作業のご説明 目的・内容 現在、Google では、自社製品のひとつである Google マップの新しい機能追加のために、当該車両にて公道を走りながら、人々が一般の道路で撮影する、または眺めると同様な風景画像を収集する作業を行っております。 機器/画像 車両の運転手は Google 社員、契約した個人のいずれかです。使用する機器と、そこに収録された画像は Google の所有物です。 以上宜しくご理解、ご協力のほどをお願い申し上げます。 尚、この件に関して誤不明な点がある場合は、ご連絡先と問題点を運転手にお伝え頂くか、または以下の Google 連絡窓口にお問い合わせください。 そして、その方は、グーグル社に電話で問い合わせをしたそうだ。 このタレコミを頂いた際、﹁是非ご自身でブログに掲載してください﹂とお返事していたのだが、お忙しいとのことで、録音データ︵情報提供者がグーグル社に電話した際のやりとりの録音︶を頂いた。私が代理でテキスト化して以下に掲載する。 以下の電話は2回目の問い合わせのもので、1回目は8月28日、この電話は9月3日のものとのこと。1回目の電話では、﹁ドライバーは私道と公道を区別しているのか? そもそもグーグル社は私道と公道の区別ができているのか﹂と質問したところ、担当者は﹁区別できているか否かについて自分ではわからないので、法務に確認する﹂とのことだったという。そこで翌週に、回答をもらうべく再び電話したのだそうだ。 なお、電話に最初に出てくる人、取り次いで出てくる担当者は、いずれも先日私が電話した際の人と同じようだ。声といい、言葉遣いといい、話し方、対応のしかたが同じだ。︵もしかして、担当者は2人、せいぜい3人しかいないのではないか?︶プルルルルー、プルルルルー グーグル: はい、グーグルでございまーあーす。 情報提供者: 先週お尋ねした者ですが、ストリートビューについて、 グ: はい、少々お待ちくださいませー。 ♪♪♪♪♪♪♪♪ グ: もしもし、 情: 先週木曜日にお尋ねした者なんですけども、ストリートビューに関して、 グ: あ、はい、お願いいたします。 情: 先週の水曜なんですけども、ちょっと疑問があったもんですから、ドライバーさんに質問したところ、紙を頂いたんですね、﹁作業のご説明﹂というのを。それで木曜日に電話させて頂いたんですよ。 グ: あ、はい、 情: で、木曜の電話の内容というのは、公道、私道の区別というのはどうやっているんですかという質問を、そちらの方に、グーグルさんの担当の方にお電話差し上げたんですね。 グ: あ、はい、 情: そしたら、法律、法務の人間に質問すると、今現在担当の方はわからないとのことだったので、答えを保留されたので、今改めて電話をしたという状況なんですけども。 グ: さようでございますか、そのとき電話に出た者の名前はおわかりになりますか。 情: わからないですね。聞いてませんので。 グ: そうですか、えっと、私道と公道の区別について、ご連絡頂きたいということで、 情: 調べるということでしたので、今日改めて電話させて頂いたんですけども。 グ: あー、そうですかー、そうですねー、あのー、えーとですね、あのー、ドライバーの方にも直接うかがえたということなんでしょうか。 情: そうですね。そもそもドライバーさんに質問したときにですね、ドライバーの方、逃げようとして急発進されて、轢かれそうになったんですね、 グ: ああー、そうですか、もうしわけございません。 情: そういうことがあったので、そこは私道だったんですよ、 グ: あ、はい、 情: で、どうやっているんですかと。そもそも私道と公道の区別、あなた方ついてるんですかという質問に対して、ドライバーは答えられないと。で、この紙を渡すからこの番号に、御社に直接訊いてくれということで、木曜日にまず電話したんですが、担当の方自体もわからないと、私道と公道の区別がわからないではなくて、グーグルが私道公道の区別がついているか、一担当者ではわからないというご返答だったんですね。 グ: あ、はいー、そうですね、あのー、こちらの方でもですね、日本全国の全ての公道私道を把握しているわけではございませんので、あのー、まあ、ドライバーの判断で、墓地ですとか、まあそういった明らかに個人のお宅ですとか、マンションの施設内ですとか、そういうところは入らないようにはしているようなんですが、どしてもあのー、走ってる途中でですね、あの、手違いで写ってしまったというようなことはあるような、ことが現実あるようですので、そういった場合はもう、公開してしまった画像についてはですね、随時ご報告いただき次第削除はしているんですが、 情: でー、そのときのやりとり、木曜のやり取りでですね、公道私道はまずグーグルさんは把握できているのか、できてないのかというのを、教えてくれっていう質問だったんですよ。 グ: あ、はい、 情: 把握できているんでしょうか、できてないんでしょうか? グ: ……。そうですね、あのー、ちょっと私の方ではわかりかねるんですが、 情: 法律関係の人間に答えを聞きますという返答を頂いて、それで電話したんですけども、 グ: あー、そうですか、あの、公道私道というのもとくに法律で定められているものではないかと存じますので、とくにその必要もないかと思うんですけども。 情: 法律で定められてますよ。 グ: あはは、そうなんですか。あは。はい。 情: それで、法務の人間はグーグルストリートビューは1年前からもうやっていると、日本導入にあたって1年前から検討しているという説明はまず頂いたんですけども、 グ: はい、 情: 法務の人間はどういう対応をしているのかっていうのを、そちら内部で調べて私に教えて頂けるという話だったんですけども、 グ: はいー、そうですかー、 情: 公道私道の区別はついてますよ。どういう判断であなたがおっしゃったのかわかんないんですけども、 グ: はい、あのー、たとえばですね、あのー、 情: 公道ってのは国が持ってるもの、私道ってのは民間の人間が持ってるもので、これは道路台帳にきちんと載ってますので、 グ: あー、そうですかー 情: あなた方が調べようと思えば、都道府県の土木課に行けば、土木事務所に行けばですね、確実にわかる情報ですので、 グ: はいー、 情: はい。 グ: もうしわけございませんでしたー 情: これほど騒ぎになってても調べてないんですよね? グ: そうですね、ちょっと私の方では、わかりかねるんですがー 情: 私道入って撮るのは違法ですよね? あなた方の﹁作業のご説明﹂によると﹁当該車両にて公道を走りながら﹂と言っているんで、私道で入ったら明らかにあなた方の説明とずれてるんですよね。 グ: はいー、 情: 公道と私道の区別はついてるんですかという質問に対して、あなたのご説明だと、公道私道って明確ではないって、法律で決まってないって説明だったんですけども、 グ: あ、はいー、 情: それはグーグルの判断なんですね? グ: …………。 情: グーグルの公式な説明と捉えてよろしいんですね? グーグルは公道私道の区別は法律で決まってないと、それがグーグルの公式なステートメントとして受け取ってよろしいんですね? グ: あ、あのー、そういったことではなくてですね、あのー、やっぱり私有地とわかりづらいところには誤って入ってしまう可能性もあるということでございます。あのー、はい。 情: なんだかわかんないんですけども。誤って入ってしまうのはしかたないと思うんですが、公道私道の区別は、調べればわかるんですよ。 グ: あ、はいー、 情: なので、公開する前に調べればよい話であって、 グ: はいー、 情: それだけの労力は割くべき、割けるはずなんですね。 グ: はいー、 情: ていうのは、情報もあるんですから、公道私道の区別は。つくんですから。 グ: はいー、…………。 情: で、法律的にあなた方はどう考えてらっしゃるのかと。質問したら答えるってご説明だったんですが、どうも今、うやむやにされているんですけども。 グ: あ、さようでございますかー 情: さようでございますじゃなくて、あなたが、うやむやにしているんですけども。 グ: はいー、 情: すいません、お名前をお願いいたします。 グ: 私、○○と申します。 情: ○○様ですね。 グ: はいー、 情: で、もう一度うかがいますけども、グーグルの公式なステートメントとして、公道私道は法律で定まってないと、よって、 グ: はいー、 情: 区別をつける必要はないという判断で撮影を行っているということでよろしいんでしょうか。苦情が来た場合に限り削除していると、つまり公道私道の区別は法律的にはつかないものであるという判断をグーグルさんはなさっていると、いうことでよろしいんですね? グ: 少々お待ちいただけますか、ちょっと確認させて頂いてもよろしいでしょうかー。 ♪♪♪♪♪♪♪♪ グ: おまたせいたしましたー、 情: はい。 グ: そうですね、あのー、とくにですね、やはりこちらの方で、データを持って走行させて頂いているわけではないということですのでー、 情: 木曜日もさっきも言いましたが、都道府県は道路台帳というのを持っていまして、公道私道の区別ついてるんですね。 グ: はいー、 情: で、公道私道の区別、あなた方つかないって何度も説明なさるんですけども、そうすると、そもそもあなた方、﹁作業のご説明﹂で﹁公道を走りながら﹂って言って、意味がないんですよね。言ってることが明らかに矛盾してまして、 グ: はいー、 情: つまりあなた方、公道私道の区別をつけないといけないと思うんですよ。そもそも﹁作業のご説明﹂ってのの公道って書いてるんであれば、公道とは何かってのをあなた方説明できなければいけないんで。 グ: もうしわけございませんー。 情: 私説明してますよね、道路台帳見ればわかりますよと。 グ: はいー、 情: 今後あなた方私道に入ることはあり得ないんですね、つまり道路台帳調べて、公道私道の区別をつけてドライバーを走らせればいいだけであって、今後は私道を走り得ないですよね? グ: …………。そうですね……、 情: 日本中走り回る労力と道路台帳調べる労力、どちらが大変かっていえば走り回る労力ですので、道路台帳くらい調べればいいですよね? グ: はいー、 情: 1年前から作業進められていたそうですが、道路台帳調べるってことはわからなかったんですね? グ: ……そうですねもうしわけございませーん。 情: 少なくとも私は今言いましたので、もう二度と今日以降私道を走るってことはありませんよね? グ: あ、そうですね、私の方からですね、ユーザの方のご意見として早急に上の者には伝えさせて頂きますので、 情: 対応はいつになるんですかね? 明日の朝には土木事務所に行けますよね? グ: そうですね、私の方ではちょっとそこまではわかりかねるんですが、 情: わかりかねるんじゃなくて、対応いたしますよね? グ: ご意見としては伝えておきますが、 情: 対応するしないの判断は、結果はいつ教えて頂けますか。 グ: あ、あのー、とくにですね、個別にお客様に対して結果報告というのはしておりませんので、あの、ご意見としてお伝えするということしか申し上げられませんが。 情: 対応するしないというのは誰が判断するんですか? グ: 私ではわかりかねますがー、 ︵以下略︶結局、法務の回答は得られずじまいなのだそうだ。 感想: ﹁法務に確認する約束だったじゃないか﹂という追求に対して、﹁法律で定められているものではないかと存じますので、とくにその必要もないかと思うんですけども﹂と答えてしまう、この担当者はいったい何者なんだろうか。じつは法務は存在しないのではないか? 先日の記者会見でグーグル社は、﹁国ごとの法規制や文化にきちんと対応していきたい﹂﹁グーグルはさまざまなフィードバックに対して耳を傾けている﹂﹁今後はカスタマーサービスについて改善を進めていく﹂﹁日本のユーザーからの意見を取り入れていきたい﹂などと調子のいいことを言っていたが、こんな対応をしていて本当にそのつもりがあるのか?︵このやりとりは1か月前のものであるにせよ。︶ とにかく、会見で﹁フィードバックに対して耳を傾けている﹂と約束されているのだから、疑問のある人はどんどんグーグル社に電話で質問をしていけばいいと思う。︵私はもうおそらく相手してもらえないだろうから、他の人にお願いしたい。︶
これが道路台帳ではどうなっているかというと図3の通りで、道路に該当しない(どの色でも塗られていない)ところにグーグル社は入り込んで撮影していることがわかる。
奥まで入り込んで、撮影作業員は「まずい所に入った」という認識を持ったに違いないが、このように撮影がキャンセルされることもなくそのまま写真公開に至っている。
*1 この文書もなんだか、ちゃんと日本向けにローカライズされているとは言い難い翻訳的文章だ。「Googleの所有物です」というのはいったい何が言いたいのか? 諸外国でも文書が配られているとどこかで読んだが、文面は同じなんだろうか。
タレコミ(情報提供)を頂いた。グーグルのストリートビュー撮影カーが、通行止めの交通規制を豪快に無視した事例があるという。図1がそれだ。
「反対側から入ったのでは?」などと言う人が出てきそうなので念のため示しておくと、図3のように、画像のつなぎ目から図1のところから進入したことがわかる。
私も気になったので、一昨日の体育の日に、現地を見に行ってきた。
図5は、図4と同じ位置を歩行者の目の高さで撮影したものである(一部配慮して画像を加工)。
道の途中から突然通行止めになっているのは、ここがちょうど新座市と清瀬市の境界だからのようだ。航空写真(図10)で見ると道が急に狭くなっていることがわかる。また、周囲には防衛省の国有地があちこちに散在していた。このフェンスの左側も国有地のようで「立ち入り禁止」のフェンスで囲われていた。
また、撮影カーが通り抜けた反対側にも、しっかりと自動車通行止めの標識と看板があった。
緑と青の印のところに標識があるのだそうだ。たしかに何か所か確認してみると、ストリートビューでもそれを確認できる(図15)。
情報提供者から「東伏見付近にもある」と聞かされたとき、私も自力で別の事例をすぐさま見つけることができた(図17)。
二輪の自動車以外の自動車の通行が禁止されるほど狭い道を走行し、高いところから塀の中を見下ろして撮影している。
上のブログのコメント欄にも酷い事例が指摘されていた。
つまり、次の図のように通行したのではないか。うっかり通ってしまったというレベルではない。
寝屋川市の淀川河川公園のあたりを見ていたところ、なにやらストリートビューにトゲトゲとした特徴的な形状の部分(図1)があったので、拡大してみたところ、これまでになく非道な撮影事例であることに気付いた。
ほとんどの場所が「この画像はなくなりました」になっているにもかかわらず、なぜか、1つのブロックだけ残されている。
奥深くまで入り込んで走り回ったようだ。
ストリートビュー撮影カーが集合住宅の敷地内通路や駐車場に入り込んで撮影している事例は、そこら中の公団住宅、公営住宅、公務員住宅などで散見され、それらしき場所を何か所か拡大表示してみるとすぐに該当事例が見つかるほどだ。
そんな中でも、JR京葉線稲毛海岸駅周辺の団地群は、広大な区画にわたって大量に進入している事例が見つかる特異な場所だ。
これらをストリートビューの画面で確認したところ、下の図のように、赤で示した部分が敷地内通路や駐車場への進入部分だった。
撮影作業員がいかに非常識かを示すいくつかの事例を以下に示しておく。
先週の紹介に引き続き、ブログ「気になる現場」が今週もグーグルの交通規制無視事例を次々と列挙している。
私も周辺を見ていたところ、ひどい事例を見つけた。
どうしてこんなところに入る気になるんだろう……と思いきや、どうやら逆向きに走行したようで、図9のところから入り、ここから出たようだ。
ここは、Googleマップの地図上でも道路として表示されていない道であるため、ストリートビューの青い線が正常に表示されていない。
日本にも近い感じのところがあるような感じがする。
もしかするとアメリカでは地域によってストリートビューに対する感じ方が違うのかもしれないと思い、ニュース記事を検索してみたところ、次の記事があった。詳細はまだ検討していない。
A national children's advocacy group is pushing to get Pittsburgh removed from the Street View of Google's map search until the technology is refined so pedophiles can't use it to pinpoint children's homes, schools and playgrounds.
その他、サンフランシスコもせせこましいイメージがあるが、どうだろうか。
昨年サンフランシスコを訪れた際は、ずいぶん徒歩で歩き回ったので、住宅街もかなり見たが、そんなに狭い感じはしなかった(上の場所はそのとき歩いた場所またはその近く)。このように道路はそこそこ広い。(最後の一枚は観光スポット化している場所なので住人も覚悟が通常とは違うと思われる。)
先月、ある情報セキュリティの専門家と話をしていたとき、ストリートビューに話題が及んだ際、彼は「アメリカだって同じですよ」と言うので、「じゃあ、日本みたいに狭くて至近距離で家が撮影されている場所を教えてくださいよ」と言ったところ、彼が示してくれたのは以下のあたりだった。
こういった地区では、住居に対するプライバシー懸念はあまり噴出しないかもしれない。
次に、都市近郊または郊外の住宅街を見てみる。
図8の下の事例のように、比較的遠くに映った家でも3回ズームするとかなり詳細に見えてしまう。
一方、自動車のナンバープレートは、かなり正確に遠くのものまでぼかし処理が施されているようだ。
それに対して日本のストリートビューでは、自動車ナンバーは一切ぼかし処理されていないわけだが、どういうつもりなのか。
それから、フランスのストリートビューでも(日本ではそこら中に見られる)私道や敷地内へ進入している事例がいくつかあるようだ。
さて、日本ではどうだろうか。いまさらではあるが、アメリカやフランスとの直感的な比較のため、適当に選択した場所をいくつか列挙しておく。
昨日、こちらの方のブログで、調布飛行場の立入禁止区域に進入しているという事例を見かけ、証拠保全のため画像を確保してから仕事に出かけたところ、帰ってくるともう「この画像はなくなりました」となっていた。
*1 ちなみに、女子高に侵入した事例では、誤って入ってしまったにせよ、それを認識しながら引き返そうともせず撮影行為をそのまま継続した行為が問題である。