スバル・エクシーガ
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スバル・エクシーガ YA4/YA5/YA9/YAM型 | |
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フロント(前期型) | |
リア(前期型) | |
車内(前期型) | |
概要 | |
販売期間 | 2008年 - 2018年 |
ボディ | |
乗車定員 | 7人 |
ボディタイプ |
5ドアミニバン(エクシーガ) 5ドアクロスオーバーSUV(クロスオーバー7) |
駆動方式 | FF/4WD(常時AWD) |
パワートレイン | |
エンジン |
EJ20型 2.0L 水平対向4気筒 DOHC AVCS EJ20型 2.0L 水平対向4気筒 DOHC AVCS インタークーラーターボ EJ25型 2.5L 水平対向4気筒 SOHC i-AVLS FB25型 2.5L 水平対向4気筒 DOHC デュアルAVCS |
変速機 |
E-4AT CVT(リニアトロニック) E-5AT(ターボ車のみ) |
前 |
前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン |
後 |
前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,750mm |
全長 |
4,740mm(エクシーガ) 4,780mm(クロスオーバー7) |
全幅 |
1,775mm(エクシーガ) 1,800mm(クロスオーバー7) |
全高 |
1,660mm(エクシーガ) 1,670mm(クロスオーバー7) |
車両重量 |
1,480 - 1,590kg(エクシーガ) 1,620kg(クロスオーバー7) |
その他 | |
累計販売台数 | 5万3846台[1] |
系譜 | |
先代 | スバル・トラヴィック(事実上) |
後継 |
エクシーガ:なし クロスオーバー7:既存のアウトバックに統合 |
エクシーガ︵EXIGA︶は、SUBARU︵旧・富士重工業︶が製造・販売していた7人乗り乗用車である。生産はレガシィやインプレッサ同様、同社矢島工場︵所在地‥群馬県太田市庄屋町︶。
ミニバンモデルの﹁エクシーガ﹂としては2008年6月から2015年3月まで製造され、同年4月にはミニバンから大きく路線変更し、大幅改良を施したクロスオーバーSUVモデルのエクシーガ クロスオーバー7︵エクシーガ クロスオーバー セブン、EXIGA CROSSOVER 7︶が発売され、2018年まで販売された。本項では、その﹁エクシーガ クロスオーバー7﹂についても便宜上併記する。
概要[編集]
スバルでは、かつてドミンゴやトラヴィックとして、7人乗りの車種を販売していたが、ドミンゴについてはサンバーの排気量拡大版、トラヴィックについては初代オペル・ザフィーラのOEMであった。そこで、東京モーターショーなどでコンセプトカーという形で何度か提案をし、その流れを汲み、水平対向エンジンやAWDなど、スバルの特徴を強く表した、自社開発の多人数乗り乗用車として開発されたのが、エクシーガである。 スバルはこのエクシーガで、日本国内向けとしては2004年11月にトラヴィックが販売中止になって以来、約3年半ぶりに多人数乗りの乗用車を取り扱うことになった︵富士重工が自社で製造する日本向け車種としては、1998年10月生産終了のドミンゴ以来3列シート車として約10年ぶり。海外向けには2005年登場のトライベッカがある︶。なお、広告等においては、当初は﹁ミニバン﹂ではなく﹁多人数乗り車﹂と称していた[2]が、2012年7月の年次改良以降は﹃ぶつからないミニバン?﹄と言うキャッチコピーを展開。2015年4月にエクシーガと入れ替えで発売された派生モデル﹁エクシーガ CROSSOVER 7︵クロスオーバーセブン︶﹂では足回りや外観デザインなどが変更されたクロスオーバーSUVへと路線変更した。 3代目インプレッサ、2代目フォレスターと同様に﹁SIシャシー﹂を採用し[3]、プラットフォームをはじめとした部品の約50%をレガシィと共有している[4]。 発売当初は、燃料高騰やリーマンショックなどが重なり[5]売れ行きは伸び悩んでいたが、エコカー減税の開始、他車種同様スバルの年次改良によって年を追うごとに完成度が高くなり、売れ行きが回復している。当初、日本のみで販売されていたが[4]、2009年11月にオーストラリアにてリバティ︵日本名レガシィ︶の派生モデルという位置付けで、﹁リバティ・エクシーガ (Liberty Exiga)﹂として投入された[6]。また、インドネシアなど一部のアジア諸国でも販売されていたが、2017年現在は日本でのみ販売していた。2009年より衝突防止機能のEyeSightを装着したモデルが設定された。年表[編集]
発売まで[編集]
●1990年 - シカゴオートショーに車名は異なるが、約1,311mmという極端なまでに低い全高ながら8人乗りを実現した﹁SRD-1﹂を出展。[1]。
●1995年 - 第31回東京モーターショーに﹁α-エクシーガ﹂を出展[7]。
●1997年 - 第32回東京モーターショーに﹁エクシーガ﹂を出展[7]。
●1998年 - ドミンゴ生産終了。以降、エクシーガ発売まで自社製3列シート車不在となる。
●2001年 - 第35回東京モーターショーに車名は異なるが、似たコンセプトの﹁WX-01﹂を出展[2]
●2007年 - 東京モーターショー2007に﹁エクシーガコンセプト﹂を出展。G4eもそのプラットフォームで出展された。
●2008年5月19日 - 日本でティザーサイトが公開される。
●6月4日、ティザーCM﹁EXIGAティザー﹂篇 公開。
初代YA系︵2008年-2018年︶[編集]
エクシーガ[編集]
●2008年6月17日 - 日本での販売を開始。月間目標販売台数は2,300台と発表されている。 ●﹁7シーターパノラマツーリング﹂をコンセプトに、レガシィやインプレッサ、フォレスターなどで培ったワゴン作りのノウハウを注ぎ込み、乗員の全てがしっかり乗れる居住性を確保しつつ、走りの性能も引き上げた。 ●インプレッサやフォレスター同様、リヤサスペンションにダブルウィッシュボーンを組み込み、高い操縦安定性、優れた静粛性としなやかで上質な乗り心地を実現したSIシャシー︵SUBARU Intelligent-Chassis︶コンセプトを採用。 ●インテリアはグレードによりブラックとアイボリーに分かれ、フロントシートからサードシートまでの着座位置を徐々に高くすることで全席での見晴らしを良くした﹁シアターシートレイアウト﹂を採用。また、セカンドシートの頭上までを覆う開口部を確保することですべての席で開放感を味わえるようにしたパノラミック・ガラスルーフも設定した。 ●エンジンは、2.0LDOHC16バルブAVCS機構付NAエンジン︵148ps/19.5kg-m︶と同インタークーラー付ターボエンジン︵エクシーガ専用チューン225ps/33.2kg-m︶の2種類の水平対向エンジンを揃え、NAにはフロアシフトの4速ATを、ターボにはフロアシフトの5速ATを組み合わせており、スバル車としては珍しくMTの設定がない。燃費はNAが14.0km/L︵FF車︶、ターボは12.0km/L。 ●駆動方式はNAでは2WDとAWDが選べるが、ターボはAWD車のみの設定となっている︵同‥CBA-YA5︶。なお、スバルの2,000ccエンジン搭載車としては約10年ぶりにFF駆動を採用するが、スバル関係者によるとファミリーカーとして開発された以上、それまでスバル車に興味のない人にも購入のハードルを下げる狙いがある[8]︵ただし、後のマイナーチェンジでFF車は廃止された︶。事実、最廉価グレードのFF車の車両本体価格は200万円を切っており、ライバル車よりも安価な価格設定となっている。 ●廉価版である2.0iを除いた全てのグレードでアルミホイール︵2.0i-Lは16インチ、2.0i-Sと2.0GTは17インチ︶、スポーツルミネセントメーター、プライバシーガラス、フォグランプ、左右独立温度調整機能つきのエアコンなどが装備され、オプションでキーレスアクセス&プッシュスタートやパノラミック・ガラスルーフが選べるほか、クルーズコントロール&運転席パワーシート︵2.0i以外の全車にセカンドシートアームレストとともに﹁クルーズパック﹂として設定される︶、HDDナビゲーションシステムなども選べるようになっている。 ●また、スポーツグレードの2.0i-Sと2.0GTはターンランプつきドアミラーやエアロパーツ類が加わり、インテリアカラーもブラックとなるが、オプションでブラックレザーシートも選択可能。また、2.0i-Lにおいてもアイボリーのほかブラックが選択可能となっている。さらに2.0GTにはVTD-AWDやHID、SI-DRIVEも装備される。 ●2008年11月11日 - 第29回 日本カー・オブ・ザ・イヤー 2008-2009 特別賞﹁MOST FUN﹂ 受賞。 ●2009年9月2日 - マイナーチェンジ︵Bタイプ︶および特別仕様車﹁2.0i S-style﹂を発売。 ●﹁2.0i﹂を除くNA車にトランスミッションを5代目レガシィに採用されているチェーン式バリエーター︵主変速機構︶採用のCVT﹁リニアトロニック︵6速マニュアルモード付︶﹂を搭載し、走行性能と環境性能を大幅に向上させた。また、横滑り防止装置﹁VDC﹂の拡大設定や先進運転システム﹁EyeSight﹂を搭載したグレード﹁2.0GT EyeSight﹂を設定した。ボディカラーの変更を受け﹁オプシディアンブラックパール﹂が﹁クリスタルブラック・シリカ﹂に差し替えられ、﹁グラファイトグレー・メタリック﹂を追加して、﹁リーガルブルーパール﹂と﹁サンライトゴールドメタリック﹂を廃止。一部グレードに本革巻ステアリングホイールを採用。 ●特別仕様車﹁2.0i S-style﹂は廉価グレードの﹁2.0i﹂をベースにHIDヘッドランプ、ルーフスポイラーを追加した。エクシーガ クロスオーバー7[編集]
車名の由来[編集]
車名の﹁エクシーガ︵EXIGA︶﹂は、exciting︵心躍る︶、active︵活動的な︶の意味を込めた造語である[21]。脚注[編集]
(一)^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第58号17ページより。
(二)^ 7シーター パノラマ ツーリング 新型車スバルE X I G Aを発売 - 富士重工業プレスリリース︵2008年6月17日︶
(三)^ ︻スバル エクシーガ 発表︼しなやかな走りのSIシャシー - レスポンス︵2008年7月4日︶
(四)^ ab︻スバル エクシーガ 発表︼レガシィとの部品共通化は約5割 - レスポンス︵2008年6月17日︶
(五)^ スバルにとっては、バブル崩壊に巻き込まれ同社としては4年という異例の短命に終わった2代目ドミンゴを暗示させる嫌なものであった。
(六)^ abLiberty Exiga offers six of the best - Breaking News - Subaru Australia︵2009年11月2日︶
(七)^ ab﹁多人数乗り車﹂という言葉に込められたスバルの個性 - 日経トレンディネット︵2008年6月26日︶
(八)^ ︻スバル エクシーガ 発表︼FF車を設定したワケ - レスポンス︵2008年7月5日︶
(九)^ HP上ではあくまでレガシィ︵豪州名‥リバティ︶の一部としてラインナップされている。
(十)^ 先に発売されたリバティ︵5代目レガシィのオーストラリア仕様車︶2.5iと同スペック
(11)^ 当時、レガシィシリーズに搭載されている﹁EyeSight (Ver.2)﹂とは性能が異なっていた
(12)^ 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2012年9月25日
(13)^ スバル エクシーガを改良 あわせて特別仕様車﹁2.5i EyeSight S Package﹂を発売 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2013年8月19日
(14)^ スバル エクシーガを改良 あわせて特別仕様車 ﹁AIRBREAK︵エアブレイク︶﹂を発表 - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2014年7月17日
(15)^ 尚、AIRBREAKという名称の特別仕様車はかつて同社の2代目フォレスター(SG系)にも存在した。
(16)^ ﹃スバル 新型﹁CROSSOVER 7︵クロスオーバーセブン︶﹂を発売﹄︵プレスリリース︶富士重工業株式会社、2015年4月16日。2015年4月16日閲覧。
(17)^ ﹃スバル 特別仕様車﹁CROSSOVER 7 Modern Style﹂を発表﹄︵プレスリリース︶富士重工業株式会社、2015年12月10日。2015年12月10日閲覧。
(18)^ ﹃スバル 特別仕様車 CROSSOVER 7﹁Active Style﹂を発売~BOXERエンジン50周年特別記念車の第五弾~﹄︵プレスリリース︶富士重工業株式会社、2016年10月3日。2016年10月3日閲覧。
(19)^ ﹃スバル CROSSOVER7 改良モデルを発表 ~特別仕様車﹁X-BREAK﹂を追加~﹄︵プレスリリース︶富士重工業株式会社、2017年3月13日。2017年3月13日閲覧。
(20)^ トラヴィックと合わせると、16年7ヵ月。さらにドミンゴを合わせると、34年6ヵ月。
(21)^ エクシーガに関するQ&A﹃エクシーガのネーミングの由来を教えてください。﹄ - SUBARU公式サイト
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- エクシーガ クロスオーバー7|SUBARU
- スバルスピリット > CMライブラリ > EXIGA - エクシーガCMサイト
- チャンネルスバル(Channel SUBARU)
- リバティ・エクシーガ - スバル・オーストラリア