大日堂舞楽
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大日堂舞楽︵だいにちどうぶがく︶は、秋田県鹿角市八幡平の大日霊貴神社︵=大日堂︶に伝わる民俗芸能。毎年1月2日に奉納される︵昭和34年︵1959年︶までは旧暦で行われていた。︶。﹁舞楽﹂の名称がつけられているが、地元ではザイドウ︵﹁祭堂﹂、﹁在堂﹂、﹁歳頭﹂、﹁済度﹂語源は諸説あり一定し難い︶あるいは大日堂祭堂と別称されており、宮中や大社などで伝承される舞楽︵舞を伴った雅楽︶とは異なるもの。
舞を担うのは﹁能衆︵のうしゅう︶﹂と呼ばれる舞人らで、旧家を中心に四つの集落︵小豆沢、大里、長嶺、谷内︶がそれぞれの舞を分担して継承している。当日、能衆らは早朝より舞台元の舞︵神子、神名手、田楽、権現の舞︶を行ってから隊列を組んで大日堂へ参進し、午前8時の修祓を経て神社の階下や堂内にて舞・儀式・祭典を繰り広げる。次いで9時40分頃より本舞に入り、正午までにはすべての舞を納める。本舞は権現舞に始まり、駒舞、烏遍舞、鳥舞、五大尊舞、工匠舞と続き、田楽舞で終わる。
718年︵養老2年︶行基が大日堂再建の折りに舞楽を奉納したのが始まりともいわれるが、創始に関しては不明とされている。大日堂については大日如来に帰依して長者となった﹁だんぶり長者﹂の娘が両親を弔うために建てたとの伝説がある。
1976年︵昭和51年︶に重要無形民俗文化財の国指定を受け、2009年︵平成21年︶にユネスコの無形文化遺産に登録された。
新年を表す季語﹁大日詣︵だいにちまいり︶﹂は大日堂舞楽のこと。