迦陵頻伽
迦陵頻伽︵かりょうびんが、迦陵頻迦、迦陵嚬伽︶は上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物。サンスクリットのカラヴィンカ︵kalaviṅka︶の音訳。﹃阿弥陀経﹄では、共命鳥とともに極楽浄土に住むとされる。
殻の中にいる時から鳴きだすとされる。その声は非常に美しく、仏の声を形容するのに用いられ、﹁妙音鳥﹂、﹁好声鳥﹂、﹁妙声鳥﹂、﹁逸音鳥﹂、﹁妙声鳥﹂とも意訳される。また、日本では美しい芸者や花魁︵おいらん︶、美声の芸妓を指してこの名で呼ぶこともあった。
一般に、迦陵頻伽の描かれた図像は浄土を表現していると理解され、同時に如来の教えを称えることを意図する。中国の仏教壁画などには人頭鳥身で表されるが、日本の仏教美術では、有翼の菩薩形の上半身に鳥の下半身の姿で描かれてきた。敦煌の壁画には舞ったり、音楽を奏でている姿も描かれている。