アミン

アンモニアの水素原子を炭化水素基または芳香族原子団で置換した化合物の総称
アミノ基から転送)

: amine

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第一級アミン 第二級アミン 第三級アミン
primary amine secondary amine tertiary amine

アミノ基

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アンモニア、第一級アミン又は第二級アミンから水素を除去した1価の官能基(-NH2,-NHR,-NRR')をアミノ基と呼ぶ。芳香環上に置換すると電子供与基としての性質を示す。

物性

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3

31991[1]

[2][3][4][3]

命名法

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他にカルボン酸アルコールがある場合はそちらを優先し、アミノ基を置換基とする。

単純な形のアミン

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窒素原子に結合したアルキル基にアミンを続けて表記する。

  • CH3NH2 – メチルアミン
  • (CH3)2NH – ジメチルアミン
  • (CH3)3N – トリメチルアミン

IUPAC命名法

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IUPAC

(一)NH3 

(二)

(三)

(四)

(五) (-CH2-) n

CH3NH2
(一)

(二)

(三)

(四)

(五)

(CH3)2CHN(CH3)2
(一)-2-

(二)N,N--2-

(三)-2-

(四)2-

(五)2,3--2-



C6H5NH2  

CH3C6H4NH2   

H2N-C6H4-C6H4-NH2   



CA命名法

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IUPAC命名法の 2 を用いる。ただし位置番号は置換基の前に付ける。

  • (CH3)2CHN(CH3)2N,N-ジメチル-2-プロパンアミン

合成法

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置換反応

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 N-

SNAr

還元反応

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(LAH)

(NaBH3CN)

加水分解

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アミンは、アミド、イミン、イソシアネートなどを加水分解すると、対応するアミンが得られる。イソシアネートはホフマン転位クルチウス転位などの生成物であるため、それらの反応を含水系で行った場合は生成物としてアミンが得られることになる。

人名反応

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アミンを生成物とする人名反応としては、上記に挙げたもののほか、ロッセン転位シュミット転位ゾムレー・ハウザー転位スチーブンス転位バンバーガー転位などの転位反応や、マンニッヒ反応ストレッカー反応チチバビン反応などの求核的反応が挙げられる。

反応

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DCC










微生物による産生

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食品腐敗の際に微生物によってもアミノ酸から産生される[2]。例えば、アミノ酸の脱炭酸反応によるものとして、

 

  

  • グリシン メチルアミン
  • ヒスチジン ヒスタミン
  • チロシン チラミン
  • オルニチン プトレシン
  • トリプトファン トリプタミン
  • リジン カダベリン

主な化合物

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脂肪族アミン

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芳香族アミン

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複素環式アミン

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アミン誘導体

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脚注

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  1. ^ トリイソプロピルアミン、有機化学美術館・別館
  2. ^ a b 井部明広、食品に含まれるアミン類 日本調理科学会誌 47巻 (2014) 6号 p.341-347, doi:10.11402/cookeryscience.47.341
  3. ^ a b 井部明広、田村行弘、上村尚 ほか、市販味噌及び醤油中の不揮発性アミンの分析法及びその含有量 衛生化学 37巻 (1991) 5号 p.379-386, doi:10.1248/jhs1956.37.379
  4. ^ 梅津雅裕、洒のアミン 日本釀造協會雜誌 73巻 (1978) 3号 p.171-174, doi:10.6013/jbrewsocjapan1915.73.171

関連項目

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