野村総合研究所はWebサイトの「サイト利用規定」で、リンクについて「必ず事前に文書で申し出よ」と定めている。
2.リンク
・当ウェブサイトへのリンクをご希望の場合は、必ず事前に、文書にて当社までお申し出ください。その際、お名前、ご連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)、リンクを設定するページのURL、ウェブサイトの内容とリンクの目的を明記して下さい。
そこで、文書で申し出た。
Subject: 県警サイトが「無断リンクは禁止」としている理由について http://www.pref.tochigi.jp/keisatu/hiroba/sitepolicy.html の「サイトポ リシー」を拝見してお尋ねします。 > リンクについて > 当サイトへリンクされる場合は、リンク元のサイトの運営主体、リンクの目的 > 及びリンク元のページの URLを事前にご連絡ください。無断リンクは禁止とし > ます。 とありますが、「無断リンクは禁止とする」理由を教えていただけますか。 また、事前に連絡が必要とされている理由を教えてください。すると、一週間後に広報広聴課から返事があり、意見等への回答はメールではなく電話で行っているとのことだったので、電話して話をした。 電話すると、開口一番、無断リンク禁止としている理由について説明された。 警察は特殊な立場にあるので、業者に悪用されることがある。 ﹁うちは警察へリンクさせてもらっている﹂というようなことを言われて、 警察の信用を悪用されてしまうことがあるので。 とのこと。﹁ほう﹂と思いながら*1そのまま話を聞いていると、 実際にはリンクはどんどんしていただいて活用していただきたい。 ただ、ひとこと声をかけてほしい。 という。そこで、まず、栃木県警のサイトがいかに素晴らしい出来栄えであるかを述べた。 たとえば各地の警察署がひとつひとつ専用のページが作られていて、そこを紹介したいときにURLで直接そこを示せる。栃木県警Webサイトはどこへ直接リンクされ、どこから見られても、それが栃木県警サイトだとわかるようにデザインされているし、トップへ移動できるようになっている。あきらかにリンクされることを期待して設計されたサイトである。 褒め称えて喜んでいただいているところへ続けて、 それなのに、リンクする際には一声かけないといけないのでしょうか? メールではなくこのようにして結局は電話でお話ししないといけないのでしょうか。 ということを尋ねたところ、 そうですねえ、電話で確認できるのかということもありますが、悪用する人がわざわざこうして電話してくるということもないでしょうから、こうして電話いただいています。 という。﹁それは不便ではないでしょうか﹂と主張すると、﹁そうですね、そういう声もしばしば入ってきています﹂という。 ここで、﹁無断リンクを禁止としている理由はそれだけで他にはないのですね﹂という点を確認した上で、次の内容の説明をした。 悪質な業者に﹁うちは警察へリンクさせてもらっている﹂などと利用されることが問題だとおっしゃるが、それはリンクを許諾制になんかしてるからそうなる。許可なくすることを禁止しているなどと掲示していれば、読者は、﹁リンクしているということは警察の許可をもらったのだろう﹂と思ってしまう。リンクしているからといってリンク先と関係があるわけではないことは、Web利用者全員に共通の常識としなければならない。 このことは近年情報技術犯罪として問題となっているphishingの被害を減らすためにも必要なことだ。県警が無断リンク禁止の考え方を広めれば、民間サイトへリンクした偽サイトが登場したときに、﹁許可を得ているはずだから信用できるサイトだ﹂と誤解する読者を増やすことに加担してしまう。信用の悪用を防ぐには、﹁他のサイトが当サイトへリンクしている場合があるが、それは当サイトと関係があることを意味するものではない﹂旨の注意書きをすればよいのだし、県警ハイテク犯罪対策室は、phishing防止のために、一般論としてその注意喚起をする立場にあるはずだ。 加えて、いくら無断リンクを禁止すると掲示したところで、悪人はいくらでも無視してリンクするのであり、禁止に何らの実効性はなく、他方で善良な市民が警察サイトを活用しようとしたときには、電話で許諾を得なくてはならないという著しい不便を強いられている。 これを説明していると、﹁ははあ、逆に、ですか。なるほど﹂ということで、ご理解いただけたようだ。去年サイトをリニューアルしたときにこの﹁サイトポリシー﹂を書いたのだそうで、勉強して業者とも相談のうえ検討したいとのことだった。﹁業者は信用に値しないので気をつけて﹂と言っておいた。
「利用者に的確な情報を伝えるため」で検索してみると……、ほーらゾロゾロ。
LASDECの「リンク・引用転載について」なんか、「個別情報(案件)についても自由にリンクしていただいてかまいませんが、利用者に的確な情報を伝えるため、なるべくトップページにリンクされるようお願い」って、自分で言ってておかしいと思わない?
*1 あれ? そういえば、誰かこれと同じようなものを何年か前に書いてなかった?
先月、ジャパンネット銀行から「SecurID」が送られてきた。RSAセキュリティのワンタイムパスワード生成器(以下「トークン」)だ。ジャパンネット銀行は全口座の利用者に対してこれを配布している。
届いた郵便物には図1の案内状が入っていた。
*1 ちなみに、この論文は微妙に間違った内容も含まれているので注意。
*1 この議事録では発言者が匿名化されており、どれとどれが同一人物の発言かさえ不明になっていて読み取りにくい。
後日追記予定。