﹁パーソナルコンピュータ﹂という用語は、1972年にアラン・ケイがACM National Conferenceで発表した"A Personal Computer for Children of All Ages"の中で使用され、﹁個人のための理想のコンピュータ﹂という意味で使った[注釈4]。
最初のパーソナルコンピュータには諸説あるが、現在では一般的に最初に実際に市販されたパーソナルコンピュータはAltair 8800と言われており、これは1974年にインテルの8bitマイクロプロセッサ8080をCPUに用いて登場したものである。ただし1970年代後半までは、CPUにマイクロプロセッサを採用したコンピュータは、英語圏では主に﹁micro computer﹂などと呼ばれることが多く︵たとえば1977年発売のTRS-80も名称は﹁TRS-80 Micro Computer System﹂であり︶、あるいは﹁home computer﹂という呼称も好まれた。日本で1970年代後半は、英語のmicro computerをカタカナに直訳した﹁マイクロコンピュータ﹂が堅い記事などでは好まれ、︵日本国内では用語を4文字︵4音節︶に短縮することが好まれるので︶日常的には短縮形の﹁マイコン﹂が使われた。
パーソナルコンピュータという用語は1977年ころから一部の機種についても使われており、アメリカでは1977年発売のApple IIの広告類で、日本では1979年発表・発売のPC-8000シリーズを指して日本電気が使うようになった︵この﹁PC-8000﹂の2文字﹁PC﹂は﹁Personal Computer﹂の頭文字︶。
世界的に見て一番決定的だったのは、IBMが1981年に発売しベストセラーとなったIBM PC︵製品名称は﹁IBM Personal Computer﹂︶で、更にIBM PCおよび後継製品をベースにしたIBM PC互換機が市場でデファクト・スタンダードとなったため、世界的にパーソナルコンピュータ(PC)という用語が普及した。なおIBM PC互換機以外の有力なパーソナルコンピュータはMacのみとなったため、PCとの略称は特にIBM PC互換機を指して使われる場合もある。
日本では省略して﹁パソコン﹂と呼ばれるようになり、﹁パソコン﹂が定着すると、あとは﹁ホビーパソコン﹂﹁ノートパソコン﹂﹁パソコン教室﹂のような、他の語と﹁パソコン﹂を組み合わせた造語も次々と行われるようになった。
形状や大きさによる分類には次のようなものがある。分類の基準やそれぞれの呼称は、メーカー、シリーズ、時期などによって異なる。
パソコンの本体にキーボードと液晶ディスプレーが一体となった、ノートの形状・構造[注釈6]をしたパソコン[24]。
パソコンの形態としては主流のタイプで、2023年時点における日本国内でのノートPCの販売数はデスクトップPCの5倍以上に達している[25]。
日本では主に﹁ノートパソコン﹂や﹁ノートPC﹂や、単に﹁ノート[26][27]﹂と呼ばれている。日本国内の呼び方を列挙すると﹁ノートパソコン﹂﹁ノートPC﹂﹁ノート﹂﹁ノート型﹂などがある。
英語圏では﹁laptop computer﹂また単に﹁laptop﹂あるいは﹁notebook computer﹂と呼ばれている。日本では﹁ラップトップが大きめでノートパソコンが小ぶり﹂などと解釈して区別していた時期があるが、英語圏では現在、そういう区別をしているわけではない。詳細はラップトップパソコンを参照。
ノートブックのうち、性能や拡張性をウェブサイト閲覧などの軽作業には充分な程度に低く抑えることで小型・軽量・低価格としたもの。
タブレット型︵板状︶のコンピュータのコンセプトは、﹁パーソナルコンピュータの父﹂とも言われるアラン・ケイがかなり早い時期に提示していた。
タブレット状︵スレート状、板状︶でディスプレイを内蔵する。現在ではキーボード無しで、指やペンで文字入力やポインティングを行え、モバイルオペレーティングシステムを搭載したものが主流。
2020年代前半において、タブレット型PCの世界出荷台数はデスクトップPCの出荷台数を大きく上回っている。
2023年のタブレット型PCの世界出荷台数は1億2850万台だった[28]。メーカー︵とそのタブレット・ブランド︶別の世界シェアは、2023年10月では、1位はApple︵iPad︶の54%、2位はSamsung︵Galaxy Tab︶の28%︵Galaxy TabはAndroidタブレットの一種︶。3位は統計上﹁不明﹂と分類される無名のメーカーの群が 7% (それらも通常、Androidタブレット。[注釈7]︶。4位はAmazon︵Fireタブレット︶の3.7%[29]。
机の上に据え置いて使うパーソナルコンピュータで、ノートパソコンではないもの。ディスプレイが一体化しているものもある。初期のパソコン︵1970年代後半から1980年代前半︶ではキーボードが一体となっている機種も多かった。
筐体サイズが比較的大きく、高い性能が必要になった場合にパーツを交換・増設できる拡張性に優れている。しかし、拡張性を割り切って小型︵縦15センチ×横15センチ×高さ10センチ程度︶にしたmini-PC︵ミニPC︶の売上も伸びている。
また、筐体サイズに余裕があることで冷却スペースを確保しやすく、発熱量の大きいパーツを搭載していても排熱性に優れる。ゲーム用途など高性能・高発熱なGPUを必要とするユーザーは、︵2010年ころまでは︶もっぱらタワー型のデスクトップパソコンを使用していた。だが2010年代に入ってからは、ノート型のパソコンでも性能の良いGPU、強力なヒートシンク、高リフレッシュレートのディスプレイを備えたもの︵いわゆるゲーミングノートPC︶が増えてきている。
しかし、2020年代前半においても、本体に3台以上のディスプレイを接続する場合や、動画編集や大量のデータの解析など、長時間高負荷をかける作業をする場合にはデスクトップPCに優位性があると考えられている[30][31][32]。
なお、﹁盗まれにくい﹂﹁キーボードなどが壊れても丸々交換する必要がない﹂などの理由で、役所などが設置する、人々が共用で使うためのコンピュータとしてもデスクトップパソコンがしばしば使われている。
USBメモリに似たスティック状の形状にCPU(SoC)とメモリ、ストレージにeMMCを搭載した超小型パソコン。たいていのモデルはHDMI端子を備えており、フラットパネルディスプレイに接続して使用する。コンポーネントの実装面積や廃熱に制約があり性能は著しく低いが、持ち運びがしやすい。バッテリーは内蔵しない。消費電力が小さいためモバイルバッテリーの給電でも動作する場合がある。
時計型や頭部に装着するなど、身体に装着して使用するもの。
手のひらに入るサイズの汎用コンピュータで、パームサイズやハンドヘルドとも呼ばれる。主にタッチパネルやペンで操作する。省電力化と小さい画面に適した操作性を持たせるため、パーソナルコンピュータとは異なるアーキテクチャ及びモバイルオペレーティングシステムが採用されている。スマートフォン及びタブレットがここから派生したが、2010年代以降はメディアプレーヤやタブレット端末およびスマートフォンなどの携帯デバイスの市場に吸収された形となっている。
PDAに携帯電話機能をプラスし、単体で移動体通信網への接続機能を持たせたもの。
主に用途による分類で、大型コンピュータのクライアントに高性能な処理能力を持たせたものが起源。CADなどの画像処理、ディーリングなどの金融端末に用いられる。かつては独自のアーキテクチャを採用していたが、今日ではPCを流用したものが多い。
主に用途による分類で、パーソナルコンピュータのアーキテクチャをベースとしながら、業務用(代表例は24時間365日連続稼働など)に耐え得る信頼性を実現する拡張が行われている。形状はタワー型やラックマウント型が多い。
典型的なパーソナルコンピュータは、以下のハードウェアから構成される。(かつて一般的だった)デスクトップパソコンと、現在主流のノートパソコンでは、基本要素はおおむね同じであるが、ノートパソコンのほうはより小さな部品やユニットが使用されて細やかに一体化がなされている傾向がある。
lenovoのノートPC︵ThinkPad X230、2012年発売︶のメインボードを底面側から見た写真[注釈8]。 銀色の金属板の下にCPUが隠れている。CPUから右上に伸びる銅の曲線的な棒およびファンはヒートシンクであり、CPUの放熱をおこなう。CPU左側の青色の板がRAM︵主記憶装置︶。
パーソナルコンピュータのメインボードの典型的なマザーボードの構成部品は、システムの中央となるチップセット、UEFIなどのファームウェアが書き込まれたROMあるいはフラッシュメモリ、CPUやメインメモリなどの専用のソケットやスロット類︵固定の場合もある︶、PCIeなど汎用のバスのスロット︵ビデオカードには2019年現在はこれが使われることが多い︶、その他SATAやUSBなどのためのソケット、オンボードグラフィック機能を担う部品[注釈9]、などから成る。
コンピュータ全般ではメインボードの形態はおおむね、複数の基板を相互接続したバックプレーン方式と、1枚の基板にまとめたマザーボード方式に分けることができるが、パーソナルコンピュータでは基板が1枚のマザーボード方式が一般的である。[注釈10]
デスクトップPCのメインボードは、ATX仕様、Mini-ITX仕様などがある。
コンピュータの頭脳に当たる部品。中央処理装置。汎用のマイクロプロセッサ︵MPU︶が使われる。プロセッサは、世代、メーカーごとにソケット規格が異なる。
RAMとも呼ばれる[34]。漢字表記では主記憶装置。CPUと基板上の回路を通じて直に接続されているメモリである[34]。次に説明する補助記憶装置︵ストレージ︶に比べ読み書きが桁違いに高速という特徴があるが、単価が高いため、搭載される容量は補助記憶装置に比べて何桁︵けた︶か少ないのが一般的である[34]。メインメモリはCPUの作業場所に当たり、実行中のプログラムや、CPUが操作中のデータが格納される。揮発性の記憶装置であり、電源を切ると記憶内容は消えるため、電源を切った後も使うデータや設定などは、電源を切っても記憶が消えない補助記憶装置︵HDDやSSDなど︶に保管することになる。
搭載可能なメモリモジュールの規格や容量はマザーボードに左右される。また、認識・使用可能なメモリの上限はOSに左右される。
なお、搭載するメインメモリの量が足りないと、OSのデフォルトの設定ではやむを得ずメインメモリの代わりに補助記憶装置を作業場所として使うようになっていることは多く、そうなるとPCの処理速度が一気に落ちてしまい、いわゆる﹁もっさり﹂とした動きになってしまうので、メインメモリをたっぷりと搭載しておくことが快適な処理速度を保つ上で鍵となる。
ストレージとも、外部記憶装置ともいう[35]。不揮発性の記憶であり、通電しなくても記憶が保たれ[35]、容量当たりの単価が安く大容量のものが使えるが、書き込み速度がメインメモリのそれと比べて非常に遅い。したがってプログラムプログラム、データなどの格納場所︵ストレージ︶として使われたり、他のPCへプログラムやデータを移すために用いられる[35]。
PCに内蔵するもの、外付けのもの、着脱可能なリムーバブルなものがある。内蔵型は固定ディスクとも呼ばれる。
1990年代から2010年ころまではPCのOS起動ディスクとしてはハードディスクドライブ︵HDD︶が主に使われてきたが、その後、2010年代後半ころから、高速に読み書きができるソリッドステートドライブ︵SSD︶も次第に安価になり、オペレーティングシステムの立ち上げ時の時間が半分〜数分の1ほどにも短縮され、PCの使い心地に大きく影響するので、SSDのほうが人々に選ばれることが一般化してきた。︵OSの使い勝手にも大きく影響するので︶マイクロソフト社も2022年の半ばごろにはPCのハードウェアのメーカーに対してSSDを標準で搭載することを強く要求するようになった[36][注釈11]。
オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアやよく使われるファイルを読み書きしたりする場所としては高速なSSDを、バックアップや大容量データの長期保存にはHDDを利用するなどの使い分けもされる。HDDはSSDよりも容量あたりの価格が安く、大容量化しやすいことが特徴で、2019年には14TBの製品が、2021年には20TBの製品が発売された[37][38]。
着脱可能なメディアを使用できる外部とのデータ交換用のディスクドライブ。時代とともにメディアが変遷してきて、フロッピーディスクドライブ、光磁気ディスク︵MO︶ドライブ、CD、DVD、BDと変遷してきて、DVDスーパーマルチドライブやBDドライブなど、複数規格のメディアが読み書きできるものが増えたが、インターネット経由でオペレーティング・システムやソフトウェアやコンテンツがダウンロードできることが一般化するにつれ、リムーバブルディスクの需要がめっきり減り、2020年代以降は、リムーバブルディスクドライブを搭載しないモデルが一般的になっている。
拡張カードは用途に応じてコンピュータを拡張するためのカード︵ボード︶。ただし、拡張スロット自体がないモデルも多い。
ビデオ︵映像︶信号をディスプレイに表示するビデオカード、ネットワーク接続用のネットワークカード、音声出力用のサウンドカードなどがある。
特にリアルタイムの3DCGといった用途でPCを使う場合は、高性能なGPUを利用することが多い。DirectX10世代以降はGPUを汎用計算に利用すること︵GPGPU︶も行われるようになり、リアルタイム3DCG以外にも、大量の物理演算、汎用画像処理、動画エンコーディング、ディープラーニングなどの用途でPCを使う場合も高性能のGPUを搭載するようになった。拡張カードを使いたい場合はデスクトップPCやタワー型PCから望みの拡張スロットを備えているものを選択することになる。
パソコンでいう「電源」というのは、コンセントに来ている交流を直流に変換しマザーボードやドライブ装置などに電力を供給するもの。
ノートPCの電源は本体内部に一体化されたリチウムイオン電池などを内蔵しており出先などではこれを使うが、長時間使う場合はコンセントにACアダプタを挿しACアダプタのDCコネクタをノートPCに挿して使用することが一般的である。
なお最近販売数が伸びてきている、机上で使うmini-PC(ミニPC)などと呼ばれる一辺が10センチ強や数センチ角程度の弁当箱のようなコンピュータも電源にACアダプタを使う傾向がある。
デスクトップPCやタワー型PCの電源は本体内部に収められる比較的大きなユニットである。ATX電源など。
モニターとも呼ばれる。GUIやCUIでコンピュータを操作するために必要な表示装置。アスペクト比︵縦横の比︶が時代とともに変化し、最近は横長になってきた。
販売量が多いノートPCのディスプレイは本体と一体化しており、ヒンジ機構で開くことができる。ディスプレイの上部にwebカメラを内蔵しているモデルも多い。
デスクトップPC用のディスプレイの多くは外付けで、PC本体とケーブルで接続する。スピーカーやWebカメラを内蔵していたり、TVチューナーを内蔵しているモデルもある。デスクトップPCのディスプレイは2000年頃まではブラウン管が一般的であったが、2002年以降は液晶ディスプレイが主流となり、2006年までに完全にブラウン管と置き換わった。
コンピュータにコマンドや文字を入力するための機器。キー配列は、英語圏では101キーボード︵104キーボード︶、日本では106キーボード︵109キーボード︶が主流である。大手メーカー製などは、ショートカットとして特定の機能︵電子メール機能、スピーカーの音量調整など︶に一発でアクセスできる専用のボタンを追加した物もある。接続は有線の場合はUSB、無線の場合はBluetooth接続が多い。
ポインティングデバイスは、位置や座標を指し示すための装置。画面上の1点を指し示したり、操作対象を指定することができる︵販売量がすでに9割を越えている︶。ノートPCではタッチパッドがキーボードの手前に組み込まれていて一体化していることが一般的。デスクトップPCではマウスを使うことが一般的であるが、各人の好みで外付け別売りのタッチパッドを使ったり、トラックボールを使う人もいる。
黎明期のPCは、内蔵音源としてビープ音やFM音源といった貧弱な音源しか持たなかったが、PCMデータの再生に対応したPCM音源を搭載したサウンドチップが標準的となり、また各種OSにおいてアプリケーションソフトウェアからオーディオデバイスを利用するためのアプリケーションプログラミングインターフェイス︵API︶の標準化が進んだことにより、音声や動画の再生が標準的にできるようになっている[注釈12]。
スピーカーは音声︵音響︶を出力するための装置。
ノートPCのヘッドフォン・ジャック
ノートPCではキーボードとディスプレイの間あたりに内蔵されていることが多く、スピーカーの直径が小さいため音響的には貧弱な音しか出ないことが一般的であるが、ノートPC本体横に音響出力用のミニプラグのジャック︵メス側︶が用意されていることも一般的なので、そのジャックに高性能のヘッドフォン︵イヤフォン︶類を挿せば、良質な音響を聞くことができる。
デスクトップPCでは、HDMI接続したディスプレイがスピーカーを備えていればそのスピーカーから音が出る。PCをサウンドカードを搭載する場合で音声出力端子があればそこにスピーカーを接続する。
デスクトップPCやタワー型PCではケース、つまり箱状の入れ物が使われる。縦置きのミニタワー型、ミドルタワー型、フルタワー型などがある。
パーソナルコンピュータにおけるファームウェアは、主にマザーボードのファームウェア(BIOS / UEFI)を指すことが多い[39]。
主なパーソナルコンピュータのメーカーは以下の通りである。大手メーカーの多くはクアンタ・コンピュータ、コンパル・エレクトロニクスなどの台湾に本社を置く受託製造メーカーにOEM生産を委託しており、ノートパソコンに至っては世界の年間生産台数の約9割を台湾企業が手掛けている。
上記以外にもパソコンの製造メーカーはPCをベースとした専用機器やシステム販売、あるいは小規模なPCショップを含め多数存在するが、パソコンの内部に使われている部品は限られた企業が生産している。
●CPUはx86アーキテクチャにおいては2015年時点でインテルが87.7%を占め、AMDが12.1%を占める[44]。ただし、2010年代に入ってから小型デバイスなどの組み込み向けを中心にARMアーキテクチャが台頭してきており、x86アーキテクチャだけで一概に推し量ることはできない[45]。
●GPUは2015年第3四半期時点でデスクトップ向けのビデオカード製品ではNVIDIAが81.1%、AMD︵旧‥ATI︶が18.8%を占め、Matroxが1%未満となっている。チップセットやノートパソコンなどのモバイル向けGPUを含む総合ではインテルが72.8%、NVIDIAが15.7%、AMDが11.5%を占める[46]。
●メモリはサムスン電子が4割、SKハイニックス︵旧‥現代電子︶が3割、マイクロン・テクノロジが2割を占める[47]。
各項目とも、2019年1〜12月、台数ベース、IDC調査。
出典:[48]
出典:[49]
順位 |
メーカー |
シェア率 (%)
|
1 |
NEC |
25.4
|
2 |
富士通 |
19.0
|
3 |
HP Inc. |
12.4
|
4 |
デル |
12.1
|
5 |
Dynabook |
11.1
|
6〜 |
その他 |
20.0
|
国連大学の「電子廃棄物問題を解決するイニシアチブ」によると、年間当たりの電気・電子機器廃棄物の発生量は、全世界で約4880万トン(2014年)と推計されている[50]。
国連大学の「電子廃棄物問題を解決するイニシアチブ」によると、米国の年間当たりの電気・電子機器廃棄物の発生量は約720万トン(2014年)と推計されている[50]。
国連大学の「電子廃棄物問題を解決するイニシアチブ」によると、中国の年間当たりの電気・電子機器廃棄物の発生量は約610万トン(2014年)と推計されている[50]。
広東省汕頭市の貴嶼では約13万人の住民のうち約8万人が電子ごみのリサイクル産業に従事しているが(2012年地元統計)、2014年の汕頭大学医学院の研究チームの調査報告書では重金属類による大気汚染や水質汚染が深刻になっているとしている[50]。
半導体素子製造プロセスの急速な高度化︵この様子はムーアの法則などと表現される︶の恩恵を受けてより高速・高機能なCPUを用いた製品が市場に投入され、そうした最新版のハードウェアに対応したソフトウェアが普及するにつれ旧型製品の買い替えサイクルは短くなる。そのため廃棄されるPCの台数が増加しており、資源の有効活用や環境保護の面から問題点が指摘されるようになった。そのため家庭電化製品と同様に﹁資源の有効な利用の促進に関する法律﹂の適用を受けることになり、メーカーによる回収・リサイクルが制度化された。
これを受け2001年4月1日から企業や個人事業者、2003年10月1日から家庭用で不要となったパソコン本体︵付属のキーボード・マウス・スピーカー・ケーブル類、単独の外部ディスプレイ含む。付属マニュアルやメディア、プリンターなどの周辺機器は除く︶は各製品のメーカーが回収し、素材レベルに分解し資源として再利用される[51]︵中古品としての流用や部品取りは原則として行われない︶。
﹁PCリサイクルマーク﹂がついた家庭用PCは販売価格に回収処分の手数料が含まれているためリサイクルの費用は不要であるが、マークのついていない製品は新たに﹁回収再資源化料金﹂を負担する必要がある。自作PCやメーカーのパソコン事業撤退[注釈16]・倒産した場合は、一般社団法人パソコン3R推進協会が有償で回収を行う[52]。この制度を受けて、自治体などではPCの粗大ごみ収集・処分を行わないところが多い[注釈17]。
事業用のパソコンについては別途メーカーによる回収・リサイクル体制が整えられているが、産業廃棄物として処理される場合もある。
(一)^ 日本独自の略語である。︵著書﹃インターネットの秘密﹄より︶[要文献特定詳細情報]
(二)^ MacとPC/AT互換機を対比する場合など[2][3][4][5]。
(三)^ "Personal computer"は、Merriam-Websterオンライン辞典では﹁個人が汎用目的で使うための、マイクロプロセッサを備え、一般的なソフトウェア︵ワープロソフトやブラウザなど︶を動かすために設計されたコンピュータ[8]﹂と定義されている。
(四)^ アラン・ケイは、GUIを搭載しA4サイズ程度の片手で持てる小型のコンピュータをも構想し、それを﹁ダイナミックメディア︵メタメディア︶機能を備えた本︵ブック︶﹂という意味を込めて﹁ダイナブック﹂と呼んだ。このダイナブック構想は今日のノートパソコンやタブレット型PCに多大な影響を与えている。
(五)^ 1977年10月の出荷は100台のみで、主に雑誌社向けの出荷であり、一般ユーザ向けの出荷ではなかった。一般向けの出荷は1977年12月から。だが12月以降も受注した数を生産することができず、バックオーダーが積み上がる事態となり、主メモリが4KBのバージョンの受注をキャンセルする事態となった[11]。
(六)^ 具体的には、ヒンジ機構を備え、開けたり閉めたりできる形状・構造のこと。
(七)^ こうした無名メーカー製のAndroidタブレットは主にネット上のショップつまり世界各国のAmazonや日本の楽天などでかなり安価に販売されており、それらを合計すると、このシェアになる、という統計。
(八)^ ノートPCを底面側から見た向きになっているメインボードの写真。通常のユーザの視点でいえば、左右を入れ替えるようにして裏返しにしてある写真ということになる。通常、ノートPCのRAM︵この写真では青色の板︶の増設はPC底面の蓋を開けて行えるようになっている。
(九)^ かつてはマザーボード上に、カジュアルな用途では必要十分な性能を持つグラフィックスプロセッサ︵GPU︶を搭載していることが多かったが、Intel Core iシリーズやAMD APUなどのGPUを内蔵したCPUが主流となってからは、マザーボードがGPUを搭載することは少なくなり、以後の世代ではそれらのCPUが内蔵しているGPUのための周辺回路などが﹁オンボードグラフィック機能﹂となっている。
(十)^ なお歴史的に見ると、1950年代や1960年代なかばまでのコンピュータなど、基板上でトランジスタや抵抗など単体の電子部品を組み合わせて作られていた時代のコンピュータ︵1964年に発表されたIBMの System/360も最初は単体の電子部品を基板上で組み合わせて構成された︶は、CPUをはじめとする主要な装置が別々にモジュール化されそれぞれフレームに収められ、相互に大量の配線で接続されていた。1960年代後半や1970年代ころからコンピュータで集積回路が使われるようになり高密度に実装されるようになると、複数のフレームと大量の配線に代わって、メインボードと呼ばれる集積回路を搭載した大型1枚あるいは少し小さめの複数枚のプリント基板が使われるようになった。
(11)^ 2022年秋時点で、Dell、HP、ASUS、Acerなど世界のメジャーなPCメーカーが通販で提供している量販モデルのPCのほとんどがデフォルトの選択でSSDを搭載している状態になっている︵HDDはあくまで2番目以降の選択肢として選ぶような、例外的な位置づけになっている︶。
(12)^ もともとPC内部はノイズの宝庫であり、かつては音質の悪さから敬遠されることもあったが、S/PDIFおよびHDMIのようなデジタル伝送規格やHigh Definition Audio規格の普及など、技術の向上により、一般的な視聴用途であればオーディオ専用機器と比べてもさほど遜色はない機種もある。
︵出典‥︻藤本健のDigital Audio Laboratory︼﹁パソコンの音が悪い﹂は当たり前?オーディオ出力性能を数値で比較 AV Watch︶
(13)^ なおパソコンなしでメモリーカードを直接挿入したり、デジタルカメラとUSBケーブルで直接接続したりすることで、メモリカードやカメラ内に保存されている画像や文書を印刷できるものもあるが、そういう使い方は﹁PCの周辺機器﹂としての使用法ではない。
(14)^ シャープにとってはMebius以来の再参入となった[42]。
(15)^ 2017年ブランド復活。
(16)^ 例えば、高木産業︵現‥パーパス︶はかつて﹁PURPOSE﹂ブランドでパソコンを販売していたが、2003年頃に撤退している。
PURPOSEパソコンの廃棄について [リンク切れ]
(17)^ 旧‥コンパック製品については、合併したヒューレット・パッカードで回収を行っている。2001年に一度日本から撤退したゲートウェイ製品については、再進出後の現日本法人で回収を行っている。