鴛鴦茶
鴛鴦茶 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 鴛鴦(奶)(茶) |
簡体字: | 鸳鸯(奶)(茶) |
拼音: | Yuānyāng(nǎi)(chá) |
注音符号: | ㄩㄢ ㄧㄤ (ㄋㄞˇ)(ㄔㄚˊ) |
ラテン字: | Yuanyang(nai)(cha) |
発音: | ユンヨン(ナーイ)(チャー) |
広東語発音: | yun1yeung1(naai5)(cha4) |
鴛鴦茶︵えんおうちゃ、広東語‥ユンヨンチャー︶は、香港で一般的な飲み物で、紅茶とコーヒーを混ぜ合わせたもの。広東語では﹁鴛鴦﹂︵ユンヨン︶と略すことが多い[1][2]。日本語ではコーヒー紅茶と呼ばれる場合もある。多くは、砂糖と無糖練乳をたっぷり加えて飲むため、﹁鴛鴦奶茶﹂︵えんおうだいちゃ、広東語‥ユンヨンナーイチャー︶とも呼ばれる(奶は乳の意)[3][4]。
歴史[編集]
最初に誰が考案したのかは定かではないが、香港では数十年の歴史がある飲み物として定着している。 茶餐廳と呼ばれる香港の喫茶レストランでは定番のメニューのひとつとなっており、ホット(﹁熱鴛鴦﹂)とアイス(﹁凍鴛鴦﹂)共に供されている。 アイスにはクラッシュアイスをたっぷり入れることが多く、通常、ホットよりも2香港ドルほど高い。特に指定しない場合、ガムシロップと無糖練乳もたっぷり入って出てくる。 日本で、ダイエット効果のある緑茶コーヒーが話題になった事がある[5][6]が、この緑茶とコーヒーの2液混合に替えて紅茶とコーヒーにした場合でもコーヒーのクロロゲン酸と紅茶からある程度のテアニンが摂れるため、ミルク類、砂糖抜きで継続的に飲む事で、代謝促進やコレステロールの吸収抑制の効果が、期待出来ると考えられる。作り方[編集]
大きく分けて、次の三つがあり、どれが良いとは一概に言えない。 (一)液体混合法‥コーヒーと紅茶を別々に淹れてから混ぜる方法 (二)原料混合法‥レギュラーコーヒーの粉と紅茶の茶葉を混ぜておいてから、湯を加える方法 (三)二段法‥先に紅茶を淹れてから、コーヒーの粉に紅茶液を加える方法 1.はコーヒーと紅茶をメニューに載せて、別々に作り置きしている店の場合、最も簡単に客に出せる方法である。2.は都度淹れる場合に、手間が増えない方法である。3.は、最も手間のかかる方法。先にコーヒーを淹れることも可能ではあるが、紅茶の方が高温での抽出に適しているので、紅茶を先にする方が良いと考えられる。 紅茶、コーヒーの種類、淹れ方、量の組み合わせによって味はさまざまに変化するので、好みの味となる方法、配合を自分で見いだすのもひとつの楽しみとなる。紅茶7に対して、コーヒーが3が基本という言い方もされるが、逆の比率がいいとする言い方もある。香港の紅茶にはプーアル茶を少量ブレンドしている喫茶店が多いので、実際には中国茶、紅茶、コーヒーの三種混合である場合もある。バリエーション[編集]
鴦走[編集]
鴦走︵ヨンザウ︶は、無糖練乳の代わりに、加糖練乳を用いたもの。この﹁走﹂は、省くという意味で、砂糖を省くことを言う。商品[編集]
香港の食料品店などでは、粉末化したコーヒー及び紅茶に砂糖、粉乳を加え、1杯分ずつを個包装した粉末飲料が複数のメーカーから発売されている。インスタント食品の一種で、湯を加えて飲む。 缶入り、ペットボトル入りなど、工場で作られた液体飲料は現在見られないが、日本のコンビニエンスストアーで紙パック入りのものが一時販売された。鴛鴦の意味[編集]
オシドリ(鴛鴦)がいつも雄雌つがいで泳ぐ姿から、中国では男女同時に使うものや二つが一つになったものに﹁鴛鴦﹂の名を冠している事がある。 ●鴛鴦枕‥二人で寝られるようにした長い枕。 ●鴛鴦浴‥男女二人での入浴。 ●鴛鴦火鍋‥香港や四川などで二種類のスープを使ってしゃぶしゃぶや寄せ鍋が食べられるように、まん中に仕切を設けた鍋。 ●鴛鴦炒飯‥香港で一般的な、エビとチキンなど、異なる素材で作った二色のあんかけ炒飯。 ●鴛鴦雪糕‥アイスクリームの2種盛り合わせ、または、2色重ね[2] ●鴛鴦茶壺‥中国江蘇省宜興の陶芸家蒋建明が考案した急須。中を二つに仕切って、一つの急須で二種類の茶を淹れられるようにしたもの。醤油差しにも応用されている。 また、靴下など、本来同じもので揃っているはずが、組違い、色違いなどになってしまった場合にいうこともある[7]。 なお、﹁鴛鴦茶﹂には、男女二人で飲む茶という意味もあり、1925年にミュージカル﹃No, No, Nanette﹄のために作られ、世界的にヒットしたジャズのスタンダード﹁Tea for Two﹂︵邦題:二人でお茶を﹂︶には﹁鴛鴦茶﹂という中国語のタイトルがつけられた。脚注[編集]
- ^ 張勵妍、倪列懐 編、『港式廣州話辭典』p174、萬里書店、1999年、香港、ISBN 962-14-1457-1
- ^ a b 鄭定欧 編、『香港粤語詞典』p251、江蘇教育出版社、1997年、南京、ISBN 7-5343-2942-6
- ^ 歐陽應霽、『香港味道2 不脱絲襪的奶茶』p99、萬里機構・飲食天地出版社、香港、ISBN 978-962-14-3512-5
- ^ 犀文咨詢 編、『人气茶餐厅美食精选』p8、中国紡績出版社、北京、ISBN 978-7-5064-6888-6
- ^ 工藤孝文、元デブ医者が教える おいしく飲んでみるみるやせる 緑茶コーヒーダイエット、2018年、日本実業出版社
- ^ 「1日3回食前に飲むだけ!やせ物資が相乗効果を発揮する緑茶コーヒーダイエット」『壮快』2018年12月号pp162-163、廣済堂
- ^ 白宛如 編、『廣州方言詞典』p358、江蘇教育出版社、1998年、南京南京、ISBN 7-5343-3434-9