実在論(読み)ジツザイロン(英語表記)realism

翻訳|realism

デジタル大辞泉 「実在論」の意味・読み・例文・類語

じつざい‐ろん【実在論】

 
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精選版 日本国語大辞典 「実在論」の意味・読み・例文・類語

じつざい‐ろん【実在論】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 認識論の考え方で、意識・主観とは異なった独立の客観的存在を認め、それを正しい認識の対象または基準とするもの。知覚や経験の内容をそのまま実在と考える素朴実在論をはじめとして、色・かおりなどの主観的知覚の背後に物理的実在を考えるロックの科学的実在論、カントの経験的実在論、ラシュリエの唯心論的実在論、イギリスの新実在論、アメリカの批判的実在論など、時代的・地域的にさまざまの立場がある。リアリズム。
    1. [初出の実例]「実在論とは天地間の万事万物は皆真実に存在すと云ふ者なり」(出典:自識録(1900)〈西村茂樹〉)
  3. じつねんろん(実念論)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「実在論」の意味・わかりやすい解説

実在論
じつざいろん
realism


realism()

1 ()()

2 ()

3 1920AN

4 20The New Realism19126Essays in Critical Realism19207()

 宿()

 (1)(2)(3)


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改訂新版 世界大百科事典 「実在論」の意味・わかりやすい解説

実在論 (じつざいろん)
realism


︿res︿realitasreality20︿realiarealenrealista︿vox︿nomennominalen

 naive realismcritical realism

 ︿西西



使

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「実在論」の意味・わかりやすい解説

実在論
じつざいろん
realismus

意識現象のほかになんらかの実在 realitasを認め,その認識が可能であるとする存在論,認識論の立場。存在論的には当の実在を物的なものとみる唯物論 (レウキッポス,ルクレチウス,近世以後の自然科学,マルクス) ,物的なものと霊的なものとみる二元論 (デカルト) ,霊的なものとみる唯心論 (プロチノス,ライプニッツ,バークリー,ラシュリエ) に分けられる。中世の普遍論争において実在論とは個に先立って普遍者が実在するという立場であり,その源流は普遍的本質であるイデアを真実在としたプラトンにあり,観念実在論すなわち実念論と呼ばれる (エリウゲナ,アンセルムス,マルブランシュ) 。この意味の実在論は唯物論,概念論と対立し,客観的観念論と等しい。認識論的には観念論と対立し,日常的体験にみられるように対象が知覚されるとおりに実在するとする素朴実在論,感覚所与に批判を加えることで実在を措定しようとする批判的実在論 (E. v.ハルトマン,キュルペ,ラブジョイ,サンタヤナ) などがある。存在論と認識論は密接な関係にあるが,たとえばカントは物自体の実在を認めるがその認識可能性を否定するから認識論的には不可知論であって,存在論的実在論が必ず認識論的実在論をとるわけではない。現代は実在論が主流となる傾向にあり,代表的な思潮としてはマルクス主義の史的唯物論,新トミズム,ラッセル,ムーアら英米で盛んな新実在論などがあり,現象学や実存哲学もこの傾向に貢献している。

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百科事典マイペディア 「実在論」の意味・わかりやすい解説

実在論【じつざいろん】

 
realism︿︿
 

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「実在論」の解説

実在論(じつざいろん)
realism



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旺文社世界史事典 三訂版 「実在論」の解説

実在論
じつざいろん
realism

ヨーロッパ中世のスコラ哲学において,普遍的な概念が個々の事物に先だって存在するという主張
個物を実在とし,普遍を名目にすぎないとする唯名 (ゆいめい) 論と対立,普遍論争を展開した。11世紀のアンセルムス・ドゥンス=スコトゥスが代表。

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世界大百科事典(旧版)内の実在論の言及

【実念論】より

…実在論の最初の中世的形態。概念実在論ともいい,普遍的概念の実在性を主張する。類,種,種差などの〈普遍universalia〉は,個物から独立し,〈個物に先立ってante rem〉実在すると説く,広義のプラトン主義的実念論が典型。個物のみ実在すると説く唯名論がこれに対立する。のち,普遍は〈個物においてin re〉のみ実在すると説く,ゆるやかなアリストテレス的実念論が登場した。前者はエリウゲナ,アンセルムス,シャンポーのギヨームらが,後者はラ・ポレのジルベール,ソールズベリーのヨハネス,トマス・アクイナスらが代表。…

【写実主義】より


realism()réalisme()使西使

【写実主義】より


西使realis()︿︿︿︿

※「実在論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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