利尻礼文サロベツ国立公園
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利尻礼文サロベツ国立公園 Rishiri-Rebun-Sarobetsu National Park | |
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利尻山(2013年6月) | |
指定区域 |
宗谷総合振興局:稚内市、天塩郡幌延町、天塩郡豊富町、礼文郡礼文町、利尻郡利尻町、利尻郡利尻富士町 北緯45度10分43秒 東経141度14分31秒 / 北緯45.17861度 東経141.24194度座標: 北緯45度10分43秒 東経141度14分31秒 / 北緯45.17861度 東経141.24194度 |
分類 | 国立公園 |
面積 | 24,166ヘクタール |
前身 | 利尻礼文国定公園 |
指定日 | 1974年9月20日 |
運営者 | 環境省 |
年来園者数 | 730,000人(平成25年)[1] |
施設 | サロベツ湿原センター、幌延ビジターセンター |
事務所 | 北海道地方環境事務所 |
事務所所在地 | 札幌市北区北8条西2丁目 札幌第1合同庁舎3F |
公式サイト | 環境省_利尻礼文サロベツ国立公園 |
利尻礼文サロベツ国立公園︵りしりれぶんサロベツこくりつこうえん︶は、北海道にある国立公園。
概要[編集]
日本国内最北の国立公園であり、利尻島と礼文島の約半分、稚内市から豊富町・幌延町へ続く海岸砂丘林とサロベツ原野が指定されている[2]。公園全体の約7割が原生的な自然状態であり、全域に渡って風が強いため風衝植生になっている[2]。サロベツ原野がラムサール条約に登録されている他[2][3]、﹁礼文島桃岩付近一帯の野生植物﹂﹁利尻島のチシマザクラ自生地﹂﹁稚内海岸砂丘林﹂﹁レブンアツモリソウ群生地﹂が北海道の天然記念物に指定されている[4]。歴史[編集]
サロベツ原野は戦後開拓による開発の対象になっていたこともあり、国定公園指定の際には公園区域にはならなかったが[5]、湿原の保護や観光地として注目されるようになり、国立公園指定の際に公園区域に加わった[5]。2005年︵平成17年︶に上サロベツ自然再生協議会が設立し、自然再生事業に取り組んでいる。 ●1965年︵昭和40年︶‥国定公園指定 ●1974年︵昭和49年︶‥国立公園指定 ●1989年︵平成元年︶‥幌延ビジターセンター開設[6] ●2003年︵平成15年︶‥第1回点検 ●2005年︵平成17年︶‥サロベツ原野がラムサール条約に登録[3]。 ●2011年︵平成23年︶‥サロベツ湿原センターがオープン[7]。 ●2014年︵平成26年︶‥日本郵便発行の310円普通切手の意匠に採用[8]。自然[編集]
利尻島は円錐形の火山島であり、利尻山は利尻礼文サロベツ国立公園のシンボル的存在になっている[9]。高山植物に富む地域の一つとして山頂部にはリシリヒナゲシやボタンキンバイなどの固有種があり、各所に高山性植物群落によるお花畑を見ることができる[9]。山麓ではトドマツを中心とした針葉樹林帯があるほか、オタトマリ沼周辺ではアカエゾマツや湿原植物がある[9]。礼文島は丘陵性地形の離島であり、レブンキンバイソウやエゾノハクサンイチゲなどのお花畑、レブンアツモリソウに代表する固有種が数多く存在し、礼文島は別名﹁花の浮島﹂とも呼ばれている[9][10]。いずれの島も渡り鳥の中継地になっている[9]。稚内市から幌延町までの約40kmに渡って数列の砂丘が帯状に発達しており、砂丘の間には複数の湖沼がある景観になっている[9]。日本国内唯一といわれているミコアイサの繁殖地があるほか、オジロワシなどの貴重な鳥類を観察することができる[9]。サロベツ原野はサロベツ川流域に形成された泥炭地であり、低平地における日本国内最大の高層湿原になっている[9]。多くの渡り鳥が観察でき、チュウヒやシマアオジなどの繁殖地も存在している[9]。-
レブンアツモリソウ(2007年6月)
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ミヤマオダマキ(2006年6月)
景勝地[編集]
- 礼文島
- 利尻島
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スコトン岬(2010年8月)
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桃岩(2014年8月)
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猫岩(2009年7月)
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鴛泊港から見た利尻山(2013年7月)
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姫沼(2013年7月)
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サロベツ原生花園(2009年8月)
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パンケ沼園地(2015年4月)
ビジターセンター[編集]
センター名 | 設置者 | 所在地 | 利用者数(人) |
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サロベツ湿原センター | 環境省 | 北海道天塩郡豊富町上サロベツ8662 | 52,111[17] |
幌延ビジターセンター | 北海道天塩郡幌延町字下沼 | 6,849[17] |
脚注[編集]
(一)^ “国立公園の利用者数︵公園、年次別︶” (PDF). 環境省. 2016年8月24日閲覧。
(二)^ abc利尻礼文サロベツ国立公園管理計画書 2007, p. 1.
(三)^ ab“サロベツ原野” (PDF). 環境省. 2016年8月22日閲覧。
(四)^ “道指定文化財概要一覧︵天然記念物︶” (PDF). 北海道教育委員会. 2016年8月24日閲覧。
(五)^ ab“はじめに︵序文︶ | 全体構想”. サロベツ自然再生事業. 環境省. 2016年8月22日閲覧。
(六)^ “幌延町情報ボックス 平成27年度版” (PDF). 幌延町. p. 4 (2015年). 2016年8月22日閲覧。
(七)^ “サロベツ湿原センター”. サロベツ・エコ・ネットワーク. 2016年8月22日閲覧。
(八)^ ﹃新料額の普通切手の意匠等﹄︵PDF︶︵プレスリリース︶日本郵便、2013年12月6日。2016年8月22日閲覧。
(九)^ abcdefghi利尻礼文サロベツ国立公園管理計画書 2007, pp. 2–5.
(十)^ “レブンアツモリソウだけじゃない!礼文島に行ったら見るべき花5選”. 北海道ファンマガジン (2008年12月1日). 2016年8月22日閲覧。
(11)^ “礼文島には桃の形をした巨岩﹁桃岩﹂がある!桃台猫台展望台へ!”. 北海道ファンマガジン (2014年10月3日). 2016年8月22日閲覧。
(12)^ “利尻島の4分の1を見下ろすならココ! 5合目展望台﹁見返台園地﹂”. 北海道ファンマガジン (2013年10月1日). 2016年8月22日閲覧。
(13)^ “名水百選﹁甘露泉水﹂が有名!利尻島の4つの湧水ポイントを巡ろう!”. 北海道ファンマガジン (2013年9月28日). 2016年8月22日閲覧。
(14)^ “利尻の﹁姫沼﹂は人造湖だった!?急坂を上って辿り着いた癒され空間”. 北海道ファンマガジン (2013年9月15日). 2016年8月22日閲覧。
(15)^ “白い恋人のパッケージに採用!利尻島一の人気観光地﹁オタトマリ沼﹂”. 北海道ファンマガジン (2013年10月3日). 2016年8月22日閲覧。
(16)^ “浜勇知園地・展望休憩施設こうほねの家”. 北海道ファンマガジン (2008年3月14日). 2016年8月22日閲覧。
(17)^ ab“国立公園内ビジターセンター等利用者数” (PDF). 環境省 (2013年). 2016年8月22日閲覧。
参考資料[編集]
- “利尻礼文サロベツ国立公園管理計画書” (PDF). 北海道地方環境事務所 (2007年). 2016年8月22日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
ウィキトラベルには、利尻礼文サロベツ国立公園に関する旅行ガイドがあります。