 す る と 明 言 し た 以 上 、 報 復 核 攻 撃 は 行 わ れ る と す る 説 も あ る [ 要 出 典 ] 。 な ぜ な ら ば 、 ア メ リ カ が 報 復 核 攻 撃 を 行 わ な か っ た 場 合 に は 、 ア メ リ カ の 国 際 社 会 に お け る 権 威 が 失 墜 し 、 ア メ リ カ を 盟 主 と す る 同 盟 が 事 実 上 解 体 の 危 機 に 晒 さ れ る な ど 、 ア メ リ カ の 政 治 的 利 益 の 損 失 が 甚 大 だ か ら で あ る 。 言 い 換 え れ ば 、 同 盟 国 に 対 す る 核 攻 撃 は ア メ リ カ の 国 際 社 会 に お け る 覇 権 に 対 す る 挑 戦 で あ る の で 、 ア メ リ カ は 同 国 の 利 益 の た め に 報 復 核 攻 撃 を 行 う で あ ろ う と す る 説 で あ る 。 し か し 、 こ の よ う な 覇 権 維 持 の た め の 軍 事 報 復 は 核 兵 器 に よ ら ず と も 可 能 で あ り 、 核 に よ る 直 接 報 復 の 必 要 性 は 無 い と も 言 え る [ 要 出 典 ] 。
ある国が本当に核兵器によって反撃してくるかという「拡大抑止」問題をゲーム理論 でとらえると、その国自身を含めて関係当事国が「その国が核によって反撃するかしないか」本当の答えを知らない、または起こってみないとわからないという点では、その国が核による反撃を行なえばそれを受ける国は壊滅的な被害が予想されるので、その国の同盟国を核攻撃するというリスクに賭ける選択は期待値としてのデメリットが大きいため選択肢から外され、ある程度の抑止になっている、という考えもある。
冷戦期は米ソ両大国が膨大な数の核兵器と運搬手段を生産し、巨大な核報復システムを構築した。目的はまず核攻撃を抑止すること、そして抑止が崩れて攻撃を受けた場合でも相手国を滅ぼすだけの核戦力を生残させ、報復するというものであった。
しかし冷戦終結によって核報復システムそのものを従来どおりの用途機能で維持する必要性は薄れた。
ア メ リ カ の 場 合 は 1 9 9 3 年 の ボ ト ム ア ッ プ レ ヴ ュ ー で 示 さ れ ﹁ 同 時 に 発 生 す る 2 箇 所 で の 大 規 模 紛 争 に 対 応 す る ﹂ 規 模 に ま で 削 減 さ れ る こ と に な る 。 ボ ト ム ア ッ プ レ ヴ ュ ー を 受 け て 1 9 9 4 年 に 議 会 に 提 出 さ れ た ﹁ 核 態 勢 の 見 直 し ﹂ ︵ N P R ︶ は 、 中 国 と ロ シ ア を 対 象 と し た ま ま 、 い わ ゆ る “ な ら ず 者 国 家 ” と 大 量 破 壊 兵 器 を 抑 止 す る こ と が 盛 り 込 ま れ 、 ま た 国 家 に 支 援 さ れ な い テ ロ リ ス ト の 核 に は 抑 止 が 効 か な い こ と を 承 認 し た 。 1 9 9 7 年 、 大 統 領 の ビ ル ・ ク リ ン ト ン は 大 統 領 決 定 指 令 60 ︵ P D D 6 0 ︶ に 署 名 し た 。 こ れ は レ ー ガ ン 政 権 で の 大 統 領 決 定 司 令 の 内 容 、 す な わ ち ﹁ ソ ビ エ ト と の 長 期 ︵ 6 ヶ 月 ︶ の 核 戦 争 を 戦 い 抜 き 、 勝 利 す る ﹂ と い う 戦 略 を 放 棄 し た も の で あ る 。 最 盛 期 に 7 万 発 を 数 え た 核 弾 頭 を 、 2 0 0 1 年 の 戦 略 兵 器 削 減 交 渉 で ブ ッ シ ュ が ロ シ ア 大 統 領 の プ ー チ ン に 提 案 し た 1 , 7 0 0 〜 2 , 2 0 0 発 前 後 ま で 削 減 す る と い う 話 は 、 そ の 後 の 2 0 0 2 年 5 月 の モ ス ク ワ 条 約 で ﹁ 両 国 の 戦 略 核 弾 頭 の 配 備 数 を 2 0 1 2 年 ま で に 1 , 7 0 0 〜 2 , 2 0 0 発 ま で 削 減 す る ﹂ と 明 文 化 さ れ て 形 と な っ た が 、 2 0 0 7 年 現 在 で の ア メ リ カ 国 内 の 動 き で は 、 ア メ リ カ エ ネ ル ギ ー 省 の N P R 0 2 ︵ 核 兵 器 再 考 作 業 ︶ で ﹁ 2 0 1 2 年 ま で に I C B M 用 で 2 , 0 8 5 〜 9 7 0 発 、 S L B M 用 M I R V で 3 , 6 0 0 〜 2 , 1 0 0 発 ま で 削 減 す る ﹂ [ 8 ] と さ れ て お り 、 今 で も モ ス ク ワ 条 約 が 有 効 で あ る か は 不 明 で あ る 。
し か し 、 こ れ は 核 抑 止 体 制 の 放 棄 を 目 標 と す る も の で は な く 、 I C B M 、 弾 道 ミ サ イ ル 原 潜 に よ る 同 盟 国 へ の 核 の 傘 の 提 供 同 様 引 き 続 き 維 持 さ れ 、 な ら ず 者 国 家 を 対 象 に 使 用 さ れ る 地 中 貫 通 核 爆 弾 の 開 発 も 継 続 さ れ る 。 そ の 開 発 の た め に 核 実 験 を 必 要 と す る ア メ リ カ は C T B T を 批 准 し て い な い 。
ア メ リ カ は N A T O 諸 国 と 核 兵 器 の 共 同 保 有 、 い わ ゆ る 核 共 有 を 行 っ て い る 。
イ ギ リ ス は 核 兵 器 の 政 治 的 価 値 そ の も の を 認 め て い る た め 、 こ れ を 放 棄 す る に は 至 っ て い な い 。 し か し 仮 想 敵 の 消 失 に 伴 い 質 量 と も に 削 減 を 続 け て お り 、 1 9 9 8 年 に ﹁ 戦 略 防 衛 見 直 し ﹂ に お い て 保 有 弾 頭 数 を 3 0 0 か ら 2 0 0 以 下 に 削 減 す る こ と を 決 定 、 首 相 の ブ レ ア は S T A R T の 進 展 に 関 わ ら ず 削 減 を 進 め る と し た 。 同 年 、 空 軍 が 核 兵 器 の 運 用 を 停 止 。 海 軍 は ヴ ァ ン ガ ー ド 級 S S B N 4 隻 を 運 用 し て い る が 、 ア メ リ カ か ら 導 入 し た ト ラ イ デ ン ト S L B M は 最 大 12 個 の 再 突 入 体 を 搭 載 可 能 な と こ ろ を 3 発 に 制 限 、 1 隻 あ た り ト ラ イ デ ン ト 16 基 で 最 大 48 発 と し て い る 。
こ の 最 後 の 核 兵 器 シ ス テ ム で あ る ト ラ イ デ ン ト シ ス テ ム が 2 0 1 0 年 に 寿 命 を 迎 え る 事 か ら 、 更 新 の 可 否 に よ っ て 核 廃 絶 を 行 う 最 初 の 核 兵 器 国 に な る 可 能 性 も あ っ た が 、 2 0 0 7 年 に “ 与 党 で あ る 労 働 党 の 反 対 を 野 党 の 保 守 党 が 覆 す ” こ と で 更 新 に 必 要 な 予 算 案 2 0 0 億 ポ ン ド ︵ 約 4 兆 5 0 0 0 億 円 ︶ が 可 決 さ れ 、 2 0 5 0 年 こ ろ ま で 核 兵 器 が 運 用 さ れ る こ と と な っ た 。
か つ て 中 国 の 核 戦 力 が 旧 式 の 固 定 式 I C B M で あ り な が ら 一 定 の 有 効 性 を 持 ち え た の は 、 A B M の 能 力 が 限 定 的 で 、 先 制 攻 撃 の 効 果 が 不 確 実 で あ る か ら で あ り 、 そ の 状 況 下 で あ れ ば 、 中 国 の 弾 道 弾 は 阻 止 さ れ る 事 が 無 い が 故 に ア メ リ カ に ︵ ソ 連 に 対 し て も ︶ 損 害 見 積 も り を 突 き つ け ら れ る か ら で あ る 。
中 国 は 現 在 軍 事 支 出 世 界 2 位 14 兆 円 の 国 で 軍 事 支 出 面 で は ロ シ ア を 抜 き 旧 ソ 連 に 近 づ き つ つ あ る が 、 軍 拡 が 完 了 す る ま で は ア メ リ カ 本 土 に 大 量 の 核 を 向 け ア メ リ カ に 敵 視 さ れ る こ と を 慎 重 に 避 け て い る こ と 、 核 戦 力 が 通 常 戦 力 ほ ど 柔 軟 に 使 え な い 事 、 通 常 戦 力 に よ る 台 湾 併 合 能 力 構 築 を 優 先 し て い る 事 、 の た め 旧 ソ 連 ほ ど の 核 戦 力 の 量 的 拡 大 は 追 求 し て お ら ず 、 近 代 化 で 、 ﹁ ア メ リ カ の 先 制 攻 撃 か ら 生 き 延 び ら れ る 生 残 性 の 高 い 少 数 の 報 復 核 戦 力 ﹂ に よ り 対 米 相 互 確 証 破 壊 を 構 築 す る 事 を 目 指 し て い る 。
● 旧 式 の 液 体 燃 料 方 式 の I C B M で あ る 東 風 5 号 は 、 横 穴 か ら 引 き 出 し て 直 立 さ せ て か ら 燃 料 を 注 入 し て 発 射 す る 場 合 ︵ 横 置 き 状 態 で 燃 料 常 時 充 填 し て お き 直 立 さ せ よ う と す る と 重 量 に よ り タ ン ク 破 壊 を 招 く ︶ 、 衛 星 に よ る 監 視 で 燃 料 注 入 を 察 知 し た ア メ リ カ に よ る ミ ニ ッ ト マ ン の 先 制 攻 撃 に よ り 発 射 前 に 破 壊 さ れ る 危 険 性 が あ っ た の で 、 一 定 期 間 燃 料 を 入 れ っ ぱ な し に で き る 直 立 サ イ ロ の 建 設 を 徐 々 に 進 め て い た 。 最 近 で は 、 衛 星 で 監 視 で き な い 移 動 式 で 、 燃 料 注 入 不 要 で 即 応 発 射 で き る 固 体 燃 料 方 式 の I C B M で あ る 東 風 31 号 A へ の 更 新 が 進 み つ つ あ り 、 M I R V 化 し た 東 風 41 号 の 開 発 も 進 ん で お り 、 両 型 あ わ せ て 1 0 0 - 1 5 0 基 配 備 す る 計 画 と の 事 で あ る 。
● 中 国 初 の S S B N 夏 型 原 子 力 潜 水 艦 は 稼 働 率 が 低 い 上 に 1 隻 し か な く 、 搭 載 す る 巨 浪 1 号 の 射 程 が 2 5 0 0 k m し か な い た め 味 方 空 軍 の 勢 力 圏 外 の ハ ワ イ 以 東 ま で 進 出 せ ざ る を 得 ず 、 し か も 騒 音 が 大 き か っ た の で 発 射 位 置 に 到 着 す る 前 に 発 見 さ れ て 撃 沈 さ れ る 可 能 性 が 高 く 、 実 用 核 戦 力 と い う よ り 習 作 の 色 彩 が 濃 い も の で あ っ た 。 晋 型 原 子 力 潜 水 艦 5 隻 へ の 更 新 が 進 行 中 で あ る が 、 晋 型 原 子 力 潜 水 艦 の 搭 載 す る 巨 浪 2 号 は 射 程 8 0 0 0 k m で 中 国 近 海 か ら で も ア メ リ カ 本 土 を 攻 撃 で き る 上 、 ロ シ ア の ル ー ビ ン 研 究 所 か ら の 技 術 導 入 で 静 粛 性 が 飛 躍 的 に 向 上 し て お り 生 残 性 の 高 い 報 復 核 戦 力 に な っ て い る 。
2 0 0 7 年 1 月 に A S A T 実 験 を 行 っ た の は 、 主 に ア メ リ カ に 対 す る MD 導 入 へ の 牽 制 で あ る か 、 ア メ リ カ の ネ ッ ト ワ ー ク 戦 の 要 で あ る G P S シ ス テ ム の 崩 壊 能 力 を 示 威 し た も の か 、 ま た は 本 気 で 将 来 、 大 量 に 衛 星 破 壊 を 行 な う 兵 器 シ ス テ ム を 構 築 す る つ も り が あ る の か 、 2 0 0 7 年 末 現 在 は 判 ら な い が 、 不 意 に 飛 来 し て く る ミ サ イ ル の 小 さ な 弾 頭 を 迎 撃 す る MD よ り は 、 一 定 の 低 軌 道 を 飛 ぶ 脆 弱 な 一 定 数 の 軍 事 衛 星 を 好 き な 時 と 場 所 で 攻 撃 す る A S A T の 開 発 ・ 運 用 の ほ う が よ り 現 実 的 で あ る 。 軍 事 衛 星 を す べ て 失 え ば 米 軍 は 有 効 な 攻 撃 が 不 可 能 に な る [ 8 ] 。 た だ し 大 規 模 な 宇 宙 空 間 で の 破 壊 行 為 は ケ ス ラ ー ・ シ ン ド ロ ー ム を 招 く た め に 、 世 界 的 批 判 に 曝 さ れ る リ ス ク が あ る こ と は 、 中 国 も 2 0 0 7 年 1 月 の 実 験 で 理 解 し て い る は ず で あ る 。
ロ シ ア は 原 油 高 に よ る 資 源 輸 出 ︵ 輸 出 総 額 の 8 0 % ︶ に よ る 経 済 の 好 調 ︵ 6 % ⁄ 年 の 経 済 成 長 ︶ に よ っ て 軍 事 的 に も 復 調 し て い る が 、 ア メ リ カ と 全 面 対 決 で き る 国 力 や 戦 力 規 模 で は な く 、 保 有 す る 核 戦 力 は 共 産 党 時 代 ︵ ソ 連 ︶ の 遺 産 に 頼 る 部 分 が 大 き い 。
2 0 0 0 年 に 策 定 さ れ た ﹁ ロ シ ア 連 邦 軍 事 ド ク ト リ ン ﹂ は 核 の 使 用 に つ い て ﹁ 核 兵 器 な ど が 使 用 さ れ た 場 合 の み な ら ず 、 ロ シ ア の 国 家 的 安 全 に と っ て 重 大 な 状 況 下 で の 通 常 兵 器 を 使 用 す る 大 規 模 侵 攻 に 対 す る 報 復 な ど の た め 、 使 用 す る 権 利 を 留 保 す る ﹂ と し て い る 。 ロ シ ア 政 府 は 先 制 不 使 用 の 原 則 は 維 持 さ れ る し 、 核 兵 器 を 政 治 的 抑 止 力 と す る 戦 略 に 変 更 は 無 い と 説 明 し て い る が 、 ブ ッ シ ュ 政 権 の 核 の 先 制 使 用 の 宣 言 に 対 抗 す る も の で ﹁ 核 の 使 用 に つ い て は 、 他 の す べ て の 危 機 解 決 手 段 が 尽 き る か 効 果 が 無 い と 判 明 し た 場 合 に は 使 用 で き る ﹂ と も し て い る 。
2 0 0 1 年 の 大 統 領 で あ る ブ ッ シ ュ Jr ・ プ ー チ ン 両 氏 の 会 談 で 対 テ ロ 戦 争 に つ い て 協 議 さ れ 、 翌 2 0 0 2 年 に は S O R T に も 合 意 、 戦 略 核 弾 頭 数 を 1 7 0 0 〜 2 2 0 0 発 に 削 減 す る こ と が 決 ま っ て い る 。 ま た 、 2 0 0 3 年 に 提 出 さ れ た 軍 事 ド ク ト リ ン で は ロ シ ア な ら び に 同 盟 国 に 対 す る 圧 力 や 攻 撃 に 対 し て ﹁ 戦 略 的 抑 止 力 を 個 別 限 定 的 に 使 用 す る こ と を 検 討 す る ﹂ と し て お り 、 ア メ リ カ 同 様 に 核 兵 器 に よ る 抑 止 か ら 使 用 に シ フ ト し て い る が 、 C T B T は 批 准 し て い る 。 な お ロ シ ア は 核 弾 頭 を 保 管 可 能 な 状 態 と す る ア メ リ カ に 同 調 し て お り 、 戦 略 兵 器 と し て カ ウ ン ト さ れ な い 核 弾 頭 も ﹁ ロ シ ア 軍 の 土 台 と し て 残 る ﹂ と プ ー チ ン も 発 言 し て い る 事 か ら 、 核 兵 器 用 の 放 射 性 物 質 が 核 兵 器 と し て 使 用 さ れ な い よ う に す る 、 あ る い は 民 生 用 途 に 転 用 す る た め の 何 ら か の 処 理 を 受 け て い る わ け で は な い ︵ S O R T は 核 兵 器 の 削 減 は 求 め て も 廃 棄 を 定 め て は い な い ︶ 。
北 朝 鮮 は ﹁ ア メ リ カ の 侵 略 戦 争 の 危 険 性 が 現 実 化 し て い る 状 況 で ︵ 実 験 用 ︶ 黒 鉛 減 速 炉 に よ る 核 活 動 の 用 途 を 変 更 し 、 自 衛 的 な 核 抑 止 力 を 保 有 す る よ う に な っ た ﹂ と 言 明 し て い る 。
し か し 、 北 朝 鮮 は 、 中 国 の 8 倍 、 2 0 0 基 以 上 の ノ ド ン 準 中 距 離 弾 道 ミ サ イ ル を 日 本 向 け に 配 備 し て お り 、 十 数 ヶ 所 の 在 日 米 軍 基 地 に 対 す る 自 衛 的 抑 止 力 と 言 う に は 多 す ぎ る 。 3 8 ° 線 の 戦 車 を 旧 式 の ま ま 据 え 置 い て ま で ノ ド ン に 資 金 を 投 入 し 2 0 0 基 も 揃 え る 理 由 は 抑 止 力 で は 説 明 が 付 か な い ︵ た だ し 、 2 0 0 基 全 て が 核 弾 頭 装 備 と い う わ け で は な く 、 北 朝 鮮 の ミ サ イ ル 搭 載 可 能 な 核 弾 頭 数 は 2 0 1 3 年 時 点 の 見 積 も り で 23 個 で あ る ︶ 。
そ の た め 、 北 朝 鮮 は 、 核 を 手 段 と し た ﹁ 金 王 朝 ﹂ に よ る 朝 鮮 半 島 統 一 の 選 択 肢 を 捨 て て お ら ず 、 日 米 両 国 に 核 ミ サ イ ル を 突 き つ け て 介 入 を 阻 止 す る 意 向 で は な い か と 観 測 す る 専 門 家 も い る [ 1 8 ] 。
北 朝 鮮 の 唱 え る ﹁ 自 衛 的 な 抑 止 力 ﹂ に 何 故 2 0 0 基 も の 日 本 向 け ノ ド ン が 必 要 な の か 明 確 な 公 式 説 明 は な さ れ て い な い ︵ ﹁ ア メ リ カ の 北 朝 鮮 核 攻 撃 に 、 ア メ リ カ 諸 都 市 で は な く 日 本 の 諸 都 市 へ の 報 復 攻 撃 で 応 え る の が 北 朝 鮮 の 抑 止 戦 略 な の で は な い か ﹂ と い う 観 測 も 有 る ︶ 。
ま た 、 北 朝 鮮 当 局 が 運 営 に 関 わ る 組 織 ﹁ わ が 民 族 同 士 ﹂ が ﹁ わ れ わ れ に は 、 世 界 が 見 た こ と も 聞 い た こ と も な い 現 代 的 武 器 が あ り 、 そ れ は 単 な る 見 せ か け で は な い ﹂ な ど と 主 張 す る 動 画 を イ ン タ ー ネ ッ ト 上 に 公 開 し た 事 が あ る が 、 こ れ は 放 射 線 強 化 型 の 原 爆 で は な い か 、 と い っ た 指 摘 が あ る 。
慶 応 義 塾 大 学 名 誉 教 授 の 小 此 木 政 夫 に よ れ ば 、 北 朝 鮮 の 核 ド ク ト リ ン は 戦 術 核 と 戦 略 核 の 同 時 開 発 を 行 う も の で あ り [ 1 9 ] 、 ﹁ 通 常 兵 器 に 向 け ら れ て い た 資 本 を 核 開 発 や 経 済 活 動 に ﹂ 向 け た こ と で ﹁ 通 常 兵 器 が 使 え な く な っ て い る ﹂ と 推 測 し て お り [ 2 0 ] 、 武 力 衝 突 が 発 生 し た 場 合 は 核 兵 器 を ﹁ 使 用 せ ざ る を 得 な い と い う 状 況 ﹂ に あ り ﹁ 北 朝 鮮 に と っ て も 、 危 険 な 選 択 だ け が あ る と い う 状 況 ﹂ だ と し て い る [ 2 0 ] 。
2009年 2月2日 、朝鮮人民軍総参謀部は朝鮮半島非核化について「核兵器を保有する当事者が同時に核軍縮を実現する道しかない。南朝鮮での核兵器生産と搬入、その配備と利用、南朝鮮とその周辺地域で我々に加えられるすべての核脅威に対する根源的な清算を目標とする朝鮮半島全域の非核化である」などの見解を表明する[21]
個々の詳細は当該記事を参照のこと。
SALT I :1969年より交渉開始、1972年5月妥結
ABM制限条約 :1972年締結、2002年、アメリカの脱退で無効化
SALT II :1979年に調印したがアメリカ議会の批准拒否により1985年に期限切れ失効
INF全廃条約 :1987年調印、1998年発効、1991年廃棄完了
START I :1991年調印、1994年批准、2001年削減完了
START II :1993年に調印したが双方は実行せず
START III(第三次戦略兵器削減条約):1999年交渉開始するも進展せず
モスクワ条約 (SORT):2002年締結、2012年を削減期限としていた
新START :2010年調印、2011年発効
消極的安全保障として非核兵器地帯 がある。
非核兵器地帯条約
その他の非核兵器地帯